04


 『あれ、子ども?』
「…黒髪に、漆黒の瞳」
 『子どもはあたし一人かと思った。あたしね、   っていうの』
「…駄目だ」
 そこまでは思い出せるけど、名前がどこかに落として来たみたいだ。名前を思い出そうとしても思い出せない。
「うーん…それだけか?」
「多分…」
 ザックはパラパラとページを捲った。そしてふと、手が止まる。
「なあ、。もう少しないか?それだけじゃどうにもこうにも…」
「ゆう…」
「ゆう?」
「いや、『ゆう何とか』か、『何とかゆう』、多分そうだ、名前だ」
 ザックは今開いているページに目をやった。
「ビンゴ」
「見付かったのか?」
「ああ、こいつだろ?」
 ザックが見せたページには「NAME:悠夜」と書かれた人物が載っていた。黒髪黒目の、見覚えのある顔立ちだった。
「西暦も計算したら今十八歳だ」
「…こいつだ」
 やっと見つけた。だけど、何かがおかしい。は眉間に皺を寄せた。名前の下の欄に書かれた個人情報には、「SEX:男」とだけ書かれてあった。住所も備考も全て空白のままだ。
「…嘘だ…男?」
「しかも全て不明、住所も何もかも」
 そこにはしっかりと記してあった。名前と性別しか分からない。
「ザック…これはどういうことだ?」
「…さあ、どうしてだろうね。ただ言えるのは、なぜこの謎の人物がパーティに呼ばれたのかってことだ」
 何も記されていない。その事実よりも、あいつが男だったことに、ショックを受けた。