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高台に3人の魔女がいる。影は妖しくたゆみ、かさぶたのように黒い。その眼は、たらふく血をすすったダニやしらみの腹の色だ。

「みつけましたよー、んふふふふ」

中央にいる銀髪の魔女は一見、人間に蔓延した宗教の聖職者を思わせる格好をしている。もちろん神をあがめたことなど一度もない。コレはただのジョーク、自分でも結構気に入っている類の、タチの悪いやつだ。

丸い帽子に分厚い教本。不気味な棺おけ肩に抱き、口からのぞくキバは肉食魚類のそれ。その視線はじっとりとモグラの戦車を追いかけている。もちろんミスラ達の乗ったバスみたいなヤツ。



「ゾゾルド…コレ、命令違反なんですケドー」
「ぬあーにをいっとるのですかドルキデ、コレはチャンス!我等が神ドラディエラ様に日々のご恩をお返しするチャンスなのですぞ!!」
「いやだから命令違反なんですケドー」

ドルキデと呼ばれたのは、終始世の中どうでもいいオーラを撒き散らす少女。同じく銀髪、黒のワンピのミニスカート。

「んふふふふ、ハイハイと命令にしたがっとるだけが武将にあらず、そうでしょうキルソロ!?」
「……。」

キルソロと呼ばれた少女は黙して腕組み、明らかにイラついている。やはり銀髪、少年を思わせる容貌、格闘を念頭に置いた鎧に、野山を駆けずりそうな手足がついている。

はっきりいってしまえば彼女はドルキデが嫌いだった。ゾゾルドはまだマシ、それでもこの諦観少女の、舞台に上がらず人を見下す態度は殴ってやりたくなる。
彼女は嫌いなのだ。分をわきまえない存在はすべて嫌いなのだ。しゃしゃりでる者、怠惰に怠ける者、あきらめる者、斜に構える者、コイツラが全部いなくなれば、この世は少しはマシになる。彼女が心を許すのはそう…

「ドラディエラ様…」

3人の魔女は、魔族の長たる三貴神ドラディエラが部下ティラティスの部下のそのまた部下の部下の…要は一般兵だった。たまたま家から歩いて5分のところに7層遺跡があったため、主の命に応じてはせ参じ、主の命に背いて勝手に攻撃しようとしている。

「全滅ですぞ!全殺しなのです!!」
「だからそんな命令はでてねーつってんですケドー」

それでもゾゾルドがやるというならやるだろう、それが友人思いのドルキデにできること。彼女の目は、ゾゾルドを見るときだけ少しやさしくなる。

「コレ、いてーんですケドー…」
「どぁーいじょうぶですドルキデ、アナタの処女性はわたくしの口から将来のダンナさんに証明してあげるのでぇす!!」
「ですケドー…」

ドルキデはおへそのあたりに手をあてる。断わっておくが彼女はぱんつはいてない。ふるふると震えるまつげ、涙の雫。下腹に力を入れる魔族少女はなんたることか、その大きいとはいえない果肉の割れ目からまるまる肥えたミサイルを産み落としたではないか。

火薬を着床してミサイルを育む。それこそがドルキデの、人知を超えた異界の能力。

「……もうなれましたケドー」
「すんばらしぃぃぃいいいい!!!さすがドルキデ!あなたのエグゾセと私の力をあわせれば必殺!撃滅!!チリも残さず蒸発コレせしめましょうぞ!!」
「……うるさいなぁ…」
「なんですかぁキルソロ!?さては戦を前にぶるっとるのですかな、ぬははは、もらされよもらされよ!誰も気づかん!!!」

ゾゾルドが高らかに叫びつつ、つま先でもって、もっていた棺おけを蹴り飛ばすと、中からワラワラと黒い影が現れる。人の形をした、鎧の集団。どれだけつまっていたのか、ぞろぞろぞろぞろ…
見ればなんと、現れた影は一度整列。前に習えで列を整えてから、互いに互いと組み合って、見事な要塞、強固な戦車を構築する。異形の、巨大な鉄カブトムシ。

これぞ魔界のエンバーミング、魔界の組体操、死したる人間のオスを、超絶なパワーアップを施した上で犬にする。

「ぬはははは!!全滅です!全滅ですぞ!!」
「聞き飽きたんですケドー…」

「いわれなくてもやってやる……ドラディエラ様のために…」

キルソロのイライラも頂点に、右手一つで両のこめかみを押さえるように顔を覆い、ギリギリギリギリと歯を軋らせる。牙を研ぐ獣の音。その音は口からでなく、彼女の腹の底から響いてくる。

「私一人で…」

次の瞬間、少女が弾け、弾けた肉を中から飛びでた鎧が覆う。白い白い、骨の鎧。
これこそは魔界の外骨格。一騎当千、生者の肉を喰らい尽くす、死神の戦装束である。

いずれもとらぬ悪魔の申し子、ああミスラ、どうするミスラ。


・・・・・・。


「んぁあああぁぁっあああ!!!」
「ふぎっ、あぅ、あっぐぁ…!!!大き…あうぅぅぅ」
「ふぁぁぁ、ゃぅ、なにこれ…こんな…こんなの…!!」

爆発した精液が3人の少女に降りかかる。痙攣の止まらないうち股、力の入らない尿道。あわれ魔族少女の面々は、精液で溶けたトイレットペーパーみたいにドロドロにされて半泣きである。

「…ぁぁぁあ、オレは何を…」

魔族であるから無垢とはいわない、だが確実に処女であった3人の魔女は、本能のまま一人でモンスターを蹴散らしていたミスラを強襲、2秒で返り討ちにあい、ひん剥かれ、ズコズコと前も後ろも犯されてしまった。
射精するだけ射精して、少しだけ冷静になったミスラの絶望感たるや、石筍の先に頭を打ちつけて死のうとするも、即座に回復、跡も残らない。不死者の自殺はただの喜劇だ。

「ぁぁぁぁあ、最低だ、最低だオレは…」

「ああ…ふぅ…はぁ…生きてますかドルキデ…」
「ミサイルより…大きかった…ん…ですケドー…ぅぁぁ」
「こんなの…初めて…はぅ」

肛門を締めようとしても、コポコポと精液の漏れが止まらないゾゾルドは、まだ潰された神経が回復しないのか、身体の奥に残った肉物の感触に時折ビクリと跳ね、甘い電気に身体をよじる。

他方のドルキデ、その目のウツロなこと。果肉から垂れる朱の筋。甘にがい蜃気楼に誘われて、もう一度ミスラのソレに蹂躙されたいと、心の底から望んでいる。身体の中で爆発したあの爆弾とその威力。

キルソロは涙。イヤなのに、身体の内側から逃げ損ねた快楽を求めて、その指は恥ずかしい場所をなでたりなぞったり。脊髄が砕ける音、内側からドロドロに液状化する感覚、全てが、彼女の未成熟な人生にはあまりに衝撃的過ぎた。

「わたくしはぁ…たった今神というものを信じる気になったのであります…あぅ」
「同感ですケドー…ぁ、や…やぁっ!」
「ごめんなさいドラディエラ様…キルは悪い子になりました…なります…ぁう」

3人は半ば夢の中で新しい主を眺めながら、ゆるんだ門から放尿した。



シャァァッァァァァアアア……



「また次から次へと…」

エルサの艶やかな肌が、さすがにブチ切れそうだった。

カリンザやグリオーが行方不明なのはいつものこととして、途中で拾った白い少女、爆発をひかえたミスラ、魔族の出現…既に調教済み。
モグタンクにもはや足を伸ばせるスペースはなくなった。

「もうウチでは飼えません!捨ててきなさい!」
「そんなこといわれても…とりあえずコイツらの話を…」

「エルサ!」
「なんだティコ…」
「怪我人が倒れてる、冒険者みたいだ」
「うう…もうだめ…」

「ふぉふぉ、なんぞにぎやかになったのう」
「モナ、こうなったらお前にも働いてもらうぞ、ロー!魔族を警戒、ザラク!ヨフネをたたき起こせ!!殴れ殴れ!!」

ワタワタワタワタ

騒々しい中でもナキリコは物陰にミスラを引っ張り込む、探索から帰ってきたヒスカは汗も拭かずにミスラを押し倒す、あられもない姿のマユーをたしなめる、さらには…



「あの…キルソロ…ちゃん?」
「……気安く呼ばないでください」
「なんでついてくるの?」
「……だめですか?」
「いいけど…」
「じゃぁいいじゃないですか」
「なんで怒ってんの?」
「うっさいなぁ…」
「え?あ、ごめん…え?」

キルソロは距離を開けながら、うつむき加減でついてくる。その眼、相変わらずイライラして。

「認めませんから…」
「へ?なんて?」
「……レイプ魔」
「わぁあああああ!!!まったまったまった、なにを…」
「……ロリコン」
「落ち着こう…!話し合おう…な?な?」
「触らないでくれませんか」
「ひ、ひ、人聞きの悪いことをいうなよ…」
「そういうことをしたのはあなたじゃないですか」
「う…ぐ…」

まったくその通りである。

「ごめんなさい」
「許しません」
「どうすれば…」
「はぁ?自分で考えてください」
「う…」

その怒り、はぁ?の部分で人を刺せそうな気さえする、まぁ、悪いのはミスラだし。

「そんなこといわずに…その」
「……。」
「こちらとしてはその…キルソロ…さんの意見を最大限尊重することで誠意を…」
「……。」
「見せたい…んだけど…ん?」
「目、つぶってください」
「へ?」
「つぶってください」
「ん…」
「かがんで」
「へ?」
「かがめって」

蹴り。

「あぐ…こう?」
「もっと」
「こう…ですか?」

さても、意味が分からないが逆らうわけにもいかない立場。キャラも忘れてへりくだり、背筋を伸ばして座して待つ。するとまもなく、聞こえてくるのは少女の吐息…

「……なにしてんの?」
「うひゃぁぁ!!…開けないっていったじゃないですか!!」
「…いや、一言もいってないけど…」

ミスラが見たのは、鼻先でキスしようかどうしようか迷いながらはぁはぁと熱い息を漏らす少女のドアップであった。そう、どういう理屈か知らないが、要は奇特な少女になつかれたのだこの正座のレイプ魔は。

「許してませんから!」
「ああ…うん…、こっちきたら?」
「……ヘンタイ」
「うーん…」

キルソロはまたキョリをあけ、ちょっと遠くからミスラについてくる。わからない、なに考えてるのか全然わからない。



さて



とりあえずケルベロスの中に運ばれた怪我人は、騎士のような身なりをして、どうやらトラップにやられたらしかった。血の色をした呪いの文字が、少女の鎧を食んでいる。漆黒の鎧に黒い髪、わずかに焦げ茶。もはや流れ的に、確認するまでもなく女性である。

「何をしていたんだミスラ」
「あ…うん、ごめん」
「…まぁいい、さっさと脱げミスラ」
「え…?え?」
「キミの力で浄化するのが一番合理的だ。済んだらナキリコに引き継いでモナと修行、私は新米2人を見てくるから…いや、3人だったか…」
「別にキルソロはこっちでみてるよ」
「ああ、いい、もう…、なんでもいいやなんでも、たのんだ」
「エルサ…」

エルフのリーダーはトボトボしながらでていった。入れ替わり現れたのはモナメテオ。

「なんじゃカリカリしとるのうあの娘は、手伝うぞえ、ミスラよ」
「うん…」

仕方がないのでミスラがちんこをだす。キルソロ、チラチラ見る。外では爆裂音、誰かがバトル。

「やっぱこう…無抵抗な子にイキナリってのは…」
「なにをいうとるのじゃ、お主はワシが300年守った処女を3秒で散らしおったくせに…」
「いやそれは…」
「ふぉふぉ、まぁこの程度の呪いなら塗布するだけで消し去れようぞ」
「とふ?」
「胤を、じゃ」
「お…おっぱいに?」
「ほぅれ、グズグズしておるから顔にまで呪いが…」
「あ、あ、あ…さっきまで鎧の上だけだったのに…」

毒々しい黒い血管が、少女のほほ、くちびる、まなじりへと伸びていく。これはもうやるかたない、顔射顔射。

「ホレホレ、あいかわらずたくましいのぅ…はむ」
「うあ…」
「こ…コリャ…ワシにだしてどうする」
「ああーもう…」
「ん…あふ、ほれほれそこの童も、そんなほこりっぽいところでなにをしておるのじゃ…」
「え、…や、ちょ…」
「また奇異なものを拾ってきたのうお主…」

そういってモナメテオはキルソロの頭をナデナデする。

引きずりだされたキルソロからしてみれば、自分よりちんまい少女に上から見られるのはどうにもやりづらいだろう、彼女のトゲのある性格は、突き立てることが許される相手にのみ成立するシロモノだ。

ぢゅぷ…ちゅぷ…

「いつも…こんなことばっかしてるんですか…?」
「いつも?ふぉふぉふぉ、いつものミスラはもっとがっついとるかのお」
「犯罪だ……」
「ち…ちがうぞキルソロ…!誤解だ、誤解なんだって」
「なにあわててるんですか?…バカですか?」

などというキルソロの言葉に覇気がないのは、どう見ても丸出しのちんこのせいだろう。彼女の視線は他所を向いてはちんこに戻り、他所を向いてはちんこに戻る。

「こんなの…こんなの…」

キルソロの指は肉茎にのび、触れるか触れまいか散々迷った挙句ひっこむ。再び伸び、亀頭に触れ、透明な糸に驚き、一つため息。

「おぬしきれいなくちびるをしておるのう」
「うぁ…な…なに…」
「若いのう、若いのう、すべすべじゃ…」
「あ…や…」

焦れたのか、モナは戸惑う少女に絡み、腕やフトモモの内側に己の四肢を挟み込んでいく。導くようにてのひらを開かせ、肉物へ。ようやくまともに接触したその手は、肉の外周を伝いながらゆっくりと上下、銀髪の少女は、自分の動きに魅入っている。


…………じゅ…ちゅぐ。……ちゅ……くち…く………

「お主、もうミスラの毒牙にかかったか…」
「ぁ…ん、はい…」
「気の毒にのう…はてさて」
「あ…あの…」
「ほぅれ、口をあけるのじゃ…一緒に……」
「ん……ふぁ……ぁ、やぁ…」
「せーのじゃ、…ほれ、せーの…」
「…ぁぅ…はい…」

2人のくちびるが、同時に迫り、同時に開き、同時に着肉。じっくりと、ゆっくりと。

ちぷ…ぶ…ぢぅぅぅ…ぷん。
ちゅぶぷ…っ。
ぢゅ…。
るろ…。ちゅ、…ちぅ。…ちゅっ。…はむ…ん。
……ぇふ、ん、…ちゅっぢゅぶ、ぢゅ、っぷ。ちゅぶ。
ぢゅぷぷぷ…ぷぷ…。
ちゅぽ。
っぁむ。…ん。…っふぁ…こうえふか?…ん、ん
ん、ぁ。…ふふふ、んぷ。
ちゅぷぷぷ…っ。
ちぅぅ…。
ちゅぼ。ちゅぼ…
ちゅぶぶぶ…ぇふ。けぽ。
ちゅむん。
ずぷ、ずぶぷ。ちゅずずずず…ちゅぱ。ちゅく、んぁ…
はむ…ん、ん、ん、あふ。

熱い舌がねっとりと湯液を垂らし、れろれろともつれ、じゅるじゅるとフライパンの上の脂身のように溶け、ぷくぷくと気泡を弾きながら、るろるろと少女同士でだ液の交換をし、きゅぶきゅぶと尿道の精液をすすりつつも、ざらざらと表面全体でやする。

…ぢゅ、ずずず…つぷち。…ぢゅぢゅ。…つぷ…

「うぁ…」

そうして盛大に放出した精液はキルソロの頭からヘソまで満遍なく降りかかる。皆して予想外に熱中するものだから、当然、鎧の少女の呪いのことなど見事に忘れた。


・・・・・・。


「ぁ…ぁぅ…やぁ…動かないでください…動かないで…あ、や、動いちゃだめ!!」
「お、落ち着いてキルソロ…」
「いぁ…う、うぐ…キルって…キルってよんでくださいぃぅ…うあぅぅ…痛ぁいぃい!!!」
「うんうん、落ち着いて落ち着いて…キル…」
「う、ぁぐ…み、ミスラさん…!ミスラさんミスラさん!!!」
「うおお…なになにどうした」
「あっ、あぅ、ギューってしても…ぅぁ、や」
「ん?」
「ギューってしても…ぅぁ、あ、ふぇ、いいですか…ぅぅぅ」
「へ?なにを?」

ぎぃううぅぅぅぅううぅぅ

「あだだだだ!!!」

座位で、対面しながら、バカ力で、ギューッとされるミスラ。やわらかい胸がどこにもないせいで、肋骨が露骨に痛い。

「なんで…なんで、なんでこんな痛いの…っぁあぁぁぅぅ…!!!」
「いやなんでっていわれても…」
「うそつき…ぃ!!!ぃ、い、…うそつきぃぃぃぅ、…ぅぇぇえええん!!!」
「ついてない、ついてないよ…」

キルソロは泣き叫んだその口で、がぶりとミスラの鎖骨に喰らいつく。もちろん痛いので、一緒になって叫ぼうとしたその時、少女の口から牙がとれた。

「ふぁ、ぅあ、…ぅぇ?」
「あー、なるほど、つまり…」

クリステスラの力が、魔族の身体に浄化の作用を及ぼした最初の交尾と、人間になりつつある今とでは、何かしら勝手が異なるのだ。

「ふぐ…ぁぅ…ぅぁ…」
「ふぉふぉふぉ、愛いのう愛いのう…」

モナメテオは後ろから少女の尻の穴を舌でなぞっている。ゆさゆさと少女の身体を揺すり、傷口を広げているのはこの妖女だ。


ちゅぱん、ちゅぱん、づぷ、じぷ、…ちゅく。
「ん…ぁ!?なに…はぅ…むぁ、ゃぅ…ちゅく」
ちゅっちゅぱ、ぢゅ、…ぢゅぅぅぅ…。ちぷ。
「痛いのは若者の特権じゃて…はむ」

うすい緑の髪が銀髪ととろけあう。見た目自分の方が乳臭いこの仙人少女は、戦車内の段差を利用して、キルソロのおでこ越しに彼女にキスを見舞う。キルソロがのけぞる形で上を向き、モナがそれを覗き込む形。
ミスラは銀髪少女の尻をつかみ、その目からはモナのつむじと、キルソロの白い下顎、それに絡み合う舌が見えていた。

「どうじゃ?はむ…そろそろ慣れてきたかの?…ちゅぶ…ちぅ」
「ふぐ…う、うぅ…ん、ん」

緑ぃ仙女は、とろとろとこぼれただ液をすくって、キルソロの胸にペタペタと塗っていく。小さな指に挟まれる乳首。ヌラヌラとてかっていく肌。

「う、ぅぅ…ぅぁ、ぅぅ…」

ほほ、鼻先、まぶた、はえぎわ。熱を帯びたモナメテオの舌は、もはや後の処理など考えずに、銀髪少女をよだれまみれにしていく。キルソロは目をとろりとさせ、両手で2・3回空をつかむと、ミスラの髪を見つけてわしづかみ。

「あだだだ…」
「ふぁ…ぅ、ふぎゅ…もぅやぁ…」

ミスラの胸の中に戻ってきた少女は、もういいですとばかりにモナメテオのちょっかいを拒否し、ミスラにおでこを擦り付けながら、それっきり黙ってしまった。



ぎぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…


・・・・・・。


―――そうこうしているウチに、モグラ戦車とりかこむ敵の軍勢はもりもりと数を増していた。明らかにレベルの上がった装甲、迫りくる魔人の力の余波で、本来眠っているべき者々まで起きだしているのだ。

ゾゾルドがもたらした事実は、一瞬にしてザクロ団の面々を凍りつかせる。

「ンフフフ、皆ドラディエラ様の到着を感じて殺気だっておるのですな…」
「ドラディエラ…?」
ティコが問う。

「魔族の長、三貴神が一人ドラディエラ様ですよ。あのアバズレ、宝剣奪取がどうのとぬかしとるようですが、なぁにミスラ様にかかれば一発で…」
「魔族の…長だと…!?」

時間が止まる。エルサの顔がひきつっている。

「どういうことだ…詳しく話してくれ」
「詳しくも何も、魔族が扱えなかった宝剣を人間が手に入れたとなってはね、山だって動きますとも」

ゾゾルドは調子に乗ってしゃべりだす。エルサに、その内容が半分も聞けたかどうか。

「勝てると思うか?」とティコ。
「無理だろ…多分、今のミスラじゃ…」ヒスカが返す。

「狙っているのはクリステスラだけか?」
冷静なのはローキスだった。その言葉にはもちろん、少女を切り捨てることが含まれている。

「その他を見逃してくれるほど甘い女ではないですケドー」



広がる絶望感。エルサはティコを見て、ティコはエルサに、決断するのはあなただという。相対するには早すぎる敵。
ミスラが爆発するというだけで、エルサには結構重かったのに、最後に随分、身に余る危機が降りかかったものだ。ヘルザクロならなんというか、こういう重大な決断は彼女が下してくれるものだとばかり思っていた。

「…引き続きメルズヘルズを探す」

「迎え撃つのか…私たちだけで」
ティコの暗い顔。ザラクが応える。
「私たちの最大戦力がミスラとクリス。その力のせいで敵が追いかけてくるならやることは決まってるネ」
「ふんばりどころ、か…」
「まぁー、確かに、ここでクリスを切ったら、次なんて一生こないかもしれないな」と、ローキス。
「準備万端の人生なんかありゃしないネ」
3人は敵の集団めがけて走っていく。

「トロピア、お前はミルとメロ、それにマユーを連れて、最悪我々が全滅しても生き残る準備をしておいてくれ」
「エルサちゃん…うん、…わかった」



のろしが上がった。

戦車の周囲に、敵の魔法が炸裂する。予想外の威力。深々と開いた穴は下の階層に続いている。

「あ、あ、あ、ケルベロスが!!」

モグラとケルベロスを繋いでいたワイヤーが切れ、番犬は重心を失って落下、中には…

「あるじ!!」

クリスが飛びだす、よりにもよってマユーがつられ、ミルがちょろちょろ歩きだして押さえられる。弾丸の雨はやまない。飛びだしかけたエルサを、ヒスカが制する。

「私がいく!!」

崩落は止まらない。エルサはモグラを発進させ、ヒスカが、少女2人を腰に抱いて、帰還かなわず深い闇に飲まれていく。崩壊の音。こんなときミスラは、番犬の中で少女2人とセックスしてただなんて、口が裂けてもいえない。


・・・・・・。



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