前へ次へ
今回のおもな登場人物
トップへ  文字置き場へ

本文ジャンプ /9/1011



ウーテと万灯火中心を成し、それにホゥノが加わって、しぃゆとミココが後に従う。

この5人はここのところ随分仲がよく、ウーテを中心として戦隊を組んで遊んでいる。
逆に姫路は、リュシカやユルユカ、マディにまで遊ばれて、以前のようにしぃゆやミココと固まっていることが少なくなった。


「こ…これでよいのかアラセ…」
「恥ずかしいのダ……」

そんな彼女達が今、生まれたままの姿で四つん這いになって並んでいる。
右端から万灯火、ウーテ、中央にはホゥノがいて、その左にはしぃゆとミココが黙して続く。

桃色の尻臀と、うっすらと開きかけた果肉の様は、この世の傲慢な夢が結実したがごとく、圧倒的な質量。
先ほどまでの水泳訓練で、尻はまだ水にぬれ、うっすらと焼き色のついた肌が艶々とてかっている。


ここにアラセに対して上から者をいう女の子は存在しない、即ちアラセの脳みそはすっかり暴君モードである。

ちゅぷ…

「ひゃぁ、…あ…あらせ…君。」
「ホゥノが一番濡れてるよ…さっきあんなにしたのに」
「やぁ……ゃ。…ん」

ちゅぶ…じゅるる。…くぷ、ちゅぶぶぶ…

水に混じって零れ落ちる果肉汁を、両隣に聞こえるように音を立てながら舌ですする。

鼻先で押出されるようになったホゥノは懸命に忍辱し、人工海水に映った自分の顔を眺める。片方に重心がよったボートは不安定で、それが少女たちに些細な抵抗もためらわせているのだ。

「ぁウ!アラセ…」
右手ではウーテの恥毛を梳かすように動かしながら、てのひらで開きかけの肉びらをグニグニと押しやる。同様に左手のしぃゆが、切なげに呻く。


「みんな目、つぶって…」

アラセはミココの膣を深部までほじくりながら号令する。しおれたように従う少女の群れ。暗闇で、気まぐれに襲いくるアラセの指を待つ。その尻は玉の汗を噴いて、ふるふると震えている。

(じゃぁホゥノから…)

にゅぷぷぷ…

「ふぁあう!な…なんで妾に…!!」
「ダメだよ万灯火、心を読むなんてズルしたら…」

じゅぱん、じゅぱ、…じゅっぷっじゅっぷじゅっぷ…ぬぽっ…

「ふぁ…はぁ……ぁ…?なんで抜くのじゃ…」
「やぁっ!…あ…や、…まだ…だめぇ…。」

にゅぶぶ。ぷ…

驚きが快感に変わるまもなく、アラセのちんこはホゥノへと移動。次いでミココ、しぃゆ。ホゥノ、とんで万灯火に戻る。
何度も腰をふるときもあれば、入口をこするだけのときもある。その辺のさじ加減はアラセの気分次第。

「あく、…げほ、あ…アラセ様ぁ…けほけほ」
じゅぶっじゅぷ…ぷぽ…
「。。。。!?あ、だ…ダメです。。。」
ちゅぶぶ…
「あ…あっ!!ぃ…アラセ君……はぅ」
ちゅぱんちゅぱんちゅぱんちゅぱん…どぴゅどぴゅど…


ボートの底にはにおいたつような蜜のたまりができ、徘徊するアラセの足を滑らせようとする。
天啓を得たアラセは、そばにおいてあったクーラーボックスから、ブドウやオレンジをとりだすと、少女たちの背中にその汁をまぶす。

「な…なんのつもりじゃアラセ…ふぁ」

アラセはすももを一口ほおばると、剥きでた果肉の部分で、たわしのように万灯火の肌を洗っていく。果汁のしたたる健康的なふとももを撫で上げ、ブドウの粒を姫肉に放りこむ。

ちゅぷ…ちゅぷ…、

「コ…コレ!なにをしとるのじゃ……ぁっ、うあ」

じゅぶっじゅ…ぶじゅじゅ…ぎゅぷ…

挿入された肉物は、少々荒々しいミキサーとなって膣道をかき回す。ひんやりとした果肉の鮮度を感じ、少女のヒダでめくれた薄皮が、カリ首のくびれにコツコツ当たる。
ついでに握っていた残りの粒を少女の口に放りこみ、奥歯で噛ませて染みでた汁を一緒にすする。

「はぅ…ぁ、ぁあ、っくぁ……」

くったりと崩れる万灯火、果肉の海に沈む金髪は、彼女自身が南国のフルーツであるかのように思わせる。



「アラセ…!みんなばっかり、ず…ずるいのダ…」
「ウーテも欲しいの?」

ウーテはいいつけを破って眼を開けていた。潤んだ瞳。甘そうな涙。

「……ホシィ」
「どこに?」
「…やァ…あらせ…ぇ、お願イ…イジワル…」
「どこなの?」
「………お○んこ…ぁゥ」
「どこで覚えたのさウーテ…そんなやらしい言葉…」

ゾクゾクと背筋を昇る嗜虐心。ウーテは震える声で羞恥に耐え、艶やかなくちびるをかみ締める。

「じゃぁいれるよ」
「……は…ハヤク…」
「後悔しない?」
「…あらせぇ…ゃ…ぁ。」

アラセはパクパクと、開いたり閉じたりするお若気を眺めながら自分の手を受け皿に精を放つ。
それを菊座のシワに塗りこむと、嫌な予感を感じたのか、不安げに振り返るウーテ。

「……アラセ…?」
「ウーテ、動いたらボートがひっくりかえっちゃうからね…」

ぬぶぶ…

「ひァ!…ソコは違ゥ…あ!、ウヤ、…あっ、ア!!」
ぶぶぶ…すぷ…ぷ。……。ぷぷぷ…
「ゥー…フー…ぁ、ーーぅア…ッ!!!!」
ぷぷ…ぷ…

丁度亀頭が呑まれたあたりで第一の関門にさしかかる。これ以上いかせまいとする大きな抵抗、まぶした精液は大した役目を果たさず、肉の摩擦がアラセの性器をひき潰そうとする。

「ウーテ…ちから…抜いて…」
「ヤー…ァァ。…いっ、タい…アラセ…」

ぬぶぷぷ…どびゅ、どびゅ…
「……ァッ…ぅ」

アラセは連続で射精して肛道を潤ませる。最近になって己の一物の性能を自覚し始めた、アラセの妙技である。

びゅる…びゅくく…

射精された瞬間だけ、わずかに弛緩する括約筋を、押しのけるように進入する。

周りの4人は、怖れと好奇の入混じった視線を結合部に注ぐ。アラセは肉物を離すまいとする肉穴の周辺部を指でなぞり、フルーツを絞った汁で少女の火照った身体を冷やす。

アラセの陰毛が少女の尻をなぞるまでに接近すると、あとはもう忍耐だけの道のりだった。
もはや少女の抵抗とは無関係に進入する肉物が、安穏と眠りこけていた神経細胞を、蹂躙しながら叩き起こす。

ぬももももも…

「…ふァ…ア゛、ァ…あ……んんんん!!!」

模擬的な排便の刺激。それも普段ならすぐに途切れるはずの一過性の疼痛が、延々と止むことなく、生まれたての台風のように居座り続ける。

ウーテ自身は、いつもとは勝手の違う感覚に、それが快楽であると身体が気づいていなかった。アラセはフルーツとウーテの果汁を、彼女の乳首にぬり、薄い恥毛をまとめあげる。

「……ァー…。ぅァ…。…ハ…ぁ…ぉ」
「痛い?ウーテ…」
「…フー…ゥ、フー…。よく…わかんない…わ、わかんないのダ…」
「うごくよ…」

ぬぼっ…ぐっぷ、ももも…

「アァツ!っゃ、…はぁ、ぅ、あ、ぁ」
交接にまきこまれた果肉のカスや、絞り汁が、飛散して周囲の少女の肌に張りつく。
「…あ、やば」
びゅる…びゅびゅ…ぐぽ…

黒々と穿たれた少女の穴がゆるゆると閉じていく。それを見てわずかにもたげた罪悪感を、おでこへのキスで帳消しにしようともくろむ。ウーテは特に怒った様子もなく、自分の身に起こった不可思議な感覚を反芻している。

ドロドロとした精子と腸液の混交物に、細切れになった果肉が浮いて、わずかに生々しさを緩和する役目を果たしていた。

ウーテの目尻に溜まった涙を舐めとると、小さな手で押し返そうとするが、思いとどまってひっこめる。
やはり怒るべきか、それともこのまま受け入れるべきか、どうしていいのかわからないのだ。

そんな少女のくちびるで、一緒になってさくらんぼを転がし、酸味の混じっただ液を飲んだ。



「しぃゆ…」

直腸で茹であがった肉物を、唯一物怖じしないしぃゆに示す。ホゥノや万灯火は、目の前で行われた蛮行に、現実感覚が麻痺したように呆けている。

「失礼します…けほ、アラセ様…」
きゅぷ…ぎゅぷぷ……きゅぷ…

しぃゆは、ウーテの内壁からこそぎとってきた腸壁細胞の死骸を丹念に舐めとってゆく。
もちろんそれが美味であるはずなどないが、彼女は自分に寄せられたアラセの期待の意味をよく承知していて、生粋の娼婦のように淫乱症を演じてみせる。

「ふ…あむ…じゅぶ…ちゅぼっちゅぼっちゅぼ……ぁは。おいし」
「じゃ、お尻だしてしぃゆ…」
「けほけほ…はい…」

向けられた黒点を舌でマッサージし、筋の強張りをほぐしていく。舌先から広がる芳味は、一度覚悟を決めてしまえばどうということもない。

「いれるよ…」
「はぁ…。くぅ…ぁ、けほっけほっ!……はい…」

ぷぷ…ぐぷぷ…

ウーテへの不意打ちとは事情が異なり、協力的な肉穴はスムーズにアラセを迎えいれる。それを可能にしているのは我慢強さと忍耐。

「ふぅぅ…んぉ。……はぁ、ぁ、あ。ぁぁぁ…ん、ぁ、あ」

最深部まで埋没した肉物をゆっくりゆする。傷つけぬようにゆっくりと、しぃゆはそれに、懸命に歯を食いしばって耐えてみせる。

ぶっ…ぶぽ…ぬもも…。ぐぽ…ぷ
「ん…ああ…けほけほ。こほ。……あ、ふぁぁ…」

やがてしぃゆはボートの底に顔を埋め、痴呆のように口を開く。涙をためながら、地底の底から響くような声を絞りだす少女は、得体の知れない怪物に犯されているようにも見えるだろう。

常識からはみでた正体不明の悦楽は、呪詛のようにそれを眺める少女たちに感染する。

これは一種の模範演技なのだ。

ウーテも、ホゥノも、万灯火も、ミココも、しぃゆに打ちこめられた肉杭と、同時に姫肉に刺しいれられたアラセの中指から、目を放すことができないでいる。
今はまだ到達不可能な悪魔の交尾、その快楽は自分達が知りえるものの上をいくだろうという想像。その想像を身体に充填し、近い未来の自分を心に思う。

「ぁー…。ああー……、は、ふ、ぐ、ぁ、あ、ぁっ、あ!!」

後ろからしぃゆをかかえ、見せつけるように万灯火とホゥノの前で射精する。果肉を指で広げて太陽にさらし、力なく開かれたまたぐらから、わずかにくすんだ白い液が流れでる。


息を呑む音。だ液が絡み、うまく飲み下せない音。


アラセはバナナをひっつかんで歯で剥くと、その身をしぃゆの蜜壷に飲みこませる。彼女の筋肉は断末魔のように硬直して反り返り、うっとりとした表情でアラセを見る。

自制しなければ、どこまでも痛めつけてしまいそうな、腐敗の香り。

発酵した腸内に、2度3度と射精し、彼女の湯壷で温まったバナナでくちびるをなぞる。だらしのない舌がゆるゆると絡み、湯剥きをしたようにゆだっている。



「おいでミココ…」
「。。。!?…は…。。はぃ。。。」

這うように寄ってきたミココをたたせ、しぃゆと同様の手順で尻の穴を解きほぐす。

しぃゆは尊敬すべきウーテ隊長に寄添って、耳元で先ほどの行為の感想を述べていた。その不健康な手が、ウーテの尻に伸る。

「あっ!。。。。や。。ひぐ。。」

アグラをかいたアラセに座りこむミココ。窮屈な入口に、アラセの肉物は静かに静かに埋没する。

「はっ、。。。。かぅ。。ぅぅう……ふぐ。」
ぎゅぶ…ぎゅっ。ぶぶ…ぼぎゅぎゅ…
「…ぁ。。…だめ。。。。。。だめ…、だめぇ…え。。。」
ぐぽっぐぽ…ぐぐぐ…じゅぶ…くく…ぷ
「ぬい…ってぇ。。。あ…あらふぇ。。。様。。ぁ。。。」

エビのように身体を丸める少女の腹に腕を絡ませ、その動作を手助けする。その肌は、脱皮したの直後のように外界の刺激に無防備。

「ひぅ。。。…こんなの。。。。ふああああ。。。。」

果実を潰す手間に飽きだしたアラセは、炭酸飲料の缶をつかんでミココに示す。

「かけちゃってもいい?」
「。。。。はい。。。その…アラセ様がなさりたいように…。。。。」

胸をうつ態度に感心し、トポトポと少女の髪にジュースを注ぐ。辱め、辱められる行為は、一時肛門に脈打つ肉物の痛みを鎮静させる。

「ベトベトになっちゃうね」
「……はい。。。。ポっ…」

アラセはゆっくりと腰を浮かせる。



ヒクヒクと痙攣するミココから、肉物をとりだすころには、ホゥノが自らの意思を固めていた。
一人だけ仲間はずれになることが確定した万灯火は、うらめしそうに、互いの尻をすすりあうウーテとしぃゆをねめつける。

くぐぐ…ぷ。ぷぐぐ…、くぷ。ぐぶ。
「はっ…ふぐ。…んぁ…や…」

日に焼けて熱を帯びた背中を舐め、ボートの底に押し込む形で挿入する。
アラセの集中力も途切れてきて、ほんの些細な気遣いの喪失が、痛みとなってホゥノを襲う。

「ぁぁ…はぁ……は。ああ…う」

散々聞き飽きたうめき声はもはやアラセの心を動かさない。無感動に腰を振り、肉物が出たり入ったりする結合部を意思無く眺める。

「はぁ…はぅ…アラセ…君……」
「ゴメン、ちょっと休憩…うが」

びゅる…ぶびゅ…。

そのまま崩れ落ちたアラセは、ホゥノの心地よい筋肉を抱き枕にして眼を閉じる。
ホゥノは少し困ったような顔をして、後ろでは、絡まりあう少女たちの嬌声が聞こえる。

「アラセ君…コレ飲んで…」

ホゥノが差しだしたストローを吸う。南国の香りが口の中に広がる。
彼女は健気にも、釘付けされた菊座を支点に、可能な限りの介護をアラセに施す。



「だらしないのアラセ…」
「…万灯火…。」
「お主のせいで妾だけ冷静になってしまったわ、どうてくれる」

なるほど万灯火の背後では、果肉をなすりつけあう少女が3人、軟体生物のように交尾している。

「混ぜてもらおっか、あそこ」

アラセはヘコヘコと腰を曲げながら万灯火とホゥノを抱えて群れに加わる。照明がジリジリ暑い。


・・・・・・。


「メシにしよーぜー」

地下空間にリュシカの声が響き渡る。時間にして夕方頃。緩められた照明が、人影がわかる程度の明かりを残す。

ウーテ戦隊は、皆一様に肛門を押さえて、砂浜に突っ伏していた。ユルユカがニヤニヤしながら軟膏を塗っていく。

アラセは身体についた砂だけ落とすと、プール横に設けられた東屋に向かった。でかい肉の塊と、それを焼くための鉄板が、いまかいまかと出番を待つ。


「ありゃ?七色どーしたー?」

プールサイドにはほとんど全員が集まっており、姿が見えないのは七色だけ。

「フフン、昨晩あたり、やたらテンションが高かったからな、反動で引きこもっているのだろう。どれ、私がひっぱりだしてこようか」

アラセにとって意外なのは、モリアと七色が互いの能力を認めて、友情を示したこと。

「このビーチの半分は彼女がデザインしたのだよ」

姫路の頭を撫でながら答えるモリア。姫路は終始うっとりとして、ますます人形の度合いを高めている。
モリアはそんな姫路を抱えながら自然にアラセの手を引くと、地上へ上がるエレベーターに向かう。それを見咎めたトピアが黙ってついてくる。

「何階かなトピア君?」
「…………フン」



七色は一人でビデオを見ていた。心臓を口から吐きだすかと思ったが、オレンジ色のホログラムディスプレイに移っているのはアラセだった。

彼女は腐敗を始めた魚のような眼でアラセの身体をスケッチしている。部屋の隅に積み上げられた紙の山は、頭の悪そうなアラセの顔と性器が、えげつないまでに描きだされている。

「……ふぅ。アラセ君、キミがいってやりたまえ」
「おわ、」

背中を押されたアラセは、頭から七色につっこんだ。鬱陶しそうに睨みつける彼女の髪はわずかに油が浮いて、ロクに風呂もはいってないことがわかる。
ふんだんに汗をすったシャツは、それでもいいにおいがして、酒粕のようにアラセの脳を酩酊させる。

「…なに」
「…絵…うまいね七色」
「…あ?」

ベキリ、と握っていた鉛筆を握りつぶす少女の手。なにが気に障ったのか、正直すごい怖い。

「…離して」
「…ん?」
「…どっかいって」
「調子悪いの?」

ディスプレイには、ぐぼぐぼと音をたてて精子を噴出す、七色の性器が映っている。
試みにわき腹をつっついてみると、コレが思った以上に効果を挙げた。

「……ふぐっ」
「大丈夫?」
「……死ねよアラセ…うぶっ」
「ここ弱いね」
「…あっひゃ!、ちょ…っ…やめてよ」

たまらず逃げだした七色のぱんつから、肌色の物体が震えながら抜け落ちる。妙に親近感のわく、見覚えのある形。


「フフン、よくできてるなコレは」
横からのぞいたモリアが物体を拾う。
「いつのまにこんなものを造ったのかね?ホラアラセ君、ホクロの位置まで再現してある。」
「ん?…あ」

なんであろう、その物体は細胞単位でモデリングされた、アラセのちんこ型バイブであった。


・・・・・・。


「ごめんねアラセ」
「ん?」
「死ねとかいってごめんね」
「ん…全然気にしてないけど…」

機嫌の直ってきた七色は、自分の汗を気にしながらもアラセにひっつく。彼女は爪の先でアラセの乳首に円を描く。
アラセのちんこ型バイブはなぜかトピアがもっていて、扱いに困っている。



特に会話もなく、5人が乗ったエレベーターが動きだした――そのときだった。

ガシャゴシャーン

「ん?」
「…………停電か?」
「フフン、まぁそうだろうが、…なんでまた」

まったく何も見えない、完全な闇。

「…ビーチが原因じゃね?」
アラセに寄りかかる七色が気だるそうに応える。

「……。」

「…なんか失敗したのモリア?」
「バ……バ、バ、バカをいうなよアラセ君!?わわわ、…私はちゃんとやったぞ!」
「うひゃぅ!」

目に見えてうろたえるモリアは、姫路の足を踏んでしまったらしい。誰かの髪の毛がアラセの鼻先を掠める。

「ぅああああ、スマン、スマン姫路君!」
「…………そんなことよりだ、さっさとでるぞこんなところ」
「あー、まったまった、なんかヤな予感するわ。ここ、非常灯ついてたはずだよね?」

強引にあけようというのか、扉にむかおうとするトピアを静止する七色の気配。

バシャゴチーン

強力な電流が、小さな箱の内部を照らす。見れば、丁度扉を開けようとしたトピアの足元で、あわれアラセのちんこバイブが、ぶすぶすと煙をあげて真っ黒になっていた。


「…………パルシオンフィールド?…どういうことだ」
「…停電じゃないね、おめでとモリア」
「フン、なるほど。…確かに停電なら非常灯がつくだろうな」

「え?それって、…どういう…」
アラセはふるふると怯える姫路らしい影を抱きかかえる。
「コレは誰かの仕業ってこと?」

「誰かっていうか、鬼月でしょ」
「フン、同感だな、なんのつもりか知らんが…」


「へ?鳳凰院様?」
「…………わかるように話せ。なんでミス・キヅキがでてくる」
「ウム?キミは彼女にからかわれたことはないのかねトピア君。あの女は訓練と称して人にちょっかいかけるのが趣味なのだ」

「かまって欲しくてしょうがないんだよ、オイオイまたかって感じ」
七色のものらしき胸が押付けられる感触。お返しに、彼女のものらしき尻を撫でてみる。

「今も我々の状況を見て、一人でゲラゲラ笑っているのではないかね、この棟のどこかでな」
「ここにいるの!?」
「ん…、そうだよアラセ、気づかなかった?…ぁ」

「…………なにか根拠があるのか?」
「それが一番安全だからだよ。アラセ君、キミはこの空間からどうやって外の世界にでると思うね?」
「んー…、外の人がなんかスイッチとか押すんじゃないの?」
「そんなの待ってたら一生でれないよ」
と、七色。
「あ、そうか…」

そう、この空間での1秒は外の世界での100万秒。

「この空間の扉は内側の人間が開けるものなのだよ、構造的にね」
「そんなとこにさ、保護者もなく放りこむわけないでしょ?アタシら国の未来をしょってるんだからさ。特にアラセ」

リュシカとユルユカは保護者のうちにはいらないらしい。

「あの女がいれば大概のアクシデントには対処できる。我々が勝手に外にでることも防げるだろう。大体からなんでもかんでも自分の監視下に置きたがる女だからな」


そういうものだろうか、時空単位で改変してるならなんでもありっぽいものだが。
この際なので思いついたことを口にしてみる。

「合宿メンバーが犯人とか」
「ないな、こんなことができそうなのは私と七色君と、ホゥノ君くらいかね?ホゥノ君の牙はキミが引っこ抜いたからな」
「アタシが閉じこもるならアラセと2人っきりでこもるわ」
左手が、ぷにぷにすべすべした肉に導かれる。

「私ならキミを連れてこの空間自体からでていくな。なんでエレベーターを止めねばならんのだ」
「それをいうなら鳳凰院様だって…」
「キミを奪いにくることはありえるよアラセ君」
「へ?」
「そうかもね、もうオナニーじゃ我慢できなくなってね…んあ」

うーん

「…………で、結局どうするんだ?」
「どうしようもないな。本当はこういうときのためにベルスとマディがいるのだがね、最近は全然仕事をしない」
「万灯火が助けにきたり…」
「あの子の機転に期待するくらいなら、ニュートリノ箸でつかむほうが現実的だよアラセ」

結局、ただただなんとかなるのを待つことになった。この時は、まだまだなんとかなると思っていた。
これだけの天才がそろっているのだ、きっとなにか思いもよらない手段で、こんな窮地など笑って抜けてくれる。そんな当たり前の、楽天的な予測。


・・・・・・。


「……んぁ」
七色の甘ったるい息が耳にかかる。

自分の手も見えない暗闇なのに、彼女の乳の輪郭だけははっきりわかる。

「ぅん、…ん……。…んっ、ぁ。」
ふにん、ふにん、もにん、もにん
「……ぇぁ…。あ、今の…もっかいやって……あん」


「…………オイ」
「ん、ゃあーよ、アラセのどエロぉ…ぅん」
「…………オイって…」
「もっと……痛くしてもいいよアラセ…はぁ、…ん」
「オイっていってるだろう!!!!」

どこかでトピアが立ち上がる。
「…さ、酸素が無駄になるだろう!!離れろ破廉恥な!!アラセから離れろ!!!バカ!!」


「…なにテンパってんのさトピア。今のアンタのほうが絶対酸素使ってる」
「…フム、いっそのこと使い切ってしまうのもいいかもな」
「モリア?」
「鬼月に見せつけてやろうか?案外のこのこ現れるかもしれん。……それに、キミと繋がりながら死ぬのも悪くはない。なぁトピア君?」
「…わっ、わっか、が、私は別に!!!!」

「うーん……今ちんこ触ってんの誰?」
「うひゃぁ、ごごご、ごみんなさい、アラセ様ぁ…」
「へぇ…姫路…、色気づいちゃったの?お年頃?やーんかわいー」

アラセの前でニチャニチャと取り交わされるだ液の交換。
よく見えないので気のせいかもしれないが、七色の姫路へのキスは、アラセにするときより丁寧で愛を感じる気がする。


「ん…ちょっとー、あらせー。触んないでくれる?うざいんですけど」
(うわ、ひでぇ…)
「フハハ、ではアラセ君はもらった、どこかねアラセ君?これか?これか?」

ちゅぷ…

「ん…、えへへ、もう濡れてしまった」
「ちょ…モリア、」

ちゅ…ぬっ、ぷぷ…

「モリア…すごい汗」
「ふぁ、…ぁん、……カタイな…興奮しているのかね?」

締めつけられたアラセの肉物は、密着しようとする彼女の腹を押し返すように働く。
塩辛いTシャツ越しに彼女の乳首をしゃぶり、ゆるやかに腰をゆする。丁度汗をかき、人工海水の水に浸り、少し乾き始めた繊維におい。

「そうか…こういうのが好きかキミは…」

モリアがシャツをまくって、アラセの頭にかぶせる。おでこで擦れる、モリアの肋骨。汗でぬるついて、混じりけのない彼女のにおいに包まれる。
さらに薄くなった酸素のなかで、アラセは夢中になって舌を這わせる。ちょっとでもざらつけば、艶々になるまでそこを。

ちゅぷ、ちゅ…ちゅぷぷ、じゅぱん、ちゅぱ。ちく、…じゅっぷじゅっぷじゅ

「ん…んはっ、はは、くすぐったぃ…」
じゅぷ、ちゅぶぶ…っぷ、ぷぷ…ちゅ
「今…すごいいやらしい格好をしてる…普段のキミには絶対見せられないような…ぅん」
ちゅぱんっ、ちゅぱん、ちゅぱんっ、ちゅぱん。


「…………オイ」
「ぁっ、ぁっ、、はっん、…きゃぅ、アラセ君、アラセくん!…はっ、はぁ…ぁ!!」
「…………オイッて!」
「ふぅ…、ぁ、…ぁは、…ぁん。……そのまま…ぁっ、」
「オイッてば!!!離れろっていってるだろう!!離れろったら離れろよもう!!」

どこかでトピアが地団太を踏む。
「んっ、んっ、なにかねトピア君さっきから…。したいなら素直にしたいといえばいいのだ」

「違う!違う違う違う!!!したくない、…断じてしたくなんかないぞ私は……きゃうっ!!」

「んー?誰このベトベトま○こ」
「やだ…ちょっ、や!!やめろよお前は…あぅ!!」
七色が標的を変えた気配がする。左手をのばすと、姫路っぽい頭があったのでとりあえず撫でた。

「フフ…今射精すれば誰にかかるかわかったもんじゃないな?」

モリアは姫肉を抜取ると、アラセに体重をかけながら右手でコキコキやりだした。

「うあ」
どびゅ、どびゅ…

「ひあ!…な、なんだコレは…ぅあ、待て海鼠輪!!それはダメ…ぇ」
「ふぇぇ、アラセ様ぁ〜、目に…」
「フハハハハ、アラセ君どんどんだしたまえ」

暗闇の中でにぎやかに反響する声。ダラダラと快感の余韻に浸っていると、誰かの身体がアラセの上に突っこんでくる。

「…トピア?」
「……ぃや!…あらせ…」
「…すごい濡れてる」
「…ひゃ、…ち、…ち、違うもん…」

手探りでスカートのホックを外す。蒸し暑い室温の中、彼女の冷たい身体が心地いい。

「もう、はいるよね…」
「ふぎゅ、…ぁ、はが、……ダメ…、は、っぁ」

反射的な身体の拒否で、わずかだが肉物が窮屈に押し返される。彼女の尻をもち、なだめすかすようにおろしていく。

ぶぽ…ぎゅぶぶ…。ぶっ、ぎゅぽっ、ぐっぽ、ぐぽ…ぶぐぽ…

「うわ…、なんだこのエロイ音…」
七色のあきれ声。

相変わらず人間離れしたトピアの膣は、とぐろをまいたヘビのように根元の辺りを締め上げる。肉物の裏側には、常に流動する肉のうねりがあたり、舌先で舐めとるようなヒダが、終始鈴口をつつきまわす。

「おいトピア君、今イッただろう?代わりたまえ、ずるいじゃないか」
「……は……ぁ…。ゃ、ゃだ……、アラセ…ぁ…、……わ、わたしの…だもん」

ぎゅぶ、ぶぶる…びゅぶ……。

初め屈強に抵抗していた二の腕も、しびれる無毛の膣肉を指でなぞっているうちにほぐれてゆき、終いにはクラゲのようにくにゃくにゃになって崩れ落ちた。

そんなトピアを尻目に、アラセの肉物にまたがる七色、モリア。姫路は半分以上七色の玩具になって腰を振る。その横でやけに上機嫌な天才二人が、互いのだ液を舌で潰しながら卑猥な音をたてている。

左手は夢心地のトピアの尻をなで、フトモモの肉をほぐすように撫であげる。姫路はコレまで着せられていたかつらを脱がすと、汗で蒸れた幼い髪のにおいがする。
右手はモリアにさらわれ、七色の股間がまたがる。モリアがあわせ、アラセの右腕は2人の遊び道具となる。
v わずかでも自由な肌は、すり合わせるためのパートナーを探し、粘膜は必ず他の粘膜を咥えこむ。そんな饗宴がたけなわを迎えると、そろそろシャレにならないとみんなが気づきだしていた。
否、最初から気づいていたはずのことだった。


饗宴を、とどめようとする理性の力がズルズルズルズル滑っていく。皆、この現実に向きあうことを怖れて、必死に狂態に身をやつしている。しかし忘れようにも、目の前で小首をかしげて笑っているのは、死。

酸素が、ない。本当に本当に。


少し前までエレベーター内に充満していた笑い声は消えうせ、ため息や、意味のない独り言が増えた。やがて誰もしゃべらなくなり、沈黙が、繋いだ手を切り離そうとする。


・・・・・・。


「やっべ、マジラリってきた…」
「フハハ…本当にどうにもならないな…アハハ、頭が回らん…」
「…………フゥ…、わ…私が、ドアをこじ開ける…フゥ、壊れたら…また直してくれればいいから…」
「バカをいいたまえ、バックアップをとっているのか?いないだろう?…そうだ、今思えばうかつだった……キミには用意されていてしかるべき施設だからな……クソッ」
「今死んだらアラセのこと忘れちゃうんだよ?いいの?……ふぅ…やべ、アタシなにいおうとしてたんだっけ……」
「…………アラセ…」

トピアがこちらをみた、暗くてももう、そのくらいのことはわかる。
姫路は既に、強く抱きとめてあげなければ痙攣がとまらないくらいに、錯乱が始まっていた。

「ああ違う…そうじゃない、トピア君、どの道問題なのはフィールドなんだ、……扉じゃぁない。無駄死になんぞせんでくれ」
「ああそっか…じゃぁさ、冬眠モードにでも切り替えて、生き延びてもらうのが一番いっか…はぁ」
「…………そんなこと…できるわけないだろう…」

絶望が静かに浸水する。誰かがしゃべっていないと、姫路の泣き声がやけに大きく聞こえる。


自分がなにをしているのか、よくわからなくなる時間が増えた。自分が眼を開けているのか、閉じているのか、眼球に触れなければ理解できなくなった。
初対面の死神と、どう接していいのかわからなくて、どうせ全部ウソなんでしょ?と、軽口をたたいてみたくもなった。

こっちにはコレだけの天才がそろっているのだ。まさかこんなちっぽけな箱の中で窒息するなど、喜劇を馬鹿にする身の程知らずが脚本を書いたに違いない。



「すまないなアラセ君…」
「え?」
「本当に……本当に油断してた…私は…」
「モリア…」
「…キミをこんな目にあわせるなんて…、私はなにを…なにをしていたんだ…、こんなオモチャみたいなフィールドに…手も足もでない」

ずっと姫路だと思っていた小さな手が、モリアのものだとわかる。さっきからずっと、震えていた心細い手。


姫路がまた、思いだしたように泣きだした。そんな彼女をあやすように、七色が子守唄を歌いだす。やがて彼女の泣き声が寝息に変わり、モリアの涙も、少しずつまぶたの下に隠れていった。


「さて、と…お子様は2人とも寝たね…」
「…………海鼠輪…」
「本当にちょっと、…これが最後かもしれないから、やるべきことだけはやっとこうか…トピア」
「…………ああ」
「アンタにはちゃんと生き残ってもらわないと困るからね、それができるのはあんただけなんだ。無理矢理にでも寝かしつけるから…」
「…………私が…なんで私が、人間のお前達を残して……私のような欠陥品が生き残らなければならないのだ…」

「なにいってんのさ、アンタは人間じゃないか…私たちのために、泣いてくれてるんだろ?」

トピアの透明な涙が、七色の胸に吸いこまれていく。やがて彼女は顔をあげ、決意を秘めた瞳でアラセを見つめる。長い長い、眠りの旅。その旅立ち。

彼女は自らの電源を、ゆるやかに落としていった。



「アラセ…」
「ん?」
「最後に一回さ、キスしてよ」
「最後とかいうならしない」
「最後ってことにしたほうが、燃えるじゃん」

七色はアラセの返事を待たずに、そのくちびるをふさぐ。

「もっとアラセとしたかったな…」
「…うん」
「私が寝たらさ…ちゃんと他の子にも、チューしてあげてね…」
「…わかったよ」
「私さ、こんなに生きたいと思ったの初めてだ…」
「…うん」
「また明日会おうね、アラセ」
「…うん」

それだけいった彼女は、安心したようにアラセに身体を預け、静かに静かに眠りだした。アラセは約束通り、全員にキスをして回る。


くらいくらい、静寂と、くらやみ。


「もうみんな寝たよ」

闇が応える。

「もうでてきてもいいんじゃない?」

闇が首をかしげる。

「………リラさん」



その瞬間、低い重低音と共に、電力が復旧する。箱の中に既に潜んでいた赤い影は、見下ろすように笑っている。

リラ・メタ・リア

キラー7、最後の一人。


・・・・・・。



前へ次へ
今回のおもな登場人物
トップへ  文字置き場へ

本文ジャンプ /9/1011