06


 コンコンよりはダンダンと表現した方が正しい音で、の家のドアが叩かれる。それは少し乱暴そうに、家に響いた。ドアを少し開けると、待ってましたとばかりに勢いよくドアは開いた。
!」
「きゃっ!?」
 ドアを開けて外を見てみれば、そこにいたのは黒髪黒目の少年だった。
「悠夜?やだ、一体どうしたのよ?」
に、相談したいことがあって」
 悠夜は、はあはあと息を切らせながらの顔を見た。どうやら今すぐ相談したいことらしい。は一息意気を付くと、悠夜を中に入れた。
 赤いソファに向かい合って座る。それは自分の部屋にしては少し大きい、の部屋だ。
「それで、相談したいことって何?」
「メイのことなんだ」
「メイちゃんの?」
 悠夜は黙って首を立てに振った。よほど急いで走って来たのだろうか、五分経ってもまだ息が荒い。格好良く成長してはいるものの、無茶をする所はまだまだ直っていない様子だった。ただ、少しあどけなさがまだ残っている。悠夜はの幼馴染で、メイの恋人だった。
「メイの奴はほら、国王に仕えてるんだろ?だから、心配で」
「大丈夫よ」
「何がだよ!だって俺ら、もう五年も」
「噂が流れてるのよ」
 焦る悠夜を宥めて、は切り出した。
「メイの好きな人、イーストの人だって」
「でも、それだけじゃ、誰かまだ!」
「ノースで、一番馴染みのない所って行ったら?イーストでしょう?」
「…そうだけど」
「だったらわざわざ嘘つく意味ないじゃない?」
 は悠夜の手を握って言った。
「だけどウォンウが、メイの好きな奴はノースの国王だって」
「まったく、そんなの嘘に決まってるじゃないの!」
「そうだよ、分かってるよ!でも、でも俺、メイが好きだから、だから」
「思い込みね。それで心配になってここまで来たの?」
 決まりが悪そうにまた頷いた。前はもっと冷静に判断できたのに、とこちらが心配になってくる。
「あと、ノースの国王の伝書鳩が、パーティーの招待状持って来て…」
「あら、行けばいいじゃない」
「問題があるんだ」
 その言葉だけ、なぜか違う響きを含んでいた。