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「んっ…!…ゃ…」

ベノ・ザレロはお腹を丸めて痛みをこらえる。果肉に対して明らかに容量オーバーな肉物は、ぶぽぶぽと卑猥な音を立てるし、ミスラは躊躇なく射精するし。
膣の中に赤いのがにじんでは、白いのが洗いだし、にじんでは洗いだし。落ち着いてきたのをまた広げるし、広げたところに当てるように射精するし。

ミスラとしては、自分のことを好きだなどという少女を更正させるべくいじめているつもりなのだが、少女は健気にされるがまま。

「リリィ、リリィ」
「ぁ…ふぇ?なんですかミスラさん」

ミスラ、2本指でリリィの膣天井をこすりながら、問いただす。なんでなん、何がこの子をこうさせよるん?

「もう…ぅぁ…自分で聞いたらいいじゃないですか…ぁ」
「みすらさーん、やーんずるいー…」

ベノが中央で、リリィが右。左でコカがよがっていて、その左で一号が休憩中。一番右はクロルだった。

ミスラはコカの性器周辺の丸みを、指の腹でゆーくりとなぞりなぞり、少し濡れたその指で、乳首の先を撫でたり撫でなかったり。
自ら立ち上がる力がないという彼女の脚は、胸の刺激に反応して緩やかに宙を動く。そのゆるやかな動作は、さながら羽化したての蝶のよう。

「リリィ怒んないでよリリィ」
「やっ……ぁぅ…しりま…せん、もう…はぅぁ……ぁっ」

リリィの首筋を舐め、薄く浮いた血管を這う。くちびるをくちびるで開いて白い歯をだし、少し離れた距離からだ液を注ぐと、文句もいわずに少女は飲む。

「ふァ…!」
「きゃぅ!」

ごぽり、とベノの膣から抜けた性器を、不意打ち気味にリリィに挿入。またそういうことするんですねみたいににらめつける眼を知らん顔して受け流し、リズミカルに腰を振る。リリィは仕方のない子供を相手にするようにそれに応える。
斜めの体勢でベノのとがった牙を舐ると、小さい声で何かいっているのだが、よく聞こえない。

―――ちくぐ…。ぷ。
つぱんつぱんつぱんつぱん…くぐぐ…

「ん…ぁ…………め…」
「ん?なになにベノちゃん」
「…お口は…ダメです……はぁ…毒が……毒がでちゃう…」
「毒…?」

いわれてみれば、ベノの牙の先には小さな穴のようなものがついている。それこそいわれなければ分からないような極小のヤツ。なるほど、蛇みたいなもんだ。

「大丈夫だよこんなもん、でちゃうものは全部だしちゃいなよ、だしたらいいじゃない効かないし」
「…だめです……それでも……私そのときの感情で毒の種類が変わるから…」
「ほうほう」
「……今でたら……なにがでるか分からない…」
「ははぁ…」

それから彼女は言語を介する毒や、時空間を超越する毒の恐ろしさについて語るのであるが、その間もミスラは少女の膣を指で広げてぺとぺとさする。正直そんなもんの脅威がピンとこない、今のミスラにはピンとこない。しばし考え、だした応えは…

「…ふっ…ぁ…んぐ…ぅ!!!!」

少女の小さな口にちんこをねじ込むこと。



ぐぷ…ぎゅぷ、ぎゅぶ…きゅぼ
ちゅぶ…びゅぐ…

「んぐ…、…ぁぐ…ん、ん、ふ…ぐ」

―――ぬこ…ぉ…ちゅぼ…
っぱつんぱつんぱつんぱつん……ぱつん。

びゅぐ、びゅぐ、びゅる。

「んぶ……ぅぇ……ん、」

カプリ。

被害は幸いにも、ちんこの先が少しピリピリした程度ですんだ。


・・・・・・。


「ぁっぁぁぁぅはぅぅぅ!!!んっ!んぁ!やぁぁ…」

そこそこ強がっていたリリィが、ビックリするぐらいたわけた嬌態で腰をくねり、横の4人をたまげさせる。かくいうミスラもドッキドキ、だってこの娘は昨日くらいまで処女だったのだ。

「やぅ!!…ひっぁ…か、…あぁ…!!!」

ミスラは少女の感情にのせられる様に腰を振る。無呼吸運動で振れば振るほど腰がうねり、吸いつき、可憐なはずの歌姫はほとんどアヘン窟で人生の終焉を迎える娼婦のような顔をして、獣の悪魔を迎えいれる。

「リリィリリィ、どうしたの?なんかあったの?」
「…ゃ…だって…!ミスラさんが…ぁっぁぅ…あぅぅぅぅ!!」

ふるふると震えるくちびるを舌で慰める。回らない舌にだ液の油を注ぎ、固くなった乳首をこねる。

「ん…ふぁ…ふ…ん」

一時的だとしても、くちくちを止めたときの恨めしそうな顔といったらない。物足りない物足りない。玩具を買ってくれない親を見つめるような目付きで、ミスラに選択の余地などないのだといわんばかりに、粘膜の結合を訴えかける。

くぽん。

「ふぁ…?や…ミスラさん…!」
「ひゃぁ!」

あえてクロルにチェンジ。世の中には焦らすという言葉がある、と語りながらリリィをいじめ、優等生の膣でぬこぬこ。さすがにまだ痛そうだが、かまわず往復。抜いて、リリィへ。絶叫。飛んでコカ。

「やーん、ミスラさーん」
「はいよー」

なるほど気分はゆるゆるだが膣はキツキツとかオッサンみたいなことを考えながらコカの奥に進むミスラ。艶々した肉の先に、粒粒とした壁面があり、それが亀頭にすれると妙に心地よい。

「あ、痛くないんだ…コカちゃん」
「はーい。でも入ってるのはわかりまーす」
「そういや、さっきも乳首の方が感じてたね」
「あーんミスラさんのえっちー」

なんぞこの子。

コカの足はホントに細い、というより軽い。もちあげてクネクネさすと、たまにピクってなったりギクってなったりする。キスは糸がでるからNG、でもちょっとだけお願いしますというのでその通りにする。


ちゅぶんちゅむん…ちゅぽ。
きゅぶ…きゅぷ…


前後を続けていると少女の顔に赤みが差す。やーんとかきゃーんとかいう声が段々眠たげになり、泣きそうになり、ノドが絡んだようになるのは糸がでてきてるからなのか。

「大丈夫ー?」
「はーい、幸せでーす。」
「幸せかー」
「ありがとーミスラさーん」
「え?なんで」

偽りなしの言葉を吐く少女をぎゅってして射精、肉物はその横の一号の、また口。


・・・・・・。


「ひゃぅ!」
「あ、コカ…!!」

丸イスの端から、コカが素っ頓狂な声をあげてずり落ちる。ベノの膣天井をこすりあげることに躍起になっていたミスラは我に返り、何かを訴えかける眼でアウアウいうベノを置いてコカの元へ。

「おうおう、大丈夫かいコカちゃん」
「はーい」

そのままがっしりとミスラにしがみつく少女の力は案外強い。実質この二本の腕で生活のほとんどをまかなっているのだから当然だろう。ハンディがあるからといって舐めてはいけない、特に魔力という身体の延長パワーを考慮に入れると……

「わざと落ちたろ」
「やーん、ミスラさん捕まえたー」

小さい頭が胸の中でころころ転がる。ミスラは不覚にも心が和む。久しぶりに故郷に帰ってきて、真っ先に飛びついてくる小動物をどうして振り払うことができようか、その手を

「……。」
「んお!?どうしたベノちゃん、痛い痛い痛い」
「………………です」
「なになに?ゼンゼン聞こえないよもっと大きな声で……」
「わ………番……」
「なんて?」
「……私の番です!!!」
「ぎゃー!!!」

ベノの手は鉄の塊みたいな強度を持ってミスラの腕を引き絞る。その様鬼神、魔人、戦場の阿修羅。背後に見える手のいっぱい生えた神様的な偶像が哀れなミスラを睨みおろし、交尾の続きを要求する。

大人しく従うしかあるまい。そう思うのだが、身体が動かない。

「ミスラさーん、私もー」

とろけたような声をだすコカの口から、光を湛えた糸がこぼれでて、ミスラの体の要所要所を縛りとめているのだ。
まるで粘土質の地盤の中に閉じ込められたような圧力、強烈な窒息感が、ミスラの脳にエマージェンシーを発動させる。

「リリィ!リリィリリィ!!!ヘルプミー!!!」
「……。」
「リリィ?かわいいリリィや、なんでそんな怒ったような…」
「私だって途中です…」
「へ?」
「ちゃんとしてください!!」
「ぎゃーす!!そこは脈だ!リリィ!リリィよ!!!」



そんな光景を見ながら、優等生のクロルは自分のだ液で果肉をこする。陰唇周り、尿道口、包皮越しにゆっくりと雛尖を押し、傷口を確認するように膣の中に指を入れる。

「あ、別に傷自体が痛いわけじゃないんだ…」

一人独学で性器の反応を確かめ、いじいじいじいじ。なんぞ閃いたのか意を決め

「すいませんミスラさん!ボクももう一回…」

その横で一号が、ミスラの精液を租借しながら大の字で天井を見ている。


・・・・・・。


コッソリと近づく手が、ミスラの首を掴んでひっこぬく。遊び半分で5人の少女に精子をかけていたミスラはのけぞるように引きずられ、誰だと思ったら守備隊長のムナク・ジャジャだった。

肉食獣が羊に噛みつくようなキス。というか実際噛んでいる。引き離そうとした手をガシリと掴んで、さすまいとしたのは騎士アザカゼ。赤い騎士は魔女みたいに、ノドの奥まで指を咥え、性器に見立てて舐めすする。

リットーサが、腕にまとわりついて切なげに性器を擦っている。タツカゲ、ユキボタル、その他ぞろぞろ増えだして、ミスラの四肢をひっぱるように奪い合い罵りあい……

密度はどんどん増す一方

キーンと、ひどい耳鳴りがする

その向こうで、もう何がなんだか分からない、肉色の塊の混ざり合い

まずは落ち着けと口を動かしたミスラのこめかみに、誰かの肘が入って意識が昏倒

遠のく意識の中で、女の嬌声と精液の混ざる音だけが、ねとねとねとねと響いている



「あっ!!…ミスラ様…ぁぁ!!おっきい…」
「ミスラさん…だめ…もう、がまん……できないよぉ…」
「ミスラ殿…!こんな…ご無体な…」

――ぬこんぱこんぬこん。ねとん――

「……んぐ。…ん…ふぁああ!!」
「ちょっとお前ら…痛っ!踏むなバカ!!」
「ははぁ…コリャ大変だなぁ」

――じゅぼん、にゅぽん、じゅぽん――

「はっぁぅうう!!!ぁぁぁ…」
「もちゃぅ…」
「みすらみすらみすら…」
「ふぁぅうぅう、ミスラ殿どこじゃ、どこじゃ!!」

――ぬこぬこぬこぬこ――



「ぶはぁ!!!」

ミスラ大げさでなく、あわやどざえもん。その手は陸地を掴もうとして、ヌルッとすべる。

「げほ!!ごぁ…ふが…!!!ちょっ…まっ…」

その有様をなんと形容するべきだろうか。肌色のポタージュをペットボトルで飲まされているような…顔中にピーナッツバターを塗られているような…体中がぬるぬるべとべと、甘く苦しく酸素がない。
一番新鮮なのが誰かの吐いた物憂げなため息と尻のにおい。ああ圧死ってこうやってするんだとか思えてきて、尻の穴に鼻の穴を潰されながら暗い闇をウトウト、不意に、生暖かい水が顔中を覆いだして、小水が口腔に充満。激しくむせる。

「げほっ!!げは!!げっほげっほ…!!!」

見ればロト・ハーヴェルが漏らしているのだ。

漏らしたもん全部、当然のように鼻に入る。飲んでも飲んでも鼻に入る。死ぬから、普通死ぬからそんなそんな……ミスラの脳内、ついには見渡す限りが花畑。



(死ぬ…これは死ぬ…うげ…げほ)

(ほわわわわ〜ん)

(んご、んげ、…んぁ?)
(プリンセスシェロソピの、朝まで生ラジオー)
(うわ、こんな時にまたメンドくせぇのが…)

チャカッチャカッチャッチャッ!ヒューッ!



闇の中に滑落する意識のどっからか、陽気音楽とともにマジシャンの声が聞こえてきて、頼んでもないのにオープニングトークが始まる。お便り紹介、RN飲尿狂いのミスラさん。

「なになに、ボクは今女の人のおっぱいやお(ピー)に鼻腔や口腔を埋められて死にそうです、どうしたらいいですか、あとパンツの色教えてください、きゃー、これセクハラよー」
(うぜぇ…)

なんだろうかこの不協和音。痴女マジシャンの少し演技がかった声は、ミスラの脳内全てに反響するように響き渡る。なんか本能的に、どこに逃げても回り込まれそうな威圧感がある。

「ぱんつははいてませーん、なんちて、そっか飲尿狂いのミスラさんはモテモテでえろえろなのねー、若いなー」
(あのねシェロソピさん、あなたのノリについていくのは結構気力を消耗してだね……)
「だーめ、プリンセスと呼びなさい」
(…はぁ)

「えへへ、もしも君の心が素直に私をプリンセスと呼ぶのならば、プリンセスは君を助けてやることにやぶさかではないのだよ。えっへん、どーだ!」
(もうなんなんですか。いい年こいてそのしゃべり…、助かるの助からないの?助かるなら助けてプリンセス)
「なになに〜?声がちいさいぞ若者!まあよし今回だけね、そんかし今度お仕事手伝ってね」
(へーい、なにすんの?)
「大丈夫よー、ちんこ切ってくっつけるだけ。種も仕掛けもないからねー」
(……おい)

世界は白く反転。気づいたらシェロソピの胸の中にいた。

「じゃがじゃーん、ミスラ君げっとー」
「げほっ、げは……うげぇ……助かった。ありがとうプリンセス」

空気ってとてもうまい。女体の群れは主を失って崩壊、きゃーきゃーいってるがいい気味である。憎たらしい尻、ふともも、性器、おっぱい。

「ええーい!!!並べ!並ばんかたわけども!!順番こに犯してまわして犯して犯して……ふごがっ!!?」

アバラのあたりに殺気を感じ、はぜるように横に飛びのく。そこにいたのは、ドミニク・コードウェル。

「ドミィ…さん?」
「ずるい人ですぜ…ダンナ……こんなの…こんなの見せつけられたらアッシは…」

いつもと違う、違和感、狂気。踏み切りの音が聞こえていない人間のもつ、平常から逸脱した価値観、視点。せっかくおめかしして可愛くなってるその眼は、ヘドロの表面みたいに泡だって変な色。

「たまんねぇんでさ…ダンナを見てると…ふふはは…なんでしょうね」
「落ち着けドミィ…な?な?」
「朝から晩まで、ダンナの汁を浴びて泣きたい…ダンナの肉をノドに詰まらせて死にたい…ダンナを子宮に入れて…十月十日を過ごしたい…」
「怖い怖い怖い…落ち着け…落ち着くんだドミィ…!いつものシャイなあの子に…」
「アッシはもう……ダンナを自分のものにできるなら…地獄にでも喜んで…」



「はいはーい、皆いったん休憩いれようねー」



軍師テンネの手拍子が、ぐだぐだと集団狂気と個人的狂気に陥りかけた一同を救った。…のも束の間。

「失礼します…テンネ殿…」
「あらあら、セルヴィさんですね。始まりましたか?」
「は…あの、アクシェラ殿がストライキを敢行しまして…」

執事セルヴィが飛び込んできた。早歩きで。


・・・・・・。


アクシェラ・ゲェル。祖国を守るため、暴力を礎に集結した、犯罪組織の首領。
全盛期はブイブイいわせていたのだが、魔物に狙われ組織は壊滅、逃げ延びて、まずは力を蓄えようという時に黄金猫商会を強襲、わけのわからない少女一人に根っこまで狩りとられて現在に至る。


「ミルキィさん、シェセトさん、ポナトットさん、ドラスさん、フラミアさんが同調して…あとは……」
「ロナさんが人質にとられております…」
「師匠、丁度残りの全員ですね…」
クロル、ちょっぴりほほを染めながら整理。まだ、あそこがひりひりするらしい。

「申し訳ございませんテンネ殿……お嬢様が……まんまとアクシェラ殿の口車に乗せられて…」
セルヴィ、よよよとばかりに泣き崩れる。

「うんうん、うまいこと腹黒いのと情緒不安定なのを引っこ抜いたね」
「私が行こう、隊内の問題は私の管轄だ」

キゥリート、一歩前へ。アリスナイン、ギャラも続く。その威厳たるやどうだ、このエロと愛液の支配するいびつな空間をスパンと切り裂く烈風のごとき厳粛さ。威風。

別になにも悪いことをしていなくても、思わず背筋を伸ばしてしまう、まさに集団の骨格足るべき規律の成せるワザである。

なにが起こったのかはミスラは知らない、だがアレだ、まかしときゃぁ大丈夫だ、だってボクらにはキゥリートがいるんだから…うんうん、ミスラは、出動する消防車を見送るような感じで少女を見上げる。

「5名ほど借り受ける、なぁにすぐ済ませて戻るから…」



「それはダメですね、だってアナタ裏切るでしょう?キゥリート」



「なにを…!?」
「ロトを連れて行かれたらこまるんですね。この状況で禁呪なんか発動されたらめんどくさいですものね」
「ななな…アナタは何の話を…」
「あなたはおとなしくミスラ君にお股を預けてくださいね。あなたがこの商隊の無政府状態に嫌気がさしているのも分かります。でもホントはそれはタテマエ。自分以外に身体を触られることに吐き気を催すから、これを機に隊の規約をぶち壊したいのでしょう?」

ぺらぺらぺらぺら。

「でもね、心配しなくてもあなたのトラウマは呪いみたいなものですからね、すぐに解決しますよ。だからミスラ君とえっちしてね。意外と気持ちいいと思いますよ、こればっかりは私もよく分かりませんけどね…」
「まままま…待ってもらいたい!ちょっと待て!!まるで私が何か反乱を起こすかのごとく決めつけて…こここ、これは侮辱だぞ!!」
「クロル、そこの内線とってください」

「は…はい師匠」
弟子の手から師匠に魔法の受話器、渡すか渡さないかでコールが鳴って…

「はいはいテンネです。ああ、アクシェラさんですね、降参ですか?ではムナクを迎えにやります。いえ怒ってませんよ、だいたい分かってましたから……ああ皆耳ふさいで口開けて…」


どーん……がらがらがっしゃー


っと、爆発、皆準備してて助かる。
テンネとことこ歩き、扉を開けると煙を噴いた女の子が一人。

「ドラス、もう諦めたらどうですか?」
「ふぎゅー…くそぉぉ、聞いてねーぞこんなのー…」



察するに……

起こりそうだった反乱が2つか3つ、始まる前に勝手に潰れた、ということか

「さぁミスラさん、続きをどうぞ」
このにこにこ笑う軍師の手で。


・・・・・・。


透明な闇。

真っ暗なのに全てが見通せるような錯覚。意識が戻る瞬間はそんな感じだった。

ミスラは現在肉片になっている。なんでか、とんでもない女の子が商隊にいたからだ。
神経をタコ糸のように例えるなら、それを全部爪と爪ではさんでピーってやる、そんな狂気を、笑いながらやってみせる少女。まったくやられたのがミスラだから、ネタの割れたスプラッタで済んだのだ。



ミスラはほんの数分前の出来事を思いだす。

黄金猫商会の構成員が勢ぞろい、正直名前があやふやな娘っ子がちらほらいる。軍師テンネはじゃじゃ馬ばかりを担当する保母さんのよう。その笑顔には焦りも曇りも無く、じゃぁ皆、いっぱい楽しもうねとでもいいたげな。

「この子がミルキフィリオですね、こっちがシェセト。2人とも純真すぎて、人のいうこと丸呑みにするので扱いに注意してくださいね」

新たに加わったメンバーの紹介が始まる。ミルキフィリオ、トイレでミスラに用を足しているところを見られ、なぜか自分が悪いと謝り倒した女の子。今もブツブツ、ごめんなさいを繰返す。
シェセト・ガルガンプ、いかつい骨のような仮面を被っているので何者なのかよくわからない。ただものすごくまごまごしている。わなわなともいう。あと髪がきれい。

「この子はロナですね、ロナリアル・クレポンテニア・ギニメンデコ・スースポンテアニーニュ・ガストロデンデンコ…まぁ本名は置いといて、綺麗な子でしょ?」

これにはうなずかざるを得ない。ロナ、本名略。色黒なのだが、肌が艶々していて、爪や瞳の光沢が真珠のようにきらめいている。髪の毛は濡れたように潤って、色気が、水になって滴り落ちそうな、そんな雰囲気。

「よろしく、お願いします」
「ああ、よろしくお願いします」
「私――初めてです、…がんばりたい」
「はい?」

イントネーションが、おかしい。

「言葉…少しだけ話せます」
「ははぁ…」

日本語お上手ですね、そういいたくなるしゃべり方。なんかモジモジしてるから、なんかいい。



ドラス・ビーと呼ばれた少女はずっとふてくされている。その横で、フラミア・ラミアミアはわんわんと泣きじゃくっている。



残るは二人、反乱に失敗した少女アクシェラは、陰のある顔立ちをして、若くして自殺する人にありがちな苦悩の色を、その深いホリに刻んでいた。

「はは…オレはね、自分は結構器用な方だと思っていたんだよ…」

ペッタリと撫でつけた七三、あったかそうな黒のタートルネックを、今脱ぐところ。

「そこそこの労力を注げば、そこそこの成果は返ってくるってね…はは、誰だってそう思いたいもんじゃぁないかい?それが当たり前のことだってね。世界はそうあってほしいもんだ」

ミスラそれには応えない。代わりにゴクリと息を呑む。
他の人は気にも留めないのに、どうにも自分だけは惹きつけられてしかたがない、そんなポートレイトを発見したときの、あの瞬間。あの喜び。
その一枚の絵が、写真が、空間から際立って、他のなによりも強調されて感じる。時計の針が止まり、その瞬間に釘付けにされたような……

「ダメなんだなぁ…問題なのはそいつが世界の歯車にかみ合っているかどうかなんだ…オレがなにをするかじゃぁない…おや?どうしたい?」
「は…!いや…その」

カリスマ性。そんな言葉がピッタリはまる。生まれた時空が異なれば世界と戦うこともできただろうに、あいにくこんな魔人達に囲まれていては、消えるのを待つ灰の中の火に過ぎない。

「いやぁ……げふげふ、綺麗な人ですね…」
「はは…うれしいね。こんなのでよかったら慰めておくれよ、もう化け物の相手はしんどい…はぁ……ちかれたよぅ…」

今夜は飲もうよ、そんな未来を見失った少女の横に、最後の一人。縄で縛られてギャーギャーわめいている彼女の名は、狂気の人形師ポナトット。



「あひゃひゃははは!!!うぜェ!マジうぜェ!!殺せよ!殺せったら!!ホラどうした、縛るだけかよ!?あひゃひゃひゃひゃ!!!縛るなら脈にしろよ脈!!!」

人形と人間の区別が本当につかない、本当の意味で本当に真性なお方で、スケアクロウがマジメに説明するには、オレ様は努力型の変態、ポナは天才型の変態、だそう。
本当に危険な娘なので、普段は牢屋で過ごしているとかいないとか。2度3度、痙攣を起こして泡を噴いたから縄を解こうとしたら、演技だから、とテンネが怖い顔で止めた。

「できればですね、もうこの体制から入れてもらったほうがいいんです」
「そ…そんな危険な子なら無理してナニせんでも」
「ですからね、無理でないようしてもらおうと…こんなかわいい子の未来がお陀仏では世界の損失ですものね。大丈夫あなたならできます。いつもみたいに、ね?」
「はぁ…」

さてもこの狂気の人形師、縄の下はシャツ一枚しか着ていないのだが、頭部、ギザギザに適当に切られた金髪が、蜜蝋のように麗らかな肌の色とあいまって、いかにも危険な、油を塗ったばかりのナイフを思わせる。
超攻撃的な眼。身体のあちこちに擦りむいた様な跡や、アザがあって、もう少し自分をいたわればいいのにとそう思う。

手は後ろ、前屈のまま両膝を縛られて、食い込む縄目が、見ているものを後ろめたい気分にさせる。やりすぎではないか、話せば分かるのではないか。

「厄介な問題は今のうちに片付けておきたいんですね…ロト」

呼ばれたロト・ハーヴェルは、相変わらずの無表情であらわれてポナトットを一瞥、スラスラと空間上に発光する文字を刻んでいく。さっき、どさくさにまぎれて小水を漏らしたのは無かったことになっているらしい。
放射状に光が伸び、金属を焼き切る時にでるのと同じ火花が、ミスラとポナトットを包む。

禁呪。涼しい顔で当たり前のように発動しているが、この呪文はかつて世界の中心を貫いた世界樹からこしらえた、永遠に読み終わることのできない書物の力を借り、対象を無限の文字の世界に叩き込むとかどうたらこうたら、それはもう恐ろしい術である。

「じゃぁあとよろしくねー…」

テンネの声が、水の膜の向こうから聞こえてくる。やがて暗転、空間にはミスラとポナがぼんやりと浮かぶのみ――2人っきり。

「なんだこりゃ…?」
返事はない。
「よろしくったって…」

目の前には、瞳を血走らせ、緊縛された少女。
なんとなく、テンネの思考が読めた気がする。

ため息一つ。

ポナトットの蜜肉に食い込む縄の玉を、2・3上下させてあまりをつくると、ゆっくりとその戒めを解いていく。



刹那の虐殺。



こうしてミスラは、めでたく肉片となった。


・・・・・・。


時間にしてどれほどか、ミスラは爪と歯で解体され、血管や神経を適当につながれて、弄ばれる自分を眺めていた。自分ではない自分の身体をした者が、ポナトットと一緒に踊っている。ミスラは回復する、また殺される。何度か繰返して…

「つまんない」
「ん?」
「お前つまんない」

少女はミスラに飽きてしまった。

ひきつった笑い顔もどこへやら、パパなんて嫌いだもん顔になってむくれている。
飽きたといっても空間から断絶された結界の中、他に玩具はないのだ。ミスラ、少女にすりより、機嫌を直すようおうかがいをたてる。仲良くしようよ、うざい死ね、そんなこといわずに…

それこそ人形のように投げだされた少女の足をチマチマといじくる。この少女、性的な羞恥を備えていないのか、下半身をまさぐられることに恥入る様子は微塵もない。極まれに、その場の気分で首から上が吹き飛ばされるが、おかまいなし、チマチマチマチマ…


聞こえてくるのは、シャツの衣擦れと息づかい。


育つがままの、ほったらかしの肌。耳の裏が、少しざらざらする。指のつけ根の皮がむけている。ミスラそこを舐め、さんざ自分の血を吸った爪の間に舌を這わす。少女は嫌がらない。
「……。」
少女はぶすっとしながら、ミスラの方を見ようともしない。だが、他の何を見るわけでもない。彼女の中には、宇宙の始めのようになにもない。



こすこす、さすさす…

悠久の時間の後、少女の瞳が、わずかにミスラに傾く。少女の中で、再び何かが燃焼を始める。
ミスラはかわらず、少女の股間をいじくり続ける。少女の足がわずかにひらく。そっちの方が、なんだか都合がいい。少女はいじられている場所に意識を向ける。なんだろうか、別に悪くない。そう思い、また少しだけ足を開く。

「ゥ……。」

脈絡なく飛跳ねる注意、意識。彼女の思考には一貫性がない。連続性、過去とか未来とか、そういうものは彼女を束縛しない。ブツブツ切れる、ソバみたいなもんだ。
目の前に現れた、一番楽しいもので頭がいっぱいになればそれでいい。いつもそうしてきた少女は今、ほのかに熱い股間の熱がなんであるか、それを知りたくなって、それ以外のことをがどうでもよくなる。

チクリと跳ねる、小さな火花。

桃色の花。咲いては散り、散っては舞う。少女は夢中でその痕跡を追いかける。やがてわずかならが、その花を咲かせている人物が気がかりになる。

「ウー……ゥゥゥ…」

少女の花肉が舌によって開かれる。桃色に充血したヒダ。小水のにおいがわずかにする。少女はミスラの鼻に自らをすりつける。自分自身を喜ばせるための動き。単調な繰り返し。じっとりと肉を押し当て、寄せては引く快楽の波に身を寄せたゆとう。

「ウウー…。ゥァ―――っ。」

突きだされた尻に、ピンと伸びた脚。中指が、まだ青い果肉に埋まっていく。つぷつぷと、ぬめりと温度のある液体。自ら誘い込むように飲み込む肉。


はてさて。


どうしたものかとミスラは思った。下手に挿入を試みて、チンコを千切られたりしたら精神的に立ち直れない。とはいえあの軍師の口ぶりを反芻するに、多分そういうことをしなければここからだしてもらえないだろう。
グズグズしていたらこの無明の空間で身体が爆発する恐れもある、それは困る。はたして自分の身体は今どうなっているのか、一つわかったのは、死んでから復活するのはあまり身体に良くないということ。なんだか頭がフラフラして、爆発の時間を早めているような気さえする。
あんまり悠長なことはしてられない。

「ンン…ァゥ………ンッ!」

少女は身体を横に、丸くなって、ふるふると震えている。薄っすらと生えた恥毛を撫で、果肉の入口を浅くこする。虫の鳴くような声、ミスラは恐る恐る、桃色の肉に亀頭の先端をあてがっていく。

「ンゥゥ……ギゥ…」

先端が粘膜に包まれたところで、ゆっくりと前後。L字型に開いた少女の、無防備な左足を捕まえて口に含み、右手でふとももや下腹の肉を愛撫する。大丈夫、殺されない。

もう少し埋没。強張った陰門がカリ首に引っかかる。もしかしたら膜かもしれない、その辺のところを確かめるべく、ちんこの先に神経を集中、肉の地形を把握するよう努める。

くぷ…こぷぷ。くぷ。……ぷじゅぅ…。
じゅぷ…じゅぷぶ…ぷぷ。

「ァグ!!…ン、ァァ……」

肉茎が、ゆっくりと真新しい姫肉とこすれあう。両手で、細い腰を押さえつけるようにして、細心の注意を払いながら、奥へ奥へ。肉の深部に到達、少女の様子を見る。

ポナトットの瞳は薄っすらと閉じ、まつげの先がまぶたの力で揺れている。わずかに開いた口。そこから、歯の軋る音と、小さく息を吐く音が聞こえる。
この空間で唯一肌色を覆っている、少女のシャツ。コレはもうほとんどまくれ上がって、少女の両二の腕に引っかかっている布キレに過ぎなくなっていた。

くぷ…。くぽ…
くぶ…、きゅぽ。

ゆっくりと、ゆっくりと。膣道の奥に空洞をつくり、また埋める。埋めてから空気を押出して、肉物の先端を、肉の壁で包みこむようにする。また離れる。尿道の先からあふれた液が、子宮の入口に糸を引く。糸はゆっくりと内壁と混ざり、肉と肉の摩擦を和らげる。

くぽん、くぽん、きゅぽん、くぽっ…

少女は細い首をよじらせて、喘ぎ喘ぎミスラを見る。これはなんだろう、これをしているのはこいつだろうか。心地よい、痛みと快楽。
少女は、コイツがいなくなったら、コレを感じることができなくなるのだろうかと思い、確かめるべくミスラの首に爪の先を当てる。ソレをすれば、コイツは動きをとめるはずだ。

「ゥァ……」

だができない。コレが止まるのが、酷く怖い。得体の知れないモノが、コレが止まった瞬間あふれ返るのではないか。ソレが始まったら、自分はソレを止めることができないかもしれない。そうなったらと思うと、怖い。

「ヒゥ……ぁ、…ぅ、お前…」
「ん?」
「お前…なんだ?」
「オレ?ミスラだよポナトット」
「ミスラってなんだ?」
「ミスラってのは名前。人の名前」
「人…?」
「そう、人」
「わかんない、よくわかんない」
「んーとね…」

少女は泣きそうな顔になっている。理解したいのに、掴めない。捕らえることのできない世界。そういえばこの娘、自分のことを「私」とか一人称で表現したことがない。そういう世界に、住んできたのだ。

「んー…人ってのは…」
「……うん」
「あったかいの」
「…あったかい?」
「冷たくしたら、ダメだよ」
「…わかんない」
「…わかんないか」
「…わかんない」
「そか」
「……でも、ミスラは好き」

その瞬間、2人を綴じていた禁呪が解けた。ロト・ハーヴェルが本を閉じる。全ての出来事を読んでいたのだ。難しいことは良く分からんが。


・・・・・・。


「あのさ、スケアクロウ…」
「んだよ……ぁぅ!!」
「もしかして、責められるの弱いんだ?」
「うっせーバカ!!…ゃめ!中指やめろ…ぅあぁあ!!」

不浄の魔女の、アカの溜まったふとももの裏側と対比して、驚くほどピンク色の果肉に指を埋める。においがきつい。気のせいか、愛液もわずかに淀んで、人よりとろとろしているように見えなくもない。

「普段ドSぶってるけどさ、本当にドSならもっと割り込んでオレのこと搾取してもいいと思うんだよね」
「ぅぁ…やぁ…ん!ゃ…うあ!!」
「一向に風呂に入る気配がないのもさ、入ったらオレにエロいことされるのわかってて、踏ん切りがつかなかったんじゃ…」
「入ってくるから…入る!入るって…!!だから…やめ…待って…ぁあぁぁぐ!!」

ピュゥ…ぴゅぅぅ……ぴゅっ。

断続的に跳ね上がる少女の膣から、透明な液体が噴き上がる。ミスラは手を止めない。その液で、性器の周囲や肛門を洗いつつ、弱そうな肉をこねこねとつっつく。

「らめ…やらぁぁ!!ぁっぁ、うあぁあ!!」
「おお、ラ行がでた」
「遊ぶな…!オレ様で…ぁぁっぁぁああ!!!」

くっぽくっぽくっぽくっぽ…

深緑色の髪の毛が、水際のワカメみたいにのた打ち回る。その口に、愛液でべとついた指を突っこむ。魔女は、自分のにおいに嗚咽を漏らしながらも、しぶしぶといった表情で、べとついた汁を舐め始める。

「はぷ…んぐ。…ぇぅ、ぇぐ。…ん、……んぐ、ぅえ…」
「スケアクロウさ…もしかしてだけどさ…」
「…うぐ…んん」
「酷いことされるの…好きなの?」
「……………うん。」


把握した。


これからされることを想像して打ち震える少女のほほを掴み、限界まで舌を伸ばすよう指示。赤々と毒々しいその舌は、ねっとりと粘っていて、亀頭を乗せると、ピリピリと電気が走る。

ぐぷ…ぐぽ。ぐぷぶ…
ぐぽっぐぽっぐぽ…
ぎゅぷ、ぎゅぷぷぷ…

「んぐ、…ん、んぶ、……ぁふ、んぁ…」

産まれてから一度も洗ったことのないと豪語する口腔に挿入。危険なことをしているという危機感が、亀頭の感覚を鋭敏にし、すぐさま射精したい欲求にかられる。
ミスラ上位の、性器の舐めあい。少女はじゅるじゅると、心から堪能するように、ノドの奥で亀頭をすする。たまらず射精。抜こうとした腰を小さな手が掴んで、咎めるようにミスラにしがみつく。

「…ん、んご、…ぅぇ……ぁ、ふぁ…ん」

皆の見ている前でなんとはしたない、そう思ったが、見られてるからこそこの娘はたまらないのだろう。

ふと、どういう神の采配か、都合よくホッポリだされている歯ブラシが目にとまり、天啓と心得たミスラはそれをひっつかむ。

「………磨こうかスケアクロウ」
「……んぐ、…ぅぁ?」
「うはははは」

一瞬わけがわからないという顔をするスケアクロウ。とっぷりと、口に溜まった精液で、歯と歯のスキマや、歯茎、舌のコケ、それらの汚れを磨け、とこの男はいう。
世にも奇妙なマヌケな図。想像して、ドMな魔女はくらくらする。

「……ふぁい…んぐ」

シャコシャコと、場違いな音が響き渡る。涙目の少女、寝そべりながらそれを眺め、手を止めないよういいつけながら腰の上へと果肉を導く。騎乗位。

つぷん。

「ふぐぐぁ…ぁ、や…」
「そうじゃないよスケアクロウ、もっとこう、毛先をあてがって、軽い力で小刻みに揺するの」
「…ふぁ…い、ん、んっ!んぐ…ぅぁ」
「違う違う…しかたないなぁ……、ちゃんとやらないとアソコも磨いちゃうよ?」
「ふぁう!!」

膣内を毛先で磨かれる自分を想像したのか、少女はまた達してしまった。身体に力が入らないのか、投げだすように崩れてミスラにもたれる。ぜぇぜぇと息を吐く口から、現代でいうところのプラスチックみたいな持ち手が覗き、硬質のテカり具合がひどくいやらしい。

ミスラは少女の中に精を放つ。ゆっくりゆっくり、射精されていることを噛締める時間を与えるように。

「じゃ、口の中のもの全部飲んで」
「ぁふ……ふぁぁい…。んぐ、ん」

この世の幸福、その全てを享受したように幸せそうな少女。その膣からあふれた精液を、毛先の柔らかい歯ブラシで掬い、肛門、腋の下、足の裏、長い年月溜まった溜まった汚れを落とす。
そうされている間、彼女が何回達したのか、途中から見てなかった。


・・・・・・。


「うおぁぉあ!ナニコレ冷たっ!!」
「消毒だよミスラ君。なんといってもスケアクロウ君はばっちいからね」

手袋を装着した変人科学者、ブラッドダリアが、実に事務的に手コキを始める。アブラナ色の長髪に、味気のない眼鏡、コレで白衣を着たら女医さんに見えなくもないが、あいにく今はバスタオル。

「別に、オレの力で滅菌しまくってるんじゃないの…ないんですか?」
「推測で女の子を危険にさらすのかね?ベノ君の概念的な毒と違ってこっちは生物的な毒だからね、ホラ、キゥリート君は特別綺麗好きだし」

「ままま、待て待て待ちたまえ!何で私がすることになっているのだ!許さんぞそんな…!!」

自分大好きキゥリート。本来ならば威厳バリバリ、その一喝も、なんだか今はむなしく響く。



人間は大嫌い。醜くただれて汚らわしい。放っておけば際限なくつけあがり、自分の欲望のためなら他人の苦痛も省みない。
山奥の、閉じた村落で育った彼女は、嫌というほどそういうことを見せつけられながら幼少期を過ごした。夜毎男を咥え込む母、好き勝手に生きて、家族を捨てた父。

不公正ないいがかりで事の善悪が定められ、誰もが他人を蹴落とすことと、不幸をつまみに酒を飲むことしか頭にない。嫌気がさして、村をでる。

王都での、地獄のような労働の日々。軽々と身体を売る商売女に唾を吐き、血反吐を撒き散らしながら勉強する。積みあがっていく書物。合間に、法を軽んじる狼藉者を叩きのめしていたら自然と名が上がった。
異例の若さでの仕官。自分が捕まえた悪党の死刑に立会い、それが父だと知ったのは後のこと。彼女の精神はピクリとも反応しなかった。自業自得。彼を殺したのは法であり自分ではない。当たり前の事が当たり前のように遂行されたのだ。

しばらくは安定した時間を過ごした。法に仕えることの充実感、善悪を超えた、他の何者かに動かされる感覚。キゥリートは、ただ法のためになすべきことをなす自分の手足を眺めればいい。

しかし転機は早かった。王宮はすぐに、腐った卵のような正体を現す。
魔物に怯え、享楽にふける貴族。度を越えた肉欲。なんのことはない、綺麗に着飾っているだけで、やっていることは故郷の連中と同じなのだ。豚が服を着るだけで、豚であることを隠せると思っているのだろうか。

彼女は王都を去った。直後、魔物によって国が滅ぼされたと知ったがどうでもよかった。

シャマニとの出会い。金以外なにも信じないこの女は、ある意味で自分と似かよったところがある。少なくともその辺の人間よりは心地よい。契約の内容も、別にいいと思っていた。肉欲の行為が、自分の信念に何らかの影響を及ぼすなど、考えても見なかったのだ。



「恋を…したんだ」

「ん?コイ?」
「この商隊の倉庫で…始めて私は自分の姿を知った」
「へ?」
「自分の顔をハッキリ見るのは…初めてだったんだ…そんなもの…気にするヒマもなかったから…」
「ははぁ…」
「自分のこと…男だと思ってたし…」
「は?」
「なんでもない!聞くな!聞いてくれるな!!」
「え?…あー、そんなバカな…うん」
「彼女の身体に触れたかった……気がついたら指が……いけないとわかっていたのに…」

キゥリートの告白に、ミスラのちんこはガチガチに反応する。だって、どうまさぐったとか、においがどうだったとか、聞いてもないのに事細かに説明するんだからね。

「止まらなかった…いつもいつも、勤務中も…自室にこもって自慰にふけることばかり考える…私は、結局同類だった…今まで見下してきた連中と…」
「ん?あれ?」
「まぁいいさ…ここまできて逆らう気はない…こんな腐った契約でも、法は法だからな…」
「んおお?なんか一人で勝手に納得して落着して…」


自分大好きキゥリート、完全に自分に酔っている。


「さあ犯さば犯せ!!…可哀想なキゥリート…ぁぁ…」
「いや……そう?じゃぁ遠慮なく…」

ちゅぷん。

「いつか…んん、…お前を裁いてやる…ぁぅ…この手で…ぇぅ」
「……。」
「ふぁ……おのれ…悪党めぇ…ぅぐぐ」
「……。」
「負けるかぁ…屈するものかぁ…」
「ぐはははは!淫乱女が!これなら豚の方がしまりがいいぜぇ!!」
「ふああん!だめぇ…!!」

あ、この娘もMなのか。


・・・・・・。


「すご…ホントにいっぱいでるねキミ……気持ちいい?」
「痛かったらゴメンね…ふふ」

あちこちで、くぽくぽと身体をついばむ音が聞こえる。ゆるやかに、じっとりと、熱く熱く、染みるような愛撫。されるがままのミスラには、ミスラから見て、どちらかといえばお姉さんな人たちが群がっていた。

アリスナイン、ギャラ・メイラ両キゥリート部下、イケイケな金髪娘キャリベルローズ、変態科学者ブラッドダリア、一号、痴女奇術師シェロソピ、軍師テンネ、ユイラ、ユキボタル、アザカゼ…

皆して、ミスラというおもちゃで遊びまわすというか、弄ぶというか、ミスラが反撃しようとしてもスルリとかわされ、ちんこをつかまれ搾られる。
背中に密着したアリスナインが、熱いおっぱいを押しつけながら、耳元でずっとこれはどう?とか、お○んちんいれたい?とか囁いている。その手は、絶妙な力加減で達した直後の肉物をしごきあげ、いくら嫌がっても止めてもらえない。

びゅぐ、びゅるっ。ぴゅ。

「あ、またでちゃったね…」
耳の中にくすぶる、アリスナインの声。耳の穴から脳みそを引きずりだされて、直接舐められているよう。

「もう両手からこぼれちゃうよ…」
ミスラの下腹部周辺では、ギャラ・メイラがわざわざ手で受けた精液をミスラに見せる。

その肉感的な体つきといったらどうだろう。風呂あがりに鏡を見て、うわぁ…とか思いつつもついついケーキに手を伸ばしてしまうような、いたって健康に育った身体。無添加。天然。
結果エロっちいから成功というか、裸にエプロンで台所に立っていたらどんだけ仕事で疲れて帰ってきてもとりあえず後ろから抱きしめたくなるというか、そんな肉つき。

「ケホ、ケホ……あんまりおいしくないね…けほ」

精液を口に含み、やっぱり不味くて咳き込み吐きだすしぐさ、反則である。



足がぬかるみに落ち込んだように熱い。ユイラ、シェロソピ。まだそんなに親しくもなっていないセネア・セピアが、恥じらいもせずミスラの足指を舐める。ミスラに巻きつこうとするアザカゼの腕、だ液でぬるついて、ネトネトと、においと熱がこもる。主導権はミスラにない。



ずっとミスラに、口での奉仕を強要する一号、彼女の首筋に舌を這わすキャリベルローズ、群れに加わる執事セルヴィ、タツカゲ、ああもう誰が誰だか、鼻の穴がおっぱいの裏にふさがれる。圧力釜で炊かれた米の気分がわかる……

「じゃ、いただいちゃいますねミスラ君…」

テンネが、ほほを右手で押さえながら笑っている。膣肉に溜まった空気しか吸ってないミスラには選択する権利も無い。ぬるぬるするものに、ちんこが丸ごと包まれる。

くぷ…。きゅぷ。…ちゅぽっちゅぽ。

「ぁ…、やっぱり痛いですね…うん」

いいながら彼女はゆっくりと後ろを向く。でたり入ったりするところがよく見える。長い髪、束ねている布がヒラヒラ揺れる。

きゅぶ。きゅぷ。…ぷぽ、ぷぽ。

「やすむなこら低脳きさま他にとりえもないクセに」
「無理いうな…ぅぁ…うげろ…」

一号の陰唇がミスラのほっぺに押付けられ、弧を描くようにミスラの口の端へ。この娘も、熱気にやられてバグってきている。さっきあんだけしたんだからお前もするんだとかなんとか良く聞こえない。ミスラ、息を大きく吸い、酸素を補給してから少女の果肉を吸い倒す。

「ふぁう!」
「おお、どうした一号」感心するブラッドダリア。
「感じてない感じてない感じてなんかない感じてなんかない…ぅぅ」
「なんてことだ、こんな淫乱につくった覚えはないんだが…」

ミスラはテンネの腰をもち、前後に振る。彼女はそれにあわせる。日頃から運動不足なせいかぎこちなく、モタついて、タイミングが少しズレ、ちんこがひっかかってたまらず射精。
あらあらとばかりに口を押さえた軍師は席を空ける。こんなもんですかね、ほほを少し染め、余韻を感じ、後でまたお願いしますねと付け加える。



アリスナインは終始余裕でミスラを迎える。結構な時間ミスラをいたぶり、精神的優越を獲得した余裕。ミスラは夢中で腰を振る。ぬるぬるになった張りのある尻、この透明なコーティングが全部、人の口からでただ液。
後ろから巻きつくアザカゼにキスをする。誰かの手首が脈を締めて息苦しい、脳がとろけて辺りが暗い。キスの相手はいつの間にかアクシェラ・ゲェルに。コーヒーとハッカの味がして、熱気の中にあって動じない瞳は、少しミスラを心配しているようにも見える。



「さあ一号、早いトコもらいなさい、今のうちだぞ」
「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

ガチガチに固まった一号を皆して押さえつけ、強引に挿入。ミスラは下から彼女を抱きしめ、それを言い訳に、しばらく他のメンバーの愛撫を逃れる。裸体の盾、しばしの安全。鼻に舞い込む紫色の髪。水に溶けそうなほど薄く、ほのかに香る。

「ィあぁっぁぃあぅぃあぅぅぅぅぅぅぁぁいうぃぃぁあぁ」
「力入れすぎじゃなーい?一号ちゃん」キャリベルローズ。
「ほーらよしよし、痛くない痛くない」ブラッドダリア。

ミスラの真上でアップになった一号は、全力で奥歯を噛締めながらミスラを睨む。その顔を両手で掴み、なんとかキスでもして落ち着かせようとするも、一号は全力で拒否する。

「ぅぁぁぁぁぁなんでこんな痛いことするブラド様私嫌いになったかぁぁぁぁ」
「ばかたれ。しょーもないことをいっているとこの場で直腸検査をするぞ、……いいやしちゃえ」

くぷん。

「ふぁぅあ!!」

プシュー

「む?いかん」
「え?なに、ちょ…」
「壊れたかも」
「ピガー!!!」

一号は暴れる暴れる、頭突きをされてほお骨がジンジンする。柔らかそうな背中は、ミスラがひっぱったところで鉄板みたいにビクともせず、一発食らったら終わりそうな拳が次々と顔面を強襲。

「ちょ…おち、おちついてぇおわぁ!!一号!?」
おかげで浮かれた熱は少し冷めた。

ボグった一号、止めに入る他のメンバーを振りほどきつつも、股間はしっかり密着、上半身で暴れに暴れ、きゅぅきゅぅ締まって気持ちがいいとかそんな場合ではない。

「これはいけませんね、キゥリート…は使い物にならないからムナクさん」
「へーい」

戦慄する裸ないしバスタオルの女子約30人。逃げるものまごまごするもの抑えに入る者。

そんな中、とんとんとん、っと、風を置いて走ってきたムナク・ジャジャが、投げ飛ばされた他のメンバーをヒラヒラ避けて、ボスキャラよろしく両手を振り上げて威嚇する一号のヒザを一蹴り……身体を駆け上がってシャイニングウィザードを決めた。

「ふぁぅぅ…ピガー」
「ちょちょちょ、やりすぎやりすぎやりすぎ…ふご」

役目を終えた最強の戦士はミスラの顔にどかりと胡坐をかく。フラフラする一号の頭をナデナデ、ほっぺたをひっぱたり、意味もなく熱を測ったり。相変わらず行動が良く分からん。

「ぁぁぁぅぅぅ私はなにをなにが…」
「ふが…おっ、直った?」ミスラ。

ちんこは入ったまま。


・・・・・・。


「ふぁぅぅぅぁ!!みすらみすらみすら!!」

尻を突上げた一号を容赦なく後ろから攻め立てる。ぱんぱんぱんぱん休みもせず、ぶたれた尻が少し赤い。
口腔愛撫のときの変容に引き続き、ムナクの一撃で、なんだか変なスイッチが入ったように感度が良くなった一号、ミスラは鬱積した欲望の熱をぶちまけるように腰を振る。完全にミスラのターン。

ちゅぱんぱんぱんぱん、ぷちゅ、ぶじゅ、じゅぽ、じゅぼ……
「あぅぅぅぅぅ、みすらぁ…みすら」

覚えたての男の名前を口にして、鋼鉄のようだった間接はくにゃくにゃに、自分を支える力もなく、獣のように突かれてよがる。計算通りだ、とブラッドダリアは適当なことをぬかした。

じゅぱんじゅぱんじゅぱんじゅぱんっ
じゅっこじゅっこじゅっこじゅっこっ
ぬぱんぬぱんぬぱんぬぱんぬぱんっ

ぶぽ。

「ぁぁっぅぁぅぅぅぅぃぁぁ…」

ミスラはもう、ちんこから伝わってくる快感よりも、自分が動いて、この娘がよがり倒すのを見ていることが気持ちいい。超高速でエロ化していく電気っぽい娘。なんだか見てると、心が不安になるというか、脳みその右の方がチリチリする。

右腕にムナク・ジャジャの腰を抱いて、その指は果肉へ。
一号の腰を、上からクッションに押し付けながら膣に射精、ガクガクと震える一号、湯気のたった肉物を、間髪いれずにムナクに挿れる。2人ともオレのもんだ、体勢的にはそんな感じで。

「ぅぉぉぉーぅ…」
「変な声だすなよ…」
「けっこーいってーなー…ぅちぃ」
「う…まだ早かったか」
「気にしねーでくれよぅミスラー。ぉぉーう…」

ニッカリと笑う少女。遠慮はいらねーぜぃミスラ…初めて呼ばれた名前。なんとなくこの瞬間から、互いにタメ口で話す関係が成立する。ミスラにとって、完全に五分五分で離せる存在は貴重だし新鮮だ。

オレのここ、ヘンじゃねーかぃ?――んなことないよ――へへ、こーゆーのわかんねーから後まかした――断片的だが、それで十分な会話。
合間を縫って、左腕の一号にキスをする。彼女は喜んで舌を伸ばし、伸ばしながらおっぱいをさしだす。ミスラの舐めやすいように舐めてほしいところを舐めてほしいように…

「みすらみすらさきっぽだめだ…ぅあぁあ」

左手のてのひらに、膣からでた暖かい液が溜まる。味が気になって舐めようとする。一号はやだやだいいながらそれを止める。ムナクの膣奥がきゅぅきゅぅ締まり、精液が中の肉に吸いとられる。



「ダンナ…」
「んぁ…、ドミィ」

全身を深い痺れが襲っているところ、ムナクの髪から顔を上げると、ドミニク・コードウェルの姿があった。
少し前に少し見せた、黒い怨念と独占欲の塊は今はなく、うつむいて新婚さながら初々しい。黒い髪はその若さを存分に発散、開花を控えた蕾のよう。

「ここんところが…」
「ん?」
「チクチク痛いんでさぁ…。ダンナが…ダンナのそんな姿を見てると…」
「ドミィ…」
「それ以上に…熱い。…どうにもならねぇんです…出会ってまだ時計の針が2回りかそこら…なのに…罪な人ですぜダンナは…」
「ダンナはよそうぜ」
「…?」
「名前で呼んでよドミィ」
「………へへ、すいやせん、育ちが卑しいもんで…」

シャマニとドミィ、産まれてから、なに一つ手に入らない生活を送ったというこの姉妹。金を集め情報を集め人を集め、その日を生きることだけを考えていたら今に至った。

「アイーサウルベン…ちゃんと覚えてますかいミスラ?」
「ん…?あの世界は大きいとかなんとか」
「この世は確かなものと不確かなものがぐるぐる回って…畢竟どっちがどっちかソレすらもわからないってヤツでさ」
「うん、わかってる、わかってた」
「へへ、……姉はそんな世界の中から金を選んで、ソレを神様にして生きてきました…」
「ふんふん」
「アッシはそれがうらやましかった。自分にもそういうものが欲しかった。疑うということすら思いつかないような世界の中心……だから集めた、世界に関するありとあらゆる情報」
「見つかった?」
「へい……アッシは、あなたを世界の中心にしようとおもいやす、ミスラ…」


・・・・・・。



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