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2011年07月の記事は以下のとおりです。

東秋140

 

力のままに掻き抱かれて、秋山の身体は歓喜に打ち震えた。
声もなく肩口に顔を伏せる東郷は涙に暮れている。最愛の妻を失った上司の肩は細く、きっと秋山が一瞬の後に引き離して万感の思いを口づけに変えたとしても、貴方は悲しみに飲まれて抵抗しない。
嗚呼、あれ程望んだ人が、今はこんなにも近い。

東秋へのお題:抑えきれる程度の想いだったらよかった/(ようやく会える)/見せず聞かせず、最後に口を塞いでしまおう ttp://shindanmaker.com/122300

 

 

愛しい人に呼ばれた気がして振り向けば、貴方は娘を抱き上げたところだった。
娘を膝の間に立たせて滑り降りると、雲間から覗く太陽が、後を追うようにゲレンデを照らす。娘は七色の反射光に歓声を上げ、夢見るように父に寄り添った。
銀世界を先行く貴方のシュプールに、私のそれは交わらない。

東秋へのお題:虹色のシュプール/「ほら、おいで。」/どんなに想ったところで伝わらない、届かない ttp://shindanmaker.com/122300

 

 

夜のとばりは落ちて、部屋の照明も長官のしなやかな指によって落とされた。
その指はそっと髪を掻き分けて私のうなじに辿り着き、じきに私を素晴らしい夢現に連れて行くけれど、私はその優しさが明日のとばりの裾あたりで他の女性に与えられることを知っている。
時間よ止まれ。
願う端からよがあける……

東秋へのお題:とくべつなこと/(時間なんて、止まればいいのに)/夜のとばりは落ちて、 ttp://shindanmaker.com/122300

 

 

昼食を前にして合わせた手は、「秋山、お前の力が必要だ」と東郷先輩に引かれて競技場の日を浴びた。
聞けば昼休みに賭け試合をするらしい。
20人相手じゃ不利だから、と後輩を呼んでどうするのだろう。
「お前さんがいたら無敵だろう」
そうしてあの時の焼き豚定食は冷め、私は恋い焦がれ続けている。

東秋へのお題:どんなにかっこわるくても。/(たすけて、くるしい。きみがほしい)/きみがいること=無敵ってこと ttp://shindanmaker.com/122300

書いてから「これはねーわ」と思った。反省している。

 

 

孫の遊ぶ姿を妻と茶をすすりながら縁側で眺めるのが夢なんです、と言うと貴方はじじくさいと笑って、叶うといいなと言った。
軍人らしからぬ夢だったから。
なのに貴方の厚意を裏切って、私は日も高い内から艦内の自室で快楽を貪っている。
性を覚えたての子供みたいに。
他ならぬ貴方と。
ねえ東郷長官。

東秋へのお題:蹴ったのは夢だった/「わらってよ。」/中学生が笑うほどの欲望 ttp://shindanmaker.com/122300



ふと手に寂しさを覚えると、見透かしたように長官の両手が私の手を包んだ。振り向くと、長官が穏やかな笑顔で私を歓迎している。ここは私と東郷さんのちいさな箱庭。私は何を求めてもいいし、東郷さんに何をされてもいい。だから、愛して下さいと言うより早く、私は東郷さんに唇を塞がれる。男を愛する趣味はないと言っていたはずなのに、不思議なことだ。けれどどうしようもなく嬉しくて、背中に回した腕が離せない。
四肢に回された機械の管も、きっと離されない。

東秋へのお題:手をつないで、微笑んだら/「あいして、」/ちいさな箱庭のなかで ttp://shindanmaker.com/122300

 

 

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