12月
・NCWPタッグトーナメント2003短期シリーズが開幕。開幕戦の長野でNCWPタッグトーナメント2003の抽選会が行われ、組み合わせが決まった。
・抽選の結果、一回戦の組み合わせは、清水・月原組(ナーフ・ハーダー)対一草・瀬田組(G-UNIT)、仁村・刈馬組対ファイヤーS(曽我・須賀)組、式島・柳組対佐倉・石和組、佐藤・加藤組対桧山・塚間組組となり、優勝候補の一草・瀬田組と仁村・刈馬組は順当に行けば準決勝で当たる事になった。
・浜松で行われた一回戦。この日のメインイベントに組まれたのは一回戦最注目カードG-UNIT
VS NERF HEARDERの1戦。仁志多がいた頃のナーフは、パワーの仁志多、スピードの月原、そしてブレーンの清水とそれぞれが上手く機能し、6人タッグでは無敵を誇っていた。だが、仁志多が抜けた今は体格で上回るG-UNITに対抗しきれず、統一クルーザー王者月原が一草に肉薄するも、G-UNITの牙城を崩すには至らず敗北に終わった。

・新人の佐倉と石和は、大先輩にも臆する事なく向かって行き、負けはしたもの健闘を果たした。特に石和の動きは素晴らしく、式島にイングラムプラントを出させただけでも自信をもって良いだろう。

・一回戦を勝ちぬいたのは、一草・瀬田組、仁村・刈馬組、式島・柳組、佐藤・加藤組である。ダークホース的存在になるかと思われた桧山・塚間組は、急造タッグの脆さなのか同じく即席タッグの佐藤・加藤組に足元を掬われた。
・横浜でワンナイトトーナメントで行われる準決勝と決勝戦。
・G-UNIT対“最驚”タッグ、トーナメント準決勝は初戦から最高の盛りあがりを見せた。毎年、一草弾のチームと刈馬のチームの対戦は注目カードとして盛りあがっていたのだが、今年は弾が世界王者となり、例年とは両者の立場が入れ変わっていた。
・試合はNWWC王者一草と仁村社長の二人でスタート。世界を取った一草に対しても、臆する事無く挑んで行った仁村だが、やはりタッグチームとしてG-UNITには一日の長があった。G-UNITはまずは二人がかりで刈馬を撃退し、次の試合を考えてか、スタミナで劣る仁村に攻撃の的を絞る。この作戦自体はセオリー通りで、刈馬らも予想できないものではなかったが、さすがの刈馬と言えど、この二人が相手ではパートナーを庇うような闘い方は不可能だったようだ。

瀬田のハードパンチ、一草の超高角度水車落としを食らった仁村は完全にダウン。G-UNITの攻撃は全く容赦がない。仁村社長はトップ戦線から退いて数年が経つ。その間、1試合にここまでの攻撃を受けた事はなかっただろう。G-UNITは老いた社長にも手をぬかない。瀬田も一草もレスラーとしての礼儀を弁えている。

・試合時間も20分を超えた頃、一草は垂直落下式水車落としから仁村をカバー。仁村のピンチに堪らず飛び出した刈馬、一草に見せつけるかのように超高角度水車落としを試合の権利のない瀬田に敢行。その間に仁村社長とタッチをかわし正式にリングへ参戦。
だがそこへ世界王者一草弾が待ちうける。一草は今の世界王者は俺だと言わんばかりに刈馬を猛攻。その圧倒的な力強さは、誰の目にも刈馬と同格以上に映ったに違いない。
刈馬を圧倒した一草はコーナーに控える仁村に、エプロンサイドからバックドロップを見舞う。今の仁村にはあまりに過酷な危険技。ここまでやる必要があるのか、試合はこれまでのNCWPを超えた闘いに突入して行く。

選手生命すらも危ぶまれる攻撃を受けた仁村社長。だが、齢50を超えた仁村は、命の灯火を燃やすかのように底知れぬ輝きを放ち始める。
限界を超えたダメージを受けようとも、刈馬へのフォロー、カットはいまだ的確。さらには試合の権利がないにも関わらず、禁断のツームストンパイルドライバーを瀬田に見舞う。刈馬も弾のタイガースープレックス、垂直落下式水車落としのダメージに苦しみながらも、追い詰められるほどナイフエッジチョップはその鋭さを増していき、ついにはブラッディウルフを弾に決めるまでに至る。以前優勢な事に変わりはないが、手負い狼の執念に苦しんだ弾はひとまず瀬田に交代を求めざるを得なかった。

瀬田は強烈なフックや馬乗りになっての後頭部へのパンチを刈馬に叩き込んだが、紙一重の差でフィニッシュだけは決まらない。そこへ刈馬がブラッディウルフ。高角度の水車落としやツームストンで痛め続けられた瀬田の古傷が悲鳴をあげ、27分38秒、瀬田がギブアップを宣言。
苦戦はしていたが終始優勢であったG-UNITがまさかの敗退。最後まで勝利をあきらめなかった仁村と刈馬。二人の執念の勝利とでもいうべきか、最後の最後で試合がひっくり返った。

・壮絶な試合が行われた準決勝第1試合に続き、準決勝第2試合もまた激しいものとなった。
・準決勝の相手は格下、かつ準決勝第一試合が相互のつぶしあいになったために、今では優勝の最右翼とも見られる式島組。だが、有利であればこそ油断も生まれたのかも知れない。
佐藤は巧みな試合運びで式島に食らいつき、中盤には柳をバックドロップ三連発で瀕死に追い込む。そこからは式島と佐藤のワンマン勝負に。自力で勝る式島はイングラムプラント、変形イングラムプラントで佐藤を倒そうとするが、加藤のフォローや本人の意地の前になかなか試合を決められない。
その間に佐藤は反撃。南国ドライバー、バックドロップホールドを式島に見舞う。カットに来た柳は加藤のオリンピック選考会スラムを幾度となく食らい、試合は式島組有利のまま一進一退の攻防を繰り返す消耗戦に突入。ついには佐藤の首にも限界が訪れ、あまりの痛みにのた打ち回る佐藤。だが、それでも佐藤は式島のカバーは全て返す。
佐藤の粘りに手を焼いた式島は新技のオリジナルホールドで佐藤を絞め落とし、なんとか勝利を奪った。だが、決勝前に思わぬダメージを負った事は誤算だっただろう。

・この試合での佐藤の健闘は素晴らしく、一回戦での桧山・塚間組からの勝利も頷ける。NCWPに来てから一年弱、佐藤はヘビー級のトップ選手相手でも互角に闘えるまでに成長していた。
・決勝のカードは仁村・刈馬組対式島・柳組。式島組は苦戦したとは言え、極限まで追い詰められた仁村組よりは余裕がある。
そこで仁村組は準決勝でG-UNITが取った戦法を模倣した。まずは二人がかりで厄介な式島を撃退する。刈馬と仁村の二人が協力して式島と闘うシーンを目にするのは今日来場したファンが最初で最後となるだろう。
仁村は開始からわずか3分でツームストンを式島に見舞う。もはや社長のファイトにいつもの余裕は微塵もない。

作戦通り式島を退けた仁村組だが、そこであらたにビホという厄介な相手をしなければならなくなった。
ビホは韓国最強のテクニシャンの異名通り、ずば抜けた運動能力とトリッキーな動きを武器に仁村組を圧倒。ピンチにさらされた仁村だが、なんとか刈馬に繋ぐ。

ビホとてそう余力が残ってるわけではない。刈馬の猛攻に加え、試合の権利のない仁村のグレープパインにも幾度となく捕らえられ、その度に危機に直面する。
だが、限界は刈馬の方が近い。柳はフランケンシュタイナーでトドメを誘うとするも、わずかにニアロープ。刈馬達には運命の女神がついているというのか、すかさず反撃に入った刈馬はバックドロップからのブラッディウルフ。カットに入った式島とそれを阻止すべく入った仁村、乱戦にもつれ込むと、仁村はビホにツームストン。
そして、刈馬はこれがトドメと言わんばかりに超高角度水車落としからブラッディウルフ……。ビホはこれに耐え切れず、12分49秒、刈馬が柳を仕留め、仁村・刈馬組が2003年のタッグトーナメントを制した。

・優勝は仁村・刈馬組。試合後、仁村は「頂点というのは楽して辿りつける場所じゃないな。特にプロレスは一番ボロボロになって、それでもあきらめない奴が頂点に立つスポーツだからな。我ながらよくやったと思うよ」と感慨深げに語ると「すまんが、これぐらいで勘弁してくれ。さすがに限界だよ」と、深読みすれば引退を匂わしているとも受け取れるコメントを残し控え室へ戻って行った。
もう一人の勝利者である刈馬は、「優勝はしてやったりだが、今日は負けた気分だな。誰にかって?
一人しかいねぇだろ。 …認めたくはねぇが、『プロレス原理主義』とかトンチンカンな事言ってる社長の、レスラーとしての素質を肌で感じたよ。社長が健在ならNCWPも健在だな」と語った。
今回のタッグトーナメントは、歴代最高と言われた'96年、'99年のタッグ大会をも上回る過去最高のものとなったかも知れない。それぐらいこの大会はレベルが高く、また衝撃的だった。
11月
・海外遠征中の野村の帰国予定が延期された。就業ビザの問題で今月にも帰国予定だったが、野村のファイトはWGAでも評価が高く、WGAから期限の延長を求められ、NCWPも契約金を条件に受け入れる事になった。
野村個人としてはさらなる飛躍のチャンスだが、戦力増強のために野村の獲得を狙っていたナーフと刈馬にとっては大きな痛手となった。
・秋季シリーズも終盤に差し掛かり、いよいよ年末のタッグトーナメントへ向け、出場チームの発表が続々と行われている。
・早々にチームを発表したのはG-UNITの一草・瀬田組。一草が世界王座を取った事で、今シリーズでも流れはG-UNITに傾いている。優勝候補の大本命と言っても過言ではないだろう
・続いて式島・柳組、ファイヤーS・ファイヤーS組が出場を発表。
しかし式島組の発表を受けて、福島大会では刈馬が式島の試合前に乱入。刈馬は式島とのタッグを熱望している事を明らかにした。「今年のタッグトーナメント、このままじゃG-UNITの一人勝ちだ。そんなんじゃ面白くねぇだろ?
式島、俺と組め! お前と世界タッグまで取ろうとは考えてねえ。今回一度きりだ!
俺とお前、最初で最後のタッグでヤツらの鼻をあかしてやろうぜ?
どうだ、試してみる価値があるとは思わないか?!」と強引に勧誘。
だが、それに対して式島は、「試合前に乱入してきて何を言ってる!
オレとビホのチームはもう決まった事だ。今更変える気はない!」と完全に拒否。
それに対して刈馬は「そうかよ。だがな、俺は力づくでもお前と組みたいと思ってんだ。今日の試合、俺とお前の試合に変えてもらう。トーナメントをそのチームで勝てると思ってんならまずは俺に勝ってみろ!
だがもし負けたら俺と組んでもらう、いいな!?」と、あくまで式島とのタッグにこだわった。
そこへ仁村社長が登場。刈馬を一喝した後、「刈馬、お前の気持ちはわかった。だが、今回のお前のパートナーは会社で決める。不服なら出場しなくていいんだぞ!?」と強権を発動。当然のごとく刈馬は反発するも、「どうせならお前の望み通り最初で最後のチームがいいだろう。例えば、お前と清水なんてのも面白いだろうな?」と仁村社長は火に油を注ぐ発言。
「そんなチーム組みやがったら、俺の方から辞めてやる!」と怒りが頂点に達した刈馬に対し、仁村は「だろうな。だから、お前のパートナーには…………この私なんかどうだ?」と過去最大級の爆弾を投下。「確かお前とは一度も組んだ事がなかったよな?」と提案した。
この提案を受けた刈馬は、絶句の後に放心したようになったが、「ジジイに俺の相棒が務まんのかよ? …だがな、おもしれえじゃねぇか!
その案乗ったぜ!」と悪態を吐きつつもタッグ結成を了承した。
・その日は予定通りのカードで試合が行なわれたが、翌日からは刈馬・仁村組、刈馬・仁村・佐藤組のカードが連日組まれ、'90年代からのNCWPを知るファンには絶大なインパクトを与えると同時に、今シリーズの話題をかっさらっていった。
・仁村・刈馬組誕生のおかげで取り残されたのは桧山。今年も仁村との師弟タッグが濃厚と考えていただけにパートナー探しを一切していない。最終的には塚間とのタッグで出場が決まり仁村・刈馬組の打倒を誓うも、今年は話題からはずされた感が否めない。
・シリーズラストとなる北海道の2連戦では初日にクルーザ級選手権試合、二日目に東洋王座戦が行われる事になった。二日目の東洋王座戦に際し、次期挑戦者として桧山と瀬田が名乗りを挙げ、両者のシングルマッチが組まれる事になった。
9ヶ月ぶりとなる両者のシングルマッチ。盛岡での決戦では、これ以上本流から取り残されまいと必死になった桧山が大爆発。彼が最も得意とする羽根折り固めを鬼の形相で絞め続け、11分34秒で勝利を収めた。結果・勝負タイム共に前回と大差ないが、瀬田が病み上がりだった9ヶ月前と違い、今回のタイムは意味合いが違う。桧山はこの勢いのまま恩師の敵討ちとなるのだろうか?

・仁志多が西海上へ戻るため、戦力補強が急務であるナーフの清水は、新聞・雑誌にてあの内藤を勧誘。一昨年まで在籍していたAWEのコネを武器に「AWEに参戦するなら俺が話しをつけてもいい」「その気があるなら、最終戦の札幌へ来てくれ」とAWEまでの登竜門として、ナーフ入りを勧めた。
・北海道でのシリーズ最終戦2連戦。初日のメインイベントは月原とエル・ファルコン選手による統一クルーザー級選手権試合。試合はややチャンピオン有利かと見られていたが、ファルコン選手は不調が目立ち大苦戦。月原のスカルプタミッションには屈しなかったものの、ラ・マヒストラルでの丸め込みに敗れた。
最強のクルーザー級王者誕生とも言われたエル・ファルコン選手だが、世界レベルの実力者月原の壁が立ちふさがり、予想外の短命政権に終わった。

・二日目のメインは仁志多と桧山による東洋王座戦。仁志多はこの試合を最後に西海上プロレスへ戻るだけに、至宝流出の危機である。
しかし桧山には瀬田戦で見せた勢いがなく、仁志多のパワーに圧倒され続け無残にも敗退。夏の韓国遠征に続き、またもやNCWPの至宝が他団体へ流出してしまった。

・シリーズを通して行われたタッグトーナメントの前哨戦では、やはりG-UNITと仁村・刈馬組が突出。札幌2連戦初日に行われた両者の直接対決の6人タッグマッチは時間切れ引き分けに終わり、決着は本戦でつけられる事になった。
・最終戦二日目の試合後、NCWPタッグトーナメント2003の全参加チームが発表された。結局内藤は現れず、ナーフ・ハーダーからは清水・月原組がエントリー。そのほか新人コンビ佐倉・石和組、佐藤・加藤組が発表され、そして既に発表済みのG-UNIT一草・瀬田組、最初で最後の“最驚”タッグ仁村・刈馬組、式島・柳組、桧山・塚間組、ファイヤーS(曽我・須賀)組を加えた全8チームでNCWPタッグの頂点を争う。
10月
・プロレス雑誌の記者が仁村社長を交えて、NCWPの新人二人に異例のインタビューを行った。
・雑誌掲載を意識してか、石和はヒゲを伸ばし髪を茶色に染めた“今風の若者”の格好で登場。いきなり仁村社長からお叱りを受けていた。
・先月のデビュー戦以来フライングボディアタックを使っていない佐倉。先シリーズを通して、今度は『若手らしくない』『ファイトが消極的』との評価をされた。それに対し「悪く言われるのも仕事の内ですから…」と冷めた反応。あとは「頑張ります」の一点張りだった。
その佐倉に仁村社長は「ヤングタイゴンの意味を知っているか?
タイゴンというのは虎と獅子の混血だ。一流のアスリートとしての素質を持つお前達虎の子に、NCWPのプロレスの獅子の遺伝子が交わるという意味だ」「自分を出すのもいいが、まずは獅子のなんたるかを学べ」とお説教。
氷上や瀬田、他の遺伝子を持って生まれた者たちも、結果的にはNCWPの獅子を吸収してタイゴンとして成功している。仁村プロレスの深さがこの言葉に込められているのだろう。
・対して石和は、物怖じしない積極的なファイトや、日に日に新しい技を繰り出して行くことで会場のファンからも評判が良い。「そうっすね。これでも結構考えてるんで。オレ、ムーンサルトもできるんですよ。次シリーズで見せましょうか?」とすぐに調子に乗り、仁村社長から咎められていた。
・プロレスの世界へ飛び込んだきっかけについて尋ねると、石和は「自分は中学に入るぐらいからずっとボクシングをやってました。でも高校ん時に(NCWPの)ドームを観て、こっちのが格好いいんじゃないか…って。どうせやるなら目立つ方がいいじゃないですか」と答えた。
対して佐倉の方は、「そうですね、叔父に勧められて…かな。あとは他に選択肢がなかったから…ですかね」と意味深な発言。詳しく追求すると、「プライベートな事なので勘弁してください」と言い逃れた。
・雑誌のインタビューの最後で、仁村社長は「石和は人気が出るタイプかもな。根は真面目なようだし、鍛えれば良い所まで行く可能性は十分にある。佐倉の方は素質はいい物を持ってるんだが……。今はネコを被ってるようだが、中身は刈馬以来の問題児で困ってるよ」と二人を批評。そして、「次のシリーズでは私が直に相手して性根を叩き直してやろうかと思っている。 お前等、覚悟しとけよ?」と前東洋王者自ら新人との試合を行う事を明言。さすがの貫禄か、この発表を受けて二人は萎縮しきりだった。
・年末のNCWPタッグトーナメントを除けば今年最後となる全国シリーズがスタート。焦点となるのはG-UNITとナーフ・ハーダー、それに刈馬らの抗争である。また、今シリーズを最後に西海上プロレス所属の仁志多との定期契約が切れるため、現在の筆頭勢力ナーフはその勢力維持に課題が残っていた。
・日本人では二人目となるNWWC世界王者に就いた一草弾は、その発言力が大幅にアップ。スポーツ新聞では「ここ数年、刈馬には水を空けられていたかも知れないですけど、これで追い付いたと思っている」とコメント。さらにはNWWC王座とNCWP王座の再統一プランも考えている事をあきらかにした。
・WGより黒牙選手が5ヶ月ぶりに参戦。統一クルーザー級選手権の次期挑戦者の座をかけて、ナーフの月原ひろと対戦。
・5ヶ月前、黒牙選手は統一クルーザー級選手権試合を半ば試合放棄の形で敗退し、不満をぶちまけ月原を挑発した。だが、月原はナーフの一員として連日セミやメインで活躍。相手をしてられないとばかりに無視の姿勢を取っていた。
しかし、不透明なまま終わらせるわけには行かないと判断した仁村社長は、黒牙選手に再度のチャンスとして今回の決定戦を組んだ。
・試合では間合いを離して冷静に動く黒牙を月原が掴まえ、得意のラフ殺法でペースを掴む。黒牙選手も反撃を試みるが試合の流れを引き寄せられず、最後は攻撃を切り返され逆さ押さえ込みで完全な3カウントを奪われた。黒牙は再度のチャンスもモノにできずに終わってしまった。

9月
・仁村社長が自伝『不屈〜仁村賢利自伝〜』の発売を発表。
自らがレスラー人生の過渡期と語る今の時期に自伝を出版した社長は、「最後は私が刈馬を破ってNCWP東洋王者となった所で終わるんだよ。普通は引退で終わるんだろうけどな、チャンピオンのまま終わらせたかったんだ」と苦笑いを浮かべながら説明。レスラー人生をヒーローとしてではなく、大きな壁として送ってきた仁村社長の隠された思いがこの本に凝縮されている。
・NCWP8周年記念大会が武道館で開催される。
・昨年の武道館が不入りに終わったため、今年の8周年記念武道館大会に向けて、緊急の役員会議が開かれた。意見役として、ナーフの清水やG-UNITの瀬田らも参加したこの会議では、武道館のカードをはじめ、新しいキャッチコピーとして『プロレス原理主義』を掲げる事などが決定された。
日本プロレス界の低迷と若者を中心とした新しいプロレス観に対するNCWPの答えがこのキャッチコピーである。マイナスな意味に捉えられる表現だが、乱立する団体の中でインパクトを残すのが狙いのようだ。
・8周年記念武道館大会の主要カードが決定。先日の会議では“総合格闘技の試合を行ってみては?” “今流行の『我龍道』の選手の招聘しよう” “内藤や永原やスロフト兄弟の参戦を積極的に進めるべき”等の意見も出たが、いずれも却下されたようだ。
特に総合格闘技の試合は板井-永原の件があっただけに、NCWPのリングでは異種格闘技戦や総合格闘技の封印は今後も恒久的に継続していく方向で意見がまとまった。
・昨年9月にデビューしたヤングタイゴンの鈴木タカシが海外遠征へ出立。メキシコを中心にブラジルなど南米を巡り、ルチャ・リブレへの理解やバレ・トドの修行が主な目的となる。
・8周年記念シリーズ開幕戦では佐倉と石和の新人二人がデビュー。だが、佐倉のコスチュームが白いラインの入ったパンツである事、デビュー戦にも関わらず不恰好な形のフライングボディアタックに挑戦した事がレスラー・ファン・関係者の間で波紋を呼んだ。

・佐倉の行動を非難する保守派の意見としては、「基礎を身につけなければならない時期に基礎を疎かにしかねない行為」「飛び技で目立ってしまっては今後の成長の妨げとなる」「NCWPのレスラーならプロレスのイロハから学ぶき」「レスリングの質が落ち興行のバランスが崩れる」「決めたばかりの『プロレス原理主義』のキャッチに反する」などがあった。
・容認派の意見は「いまどきそれぐらいやって当たり前」「挑戦するのは良い事だ」「石和も回転エビ固めのような派手な技を使っている」「そんな事(保守派の意見)を言っていてはNCWPは時代に取り残される」「華があって良い」「本人の自由だ」などなど。
・保守派の中でも最右翼とも言うべき清水は、「目立ちたいのはわかるが、ヒヨッ子の癖に3年早え」と激怒。しかし、その後「久し振りにイジメ甲斐のあるヤツが出てきたって事かな?」と不敵な笑みを浮かべていた。
・怪我で欠場していた前世界王者刈馬が復帰。
診断結果の証明書が遅れ、開幕3戦目から参戦となった刈馬は、復帰の挨拶で欠場中にG-UNITに参加した加藤を非難。だがそこへ瀬田と一草が加藤と共に現れ、刈馬をG-UNITへと勧誘した。それに対して刈馬は「結成時にこの俺を無視しておいて、今になって勧誘か?
考えてやってもいいが、それなら頭を下げて頼め!」と逆に挑発。
瀬田は「そういう態度はないだろう?
俺も長い事欠場してたからわかるが、復帰後は自分の居場所がなくなってるもんだ。ファンも俺達と一緒にやる事を望んでいる。一草と刈馬、あの“WE”と俺のチームだ。みんなも見たいよな!?」と、ファンを煽って握手を求めたが、「ファンが観たいのは…こういう俺だ!」と刈馬は握手に応える代わりに瀬田の頬を張った。
あわや乱闘騒ぎかと場内がざわめく中、瀬田は冷静に「オマエの復帰戦の試合、これで決まったな?」と答え、弾と加藤を連れてリングを後にした。
一人残った刈馬は、「やり返して来ねえとは瀬田も案外情けねぇ。アイツはあれでも昔はすごかったんだぜ?
なんせデビューしたばっかの内藤を試合で泣かせたヤツだからな。世界を取れんのは、ここじゃ俺か瀬田ぐらいなもんだと思ってたんだが…」と瀬田を評価していた事を語った。
・刈馬の復帰戦は刈馬・ファイヤーS組対瀬田・加藤組の2on2で行われる事に決定。試合では刈馬は瀬田を無視し加藤を私刑。瀬田がファイヤーSをしとめて決着がついたが、この抗争は当分続きそうだ。
・NCWPのレスラーの中では式島に憧れていたというユ・ビホが、今シリーズ半ばに式島とタッグを結成。当初は年末のタッグトーナメントを目標にしていたが、ナーフ、G-UNIT、刈馬らの抗争の影で戦果を挙げ、武道館でのWWC無差別級タッグ王座への挑戦が決まった。
・波乱に満ちた8周年記念のシリーズも終盤に差し掛かり、武道館大会の全カードが決定された。
メインイベントの新WWC世界王座戦にはチャンピオンザ・ブックに一草弾の挑戦が決まり、NCWP東洋王座戦ではチャンピオン仁村に西海上プロレスの仁志多が挑戦。WWC世界無差別級タッグ戦はカナダ血盟軍に式島・柳の新造タッグが挑戦し、統一クルーザー級選手権試合には王者ファイヤーS(須賀)にWGメキシコよりエル・ファルコン選手が挑戦する。
他にも刈馬と瀬田のシングルマッチ、塚間・月原・佐藤のジュニア3WAYダンス、ブラジル人レスラーロベルト・カルナーダの参戦など、昨年を遥かに上回るビッグマッチが多数組まれた。
(武道館の試合結果はこちら)
8月
(西海上プロレス)
・毎年恒例の西海上最強トーナメントが大阪城ホールで開催。今年はNCWPよりナーフ・ハーダー、フリーの内藤隆広、そして豊富な外国人勢を加え、文字通り『最強』のメンバーが揃った。
・NCWPより逆上陸を果たしたナーフ・ハーダーは、NCWPでの暴れっぷりそのままに西海上を席巻。
優勝候補と言われた仁志多こそ、一回戦で同期の奈良橋に敗れたものの、清水は一回戦で大ベテランの志賀を破り、ニ回戦では西海上のトップ真崎に肉薄。完璧な形でのロイヤルストレッチSS(スタンディング・スリーパー)を決め、真崎をあと1歩の所まで追い詰めた。
元西海上打倒川島四天王の一人であった月原は、あの“最後のNWC王者”内藤をも圧倒。敗れはしたものの、内藤と互角に渡りあえる実力がある事をアピールした。

・大会を席巻したナーフの面々だったが、真崎、内藤両選手の壁は厚く2回戦で全滅。その後、西海上のエース真崎は準決勝でラクロスを、「フリーの大物」内藤は現太平洋王者美原を破り共に決勝へ進出。
真崎と内藤、今年の決勝カードではまさに夢の対決が行われる事となった。

・西海上最強トーナメント2003決勝戦。西海上のトップと元NCWPのトップ選手同士。実現されなかった川島・氷上の代理戦争とも言うべきこの試合は、真崎のローリングクラッチホールドを凌いだ内藤が新技のファウル・ストライクからサンダーファイヤーパワーボムで真崎を粉砕。他団体選手初の初出場初優勝の快挙を成し遂げ、幕を閉じた。

・試合後、内藤は満員の観衆に「オリンピックの金メダルよりも嬉しいです!
いやホンマでんがな! 今日は皆さんの応援のおかげで日本プロレス界の“最強”になる事ができました。サンキューベリマッチ。次は総合格闘技でビルゴにタックルをかますか……あるいはAWEでケスナーをぶん投げるか……。みんなはどっちが見たいっすかーっ!?」とリップサービス。試合だけでなく、マイクでも観客に明るいキャラクターを印象つけた。
どこまで本気なのかはわからないが、“最強のフリーランス”内藤隆広の動向に今後も注目が集まるのは間違いない。
(ファイプロGより)
8月
・先月、地元沖縄で王座から転落した佐藤が仁村社長に再戦を直訴。一度はこれを退けた仁村だったが、佐藤は諦めずに王座再戦への意欲を訴え続け、その熱意が実り、韓国遠征2日目での再戦が決定した。
・東北での短期シリーズ最終戦で行われたNCWP東洋王座戦は、仁村社長のツームストンパイルドライバーを柳は耐えぬき、仁村社長のお株を奪うかのように独特の丸め込み(がぶりの態勢→バックマウントポジション→外道クラッチという独特のテクニック技)で勝利を収めた。
・試合後、仁村は柳を「ビホはまだまだ甘い。今日は敗れたが、ビホには隙も多かった」と語り、「だが光るものを持っている。ベルトを持った事で今後が楽しみな選手」と将来性に期待した。

・NCWPが3度目となる韓国遠征に出発。約一周間の遠征のうち、2日間は地元のプロモーターへの売り興行。1日がNCWPの主催興行、残り4日のうち2日は地元団体への参戦となる。
・NCWP勢は地元団体KIPWへ参戦し、前世界王者刈馬はその復帰戦でKIPWのシングルベルトを奪取。しかし、第二代の東洋王者ユ・ビホは地元の選手ファイヤーS(ソ・イルファン)の変形パワーボムに敗れ東洋王座の初防衛に失敗。NCWPの至宝ベルトが他団体へ流出してしまった。
・2日目に行われた統一クルーザー級王座戦、リターンマッチに万全を期した佐藤だったが、またもやファイヤーS(須賀)のパワーボムの前に轟沈。王座奪回の夢は破れた。
・NCWP自主興行ではNWWC世界王座戦が行われ、地元の英雄ユ・ビホがザ・ブックに挑戦。柳のテコンドー式踵蹴りとブックのシザースキックがぶつかりあい、27分27秒の死闘の末にブックが必殺のシザースキックで打ち勝ち、見事王座防衛を果たした。

・韓国遠征の最終戦、失われた東洋王座を取り戻すべく仁村社長自らが王座に再挑戦。格の違いを見せつけ、東洋王座への返り咲きに成功。NCWPの至宝を団体に取り戻す事に成功した。

・韓国遠征を終え、帰国の途へついた選手達。
・ファイヤーSこと、ソ・イルファンより見事東洋王座を奪還した仁村社長は、「韓国でもプロレスに対する見方が変わってきている事を感じた」「だが、もっともっとプロレスの多様性を感じてもらう必要がある」「プロレスには言葉の壁はない事を証明した」「これからもプロレスという世界共通のスポーツを通じて、日本と韓国の国際交流の手助けができればと考えている」とコメント。
・帰国のためにKIPW王座を返上した(実際には剥奪された)刈馬は、「国際交流?
社長がそう言ったのは新しいマーケットの開拓に手応えを感じたとか…そんな所だろう」「王座返上は別に悔やんでない」「王座を持ったまま日本と韓国を股にかけるという選択肢もあったんだが、今はそんな余裕はねぇしな…」と、珍しくやや弱気な発言を残した。
・9月からの海外修行を前に海外マットの感触を初めて肌で感じた鈴木タカシは、「韓国のプロレスっちゅうもんはどないなもんかと、気合入れて向かったんやけど、初め見た時は絶句の一言やったわ」「大手と言われとるKIPWさえ、まだあんなプロレスしとるんかいな」「ショックやったわ…。メキシコ行くのが怖なってきた…。メキシコはまだマシですよね?」と、韓国マットのレベルにショックを受けた様子。
・多くの選手達が充実した一周間を送った中、王座奪回に失敗した佐藤は、ひとり暗い面持ちでノーコメント。普段は比較的陽気な性格の佐藤だが、まだ敗戦のショックから抜け出せずにいるようだ。
7月
・刈馬がトークショーで怪我の経過を報告。肩の具合もさる事ながらこれまでの激戦で蓄積されてきたダメージが大きいという。特に古傷の首の故障が深刻だと語った。
「泣き言はいいたくねぇが、この一年、無理をしすぎた」「去年からずっとメインで120%の力を出さなきゃならなかった」「それほど今のNCWPはメインまでの内容が薄い」「身体は新皇杯の時が一番やばかった」「今の状態でも復帰できなくはないが、この状態で復帰しても世界王座は狙えねぇ。じっくり治してから復帰する」「韓国遠征には出るが正式復帰は九月以降になる」と報告。肩のダメージ以上に、これまでのダメージが大きかった事を告白。
・ファンからの質問で今後NCWPをやめる可能性については、「可能性はある」「今は逃げる事になるからやめる気はないが、仁村社長がオレを必要としないのならば、自分を必要としてくれる人の処へ行く事になる」…と、今後NCWP退団する可能性が十分ある事を語った。
・NCWPは今年は8月末に韓国へ遠征するため、7月のシリーズは例年と変更され、九州遠征で短期シリーズを開催した後に、沖縄で2試合、数日の休みを取った後に、北陸から東北にかけてのシリーズが始まる強行スケジュールとなった。
・九州シリーズ開幕戦、清水のNERFに対して敵対心を見せる瀬田は一草弾とのタッグを最強のユニットであるという意味でG-UNIT(Greatest-UNIT)と命名。新たに刈馬軍の加藤勇作を引きぬき、NERFとの全面対抗戦を申し出た。
・瀬田は「当時ロイヤルファミリーがウケたのは、米国のストーリー路線を見よう見真似で真似しただけ」「今はもう通用しない」「永原さんがいなければ清水は何もできない」「ロイヤルファミリーに新世代革命軍が潰されかけたと言われるのは心外」「あの時の屈辱は今でも忘れてない」と清水を目の仇にした。
・G-UNITの挑戦に対して清水は対戦を受諾。「瀬田は5年も前の事をいまだに根にもってる根暗野郎」「去年まで病院のベッドで俺達にやられた事をずっと悔やんでたのか?」「だったら一生根に持てるようにもう一度潰してやる」「あの時、俺と永原が川渕を潰したように、今度は俺と仁志多と月原でお前を潰す!」と、新しいファミリーの力で潰す事を宣言した。
・九州シリーズを通して行われたタッグ戦ではNERFが3勝1敗で勝ち越し、6人タッグでも2勝1敗と勝ち越して対抗戦に勝利を収めた。清水の活躍もさる事ながら、月原、仁志多の西海上出身組の巧さが目立ち、西海上プロレスのレベルの高さをあらためてファンに認識させた。

・事実上G-UNITを撃退したNERFの清水は、沖縄の試合に来日するタッグ王者組への挑戦を仁村社長仁直訴。それを認めさせた。
・九州シリーズに続いて沖縄での2連戦では初日にWWC世界無差別級タッグタイトルマッチ、二日目に統一クルーザー級王座戦が行われる。
・初日のWWC無差別級タッグ戦ではNERFの清水・仁志多組がカナダ血盟軍に挑戦。だが、この二人の力を持ってしても世界タッグ王者には歯が立たず、王者組が見事な貫禄勝ちで防衛に成功した。

・二日の統一クルーザ戦ではファイヤーSが王者佐藤に挑戦。地元の佐藤に歓声が集まる中、ファイヤーS(須賀)が大健闘。佐藤のバックドロップホールドを返した後、計5発のパワーボムで粘る佐藤を粉砕。ファイヤーSがデビュー後初のベルト奪取に成功した。

・地元での敗北に悔しがる佐藤は、この日何時間経っても控え室から出て来る事ができなかったという。
・中数日の休みをおいて、東北シリーズがスタート。西海上の最強トーナメントへ出場するNERF
HERDERは欠場となるが、代わりに世界タッグ王者のビート・ランサー組、韓国最強のテクニシャン柳
飛虎がフル参戦。
柳は最終戦にて仁村の持つNCWP東洋王座への挑戦が決定している。
・刈馬、NERFの不在分を補うかのように、今シリーズでは式島、塚間ら正規軍の活躍が目立つ。式島・仁村・塚間組は6人タッグでG-UNITを破り、秋田の東洋王座前哨戦でも、ビート・ランサー・柳組を撃破。NCWP正規軍健在を東北でアピールした。
6月
・8月の韓国遠征に合わせて、映画スターでもあり韓国最強のテクニシャンと呼ばれている柳飛虎(ユ・ビホ)選手と正式契約を結ぶ。
ビホはプロレス後進国と言われる韓国の出身だが、アメリカメジャーマットでも活躍した実績が示す通り、世界屈指のテクニックを持ち合わせている大物選手。今月はスポット参戦の予定だが、来月からはシリーズフル参戦の予定。
・シリーズ開幕戦で清水が月原を自らのチームへ勧誘。月原はその場では返事を保留したものの、まんざらでもない様子。
後日、月原が正式に清水軍入りを果たし、西海上プロレスに在籍した経験を持つ清水と月原、西海上プロレスより参戦中の仁志多の3人がチームNERF(Neo
Establish Royal Family)Herder『ナーフ・ハーダー』を結成。
・清水は東洋王座への挑戦を、月原・仁志多はWWCタッグ王座への挑戦を表明。
・NERFのタッグ王座挑戦に呼応して、刈馬・加藤組、一草・瀬田組もそれぞれタッグタイトルへの挑戦を希望。タッグタイトルへの挑戦権を賭け、3チームの総当りによるリーグ戦が開催される事が決定された。
・今回のリーグ戦で最も注目を集めたのは瀬田・一草組。共に2m近い身長を誇り、二人とも世界タッグ経験者でもある。
現時点で考えられる限り最強と思われるこのチームは、シリーズ開幕戦から反則と思われる程の強さを見せつけ、長岡大会のリーグ公式戦では、瀬田のダブルインパクト式のダイビングショルダーアタックで刈馬が肩を脱臼。シリーズ欠場へと追い込んだ。

・事実上の決定戦となった長野大会では瀬田が仁志多をハードパンチコンビネーションでマットに沈め、世界タッグ王座挑戦権を獲得。今シリーズに結成されたナーフ・ハーダーの勢いを上回り、まさに圧巻という他ない強さを見せた。
・前橋で行われたWWC世界無差別級タッグ王座戦。挑戦者側である瀬田・一草のチームは最強タッグと言っても過言ではなく、この試合で名実ともに世界最強になると思われていた。だが、現タッグ王者もまた最強のタッグチームのひとつであった。試合は19分31秒フロントネックチャンスリーでザ・グレート・ヒットマン・ビートが瀬田をフォール。カナダ血盟軍が王座の防衛に成功した。

・敗れた瀬田は、「弾とのタッグ?
続けますよ。今はまだ噛みあわない部分もあるけど、年末までにはベストの状態に仕あげてみせます」と、今後も一草とのタッグを続ける事を公言。
一草も「瀬田がまだ本調子ではない事はわかってたつもりだけど、フォローできなかった。それが課題ですね」と、タッグ継続に異論はない様子。二人は半年後のタッグトーナメントへ気持ちを切り替え、新たな一歩を踏み出した。
・戸田で行われた今シリーズ最終戦のメインイベントは仁村社長と清水によるNCWP東洋王座戦。日本を代表するテクニシャン同士の試合を観に多くのファンが駆けつけ、刈馬の欠場中にも関わらず会場は超満員。氷上時代のNWC王座戦さながらの盛りあがりを見せた。
試合は前評判通りに清水が仁村社長を圧倒していたが、清水の度重なる急所蹴りに仁村が激怒。試合は場外乱闘へともつれ込み、そのまま両者カウントアウトに終わった。仁村社長が2度目の防衛に成功したものの、当人達にとっても詰め掛けた観衆にとっても後味の悪い不透明決着となった。

5月
・刈馬雅史が雑誌のインタビューで、先の新皇杯、NWWC世界王座戦について激白。さらにはヤングタイゴンの野村を自分の軍団へと勧誘し続けていた事を公式の場で発表した。
・しかし、ヤングタイゴンの野村と鈴木には短期の海外遠征の話が持ち上がっており、野村は刈馬軍入りして国内へ残るか、誘いを断わって海外へ出るかの決断を迫られる事になった。
・結局、野村は刈馬の誘いを蹴って、海外遠征を希望。本人の希望により、アメリカWGAへの遠征が決まった。
・これに怒った刈馬は、遠征前に野村との一騎討ちを要請。戸田大会セミファイナルでの試合が決定した。
・野村にとって初めてのセミファイナル。そして相手は前世界王者の刈馬。初のビッグチャンスに登場した野村は、ヤングタイゴンの枠を遥かに上回るパフォーマンスを見せ、内容では刈馬を圧倒。与えられたチャンスを最大限ものにした。ヤングタイゴンの3年目のジンクスなのか、去年までとは一味違う今年の野村を観客に印象つけた。
・昨年に行われたレッスルギルドとの交流戦。その延長で、WGより"闇からの刺客"こと黒牙選手が月原の持っていた統一クルーザー級に挑戦する事が内定していた。だが、スケジュールの都合が合わずなかなか機会に恵まれていなかった。
・今月に入り、ようやくタイトルマッチの調印が完了。最終戦、盛岡でのタイトルマッチが決まった。だが、本来闘う予定だった月原は、既に王座から転落。試合は最初の契約時とは違った形で実現される事となった。
・その影響か、佐藤対黒牙の統一クルーザー戦では、佐藤がロープへ振っても黒牙選手はロープを掴んで帰ってこなかったり、また帰ってきたとしても佐藤が仕掛けた技を受けないと言った態度に出る。
佐藤もそれならばと、黒牙の技を受けずにかわす事が多くなり、場内は不穏なムードに包まれた。
試合時間8分半を過ぎた頃、黒牙は場外で爆発。佐藤にロックボトムを叩き込み、このまま一気に試合のペースを握るかと思われた。

…だが、この後、黒牙がリングに戻らず、試合は佐藤のリングアウト勝ちとの裁定が下る。佐藤が初防衛に成功した形になったが、観客も本人もこれには納得がいかない。
今回の交流戦の責任者である仁村社長も「どういうつもりなのか、よく話し合いたい」とコメント。黒牙選手の今後の発言に注目したい。

4月
・NCWPにファイヤー・Sが復活。
昔のNCWPには、"燃える闘志"佐賀、"火の玉"滋賀、"火炎の情熱"須賀、"烈火の魂"瀬賀、"炎の男"曽我など、似た名前の中堅レスラーが数名おり、それらの選手はまとめてファイヤー・Sの相性で呼ばれていた。
それらの選手のうち何名ががNCWPに復帰。NCWPの人数不足はこれでかなり改善される事となった。全員決め技はパワーボムとボストンクラブ、ジャーマンスープレックス、そして火の玉ボムである。
・3年ぶりに"ニュー・エンペラーズ・カップ"こと、"新皇杯"が開催。関東地方のみのシリーズであった例年と違い、今年より全国ツアーに変更される事となった。
・今年の組み合わせは、Aグループ「刈馬、桧山、塚間、清水、ランサー」、Bグループ「式島、一草、加藤、仁志多、ブック」となった。このうち各グループの上位2名が決勝トーナメントに進出。最終戦の両国大会で決勝トーナメントが行われる。
・Aグループは、NWWC王者刈馬が頭ひとつ抜けた形の組み合わせとなった。
・初日の成田勤労会館のセミファイナルは刈馬対清水によって行われる事に決定。
・刈馬と清水、この二人の関係もまた因縁深いものがある。
刈馬の若手時代、清水は日本チャンピオンシップレスリング寮の寮長を務め、そこで連日のように若手をいびっていた。逃げ出す若者が多い中、反骨精神の強い刈馬は清水に真っ向から反発。清水にとって、刈馬は気に入らない存在だった。
そのため、事あるごとに清水は刈馬にリンチを行ってきた。酷い時は刈馬が死にかけた事もあったという。その後、刈馬が氷上の弟子となり寮を出てからは、今までの借りを返すかのようにプロレスを越えたケンカマッチを清水に仕掛けていく。
その顛末が、刈馬が一草と離れて新世代革命軍入りを果たしたきっかけであり、また、清水が革命軍に対して強い敵意を抱いていた理由である。
数年ぶりに訪れたこの対戦、刈馬は以前のケンカスタイルで臨み、勝敗を度外視して激しくイスで殴りつけるなどの蛮行にでた。清水もまた、イスを奪い返したり、急所攻撃を繰り出すなど、持ち前のラフテクニックで応戦。最後は刈馬がターンバックオクラホマスタンピートで清水をイスの上へ叩きつけ、この荒れた試合に終止符を打った。だが、レフェリー加藤はもっと早いうちに反則裁定を下すべきだったかも知れない。

・清水とランサー、業界屈指のテクニシャン同士による玄人好みの一戦。しかし、清水は前回の刈馬戦で負ったダメージが大きく、序盤から非常に動きが悪い。最後はランサーのレッグロールクラッチの前にあっさり敗れてしまった。
・開幕戦の刈馬戦でのダメージが残り、苦戦を強いられている清水。続く塚間戦でも精彩を欠き、まさかのリングアウト負け。さらに、自身のリーグ最終日となる桧山戦では、桧山の羽折り固めで失神K.O。数年ぶりにNCWPに復帰して迎えた2003年の新皇杯であったが、結果はまさかの全敗。清水にとって屈辱のリーグ戦となった。
・Aグループの最終結果は以下の通り。清水の不調以外は戦前の予想通りの結果に落ち着き、1位の刈馬と2位の桧山が決勝トーナメントへ駒を進めた。

・Bグループは、今大会最注目の仁志多にNCWP正規軍のエース式島、一草弾、ザ・ブック、NCWP若手のホープ加藤がひしめく激戦区となった。
・開幕戦の成田勤労会館では、仁志多と加藤、西海上プロレスとNCWPが誇る若手二人の対決となった。加藤も健闘したが、やはり体格差か、場外でのパワーボムなど、仁志多が圧倒的なパワーの差を見せつけ、最後は強烈な張り手で加藤から3カウントを奪った。

・仁志多の第二戦の相手は一草弾、経験と身長で勝る一草が有利と思われたこの試合だったが、仁志多は断崖からの喉輪スープレックスを敢行。まさかの大技で弾は瀕死の状態に陥り、最後は仁志多の腕ひしぎ逆十字の前にタップした。

・そして仁志多の第三戦の相手はエース式島。先日までなら式島が圧倒的有利と見られていたのだが、仁志多のこれまでの試合でのインパクトは、そんな前評判をかき消していた。試合は式島が有利に進めるも、どうしても必殺のイングラムプラントが決まらず。それが結果的に仁志多にチャンスを与える事になり、式島は仁志多の喉輪スープレックスの前に敗れた。
正規軍のエース式島の敗北、この敗戦の意味は大きいだろう。

・3度目となる一草弾とザ・ブックのシングル戦は、ブックがブラックエンドからのフライングニールキックで一草を下し、対戦成績を2勝1敗とした。
・ブックは続く加藤戦、式島戦にも勝利。高い身体能力で決勝進出へ王手をかけた。
・共に全勝で最終日を迎えた仁志多とブック、既に優勝戦進出が決まっている二人の対戦は、ブックがスーパーキックで仁志多を撃破。幾度にも渡り世界を取った男が、ついに仁志多に土をつけた。
・Bグループリーグ最終戦のメインイベントは、皮肉な事に、決勝進出を逃した式島と一草の両名によって行われる事になった。
だが、試合はそんな空気を微塵も感じさせぬ素晴らしいものになり、試合を有利に進めていた式島に弾は雪崩式超高角度水車落としを敢行。これで流れを変え、最後は垂直落下式水車落としで式島を下した。
・Bグループの順位表は以下の通り。NCWP勢はまさかの全滅。特に式島は過去最低の順位で予選を終えた。エースの今後の巻き返しに期待したい。

・決勝トーナメントの組み合わせは、刈馬雅史(Aグループ1位)対仁志多朗(Bグループ2位)、桧山響一(Aグループ2位)対ザ・ブック(Aグループ1位)となった。前評判通りに刈馬とブックが生き残り、昨年の王座統一トーナメントの再現となるのか、あるいは仁志多や桧山が旋風を巻き起こすのか、両国の闘いが目前に迫っている。
・かつて相撲界でこの会場の中央に立った仁志多、今日はプロレスのリングで世界王者刈馬との戦いに臨む。
(最終日の試合結果はこちら)
・2003年の新皇杯はザ・ブックが全勝優勝を果たし幕を閉じた。NCWP所属選手以外が優勝したのはこれが初。エース式島の不調、世界王者刈馬のまさかの敗退。今大会の結果が意味する物は大きいかも知れない。
・この結果により、みどりの日に行われる日本チャンピオンシップレスリング故郷記念感謝祭にて、刈馬とブックのNWWC世界王座戦が決定した。
・4月29日(昭和天皇誕生日)に催されるこの大会は、プロレスを通じて愛国心を学んで欲しいという仁村社長の思いから、日の丸を掲げ、君が代斉唱から始まるNWC時代からの伝統行事。主に地方で行われるが、今年は札幌での開催が決まった。
・この"ニッポン"を強調する特別な興行では、これまで日本人と欧米人のタイトルマッチが組まれる事はなかった。また、たとえ欧米人とのタイトルマッチが組まれたとしても、日本人が負ける事は考えられないと思われてきた。
だが、今回、王座を守る守護者となるのは刈馬雅史。国を代表して闘うという構図とは対極の位置にいる男であり、むしろそういう意識を嫌っている男である。
・言い知れぬ不安が関係者・マスコミを覆う中、試合はスタートされた。いつもと変わらぬ刈馬のファイト。新皇杯のファイナルとは違い、体調も万全の様子。刈馬有利に試合が進む中、中盤、一瞬の隙をつき、ブックのスーパーキックが炸裂。ここ一番に強いブックが、この一発で巻き返しを計った。
これでペースを掴んだブックは場外でのブックエンドを刈馬へ見舞う。強烈な一発に刈馬の意識は飛んだかも知れない。

不安が的中したか、リングへ戻った刈馬に、今度はブックのシザースキックが襲いかかる。一発目はなんとか切り抜けた刈馬、だが2発目はブックのカバーが遅くなければ決まっていただろう。されど、刈馬は最大のピンチを切り抜け、ナイフエッジチョップの連打で幾度となくブックをリングへ倒す。再び試合は刈馬のペースへ。
そして刈馬の強烈なラリアットがブックに炸裂。そのままブラッディウルフへ入るかと思われたが、刈馬はブックを引き起こし、パワーボムの態勢。これまでの攻防でブックに余力は感じられず、これで試合は決まりかと思われた。

だが、そこに油断があったのかも知れない。ブックはパワーボムを切り返すと、リバーススープレックスを仕掛ける。まさかの切り返しに唖然とする観衆。カウントが3つ入り、ブックが勝利。刈馬はまさかの王座転落。故郷記念感謝祭において、あってはならない事が現実に起きてしまった。

3月
・開幕戦にて、今シリーズより参戦するフリー選手の発表が行われた。
・内藤や永原の復帰を希望する声が多かったが、実際に登場したのは旧ロイヤルファミリーの清水。
・ここ数年、清水はAWFと西海上プロレスで活躍。AWFでは大した戦果を上げられなかったが、西海上プロレスではNCWP仕込みのテクニックとアメリカ仕込みのラフテクニックを存分に披露。一躍脚光を浴び、美原の持つ太平洋王座へも挑戦している。
・清水は1年遅れのベッ○ムヘアーで登場すると、入団の挨拶で西海上のホープ"仁志多
朗"をリングに呼び寄せ、『西海上プロレから、二人でライバルのNCWPを潰しに来ました。俺らの加入で貧相なNCWPに活気が出れば幸いです』と、潰しに来たのか助けに来たのかよくわからないコメントを残した。
・仁志多は角界出身の日本人最重量級レスラー。150kg近い巨体から繰り出されるパワーは、西海上に参戦する大型外国人選手の力を遥かに凌駕していた。まだ20代という若さとあいまって、その力はNCWPにとって脅威となる事は間違いない。
・佐藤大季が月原の持つ統一クルーザー級王座への挑戦を直訴。佐藤は一ヶ月先に入団した自分より後から入団した月原の方が、自分よりも遥かに待遇が良い事に不満をぶちまけた。
・この佐藤の主張が認められ、シリーズ中盤の神戸でのタイトルマッチが決定。
・佐藤対月原のWWC/NWC統一クルーザー級王座戦は、予想を上回るハイレベルかつテクニカルな攻防が繰り広げられ、大方の予想を裏切り、15分22秒
バックドロップホールドで佐藤がクルーザー級王座を奪取。第3代の王者となった。

・先シリーズの結果より、刈馬と桧山の間で行われる事になったNWWC世界王座戦。これまでに、一草、式島と正規軍のトップ選手2人が王者刈馬に破れており、正規軍にとっては桧山が刈馬潰しの最後の砦となった。
・試合前、刈馬は執拗に桧山のファイトスタイルを非難。「ラリアットの連発はもう古い。それに気づかない桧山は馬鹿」「仁村プロレスの後継者と名乗っているが、全く跡を継いでない。あんなのが後継者じゃ仁村社長も安心して引退できない」等、辛らつな発言を連発。挑戦者の動揺を誘った。
・桧山も「刈馬の挑発は自分を恐れている証拠」と反論するも、刈馬からは「恐れるわけがない。先シリーズの試合を見たが、オレなら今の瀬田を相手に10分もかけない。あの試合を観て桧山を指名したのは間違いだったと気づいた」と、さらに辛いコメントを残した。
・最終戦、王座獲得へ珍しく意欲を見せた桧山だったが、刈馬の心理戦に動揺したのか気持ちが先行して大きく空回り。得意技を読まれ、中盤からは防戦一方。桧山も意地を見せ、刈馬のパワーボム2連発、ブラッディウルフ、超高角度水車落としの波状攻撃を耐え抜くも、刈馬は反撃を許さず。最後はラリアットで桧山をなぎ倒し、2度目の王座防衛に成功した。

・試合後、桧山は「世界の壁は厚かったです・・」と漏らし、自分の未熟さを恥じると、「でも、今日の試合で目が覚めました。刈馬には感謝したい気持ちです」と、試合前はあれだけ熱くなっていたのに、結局最後は謙虚すぎるコメントを残して、来月開催される新皇杯でのリベンジを誓った。新皇杯での桧山の巻き返しはあるのか?
2月
・瀬田が、刈馬の持つNWWC世界ヘビー級王座への挑戦をあらためて表明。
・瀬田の挑戦に対し、王者刈馬は、『3年も休んでたヤツが、復帰して3ヶ月経ったぐらいで万全な状態になったとは思えねえ。調整不足の怪我人とやった所でベルトの価値が下がるだけ』と挑戦を却下。王座挑戦の条件として瀬田と桧山の二人で挑戦者決定戦を行う事を提案した。
後日、刈馬の提案を桧山と瀬田が受け入れ、正式に決定。
・NCWP東洋王者
仁村の初防衛戦の相手は、NCWPジュニアの伝説である塚間道正に決定。塚間は5年ぶりにヘビー級の王座へ挑戦する。
・東洋王座戦に対し、仁村は背水の構えで望む事を表明。往年の必殺技であるツームストンパイルドライバーの解禁を宣言した。
・シリーズ最終戦で行われたNCWP東洋王座戦は、15分27秒、クローズラインからの片エビ固めで仁村賢利が初防衛に成功。仁村は宣言通りツームストンパイルドライバーを解禁し、塚間もまた弾丸ファイターそのままの突進ぶりを見せた。

・NWWC次期挑戦者決定戦は、桧山と瀬田、99年以来タッグパートナーとして共に歩み続けた二人によって行われる事になった。
最終戦のメインを飾る次期挑戦者決定戦だったが、刈馬の指摘通り、中盤に瀬田のスタミナが切れ、試合は思いのほか一方的な展開となった。最後は瀬田の殺人技、デスバレーボムを桧山がかわして丸め込んで決着。11分21秒という試合タイムが、今の瀬田の全てを物語っていた。

2003年 1月
・元WWC世界王者ヴィグ・ゴールドレッグが再来日。身長194cmの一草弾が迎え撃つも、ゴールドレッグのずば抜けたパワーの前に完敗を喫す。この男に対抗できるのは、全盛期の頃の氷上龍斗ぐらいかも知れない。
・2003年の開幕戦でNCWPの仁村社長は、大量離脱した選手のうち何名かがNCWPへの参戦を希望していると発表。先日フリーとなった内藤、板井の三回忌を終えた永原などの復帰が期待される。
・昨年、脳腫瘍などの大怪我から復帰を果たした瀬田が、復帰後初めてシリーズをフル参戦。最終戦では桧山と組み、昨年のタッグリーグ準優勝チーム刈馬・加藤組を撃破。次のシリーズでは刈馬の持つ世界王座か、カナダ血盟軍の持つタッグ王座に挑戦する事になるだろう。
(ファイプロD)