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2016年05月17日の記事は以下のとおりです。

リボルバー式

雨が降ったから吸血鬼を犯した。それだけだった。それだけ、つまり傘も差さずに土砂降りの校庭に向かう吸血鬼を昇降口で捕まえて、お誂え向きに鍵の開いた部屋に押し込んで犯しただけ。たんたんと。
「几帳面じゃのう」
満ち足りた顔で零が言う。
「ゴムなんぞせんでよかろうに」
レイプだった。
レイプ以外の何物でもなかった。合意など当然なく、ただ雨が降ったから犯さなければならないので犯した。ゴムをつけ、脱がせた服を畳み、うつ伏せに押し付ける床は綺麗なところを選んで犯した。そして零はそれに希望を見いだし晃牙は絶望している。だからレイプだ。
誰にとって?
「黙れよ」
黙り込んだ。
雨が降り続けている。もう一度犯した。
淡々と腰を振る晃牙の下で、吸血鬼は体をくねらせた。しなを作るような、媚びるような曲線だった。実際そう見えたのは晃牙だけで尻の穴と男性器の摩擦に苦悶の表情を浮かべる吸血鬼だった、ということにするべきで晃牙は気持ちよくなかった。そういうことにするべきだ。雨音のような単調なレイプ。零にとってレイプにしたかったから晃牙は再びゴムをつけた。零と隔たりを作ってこれはレイプだと示すように抱いた。レイプである必要があった。雨の中を行くのと同じくらい酷いことをされているのだと教えなければ、晃牙は、望まれているから教えなければならなかった。吸血鬼は水が禁忌だから。射精して吸血鬼の腸が満たされる。水に近い色の液体。水は雨になって吸血鬼と晃牙を包囲している。
「お腹空いたのう」
死ぬほど酷い目に遭った、2度も遭った吸血鬼がへらりと笑って身を起こす。痣ひとつない美しい、この上なく完璧で十全な肉体が人質に取られていた。命を命とも思わぬ態度で零はいた。
レイプしたのに。
「猥雑な言葉を使うでない」
なら銃の手入れだった。銃の手入れをするように行うべきレイプ、たんたんと、リボルバーから弾丸を抜き去り分解する。部品をくまなく磨き上げ、収まるべきところに全てを収め、弾丸を込め直し、構える。構えた。構えているのは朔間零だった。弾丸ひとつない銃。
「今日の日替わりなんじゃったかのう?」
「知るかよ」
自殺用リボルバーを向けさせながら、晃牙が答える。

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