12月
・年末恒例のNCWPタッグトーナメントを中心としたシリーズが開幕。
・優勝候補には、内藤・荻原組とディフェンディングチャンピオンの一草・加藤組の2チームが選ばれた。
・一回戦で瀬田・桧山組を破った内藤・荻原組は、準決勝で仁村・石和組も粉砕。圧倒的ナ強さで決勝に駒を進め、優勝に王手を掛けた。
・もう一組の優勝候補である一草・加藤組は一回戦で野村・鈴木組を下し、準決勝へコマを進めるも、準決勝では式島・塚間組に惜敗。一草・加藤組の二連覇の夢は潰えた。
・式島と塚間、ヘビーとジュニアの両シングル王者からなる正規軍世界王者チームは、一回戦で因縁の刈馬・佐倉組を下し、準決勝では塚間が加藤を抑え決勝へ進出。
しかし、式島は年末のタッグトーナメントでは幾度となく決勝へ駒を進めるも、いまだに優勝経験はない。この大会は式島にとって鬼門とも呼べる大会である。
・内藤・荻原組 対
式島・塚間組という組み合わせで迎えた決勝戦では、試合前にドキュメントタッチの映像で四人の人間関係が映し出され、試合開始前に観客のボルテージを上げた。
式島と荻原は同期であり、かつては永原とともに次期エースの座を争った間柄である。エース争いは最終的に永原が制した形になったが、永原が引退し、その後は式島が名実共にトップに君臨している。
一方で荻原は、海外へ主戦場を移したが、ケガが原因で海外での現役を引退。しかし、若手時代から夢見ていた東洋王座への夢を捨てきれず、引退間際の最後の挑戦として、昨年10月にNCWPに復帰した。式島には水を開けられた形となったが、何年経ってもライバルはライバルである。
・また、内藤と塚間にも因縁がある。内藤はもともと塚間の付き人で、かつてはこの大会にタッグを組んで参戦した事もあり、内藤のサンダーファイヤーボムは塚間から盗んだものである。内藤にとって塚間は、助けられた恩人であり、自分にとって唯一のプロレスの師匠であると常々語っていた。
塚間の方でも、内藤へのパッシングが多かった時期でも、「俺はいつでもアイツの味方だよ」と全面的に内藤を支持してきた。この関係は内藤が反乱を起こした後でも変わる事はなかった。
対照的に、式島は先シリーズで付き人の佐倉に裏切られ、候補にあげられながらパートナーに選ばなかった塚間を代役としてパートナーに選んでいる。
現統一クルーザー級王者であり、NCWPジュニアの生ける伝説とまで言われる塚間には、屈辱的な話である。
11月シリーズでは、二人の関係はギクシャクしたままで、負ける試合もあったが、トーナメント一回戦で刈馬・佐倉組に勝利した事で、関係には改善が見られるようになった。準決勝の一草・加藤組との対戦は、二人の強い絆がなければ勝てない戦いであった。
式島と塚間の二人には、やはり長年正規軍のトップとして共に歩んできた絆があるようだ。
・内藤と荻原もまた、共に海外で戦ってきた間柄である。荻原いわく、「内藤とはプロフェッショナルな関係が多かったから、プライベートな付き合いは少なかったけど、海外でやってきた人間にしかわからない共感がある」という。荻原はカナダのカルガリー地方を主戦場としていたためにアメリカ東海岸にいた内藤との交流は難しかったが、それでも遠征などで近くに来た時は必ず連絡を取り合っていたという。
数年ぶりにNCWPに復帰した荻原と内藤は、共に変化したNCWPで『浦島太郎の気分』を味わっている。内藤がパートナーに荻原を選んだのはそういう理由からであった。

・このような経緯もあり、2005年のトーナメント決勝戦は、構図として面白く、また話題性のある対決となった。
・荻原もヘビー級としては小柄だが、それでもやはりヘビー級の試合にクルーザー級の塚間は不利。
内藤組は、式島と塚間を分断すると、塚間を捕らえ集中的に攻める。一方で、捕まる塚間に対して、式島は試合の権利こそなかったが、レフェリーの死角をついては積極的に試合に介入して塚間をフォローした。
・関係を修復した式島・塚間組は共にシングル王者という個々のポテンシャルも相まって、徐々に力を発揮。
内藤・荻原組が楽に制するだろうとこの試合は、塚間の健闘で思いのほか激しいものとなった。
、
30分を過ぎ、内藤組にも疲れが見え始めた所で、塚間が注意を引き、式島が内藤に背後からイングラムプラント。

荻原のカットは塚間に阻止され、3カウントと共に試合終了のゴングが鳴り響いた。
式島は先の世界王座戦での勝利を再現してみせ、NCWPタッグトーナメントで初優勝を果たした。
・年の瀬も押し迫った頃、NCWPのかつてのエース氷上龍斗が緊急入院。余命数日と宣告される。
11月
・11月シリーズが開幕。
タッグトーナメント戦に向けた本シリーズは、例年であれば、年間で最もカード変更の多いシリーズでもある。
しかし、今年は昨シリーズ中に選手登録が完了してしまったため、予選試合もなく、通常のシリーズとなるはずであった。
・しかし、シリーズ中盤にケガ人が続出。中でも、東洋王者坂田の負傷は大きく、刈馬はパートナーが不在となった。
・トラブルは続く。米国ルールに則り、リマッチとなったWWC世界無差別級タッグ選手権試合で、カナダ血盟軍ビート・スチーム組が王座奪還。
荻原と野村がやっとの思いで取り戻したベルトはわずかひと月で前王者の手に戻ってしまった。
・タイトル喪失後の荻原組の解散を受け、刈馬は野村と佐倉にモーションを掛け、リング上でタッグ結成を呼びかけた。
・刈馬のモーションに対し、本命の野村は興味を示しつつも、数日にわたってはぐらかし続けたが、その間に佐倉が式島を裏切り刈馬に接触。「背水の陣の覚悟で決めました。俺にはもう帰る所がありません」とマイクアピール。その覚悟に胸を打たれた刈馬は佐倉とのタッグをその場で発表した。
・この騒動に対して、パートナーを奪われた式島は激怒。佐倉を誘惑した刈馬への怒りもあったが、付き人の佐倉に裏切られた衝撃は絶大なものであった。
・一方、騒動を盛り上げようと返事をはぐらかしていた野村は肩透かしを食らい意気消沈。刈馬とのタッグでなら優勝候補にもなれただけに、野村としては後輩の佐倉にチャンスを奪われ、"してやられた"格好となった。
・式島はパートナーを塚間に選んだが、佐倉の後釜と云うポジションに塚間は不満を訴え、式島・塚間組の関係はギクシャクしたものとなった。
しかし、式島は「塚間はプロ中のプロ。試合となれば、チームワークに問題はない」と発言して、塚間をプロとして評価する事で事態の収拾を図った。
・その他、清水もケガが原因で戦線を離脱。加宮のパートナーには軽量級の鈴軒が選ばれた。
・最終戦のメインは、新生インディペンデント世界王座戦。
王者一草はメキシコのエル・ビオレンシアを相手に防衛戦を行い、防衛に成功。また、セミファイナルでは内藤隆広とロベルト・カルナーダのシングルマッチも行われ、この試合はファンから高い評価を受けた。
10月
・10月シリーズがスタート。
年末に行われるタッグトーナメント戦のパートナー選びおよび調整試合が主軸となるこのシリーズは、年間で最もカード変更の多いシリーズでもある。
・動向が注目された内藤は、ベテラン荻原とタッグを発表。一躍優勝候補に躍り出た。
・東洋王者は坂田はシリーズ開幕前に刈馬をパートナーに指名するが、刈馬が難色を示し、返答を保留。シリーズ終盤にタッグで当たった両者は、坂田が逆さ押さえ込みで再び刈馬をフォール。刈馬は今の坂田とのタッグなら優勝を狙えるとし、坂田・刈馬組の参戦も決まった。
・世界王者式島は、パートナー選びに苦戦する。NCWPトップ級の選手達はみな式島を標的とし、タッグの結成を拒否。正規軍ナンバー2の桧山もタッグを拒否した事で、統一クルーザー級王者塚間か、若手の石和、佐倉に絞られた。その間に仁村社長が石和をパートナーに指名し、式島は佐倉と組む事を発表。世界王者は優勝候補からははずれ、ダークホース的な立場となった。
・インディ王者である一草は、スタミナに不安が残る瀬田ではなく、加藤とのタッグを発表。一草・加藤組は、昨年の優勝チームであり、ディフェンディングチャンピオンとして、トーナメントに参加する事になった。
・G-UNITの瀬田は、正規軍の桧山とのタッグを発表。90年代後半にNCWPを席巻した同期チームで再起を賭ける。99年の優勝チームである瀬田・桧山組だが、瀬田の不調もあり、優勝候補とはみなされなかった。
・野村は鈴木と組み、若手時代のチームを復活。清水は加宮とのタッグでナーフ・ハーダーの初優勝を狙う。
・シリーズ最終戦では、エキシビション的な試合のほか、トーナメントの組み合わせを決めるバトルロイヤル、挑戦者鈴軒と塚間の統一クルーザー級王座戦などが行われた。
9月
・海外への遠征組が帰国。
・佐藤と鈴木は無事にベルトを持ち帰り、埼玉での防衛戦に望む。
・アメリカのデイビットの元を訪れた荻原・佐倉・石和の三人は、アメリカのMWFへ参戦。石和は「デイビットに試合を褒められて感激しました」「レスラーになってから、一番、褒められて嬉しかった瞬間でした」「リアルタイムで見てた世代じゃないですけど、やっぱ元世界王者の貫禄は半端じゃなかったですよ」と興奮気味に語り、佐倉は「短い時間でしたけど、デイビットに直接指導してもらえたのは良かったですね」「この1ヶ月弱で、何かひとつ掴んだと思います」と手ごたえをうかがわせた。石和と佐倉は初めての海外修行でまずまずの成果を上げたようだ。
・ヤングタイゴン二人の監督役となった荻原は、「石和はどこに出しても通用する選手」「佐倉は、教えれば何でも出来る」と、二人を絶賛。
ただ、佐倉に関しては、「何でも出来るってのは必ずしもいい事とは限らない」「オレもそうだったが、ともすれば器用貧乏に陥りやすい」「自分自身のオリジナルに説得力を持たせられるかは別問題」とやや不安な言葉を残した。
・9月シリーズ最終戦にさいたま新都心アリーナで行われる、NCWP10周年記念大会の主要カードが発表。
・メインイベントには、挑戦者内藤、王者式島による新WWC世界ヘビー級選手権試合が決定。挑戦者には、内藤か新皇杯優勝の一草弾かで最後まで審議が行われたが、ファンの声を汲み取る形で内藤に決定された。式島と内藤のシングルマッチはこれが初となる。
記者会見の場で、挑戦者内藤は「勝って、時代の針を昔に戻します」と発言。若い挑戦者のこの筋違いとも取れる発言には様々な意味が込められている。この挑発に対し、式島はいつも通り、「誰が挑戦者でも代わりません。NCWPはオレが守っていきます」と力強くコメント。団体改名から10年に渡り正規軍のトップに君臨し続けた式島の確固たる自信に会見場は静まり返った。
だが、それで終わらせないのが内藤だった。内藤は「ハネムーン疲れのチャンピオンには負けられません」「チャンピオンは、負けても美人の奥さんに慰めてもらえるからいいですよね」と新婚の式島をからかう発言をした。式島は「今の発言はレスラーの挑発としてはあまりに安っぽい」と一蹴したものの、顔は紅潮し、内藤の発言で頭に血がのぼったのはあきらかだった。
・その他のタイトルマッチは、WWC世界無差別級タッグ選手権試合は王者ビート・スチーム組に野村・荻原組が挑戦。NCWP東洋王座戦は長期政権を築く王者桧山が坂田吾郎を挑戦者に迎える。
新生インディペンデント世界王座戦は、王者一草弾と挑戦者シュトックハウゼンとの因縁試合に。NWC/WWC統一クルーザー級選手権試合は王者塚間が若き挑戦者石和を迎え、NCWPジュニアタッグ選手権試合は、王者佐藤・鈴木組が挑戦者ファイヤー須賀・鈴軒組の挑戦を受ける事となった。
・メインイベントの新WWC世界王座戦以外での一番の注目は、桧山対坂田のNCWP東洋王座戦だろう。坂田吾郎は、今年のうちに式島・刈馬の両トップ選手からフォールを奪っている。桧山にとって最強の挑戦者となりそうだ。
・他にも、昨年のインターナショナルカップ優勝のイギリス人チームウェリントン組VS仁村・佐倉組。ロシアのシャビコフ組VS
G-UNIT、アメリカのジャムルズVS清水のナーフ・ハーダー、刈馬VS"イランの赤い黄昏"ハルメド・マハラティーのシングルマッチほか、新人のデビュー戦など全11試合が組まれた。
・22名の国内選手と8名の海外選手の計30選手、過去最大級のメンバーを集め、『NCWP
10th Anniversary Tour 2005』シリーズが開幕。開幕戦の戸田川スポーツセンターより、最終戦前から豪華カード満載の記念シリーズとなった。(最終戦の模様はこちら)
・見事タイトルの防衛に成功した式島は、ファンに御礼の言葉を述べた後、「これまで、自分達は日本チャンピオンシップレスリングの伝統を守ってまいりました」「NCWPのファンが、いつまでもNCWPのファンでいられるようにする事、それがオレ達の使命だと思っています」「ですが、その為には、NCWPを守る為にはいまは変化が必要な時なのかも知れません」「でも例えNCWPが変わったとしても、どの格闘技よりもプロレスの試合が最高である事を、プロレスラーという職業が最強である事を、これからも皆さんにお約束します」そうファンに訴えた。
夢を見果て、ドリームマッチが売り切れ状態のプロレス界において、NCWPも例外なく辛い戦いを強いられている。今回の新都心アリーナでも、知名度の高い海外の強豪選手や、内藤という最高の爆弾を投下したにも関わらず空席が目立った。式島の言うように、変化が必要な時が来ているのかも知れない。いまだ衰えぬ人気の総合格闘技、スターを得て光を取り戻したボクシング界。格闘技大国日本で、式島のプロレスは再び頂点に立てるか。
8月
・東北シリーズ開幕直前に、仁村社長が緊急発表を行った。
9月にさいたま新都心アリーナで行われるNCWP10周年記念大会に、あの内藤隆広が出場すると発表。また、内藤の東北シリーズ参戦もあわせて発表した。
・2000年の離脱以降、内藤はプロレスリングフェンリル、西海上プロレスを経てアメリカマットを転戦していたが、"試合中の危険な行為"および契約不履行の問題でAWEと騒動を起こし、世界王座にたどり着く前に事実上のアメリカマット追放となってしまった。

・アメリカマットで行き場をなくし帰国した内藤だが、日本でも早速トラブルを起こした。
・仁村社長は東北シリーズの参戦を発表したが、初日の山形大会に内藤は姿を見せず、仁村社長はリング上でファンに謝罪。内藤は翌日の秋田大会でも姿をあらわさなかった。
・シリーズの目玉であった内藤の不在により、シリーズのカードは大幅に変更。今シリーズはヴィシャス勢が不参戦な上、佐藤と鈴木の二人はNCWPジュニアタッグベルトの奪還の為にメキシコへ、佐倉と石和は荻原と共にアメリカのデイビットの元へ修行に赴くなどして欠場。この2大会は、観客にとっても仁村社長にとっても満足のいかない大会となった。
・シリーズ3戦目の八戸大会にて、野村対ディグ・ジャムルの試合中に内藤が乱入。この試合を強制的に終わらせるとマイクを握り、「NCWPのファンの皆さん、
お久しぶりです!! 内藤隆広、ただいま戻ってまいりました!!」「アメリカでは、最強の団体AWEと喧嘩してきました!!」とマイクアピール。
観客の大歓声に向かえられ上機嫌の内藤に対し、野村は大激怒。内藤に対戦を訴え詰め寄った。そこへ仁村社長も登場し、3大会を無断欠場した上あまつさえ試合に乱入して試合をぶち壊した内藤を叱責。ファンへの謝罪を求めた。
それを受けて、内藤は山形と秋田そして八戸のファンに謝罪し、シリーズ残りの4大会、盛岡、仙台、福島に見に来てくれるよう訴えた。
・内藤の謝罪により、その場は収まったが、今回の件で仁村社長との仲は険悪なものになってしまった。

・マッチメイカー主任の加藤レフェリーは、あらためて東北シリーズのカード変更を発表。
内藤は、次の盛岡大会では野村とのタッグ戦を行い、翌仙台では桧山・仁村組と、福島ではかつての師である塚間と組み、式島・仁村組と対戦、そして最終戦の仙台東北スポーツセンター大会では、なんと仁村社長とのシングルマッチが発表された。
・仙台大会のセミファイナルで行われた内藤対仁村社長のシングルマッチは、NCWPに復帰を果たした内藤が大暴れ。仁村社長に場外でのサンダーファイヤーパワーボムを決めると、以前より進化したダブルアームスープレックス、アメリカで多用していたシャイニングウィザードなど大技のオンパレード。
仁村社長も健闘するが、内藤の余裕を打ち崩すまでにはいたらず、最後はリング中央でのサンダーファイヤーでフィニッシュ。内藤時代の再来を予感させる完璧な勝利で、"あの"内藤がNCWPに戻ってきた。

・メインイベントのNCWP東洋王座戦は、28分を超える大激闘の末、桧山が清水を下し防衛に成功。
・海外へ流出したNCWPジュニアタッグベルト奪還の為、メキシコ遠征に出発したチームヴィシャスの佐藤・鈴木は、無事ベルトの奪還に成功。ジュニアタッグ王座を日本へ持ち帰った。
7月
・坂田吾郎主催沖縄大会の大会名が"ヴィシャス"に決定。また、坂田・刈馬・佐藤らの反主流派勢力の名前も「チームヴィシャス(TEAM
VICIOUS)」となり、九州シリーズよりNCWP正規軍との本格的な抗争が始まる模様。
・チームヴィシャスの結成と同時に、鈴木・佐倉のタッグがヴィシャスへの参加を表明。鈴木は「上に噛み付いていけるチャンス」佐倉は「社長の期待に応えられるレスラーになる為に、敢えて社長と敵対します」と、それぞれに決意を語った。
・また、荻原と野村も沖縄大会ヴィシャスへの参加を表明。チームヴィシャス入りは未定との事だが、荻原と野村の動向次第では、ヴィシャスの勢力が正規軍を上回る可能性も出てきた。
・10日の時点で、沖縄最終戦の全カードが発表。
・初日のNCWP興行では、メインに式島対ウェリントンの世界タイトル戦、セミにG-UNIT対シュトックハウゼン・シャビコフ組など、欧州最強クラスの選手を招聘した豪華カードを中心に、石和組対塚間組のクルーザー級タイトルマッチ前哨戦を含めた注目の試合が多く組まれた。
・対する2日目のヴィシャス興行では、メインに坂田対刈馬、セミに地元沖縄出身の佐藤対荻原を持ってくるなど日本人同士の対決がメインに、全試合を有刺鉄線金網爆破デスマッチという過激な試合形式で臨む。
・九州シリーズ最終戦沖縄2大会、初日のメインイベント、NWWC世界選手権試合では、苦しみながらも式島がウェリントンを破り、王座防衛に成功。二日目のメインイベントでは坂田と刈馬が戦い、爆発の影響をモロに受けた刈馬を坂田が丸め込み、電撃的な逆転勝利で締めくくった。

・興行対決の意味合いが強い今年の沖縄戦。NCWPのメインは式島、ヴィシャスのメインは刈馬と、刈馬-式島時代を象徴するかのようなメインイベント対決になった。
・メインイベントだけ見ればヴィシャスの方が評価は上回ったが、興行全体で見れば差は歴然。NCWPの根強い人気を実感させられた。

6月
・ファッション雑誌の企画で、NCWPの石和圭一とイケメンボクサーの的場浩史が競演。元ボクサーの石和には良い刺激となったようで、「的場君に置いていかれないようにがんばります」「プロレスとボクシング、これからは的場君もライバルです」「今度はお互いチャンピオンベルトを巻いた形で載りたい」「塚間さんのクルーザー級ベルト、近いうちに狙いますよ」と、笑顔で新しい目標を語った。
・その石和が最終戦の第二試合で佐倉と対戦。
去年の武道館までは連日のように第一試合で行わていた対戦カードだが、今年に入ってからはシングルで当たるのはこれが初。
最近は佐倉に大きく水を開けられた感のある石和だったが、この試合はシューティングスタープレスで石和がまさかのK.O勝ち。石和の膝が佐倉の側頭部に入り、佐倉は脳震盪を起こして立ち上がれなかった。衝撃の結末に観客満足度も非常に高いものとなり、ここにきて石和の勢いはますますヒートアップしてきた。

・この試合を観ていた塚間は、苦言を呈しながらも石和の実力を認め、事実上石和の統一クルーザ級王座への挑戦を容認した。
・最終戦の第3試合ではナーフの加宮と刈馬が激突。NCWPの誇るパワーファイター同士の初対決が実現した。
刈馬とのシングルは、佐倉・石和はもちろん、鈴木タカシもまだ経験した事がない。刈馬がデビュー一年にも満たない加宮とのシングル対決を容認したのはその潜在能力を買っての事だろう。
・加宮のセコンドには清水がつき、刈馬のセコンドにはなんと坂田吾郎がついた。
・試合は当然のように一方的な展開となり、刈馬は10分以内できっちりと勝利。清水の激励もむなしく、刈馬にとってまだ加宮は敵にもならなかった。

・この試合後、刈馬のセコンドについていた坂田がリングへと上がり、来月の九州遠征の最後に行われる沖縄大会最終日の乗っ取りを宣言。全試合を危険なデスマッチで行うと発表した。
その発表を受け、仁村社長もリングへ上がり、「日本チャンピオンシップレスリングの名でそのような試合を行うわけには行かない」「沖縄大会の2日目は中止する」と断言。しかし、坂田は「中止で結構。2日目の興行は俺たちが買う」と切り返し、刈馬も「団体は問わねぇ。根性のある奴だけ出りゃいい。俺達の根性を見せてやろうぜ!!」とさらに煽った。
二人の剣幕を前に仁村社長は呆れ顔で退散。記者団に対して、「我々"NCWP"の試合と、坂田達の試合、どっちが上か実際に観て判断していただきたい」と話した。
・これにより、今年の沖縄2連戦はNCWP仁村社長と坂田吾郎らの興行対決という形になった。この戦いの勝ち負けを決めるのはレフェリーではなく、ファンの評価である。
・最終戦のセミファイナルで行われたNCWPジュニアタッグ戦では初代王者佐藤・鈴木組が昨年のICメキシコ代表エル・ビオレンシア(ルチャドールE)とエル・カトーのチームに破れ王座転落。今年3月に復活した同王座はわずか3ヶ月で海外へ流出してしまった。
5月
・他団体(新目本プロレス)の引き抜きにより、柳飛虎が移籍。柳は韓国最高のテクニシャンと言われ、韓国では映画にも出演。NCWP東洋王者も経験したプロレス界きっての韓流スターだったが、最近はメインイベントからも遠ざかり、団体からの扱いに関してもフラストレーションが溜まっていたという。
柳の流出で、NCWPにおける韓流ブームは収束。最近は韓流を売りにしていた清水のナーフは話題性を失ってしまった。

・今年は故郷感謝祭でタイトルマッチが行われなかったため、「2005年ゴールデンウィークスペシャル」と銘打たれた群馬グリーンドーム大会が今年のGW最大のイベントとなった。
・ゴールデンウィークスペシャルの第一試合では石和圭一が先輩の鈴木タカシを破り、成長ぶりをアピール。記者団に対して「このまま行ける所まで行く。時代の中心になる」と語り、さらなる飛躍を誓った。

・また、同大会の目玉である3大タイトルマッチでは、WWC無差別級タッグ王者ビート・スチーム組がアメリカの伝説のチーム"LDO"を破ってベルトを保持。新皇杯優勝の一草弾は新生インディペンデント世界王座に挑戦し、これを奪取した。
そして、メインイベントで行われた統一クルーザー級選手権試合では塚間が東北からの刺客を破り、防衛を果たした。

(*写真左より、WWC無差別級タッグ選手権試合、新生インディペンデントワールドタイトルマッチ、NWC/WWC統一クルーザー級選手権試合)
4月
・2005年新皇杯が開幕。今年は8名によるトーナメント戦。
・参加選手は前回優勝の世界王者
式島、東洋王者 桧山、今大会の大本命とも言われる野村、5年ぶりの出場となる荻原、刈馬、一草、ダークホースの坂田と、初出場の佐倉という8名。
・NCWPを制した証とも言える2005年の新皇杯を手に入れるのはどの選手か。(トーナメントの模様はこちら)
・2005年の新皇杯を制した弾は、「ようやくこの大会で優勝できました」「去年失ったものをこれから取り返します」とコメント。
一草にとって新皇杯は通過点に過ぎず、やはり目標は世界王座の奪回とシュトックハウゼンへのリベンジか。
今大会ではファンの支持を得られなかった一草だが、式島を倒し、シュトックハウゼンにリベンジできれば2005年のニューエンペラーに相応しいのが誰だったのか、おのずと証明される事だろう。
3月
・G-UNITの瀬田が、シングルマッチでヤングタイゴンの佐倉にまさかの敗退。

・24分を超える死闘に耐え切れなかったと話す瀬田だが、昨年も事故の影響で怪我が悪化。IC予選では一草のパートナーを辞退するなど、古傷の影響が再び出てきているようだ。
・仁村社長は来月行われる瀬田の新皇杯欠場を発表。瀬田の代わりに佐倉が新皇杯に初出場する事が決まった。
・NCWPジュニアタッグ王座が復活。2001年の活動停止以降封印されていたジュニアタッグのベルトだが、ジュニア選手の充実と共にこの度復活を果たす運びとなった。
・最終戦のセミファイナルで行われたNCWPジュニアタッグ選手権試合は、佐藤・鈴木組と須賀・石和組で争われ、石和の存在感が際立つ中、最後は鈴木のアックスボンバーが石和に炸裂。劇的な幕切れで佐藤・鈴木組がベルトを巻いた。

・このジュニアタッグ選手権試合はファンにも認められ、高い満足度を記録した。

2月
・今年度の選手の契約更新が完了。坂田は依然フリー参戦のままだが、他の選手とはつつがなく契約が更新された。
・今年最初の東洋王座戦は、挑戦者にNCWP社長仁村賢利が選ばれた。
昨年の長期欠場以来調子の上がらなかった仁村だが、今年に入りようやく全快したと発表。昨年のIC予選でも準優勝している事から、今回の挑戦が認められたとの事。
・しかしながら、社長の職権乱用というべき挑戦者の決定に、坂田や刈馬がら反発。
・特に坂田は「このままではNCWPはダメになる」「チャンピオンは式島と桧山と塚間?
確かに正道派だよ。面白味のねぇツラばかりだ」と現王者達までも批判。
「とりあえずは"新皇杯"って奴を優勝して正攻法から変えていくつもりだが、もしもの時はひと暴れしないといかんな」と、今後何らかのアクションを起こす事を示唆した。
・シリーズ最終戦、久々の師弟対決となった東洋王座戦は、ここぞとばかりに桧山が奮起。仁村社長も健闘するが桧山を押さえ切れず、13分台という早いタイムで桧山が防衛を果たす結果となった。

2005年 1月
・NWCよりNCWPに社名を変更して10年となる2005年の新年シリーズが開幕。
・例年通り、開幕戦は仁村社長の挨拶から始まり、10年目のキャッチコピーは「プロレス正道派」と発表。9周年大会の時に掲げられた「プロレス原理主義」も引き続き使われるが、正式なコピーは「プロレス正道派」とのこと。

(ファイナルファイプロ)