かかあ天下
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No.14
DB
会いたいと思った時に君はそこにいない
それを聞いたとき、
名前
はああやっぱり、と頭を抱えた。
「だから
名前
も来なさいよ」
ね、と笑うのはイレーザ。隣にはシャプナー。ビーデルの姿は無い。
天下一武道会。
数年前までは三年毎に行われていたが、いつしか取りやめられたその大会が久しぶりに復活するらしい。というのはシャプナーが偉そうに語ってくれた。
その大会にビーデルが参加するということで、応援に行かないかと
名前
にもお誘いが来たのだ。
はっきり言って格闘技など全く興味が無い
名前
としては断る気満々だったのだが。
「ビーデルVSグレートサイヤマンが見れるかもしれないぜ」
アホかあの男は。
ビーデルに聞いたんだ、と嬉しそうに握りこぶしを振り上げるシャプナーに思わず裏拳を繰り出しそうになった。別にシャプナーは何一つ悪くないのだが。
自分から正体がバレるようなことをしてどうするのだ。
でっかいため息をつきかけ、いやしかしと思いなおす。
あの悟飯である。迂闊が服を着てドジが靴を履いているようなあの孫悟飯なのである。
もしかしたらビーデルにバレたのかもしれない。
お人よしの田舎者の顔を思い浮かべ、ありうる……と遠い目をしてみた。
成績はいいくせにどこかヌけている男だから、どうでもいいところでボロを出して感づかれたのだろう、と。
名前
はかなりの自信を持ってそう推測した。しかもビンゴ。
「で、どうする?」
名前
の表情に気付かず聞いてくるイレーザに、しかし彼女は首を横に振った。
「私は遠慮しとく」
「えー、そ~お?」
残念そうにするイレーザには悪いが、大人数で行動するのは苦手なのだ。協調性が無いとも言うが。
困った顔で笑いながらばいばいと手を振れば、しぶしぶながらも引き下がる。他にも誘うつもりなのだろう、小走りでかけていくイレーザ達を見送り、さてどうしたものかと考え込んだ。
実は昨日悟飯から電話があったのだ。
同じ年頃の男の子からの電話ということで、取り次いだ母親の目が三日月の形をしていたり父親が出がらしのお茶を何度も飲んだりとちょっとばかし鬱陶しかったが、電話の内容はなんてことは無い。
『明日から一ヶ月くらい休学しますから』
心配しないでくれ、と。それだけ。
何があったのか聞こうとしたのだが、弟らしき子供の騒ぎ声と家具のあげる悲惨な金切り声、そして母親らしき人の悲鳴が聞こえた為、
名前
から「また一ヵ月後に」とさっさと切ってしまったのだ。
だから心配はしていな……くとも苛々していたのだけれど。
理由を知って更にイラっときたのはビーデルがグレートサイヤマンの正体を知ったかも、なんてことが理由じゃなくて、悟飯のトロくささにだ。多分。きっと。絶対。
武道会まであと一ヶ月程度。修行だか調整だかを行うのだろう。格闘技には興味がないが、スポーツマンがそういうものをするということくらい
名前
だって知っている。
つまり、その間は悟飯に会えないということだ。
いや、寂しくねーし。
名前
は下を向きそうになる頭を無理やり上に持ち上げた。
どうせなら試合でグレートサイヤマンとビーデルが当たった処を見てやつが慌てている姿を笑ってやろうじゃないか。
チケットどうやって取るんだっけ……?
別にグレートサイヤマンが心配だからとか悟飯とビーデルが気になってるからじゃないからな、と無意味に自分に言い聞かせ、
名前
はイベント情報誌を買うべく本屋へと向かった。
一方悟飯はというと。
「一ヶ月も会えない……」
見事なまでに落ち込んでいた。
本当なら昨日。
名前
に委員の役目が回ってくるローテーションなど既に記憶している悟飯としては、授業が終わった後にいつものように図書室に行こうと思っていたのに。
見事にばれた。ビーデルに、正体が。
元々怪しまれていたところだから仕方ないといえばそうなのだけれど、それにしても迂闊だった。まさか声と話し方で気付かれるなんて。
しかも。
武道会に出場しないと皆に正体をバラす、だなんて。
いくら張り合いのある相手がいないと言ったって、酷いやビーデルさん、ってなもんだ。
名前
が好きだ、と。自覚したってだからどうすればいいのかなんて、悟飯は知らなかった。周囲の大人はアテになりはしないし(最もアテにならないのは天国の父親である)、同世代の友人筆頭が当の
名前
なものだからどうすればいいのかなんて考えたって答えは出なかったのだ。
だから。
少しでも一緒にいれば、
名前
が自分を好きになってくれるんじゃないか。と。
建設的な行動を自分自身に提案して、さて実行に移そうか、と思った矢先にこれである。
酷いやビーデルさん、ってなもんだ。
だからチチに「いつもお菓子をくれる子に知らせないと大変だ」と電話をかける口実を貰った時はルンルンでダイアルを押したというのに。
タイミングよく(悪く?)悟天がテーブルをひっくり返してくれたりするものだから。
いらんこと気の利く
名前
は自分から電話を切ってしまうし、用件と言う名の建前は最初に告げてしまっている。掛け直してまだ何かあるのか、と問われればきっと凹んでしまうのが分かっていた。
チキンハート。
小心者をこう言うんだぜ、と
名前
に教えてもらった単語を自分にぶつけて更に落ち込むなんて器用なこともやってみたり。
「今日もあのお姉ちゃん来るの?」
「うーん、自由に飛べるようになるまで、って言ってたからなぁ……」
来るんだろうな……、と唸る悟飯を悟天は不思議に思った。
初めはいつもお菓子をくれる人がビーデルなのかと思ったけれど、犬より優れた嗅覚を持つ田舎育ちは悟飯と悟飯の持って帰るお菓子から香る匂いとビーデルのそれは違う、と初対面ではっきり分かった。
何で連れてこないんだろう、と悟天は思う。 チチは誰かに物を貰ったらお礼を言いなさいと躾けているし(知らない人に着いていくなとは言わない。連れて行った人間の方が酷い目に合うのが分かりきっているので)、悟天だってどんな人が作っているのか見てみたい。もしかしたら悟飯に、ではなく悟天に作ってくれるかもしれないし。
飛んでくれば兄の通う学校がある街からだってすぐなのだ。
だから抱えて飛んでくればいいのに、とは子供の、そして桁外れな身体能力を持つ者の発想。
自分の正体をばらしたくない悟飯としてはまずそんなことは出来ない。実際はばれているのだが、
名前
の演技と悟飯の鈍さでセーフである。
しかし悟飯の中では
名前
の前で飛ぶ→正体がばれる→孫、お前嘘つきだったのか→嫌われる、という図式が何故か出来上がっている。
更に、サタンシティまで約二〇分というのは悟飯が猛スピードでかっ飛んで二〇分なのだ。
名前
、というか一般人がそんなスピードで運ばれれば確実に三半規管がやられる。いっそ気絶した方が楽だろう。
という諸々の要因で悟天の考えはことごとく却下である。
「あ、ビーデルの姉ちゃんだ」
ふと雲を切り裂いてやってくるフライヤーが見えた。指差せば悟飯もそちらに目を向け頭を抱える。
「うぅ……修行出来ない……」
嫌なら追い返せばいいのに、そういうものでもないらしい。
大人ってフクザツだな、と悟天は空に浮かぶ雲を見上げた。
悟天は好きなものは好きと言う。嫌いなものは嫌いという。苦手ならば苦手と言う。そもそも顔に出るからすぐに知られているだけなのだけれど。
大人ではないからこそ複雑なのだとは、このときには気付かぬまま、今日もまたビーデルの怒声を浴びる兄の姿を悟天は不思議そうに見つめていた。
#DB
#孫悟飯
2025.1.29
No.14
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「だから名前も来なさいよ」
ね、と笑うのはイレーザ。隣にはシャプナー。ビーデルの姿は無い。
天下一武道会。
数年前までは三年毎に行われていたが、いつしか取りやめられたその大会が久しぶりに復活するらしい。というのはシャプナーが偉そうに語ってくれた。
その大会にビーデルが参加するということで、応援に行かないかと名前にもお誘いが来たのだ。
はっきり言って格闘技など全く興味が無い名前としては断る気満々だったのだが。
「ビーデルVSグレートサイヤマンが見れるかもしれないぜ」
アホかあの男は。
ビーデルに聞いたんだ、と嬉しそうに握りこぶしを振り上げるシャプナーに思わず裏拳を繰り出しそうになった。別にシャプナーは何一つ悪くないのだが。
自分から正体がバレるようなことをしてどうするのだ。
でっかいため息をつきかけ、いやしかしと思いなおす。
あの悟飯である。迂闊が服を着てドジが靴を履いているようなあの孫悟飯なのである。
もしかしたらビーデルにバレたのかもしれない。
お人よしの田舎者の顔を思い浮かべ、ありうる……と遠い目をしてみた。
成績はいいくせにどこかヌけている男だから、どうでもいいところでボロを出して感づかれたのだろう、と。
名前はかなりの自信を持ってそう推測した。しかもビンゴ。
「で、どうする?」
名前の表情に気付かず聞いてくるイレーザに、しかし彼女は首を横に振った。
「私は遠慮しとく」
「えー、そ~お?」
残念そうにするイレーザには悪いが、大人数で行動するのは苦手なのだ。協調性が無いとも言うが。
困った顔で笑いながらばいばいと手を振れば、しぶしぶながらも引き下がる。他にも誘うつもりなのだろう、小走りでかけていくイレーザ達を見送り、さてどうしたものかと考え込んだ。
実は昨日悟飯から電話があったのだ。
同じ年頃の男の子からの電話ということで、取り次いだ母親の目が三日月の形をしていたり父親が出がらしのお茶を何度も飲んだりとちょっとばかし鬱陶しかったが、電話の内容はなんてことは無い。
『明日から一ヶ月くらい休学しますから』
心配しないでくれ、と。それだけ。
何があったのか聞こうとしたのだが、弟らしき子供の騒ぎ声と家具のあげる悲惨な金切り声、そして母親らしき人の悲鳴が聞こえた為、名前から「また一ヵ月後に」とさっさと切ってしまったのだ。
だから心配はしていな……くとも苛々していたのだけれど。
理由を知って更にイラっときたのはビーデルがグレートサイヤマンの正体を知ったかも、なんてことが理由じゃなくて、悟飯のトロくささにだ。多分。きっと。絶対。
武道会まであと一ヶ月程度。修行だか調整だかを行うのだろう。格闘技には興味がないが、スポーツマンがそういうものをするということくらい名前だって知っている。
つまり、その間は悟飯に会えないということだ。
いや、寂しくねーし。
名前は下を向きそうになる頭を無理やり上に持ち上げた。
どうせなら試合でグレートサイヤマンとビーデルが当たった処を見てやつが慌てている姿を笑ってやろうじゃないか。
チケットどうやって取るんだっけ……?
別にグレートサイヤマンが心配だからとか悟飯とビーデルが気になってるからじゃないからな、と無意味に自分に言い聞かせ、名前はイベント情報誌を買うべく本屋へと向かった。
一方悟飯はというと。
「一ヶ月も会えない……」
見事なまでに落ち込んでいた。
本当なら昨日。
名前に委員の役目が回ってくるローテーションなど既に記憶している悟飯としては、授業が終わった後にいつものように図書室に行こうと思っていたのに。
見事にばれた。ビーデルに、正体が。
元々怪しまれていたところだから仕方ないといえばそうなのだけれど、それにしても迂闊だった。まさか声と話し方で気付かれるなんて。
しかも。
武道会に出場しないと皆に正体をバラす、だなんて。
いくら張り合いのある相手がいないと言ったって、酷いやビーデルさん、ってなもんだ。
名前が好きだ、と。自覚したってだからどうすればいいのかなんて、悟飯は知らなかった。周囲の大人はアテになりはしないし(最もアテにならないのは天国の父親である)、同世代の友人筆頭が当の名前なものだからどうすればいいのかなんて考えたって答えは出なかったのだ。
だから。
少しでも一緒にいれば、名前が自分を好きになってくれるんじゃないか。と。
建設的な行動を自分自身に提案して、さて実行に移そうか、と思った矢先にこれである。
酷いやビーデルさん、ってなもんだ。
だからチチに「いつもお菓子をくれる子に知らせないと大変だ」と電話をかける口実を貰った時はルンルンでダイアルを押したというのに。
タイミングよく(悪く?)悟天がテーブルをひっくり返してくれたりするものだから。
いらんこと気の利く名前は自分から電話を切ってしまうし、用件と言う名の建前は最初に告げてしまっている。掛け直してまだ何かあるのか、と問われればきっと凹んでしまうのが分かっていた。
チキンハート。
小心者をこう言うんだぜ、と名前に教えてもらった単語を自分にぶつけて更に落ち込むなんて器用なこともやってみたり。
「今日もあのお姉ちゃん来るの?」
「うーん、自由に飛べるようになるまで、って言ってたからなぁ……」
来るんだろうな……、と唸る悟飯を悟天は不思議に思った。
初めはいつもお菓子をくれる人がビーデルなのかと思ったけれど、犬より優れた嗅覚を持つ田舎育ちは悟飯と悟飯の持って帰るお菓子から香る匂いとビーデルのそれは違う、と初対面ではっきり分かった。
何で連れてこないんだろう、と悟天は思う。 チチは誰かに物を貰ったらお礼を言いなさいと躾けているし(知らない人に着いていくなとは言わない。連れて行った人間の方が酷い目に合うのが分かりきっているので)、悟天だってどんな人が作っているのか見てみたい。もしかしたら悟飯に、ではなく悟天に作ってくれるかもしれないし。
飛んでくれば兄の通う学校がある街からだってすぐなのだ。
だから抱えて飛んでくればいいのに、とは子供の、そして桁外れな身体能力を持つ者の発想。
自分の正体をばらしたくない悟飯としてはまずそんなことは出来ない。実際はばれているのだが、名前の演技と悟飯の鈍さでセーフである。
しかし悟飯の中では名前の前で飛ぶ→正体がばれる→孫、お前嘘つきだったのか→嫌われる、という図式が何故か出来上がっている。
更に、サタンシティまで約二〇分というのは悟飯が猛スピードでかっ飛んで二〇分なのだ。
名前、というか一般人がそんなスピードで運ばれれば確実に三半規管がやられる。いっそ気絶した方が楽だろう。
という諸々の要因で悟天の考えはことごとく却下である。
「あ、ビーデルの姉ちゃんだ」
ふと雲を切り裂いてやってくるフライヤーが見えた。指差せば悟飯もそちらに目を向け頭を抱える。
「うぅ……修行出来ない……」
嫌なら追い返せばいいのに、そういうものでもないらしい。
大人ってフクザツだな、と悟天は空に浮かぶ雲を見上げた。
悟天は好きなものは好きと言う。嫌いなものは嫌いという。苦手ならば苦手と言う。そもそも顔に出るからすぐに知られているだけなのだけれど。
大人ではないからこそ複雑なのだとは、このときには気付かぬまま、今日もまたビーデルの怒声を浴びる兄の姿を悟天は不思議そうに見つめていた。
#DB #孫悟飯