「Stray Sheep」あらすじ
■-13 業苦
メタ
「Stray Sheep」としての書き起こしは此処まで。
Stray Sheep
雨はまだ降り続いていた。
1階へ戻れないかもしれない。アースラ達四人は一旦生家へと戻る。
家出同然で旅に出たフェレスは、その変化と得た強さを両親に認められる。
ユーリは綾菟へ長い旅の終わりに帰る事を約束する。
だがアースラが一向に戻らない。アースラの生家を知るユーリに案内され、武器屋へと足を運ぶ。
アースラの養父・ツェルトへ、アースラの行く場所への心当たりを訊いている最中だった。裏口から帰ってきたアースラは、雨と血に濡れていた。
「墓参りに行ってました……」
両親を亡くした場所で一人戦っていたらしい。
あの時。何故無法地帯にいたのか。何故助かったのか。何故自分一人が助かってしまったのか。何も解らない。ツェルトから一連を聞いた六人の目が向く。その目を何より恐れ続けていた。
「だからなんだね。君が剣の王を殺さなかったのは」
臾僖の言葉にアースラの意識は引き戻された。
回復魔法でアースラを治療する臾僖。
戦いの中で多くを手にかけてきたアースラ。だが己だけはもう殺せなかった。
「あなたのために……いきて、いきてみせますから……」
臾僖は悟る。これは大いなる呪いであると。何より甘美だった。
Creatura Triste
行為の中で謝り続けるアースラ。
「いいんだよ、アースラ、いいんだよ……」
塗り固めた嘘の為に、いつしか謝る事すら出来なくなった。せめて此処では、苦しむ事を許してほしかった。
「弱くてもいいんだよ、泣いてもいいんだよ、頼ってもいいんだよ。恨まないから、嫌わないから、側にいるから」
「だからどうか、許して……君を愛していたいんだ……」
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