高校DAYZ 02




 こんにちは、です。友達の多さなら負けません。成績は中の中、その他全て十人並み。え、恋愛?…ちょっと頑張ってみようかな、って最近…思い始めました。


「おーい、

 少し離れた所から自分を呼ぶ声が聞こえた。辺りを見回すと、あたしの方を向いて笑ってる顔が目に入った。

「なっ…なに、くん」
「あのさ、委員の仕事なんだけど」

 ゆっくりと歩いてきた彼は焦りで少し身構えたあたしの一歩前で止まって口を開いた。顔をまじまじと眺める。…こんなに近くで話す事なんて、この前までは考えられなかったのに、な。



聞いてる?」

「え、う、ああ!ごめん…!仕事の話だよね、何だった?」

 うえー、恥ずかしい!よりによって呆けてる所を見られるなんて、と情けなくなった。くんは一つ大きくまつげを揺らした後に肩を震わせて笑い出した。

「っはは!やっぱっておもしれー!」
「ごめんって…!そんなに面白い事した覚えないんだけど」
「見てると笑える。やっぱ思った通りの奴だな」

 目尻をわざとらしく拭ってくんは言った。

ってさ、友達多いだろ?俺去年から校舎の至る所で見掛けててさ。面白そうな奴だ、って思ったんだよ」

「え、何それ!そんなにあたし行動範囲広いんかなあ…!?」
「かもな。この学年での顔知らない奴殆ど居ないと思うよ」

 …って事は、くんは少なからずあたしの事を気にしててくれたって事…?それも、去年から!!思わず持っていた携帯を落としそうになる。あたしはそれを机の上に置いてもう一度彼の顔を視界に入れた。

「そうなの!?全然そんな事気にしたこと無かったよ」
「だろうな。…あ、そうだ。仕事。…学級委員の仕事は、授業の号令と、毎朝の黒板チェック、…それから、点呼」
「黒板チェックって職員室前にある時間割変更用の?」

 三本の指を折りながら数える彼にあたしは尋ねた。学級委員って言っても、それほど大変な仕事は無いみたいだ。楽で良いけれど、なんか複雑な気分。

「そうそう。点呼はまぁ男女別だから良いとして、後の二つ、どうするよ?」
「うーん…号令は、あたしが初めに言ってくんが終わりに言えば良いよね。逆でも構わないけど」
「そうだな。じゃあは初めの号令な」
「解った。じゃ、黒板は……くん、朝いつも遅刻ギリギリだよね」

 そう言うと、くんはバレたか、と言う様に首を竦めた。

「よく知ってるね。朝練やってるからさ…は?」
「あたしは早すぎもせず遅すぎもせず。まぁ家近いし 」
「え、近いの!?何処中出身?俺も結構家近いんだよ」

 途端に目を輝かせて聞いてくるくん。あたしは少しどきどきしながら返事をした。

「若葉中、知ってる?」
「知ってるも何も隣の中学だ、よ!俺南中だもん。それを早く言えよー!!」

 妙にハイテンションな彼の言葉を聞きつけて、わらわらと数人が集まってきた。

「誰が隣の中学だって?」
「おう倉多クン。だよ、!」
「そりゃ奇遇だな。じゃあ俺も隣の中学だ」
「あたしもだよ、ねぇ、?」
!そうそう、若葉っ子だもんね、うちら」

 二人が加わって一気に騒がしくなって、他の子達も集まってきた。

「何だよその若葉っ子、って!羨ましいなコノヤロッ」
「へへん、うらやましかろ!いやーでもが南中だったとは」
「奇っ遇ー!」

 わぁわぁ騒いでる中で、チャイムが鳴った。
 不思議だ。くんの周りには、自然と人が集まってくる。一種の魔力だ、と思いながらあたしは自分の席へと向かった。

「あっ…黒板、決めれなかった」

 結局進まなかった話に呆れるのと同時に、またそれでくんと話す事ができるのを喜ぶ若干よこしまなあたし。口の端が上がりっ放しの情けない顔を目ざとく見つけたに「キモイっ」って言われた。しょうがないじゃんか、嬉しいんだもん…うん。

 その次の授業で、さっき決めたにもかかわらず始業の号令を二人で大声でハモって笑われた。もしかしてあたし達、気が合っちゃったり…するのかな?




witten by 佑里