炎色反応 第五章・3
「と言っても、悪いが俺もあいつに関してはそう詳しいことは知らない。分かるのは最近人間の王族の周りを、グラウスとその息のかかった魔法使いたちがうろうろしていることだけだ」
エルストンの声を遠く聞きながら、ティスは自らの体を抱き締めて震えていた。
「……ん…」
尻をついて座っているせいで、蠢く玩具がより深くまで中に突き刺さってきている。
風のグラウスの話、自分にも関わりのある話である。
気になるから出来れば聞きたいのだが、中をえぐるように動き続ける張り型がティスを休ませてくれない。
「ふあ……ん、ん…」
勃ちっぱなしの性器から先走りがあふれ、太腿を伝い床を濡らす。
後ろの穴の隙間からも粘液が漏れ出し、尻の谷間を伝って同じく床を汚すのが分かった。
恥ずかしいのにどうしようもなく体は熱く、はだけられた胸元で乳首が硬くしこっている。
「あっ…!」
おずおずと手を伸ばし、自らとがったその先を軽く撫でると高い声が出てしまった。
「こら、静かにしていろ。大事な話をしているんだぞ」
ティスの痴態を眺めながらオルバンは笑って言う。
だがそもそも、真面目な話の最中にこんなことを始めたのは誰か。
もちろん文句を言えるはずもないが、恨めしい目付きをしてしまったのだろう。
「仕方のない奴だな。口もふさいでおいてやるか」
そう言うと、オルバンはティスの頭から手を離し黒い衣の前を開いた。
呆気なく取り出された赤黒い男根をティスは潤んだ瞳で見上げる。
「お前の好きなものだ。しゃぶっておとなしくしていろ」
呆れるような言いぐさに、しかし火の点いたティスの体は自然と反応した。
「…………んん」
膝立ちになり、両手で太いものを捧げ持つ。
大きく口を開き、亀頭を吸い上げるようにして舌を使い始めるとそれはたちまち一際たくましく反り返った。
「んん、ん……、んぅ…」
口での奉仕に没頭していくティスの尻に触れるものがある。
屈んだエルストンの指だった。
「グラウスの顔も、年も、はっきりしていない」
平静な声で言いながら、彼は紐のような下着を引っ張り張り型に押し広げられた穴を覗き込んでいる。
「んんっ」
赤みを帯び、粘液を漏らしているそこを痩せた指がかすめた。
「ふあっ……、ん、んぅ」
そちらに気を取られ、口がおろそかになった途端にオルバンがぐいとティスの後頭部を自分の方に押す。
さぼるな、というようなしぐさに必死に舌を動かすが、一方でエルストンはただでさえ広がった穴を左右に更に割り開いた。
「ん、ん………、ん…」
ぐちゅぐちゅと音を立て、暴れる張り型に犯される部分を見つめられている。
「んふっ…、ん、ん、ん…!」
濡れた肉に流れ込んだ夜気に震えていると、何か硬いものが穴の縁に触れた。
「ん、んっ…!」
ティスには見えないそれは、エルストン自身も何だかよく覚えていない実験器具のようなものだった。
見た目ぐるぐるとらせん状に筋の入った、太い螺子にも似たそれを彼は張り型に広がった穴の中に差し込んだ。
「んふぅ、んんっ!」
びくんとティスの背が反る。
先こそつるりとして丸いそれだが、彫られた溝が柔肉をぐりぐりと刺激する。
さっきから張り型に休みなくこすられ、突かれ、過敏になった内壁は新たな感覚にたちまち反応した。
「ふぁ、あ、あっ」
オルバンのものから手を離し、ティスは彼の腰の辺りに取り縋ってよがる。
「あ、んあっ、い、いっぱい………、こすれッ……あ、あっ」
二種類の、それぞれ凸凹のある異物が中でこすれ合いたまらない刺激を生み出す。
そのくせそれを行うエルストンの声は平静を保ったままだ。
「多分それ程の年じゃない。風の長たちのような年齢ならもう少し知られているだろう」
「他の風どもも、グラウスに従っているのか?」
自分の腰に抱きついているティスのなめらかな金髪をなでながらオルバンが言う。
←2へ 4へ→
←topへ