炎色反応 第五章・4



「何とも言えない。元々風はあまり結束が強くない。個人主義者の集団だからな。どちらかと言うと、風以外の魔法使いがグラウスの周りに集まっている傾向がある」
エルストンがティスの中に差し込んだ螺子の、彫られた溝を伝って半透明の体液がしたたる。
彼がそれを微妙に動かすたびに、ティスは短い悲鳴を上げた。
と、オルバンがティスの腰に手をやった。
立たされ、正面から抱きつくような格好にされたティスの胸元に彼の指が伸びる。
「あ、んっ」
痛いほどうずく乳首をつままれ、撫で転がされる。
背後のエルストンも立ち上がり、螺子だけでなく先に挿入した張り型の根元を指で押し始めた。
「あふっ……、あん、動かさないで……あッ」
オルバンの太腿辺りに押し付けられたティスの性器からは、涙のような先走りが垂れ続けている。
全身をうっすら紅潮させ、一人よがる少年を挟んだ男たちの会話は続いた。
「火の魔法使いも何人かグラウスの側にいるようだ」
「ほう?」
多少意外そうにオルバンは言ったが、その声には侮蔑がこもっていた。
「火がな…………ふん、どいつだ?」
「そこまでは分からない。情報が必要なら少し詳しく調べてみてもいいが」
「頼もうか」
乳首をいじられ、後ろの穴を攻められてはぁはぁと息を継ぐのがやっとのティスの性器にオルバンの指が触れる。
「あぅん」
最も直接的な性感帯に触れられると、強すぎる性感にティスは酔ったような声を上げた。
今にも達しそうなところ限界でもてあそばれ、苦しそうに歪む愛らしい顔をオルバンはにやにやしながら見てつぶやく。
「見たところ年寄り連中の動きはあまりないようだ。若い、権力志向の強い魔法使いたちを集めてお山の大将気取りか。とはいえ、そこそこ出来る男じゃあるらしいな」
彼の指はティスの性器の根元に回り、柔らかなふくらみをめちゃくちゃにもみしだき始めた。
「あ、あっ……、オルバン様ぁ…」
ぎゅっと黒衣を掴み、濡れた声を上げるティスの奥をエスルトンが操る二本の器具が突きまくる。
「あ、あ、もうっ、あう、あああっ!」
服の上からも感じ取れるたくましい肉体にしがみつき、きつく目を閉じてティスは達した。
あふれ出た精液がオルバンの指を汚す。
彼はそのべたべたになった指をティスの口に突っ込み、余韻にあえぐ舌に己のものを舐め取らせた。
「ん、んっ……、またぁ…」
達しても、尻に埋められた器具が抜き取られたわけではない。
絶頂にきつく締まった穴の中で、張り型は変わらぬ動きを続けている。
人と違って萎えることのないそれにまだ犯され続けているためか、ティスの快楽も長く尾を引いた。
うずきが収まらない。
オルバンにすがったまま、少年は物欲しそうに彼を見上げた。
へその辺りに魔法使いの男根はたくましい姿で押し付けられている。
玩具じゃもう足りない。
血の通ったこの熱が欲しい。
「つまり代価が、この子供というわけか」
エルストンの言葉にオルバンはさあ、とうそぶく。
「オレの望む働きをお前がしないなら殺すだけのことだ。しかしお前は人間にしては役に立つ。代価というか、褒美だな」
「なるほど」
頼みごとをする方とは思えないオルバンの言いぐさだが、エルストンは慣れているらしい。
「まあ、今までも代価なんぞもらった覚えもないが…………そうだな、せっかくだ、お前の仕込みの具合を見させてもらおう」
エルストンの指が再びティスの尻に触れる。
またぱちんと音がして、尻に食い込んでいた下着の戒めが解かれた。
「……はぁ」
温い体液でぐっしょりと濡れた張り型と螺子がずるずると引き出されていくのが分かった。
まだぶるぶる震えている無機物に代わり、エルストンは無造作に自分の物をあてがう。
「ああっ」
彼がいきなり腰を押し出した瞬間、深く埋められた男根にティスは大きな声を上げた。


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