さ行
 
  - 盃事 【さかずきごと】
 
  -  祝いごとのこと。
 
  
  - さがりぼんぼ
 
  -  さげまん。肉体関係を持った男性の運を下降させる女のこと。「ぼんぼ」は「まん」同様に女性器を意味する九州地方の方言。
 
  
  - ささらもさら
 
  -  むちゃくちゃ、めちゃくちゃにすること。 
 
  - 「おう。お前ら。構わんけぇ、そこらの店をささらもさらにしちゃれい」 市岡輝吉
 
  
  - さす
 
  -  警察に密告すること。昔は博徒の間では忌み言葉とされ、錐はもみ込む、針をぬう、などと“さす”という言葉を避けた。
 
  
  - 三国人 【さんごくじん】
 
  -  第三国人。終戦後、朝鮮人・中国人・台湾人は戦勝国でも敗戦国でもない「第三国人」「解放国民」であると自称し、無法の限りを尽くした。無力な警察に替わってそれと対決したのが戦後のやくざ・愚連隊である。
 
  
  - 三下 【さんした】
 
  -  ヤクザの最下級。若いもの、若い衆、若者。博徒の役職は貸元、代貸、出方と三段階あるのだが、それらのさらに下であるという意味。自らを卑下していう言葉であって、他人から言われた場合は喧嘩になるだろう。
 
  
 し行
  - ジギリをかける 【じぎりをかける】
 
  -  体を張ること。服役することや、自分で自分の体を傷つける行為をさす。濁らずに「ジキリ」と用いることもある。漢字では「自切り」と書く。
 
  
  -  シケ張り 【しけばり】
 
  -  見張りのこと。
 
  - 「表のシケバリが解けたら広島へ押し出すけん、用意しとけい」 広能昌三
 
  
  - しご
 
  -  やっけつける、始末をするという意味。
 
  
  - 四方席 【しほうせき】
 
  -  四方同席。 四方同朋、席順無差別の意味で、盃事の席などに貼りだされる。やくざは貫目を重んじ席順にうるさいためこういった気配りが必要とされる。
 
  
  - 島 【しま】
 
  -  一家の縄張りから一部をあずかって管理する勢力範囲。縄張りは組のものだが、島は管理者のものではないため、「島をあずかる」と言う。
 
  
  - しめる
 
  -  軽度の制裁のこと。
 
  
  - 地回り 【じまわり】
 
  -  元々はならずもののこと。近年ではシマを巡回したり、カスリを取り立てることを意味するようになった。
 
    
  - 舎弟 【しゃてい】
 
  -  兄弟盃をした間柄における弟分。やくざ社会における擬制的血縁関係の一種。
 
  
  - 舎弟頭 【しゃていがしら】
 
  -  組長の弟分たちの代表となる実力者。舎弟会、兄弟会を束ねる役柄。
 
  
  - 蛇の道は蛇 【じゃのみちはへび】
 
  -  同類の者は互いにその方面のことに通じているという意味。同類の者がすることは良くわかる、という時に用いる。
 
  
  - じゃもかも港祭り 【じゃもかもみなとまつり】
 
  -  じゃもかも祭り。毎年六月に神奈川県生麦で行われる祭り。「じゃもかも」は「蛇も蚊も」から来たという。
 
  
  - ジャリパン 【じゃりぱん】
 
  -  街道でドライバーなどを相手にする娼婦。 「ジャリ道のパンスケ」の略称。
 
  
  - ションベン刑 【しょんべんけい】
 
  -  短期刑、微罪ということ。
 
  
  - シロクロ 【しろくろ】
 
  -  シロクロショー。ストリップ用語で男女のカップルがSEXを観客に見せるショーのこと。
 
  
  - 仁義 【じんぎ】
 
  - (1)中国の思想家・孟子が最も尊ぶべきとした徳目、仁と義のこと。仁は人情、義は義理を意味する。 
 
  - (2)1が転じて、やくざの仲間内のしきたりや決まりごと。
 
  - (3)博徒の作法、あいさつのこと。近づき仁義作法の略称。なお戦後の広島には仁義を切る習慣はない。
 
  -  「山守の下におって、仁義もクソもあるかい」坂井哲也
 
  
  - 仁義なき戦い 【じんぎなきたたかい】
 
  - (1)美能組元組長・美能幸三の手記を元に飯干晃一が週刊サンケイに連載したノンフィクション。
 
  - (2)飯干の原作を元にした東映実録路線映画。監督・深作欣二、脚本・笠原和夫(『完結篇』のみ高田宏治)、主演・菅原文太。
 
  - (3)1や2で描かれた四半世紀におよぶ広島やくざ抗争の通称。特に第二次広島抗争(広島代理戦争、第二次広島けん銃抗争事件、広島戦争、広島やくざ戦争、広島ヤクザ戦争、広島事件)を指すことが多い。
 
  - (4)1〜3が転じて、泥沼の激しい争いのこと。
 
  -   肉じゃが発祥をめぐる旧海軍港・仁義なき戦い!?
 
  -   サイバー犯罪者の仁義なき戦い
 
  -   スーツ業界版「仁義なき戦い」は果てしなくつづく!?
 
  -   名人戦争奪「仁義なき戦い」
 
  
  - 進駐軍 【しんちゅうぐん】
 
  -  第二次大戦後、日本を占領・統治するために駐留した連合国軍。“占領”というマイナスイメージをなくすために、占領軍ではなく進駐軍と呼ばれた。帝国海軍の軍港であった呉にはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、インド、スコットランド、ネパールなどの軍隊が駐屯していた。 
 
  - 「やめとけ、相手は進駐軍じゃ」 
 
  
  - 神農道 【しんのうどう】
 
  -  テキヤは神農皇帝を崇め、博徒は天照大神を崇める。前者が稼業人の神農道であり、後者が渡世人の任侠道である。
 
  - 「競輪はバクチじゃけん。バクチうちのテラじゃろうが。神農道の稼業人が手をつけては仁義が立たんと言いよるんど」 大友長次
 
  
 す行
  - スケ 【すけ】
 
  -  女のこと。「女番長」と書いて「スケバン」と読むのが東映魂。
 
  
  - 筋者 【すじもの】
 
  -  本来は渡世の筋を守った立派な博徒のこと。今日では嘆かわしいことに、博徒どころかヤクザであれば誰でも筋物と言われてしまう。
 
  
  - 墨 【すみ】
 
  -  刺青のこと。「イレズミ」では江戸時代に囚人へ刑罰として行われたものになってしまうので、「ホリモノ」「スミ」「キズ」などと呼ぶ。
 
  
    - スピンアウト 【すぴんあうと】
 
    -  映画・小説・アニメ・ゲームなどの分野において、作品に登場するの主人公以外のキャラクターを異なる作品の主人公として登場させること。
 
    - 『シルクハットの大親分』『シルクハットの大親分 ちょび髭の熊』 緋牡丹博徒シリーズの人気キャラクター・熊虎親分こと熊沢虎吉を主人公とした作品
 
    - 『人斬り観音唄』 極悪坊主シリーズのライバルキャラクター・了達を主人公とした作品
 
  
 せ行
  
  - 青酸カリ 【せいさんかり】
 
  -  推理小説や二時間サスペンスでおなじみの毒物。シアン化カリウムの通称。日本では毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。
 
  -  実際に広島抗争でも青酸カリをまぶした弾丸が使用されたことがあるが、期待されたような特殊効果を発揮することはなかった。劇物の取り扱いに不慣れなやくざが空気に触れさせたり日光に晒したため、無毒化してしまったためである。
 
  - 「青酸カリです。こいつをマブしてブチ込んだりゃア一発でコローッとイキよりますけん」 竹本繁
 
  
  - 政治結社 【せいじけっしゃ】
 
  -  政治団体。特に申請などは必要ないが、アピールのため地元の選挙管理委員会へ登録することが多い。なおこの名称は右翼が主に用いる。
 
  -  やくざ社会では、昭和三十四年に松葉会がはじめて政治結社を名乗ったことが有名。東映映画『日本の首領』に登場する関東連盟のモデルになった関東会(錦政会──現・稲川会、住吉会、松葉会、日本国粋会──現・國粹会、義人党、東声会──現・東亜会、北星会が参加】も政治結社の一種。
 
  
  - 絶縁 【ぜつえん】
 
  -  やくざの処分のひとつ。最も処分が重く、ヤクザを引退して堅気にならなければ、親分に刃向かったと見なされる。絶縁状が各組織に送られるため、対象者はやくざ社会で生きていけなくなる。
 
  -  絶縁後も独立組織として組を存続させた例としては、三国事件(映画『北陸代理戦争』のモデルとなった“北陸の帝王”こと川内弘射殺事件。波谷守之が殺人教唆の冤罪で逮捕される)で山口組を絶縁された菅谷組・菅谷政雄組長(通称・ボンノ)が有名だが、組織は衰退を続け最終的には解散している。
 
  
  - ゼロ戦 【ぜろせん】
 
  -  旧日本海軍の代名詞的戦闘機「零式艦上戦闘機」の愛称。日中戦争から太平洋戦争終結まで主力として活躍した名機。仁義なき戦いシリーズの脚本家・笠原和夫は後に零戦に関わる男たちを描いた東宝映画『零戦燃ゆ』を手がけている。
 
  
  - センズリ 【せんずり】
 
  -  男性のオナニーのこと。マスターベーション、自慰、手淫。 
 
  - 「これだけ大勢の若いもんがおってから、センズリかいて仁義で首くくっとれ云うんかい」 大友勝利 
 
 そ行
  - 外 【そと】
 
  -  娑婆のこと。刑務所の外の意味。