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2016年10月04日の記事は以下のとおりです。

描写練習・川

文章書きに送る50枚の写真お題(http://petit.hotcom-web.com/50photo/)


 ※

橋の上、先輩が先を歩く。俺が着いていく。先輩の日傘の影が俺の行く先を塞いでいるような気がした。勘違いだと思いたかったが、それでもう2歩分あいている。
告白なんてしなけりゃよかった。
俺が溜め息をつくのと、朔間先輩が欄干に寄りかかったのとは同時だった。
「晃牙、ごらん」
先輩は日傘の下から、欄干の向こう側――橋の下を通り、遠くに延びてゆく川の流れを指さしていた。
横に立って同じ景色を見た。横にといっても、1人分の距離を置くのは忘れないけれど。
そうして、なんてことない川だな、と思った。
西日が土手に遮られ、川に大きな影を落としていた。仄暗いその中で、小さくて浅い川が土手の間を緩やかに流れている。川底の小石で水面を波打たせながら、さみしげな音を立てて、どこか知らない場所へと。緩やかに弧を描き、終端は見えない。
小川に寄り添うように、右の土手で並木が生い茂っていた。そうして静かな水面に頭を垂れていた。あの木の陰で遊んだらたくさん魚がとれるだろうな。似たようなことをしたと思い出して、懐かしくなる。朔間先輩も俺も高校生で、俺が意地を張っていた頃の夏の思い出。
水しぶきの鮮やかさも肌を焼く太陽の激しさもここにはない。もう何年か経った、穏やかな秋の午後。
まだ俺は意地を張っているのだろうか。先輩に断られても泣いて縋って、朔間零の傍にいたいと言えないなんて。
「それでいいんじゃよ」
そう声がして、振り向いたときにはいなかった。
それが最後だった。
川のせせらぎと風が並木を揺らす音とが、鼓膜を甘く撫でていた。

 

お題写真
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