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2016年03月19日の記事は以下のとおりです。

この後めちゃくちゃ同棲した

「卒業できてよかったのう、天祥院くん。単位は足りたかえ?」
「そちらこそ留年を免れたみたいで本当によかった」
「ふたりとも無闇に火種をつくるな……」
晃牙が人混みをかき分け会館前に辿り着くと、零はいつもの様子で天祥院と会話していた。会話というと聞こえが良いが嫌味の応酬、言葉のデッドボールの乱発に思える。そんな蛇とマングース2匹を仲裁する蓮巳は心底あきれた顔で、「せっかくのめでたい日に」とため息を吐き、それでも目尻にキラリと光る跡があった。
「ありゃ死ぬまで変わんねぇな」
声を掛けるタイミングを逸した晃牙の傍らに、いつの間にか鬼龍が佇んでいた。
「旦那もよく取り持つぜ。挨拶みたいなもんだからほっときゃいいのによ」
そう笑う鬼龍の鼻頭も赤らんでいる。
「あん? 鬼の目にも涙とか言うなよ」
「……言わね~よ」
「そうか。ま、そうだな」
鬼龍は赤い髪を春風になびかせ静観していたが、ふと蓮巳を呼び付けるとどこかへ連れていってしまった。「朔間さんをよろしくな」連れ立つふたりの胸にはユニット名と揃いの薔薇が咲いている。姫宮を抱きしめる天祥院の胸元にも、思い思いに散らばる卒業生の胸元にも。
そうして彼らに駆け寄る後輩たちの目元も赤い。
「ばっかみて~」
晃牙は独りごちると零の元へと歩いていった。どうせ明日からも毎日会う、自分の家で。実家に帰りたがらない恋人は、後輩兼恋人の下宿に住みたがるだろう。仕事がどうなるかはわからないが朝飯くらい共にとれるだろうし、時間が合わなくとも寝台はひとつだ。おはようまたはおやすみを交わして始まる明日を思うと溢れかけた涙も引っ込むというものだ。
だから泣かない。朔間先輩の学院生活の最後は大好きな後輩の笑顔で飾ってやるのだ。


というつもりで零の手を取って軽音部室に連れて行き、自分のギター、ひなたのベース、ゆうたのキーボードで追い出し会の開会を宣言しようとした晃牙は部室の異変に気付いた。
「なんか……広くね~か?」
部活動に予算の割かれないアイドル科では、とうぜん部室も猫の額だ。いつもぎゅうぎゅう詰めになってセッションする広さが今日に限ってレッスン室並み、春風が人と人との間をびゅんびゅん吹き荒ぶなんて一体どうしてだろう。
まさか吸血鬼には部屋を伸び縮みさせる能力なんてないだろうし、人が急に小さくなったはずもない。ということは「広い」というより「物足りない」が正しいが、一体何が欠け――
「棺桶ないですよね、朔間先輩」
「うむ、新居に送った。……どうした、晃牙?」
ぽかんと間抜け面で立ち竦む晃牙を、零は不思議そうに覗き込んだ。
タイムリープでもしたかえ、例えば1年前に。零の声が遠く聞こえる。ナンセンスな冗談を笑う余裕なんてなかった。
「……しんきょ……?」
「うん? そうじゃ。実家に帰るのもアレじゃしのう。かといって棺桶ごと追い出されてもかなわんから、昨日さっさと決めてきたぞい。ほれ、住所はここじゃ」
「わ~、中華街の近くですねっ? 駅近で良い立地♪」
「めちゃくちゃ遊びに行っちゃいますね~♪ 引越し祝いに肉まん持ってきますっ♪」
零は新居の地図を学院グッズのネコミミメモに書きつけると、丁寧に畳んでひなたとゆうたに渡した。ネコミミメモとは猫耳などを生やしてデフォルメされた生徒の姿をかたどった折りたたみ式のメモである。零はこれを可愛い可愛いと特に気に入って、隙あらば誰かに渡そうとする。おかげで晃牙の机はすでに3匹もの零に占拠されて賑やかだ。
4匹目のネコミミメモを渡された晃牙は、ぐい、と突き返した。
零は首を傾げて受け取ると、晃牙の肩を見た。ぶるぶると、痛々しいほど震えている。
「俺んち……こね~のかよ……っ」
「おお……?」
「一緒に住むんじゃね~のかよっ! この、クソ野郎~~~~っ!!」

部室を飛び出して夢中で走るうちに、景色は人の群れから草花の群れへと変わっていた。
どうやら庭園の奥の奥に迷い込んでしまったらしい。草木の生い茂るそこは春の訪れを喜ぶ花で溢れていて、晃牙の歪んだ視界を七色で鮮やかに彩る。
「う、ううぅ……っ」
喘ぎながら走ったから、とっくに膝はがくがくだ。力無くしゃがんだ拍子に涙がひと粒だけ溢れてしまう。
「うっ、うぐっ、くそやろうぅ~……!」
――クソ野郎、クソ先輩、クソ吸血鬼!
ひと粒溢れるともう止まらなくて、晃牙は誤魔化すように声を張り上げた。
「何が新居だよ! 俺んちじゃね~じゃん! せっかく掃除して棺桶置く場所も作ったのに! 食器とか買い足すモンもリストアップしたのに! 食いもんとか飲みもんとか、好きそうなヤツ補充してやったのに! あっ、明日からっ」
ずっと一緒にいられるって、思ったのによう……!
晃牙はとうとう声を詰まらせて泣いた。抱えた膝に顔を伏せるとスラックスが熱く濡れていく。悲しくて悔しくて、ますます悲しい。朔間先輩の卒業も、会えない時間が増えていくことも。スキの大きさがこんなに違っていることも。やっと素直になったのに、こんなことで拗ねて飛び出してきたことも。大好きな朔間先輩を罵って、最後にあんな悲しい顔をさせてしまったことも……。
「……っ……?」
そうやって泣きに泣いて疲れた頃、晃牙の鼻に甘い香りが運ばれてきた。
甘ったるくて瑞々しい、零がたまに纏う匂いだ。ハッと身を起こして辺りを見回すが、物憂げに黒髪を垂らした姿はどこにもない。
代わりに色とりどりの満開の花々が目に飛び込んできて、晃牙は恋しい香りの本当の持ち主を知る。
「なんだ、テメ~かよ……」
こんなときでも想い人の跡を辿っていた自分に呆れる。呆れて、心が穏やかになるのを感じる。
「だいたいよう……」
――だいたい水くさいのだ、付き合っているのに。さんざん飼い主ヅラしてわんことか呼んどいて、一緒に住まないとかどうかしてる。ムカつくから一発殴らせてほしい。
過激なキモチが涙の代わりにどんどん口をついて出てくる。好きなら住むんじゃね~のかよ、ゆうたに痴話喧嘩と言わしめ羽風先輩からはラブラブだと弄られたほど返礼祭で愛を確かめ合ったのに。大好きだと言う代わりに想いのすべてを歌とダンスに乗せてぶつけて、3倍返しどころか10倍返しはしたはずなのに。
「ん?」
『大好きだと言う代わりに』? 告白したんじゃなかったか?
「んん? 」

……!?!?

 

「おかえりなさい~」
「お菓子開けてますよ~」
息を切らして部室に戻ってくると、部長以下3人の部員は追い出し会のお菓子になごやかに手をつけていた。
「早かったのう、わんこ。おしっこかえ?」
「……ゴメン!」
唇をすぼめて棒菓子を食べる零に勢いよく頭を下げる。零も葵兄弟も驚いた様子だったが、晃牙は構わず釈明する。
「俺、すげ~勘違いしてた。……その、あんたと俺の関係を。マジでごめん……」
「いや、我輩こそすまんかったのう。付き合ってすぐに同棲なんてと気を回しすぎた」
「わかってんじゃね~か!」
この後めちゃくちゃ同棲した。

フォーチュンボーイはお年頃

 

 

「あ、あのっ、脱がしたいっす」
「いいぜ」
「そりゃそうっすね、いくら恋人でもされるがま……えっ?」
――山田さんも寝静まる深夜のエーデルローズ寮。香賀美タイガ、つまり俺の部屋。
普段使いしている方のベッドの上で、一生のお願いはいとも容易く叶えられてしまった。
「いいんすか!?」
「おう。……つっても、あと下着くらいだけど」
「それは別にいいっつーか、それがいいっつーか」
後ろを向いて、小さくガッツポーズ。
いざそういう雰囲気になっても、カヅキさんの着衣は絶対不可侵領域だ。先輩の服を脱がせるなんて恐れ多くて申し出られなかった。その最たるもの、つまり下着を剥かせてもらうなんて何度抱き合っても考えてもみなかったが、そこは健全な男子、いざ隙だらけの下着姿を見ると口が止まらなかった。
「いいんすか? いいんすよね……?」
「狼狽えんなって。俺がいいんだからさ」
かわいいよなお前、なんてこぼして、カヅキさんは俺の頭をくしゃくしゃ撫でる。俺に何度も聞き返されたせいか、カヅキさんの頬までうっすら赤い。
カヅキさんがベッドの端から俺の目の前まで近づいて、細いのに逞しい両腕を俺に伸ばす。両手を広げて、welcomeのポーズ。
にぱっとしたいつもの笑みではなく、ふたりきり限定の笑顔が視界一杯に広がった。
「……俺ら、付き合ってるもんな」
マシュマロみたいなキスの感触と慰撫するような甘い声に、生ぬるいんすよと憎まれ口を叩くしかなかった。

「じゃ、よろしくな! ……けど、」
カヅキさんは素直にうつ伏せになると、顔だけ振り向いて、
「前からの方が取りやすくねーか?」
恥ずかしそうに言った。
「…………」
わからない。わからないが、カヅキさんの小ぶりな尻が褌をキュッと挟んでいるのを、まじまじと見る。
六尺褌は日本男児の証だ。ストリート界のカリスマとして誰よりも雄々しく振る舞うカヅキさんに良く似合う、チャラチャラしない男らしい下着。……のはずなのに、先輩の浅黒い肌が着けると妙にいやらしい。
「タイガ?」
「――はっ、ハイ! 失礼しゃすっ」
両手が震えている。聖域を侵す緊張は抑えきれないが、何もしないでいるのも先輩を不思議がらせる。
南無三、と褌と尻の間に指を差し込んだ。
「う、」
いざ触れてみると、先輩の尻は搗き立ての餅のような程よい弾力で人差し指を押し返してきた。そりゃそうだ、先輩は男なのだから。
脂肪でぷにぷにしているでもなく、カチカチの筋肉質でもない。プリズムショーで鍛え抜かれたしなやかな筋肉は、俺の指の下で静かに息づいている。
「……けっこー、キツイっすね……」
誤魔化すように褌を話題にすると、「踊ってるときにずり落ちないようにな」なんて妄想を逞しくさせる回答が返ってきた。ずり落ちたらカヅキさんはどうなってしまうのだろう。恥ずかしがるのだろうか、男らしくその場で締め直すのだろうか。
……脱がしたいとは言ったものの、褌の構造は知らない。布きれ1枚で、どういう着け方したらこんなに締まるのだろう。
現に尻肉に褌の跡がついている。擦れてヒリヒリしないんだろうか? いたわるようにそこに触れると、カヅキさんが息を詰めた。
「す、スンマセン」
「っあ、こそばい、って」
先輩の腰がくねって俺の指から逃れる。追い付いてもう一度撫でる。
「は、んん」
「カヅキさん……」
「ぅあ、っく、はっ」
親指を沈めるようにゆっくりと撫で上げると、親指と人差し指の間に乗った尻肉がつられてむっちりと持ち上がった。桃尻とはよく言うけれど、カヅキさんのそれは本当に齧り付きたくなる見た目だ。それも、ジューシーな果汁の代わりに肉汁が溢れ出そうな、ふかふかの肉まんじゅう。おもわず両手の指を広げて掴めば、肉まんじゅうがびくりと強張った。「おい……っ」あわてて謝りながら、五指を揃えてむちむちの皮膚を撫で上げる。
尻たぶに指をくまなく往復させた次は、谷間の線をなぞることにした。割れ目と言うほうが正しいだろうか。肉まんを割る要領で尻たぶを押し開き、褌の下に指を滑らせる。尾てい骨のあたりまでつーっとなぞってみても反応は薄い。ふだん歩くときとかに褌と擦れるから、気にならないのかもしれない。
どさくさに紛れて窄まりのシワを押せば、先輩の口から吐息ひとつ。思いがけず快感を拾ったらしい。
「馬鹿、そんなとこ撫でんな……っ」
「…………」
エロい。
先輩に気付かれないようこっそり生唾を飲み込む。
こうして見てみると、なんともいやらしい光景だ。ハリのある尻肉は刺激に備えて締まり、愛らしい尻えくぼができている。寄せられた尻たぶの最奥、純白の木綿からそっと覗くのは薄ピンクの窄まりで、妖しく誘われている気さえした。
もちろんカヅキさんにそんなつもりはないのだろう。かわいい恋人の性質の悪い悪戯だとすら思っているかもしれない。そう思うと、カヅキさんの厚意につけこんでくすぐることに罪悪感がわいてくる。
それでも思春期真っ盛りの好奇心が、指先を無遠慮に動かしてしまう。すみませんカヅキさん、カヅキさんの肉まんもとい尻を揉める機会なんて、そうそうないと思うんです。こんなに淫猥なことをしてしまったら、次から先輩に断られる気がして。
「はっ、あ、……っ……さっさと……なあ……ッ脱がせてくれよ……っ」
尾てい骨の上、腰骨、脚の付け根……わざとゆっくりとした動きで褌と肌の合間をなぞっていけば、カヅキさんの息も上がっていく。
先輩の尻たぶは両手に収まるほど小さいけれど、筋肉で張り詰めている。その筋肉が、指の動きに感じて引き締まったり緩んだりするのはすごく面白いし……エロい。
いつの間にか汗ばんでいたからか、カヅキさんの尻が俺の手のひらにしっとり吸い付いてくるのなんてたまらない。
「――ひゃ、っ」
あえて頭の方に向かって布を引っ張り上げると、先輩はとうとうあられもない声を上げた。急いで両手で口を覆っても遅い。先輩のかわいい声はとっくに記憶している。
「こ、こら! ……っあ!?」
もっと聞きたくて何度も小尻に食い込ませれば、その度にカヅキさんは女みたいな声を零して泣く。「あっ、あ、うぅ!」当然だろう、褌を引っ張り上げるということは木綿に包まれた性器も持ち上げるということで、マットと体に挟まれた先輩のペニスは擦れて気持ちいいに違いない。いわゆる床オナ――カヅキさんがオナニーしてるところなんて想像つかないが――状態だ。
「ぁ、ア! ひっぱんなっ、よぉ……っん……! あっあ、ひぃ……っ!」
「カヅキさん、やらしーっす……」
「はっ、んン、ふざけっ、くうぅ……っ!?」
カヅキさんの腰が大きく跳ねた。俺の手が前張りごとペニスを掴んだからだ。散々尻を苛められたおかげで、そこは先走りでぐっしょり濡れている。
イヤイヤとかぶりを振るカヅキさんの後頭部を見ながら、わざと性器を強く擦った。もちろん褌を性器に張り付かせるように、だ。
「ひっ! あ、ばか、ぁーっ……!」
そうして10分は先輩をいじめて、褌を弄るのに飽きた頃には、カヅキさんの後孔は真っ赤に腫れ上がりひくついていた。
広くない部屋に、二人分の呼吸の音がやけに響く。ぐったりとマットレスに沈む先輩の尻には、褌だったものが申し訳程度に纏わりついている。行き当たりばったりだったが、褌を脱がせることには成功したのだ。
……でも。
「カヅキさん」
「んう……?」
「このまま挿れていいスか……?」
先輩は真っ青になって振り向いた。抱き合うために脱がされているのだと忘れていたらしい。
そんなかわいそうなカヅキさんに「大丈夫っす、痛くしないんで」とは言えない。優しくする理性なんてとっくに擦り切れたのだ。
カヅキさんの表情とは裏腹に、窄まりは期待するみたいに収縮している。

「あっ、んぐ、っ、ア、ぁっ」
後ろから何度も前立腺を抉るように突き上げると、カヅキさんは喉を震わせて甘く泣いた。
根元まで押し込んだらすぐカリ首まで引き抜いて入口の肉をめくれ上がらせる。そうするとカヅキさんの中はきゅうと吸い付いてわななくのだ。亀頭が腸壁にゴツゴツと当たって気持ちいいのだろう。腰を打ち付けるたびに締め付けが強くなり、今や腰を引くにも苦労するほどきつく咥え込まれている。けれどそれは同時にカヅキさんも苦しめているということで、カヅキさんは排泄感に似た快感にすすり泣くばかりだ。
「ぁう、っ、アッ、いい、いぃ……っ」
「カヅキさんっ、カヅキさん……っ!」
後ろからだと顔が見えなくて悔しい。きっとカヅキさんはとんでもなくいやらしい顔をしているのだろう。伏せたまぶたを震わせて、薄い唇は半開きで、ストリートのカリスマだなんて忘れたようなだらしない顔。
3歳も年上のこの人が、後輩の手で良いようにされて泣いている。先輩をここまでにしたのは他の誰でもない自分だ。キスすら恥ずかしがる先輩に土下座して頼み込んで、ベッドの上でおそるおそる下を触れ合わせるところから始めたのに、カヅキさんはいつの間にか誰よりも男らしく快楽を求めるようになった。だから俺もカヅキさんとより高みへ上っていけるよう頑張って――AVとか雑誌とか見て――技を磨いた。ベッドの上も男の戦いの場だ。
今日は最初の攻めが効いたのか、俺の圧勝だ。カヅキさんは言葉を忘れたように喘ぎっぱなしの感じっぱなし。男冥利につきる。
カヅキさんの真っ赤な耳たぶを甘噛みする。「ぁ、」オバレの基本衣装は先輩のかわいい耳を隠すのが惜しい。先輩は感じやすいから仕方ないのかもしれないが。たとえばこんな風に。
「……カヅキさん、好きです」
「ひっ……!」
「すげぇ嬉しいっす、こんな、俺」
毎日祭りっす。何がどう祭りか囁かなくても、頭のいい先輩はわかったらしい。キツい後ろをさらにきゅうきゅうに締め付けて、直腸全部でハグしてくる。
無限ハグするのは恥ずかしい、と先輩は言っていた。そのままでいてほしい。そうすればこうして全身で抱き締められるのは香賀美タイガただひとりになる。
先輩に俺を刻みつけるために腰を大きくグラインドさせる。先輩は後孔のヒダの引き攣れる感覚に背中を反らす。追いかけるように背中を抱きしめる。その拍子にさらに深く繋がって、カヅキさんがぶるりと頭を打ち振る。
そうして、振り向きざまに、言う。
「……っお、れも、ぁ、す、すき……っ! すきだ……っあぁああぁ!?」
――反則だ。
奥の奥に捩じ込むように腰を打ち付けながら、先輩の無邪気さに歯噛みした。「あっあぁ、ア! なんで……っ!」さらに質量を増した俺自身に愕然としたらしい先輩は、前立腺を突かれてまた直ぐに言葉を忘れたようだった。今にも射精しそうな硬さの性器が膨らんだのだから当然の反応だ。はじめての大きさと硬さでガツガツと抉られて、カヅキさんの喉が仰け反る。
「はっ、ぁ、たいっ、たいがぁ、あぁっ」
「カヅキさん……っ」
お互い限界が近い。カヅキさんの理性は途方もない快感に塗りつぶされ、獣のように尻を揺さぶらせている。
こみ上げる射精欲と戦う俺は、そんなカヅキさんから目が離せなかった。
あんなに男らしいプリズムジャンプを魅せるカヅキさんが、俺のことを性的な意味で好いて、四つん這いで犯されて感じている。頭をガツンと殴られたような感覚だ。まだカヅキ先輩のことを神様か何かだと思っているのだ。カヅキさんも人間でオトコで、セックスもする。
こんな風に、甘ったるい声で喘いで尻を突き出して、俺を欲しがってる。
「……イく……っ!」
――そのとき。
カヅキさんが顔だけで振り向いた。予想通りのトロトロ顔、ではなく俺という獲物を捕らえた雄の顔をしている。捕らえただけじゃない。雄獅子が獲物の喉笛に牙を立てて仕留めた顔で、カヅキさんはうっそりと笑う。
「――ッ」
カヅキさんの腹の中で、屹立がぶわりと膨らんだ。精液が精?から勢いよく送り出されてくるのを感じる。先輩に求められている。直腸ヒダが精液を渇望するように俺の根元から亀頭に向けてぞりぞりと締め付け搾り上げ、一滴残らず吸い取ろうとする。
「カヅキさん……っ!」
「ぁ、あぁ――……!」
そうして俺は、先輩の最奥に熱い精液をぶちまけた……。

 

 

「……俺も、ボクサーパンツでも穿こうかなぁ」
「えっ!」
先輩の体を濡れタオルでくまなく清め終えると、カヅキさんは擦れ切った声で呟いた。
「なんでですか! すげぇカッコいいのに!」
「なんでって……」
わかるだろ、と言葉を濁した先輩の頬が赤い。カヅキさんには珍しいジト目で見上げられて、俺はすぐに自分のしでかしたことに思い至る。
「すすすスイマセン! すんませんマジで馬鹿でした……!」
「ったく……もうすんなよ? すげーヒリヒリするから」
体液でぐしょぐしょなのと後孔が擦れて痛いのとで、今のカヅキさんはノーパンもといノー褌だ。心もとなさに脚をもぞもぞさせては俺の方を恥ずかしそうに見るから、申し訳なさと愛おしさがこみ上げてくる。
「……けど」
俺にタオルケットを掛けられながら、カヅキさんが頬杖をつく。片足はお尻の方に蹴り上げて、楽しいことを思いついたときみたいにぶらぶらさせている。みたい、というよりその通りなのだろう。
隣に寝転んだ俺を引き寄せて、破顔一笑。
「タイガも褌にするなら、考えようかな」
「ええ……!?」
そしたら覚悟しとけよ、と笑うカヅキさんは最高にカッコよくて、俺は不安と不純な期待にドギマギしながら朝を待つのだった。

 

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