「そろそろ行こうか、」
「うん」
初めて会う人に出会うことって知ってる?まだ知らない明日へと続く道のりなんだ。まだ知らない世界へと踏み出す道なんだ。
トントンと階段を下りる足音が2つ。に続いてあたしが下りる。ドキドキこの高鳴る胸。キィ、と静かにダイニングの扉が開いた。さっきから心臓がドキドキ止まらない、本当に口から心臓が出てしまいそう。
「やあ、遅かったね」
中を見ると、父のエスモンドさんが優しく微笑んでいた。
「紹介しようか。新しい家族、だよ」
が背中を押してくれた。
「は、初めまして、です。まだ…この辺りのことは知らないけど、よろしくお願いします」
ペコリと浅く頭を下げると、笑い声が上がった。
「ははははっ!頭下げるなんて、とみたい!」
驚いて顔を上げると、元気そうな男の子の笑顔が目に入った。いつも楽しそうに笑っていそうな、憧れる印象。
「まァいいや。俺はアダルバードってんだ。よろしくな、!」
「はい!」
「俺のことはアダルでいいよー」と父親譲りの優しい笑顔で笑った。ただ少しだけ茶目っ気が残る、銀色の髪に赤色の瞳。もそれに笑顔で返すと、ふと隣にではない人の気配がした。見ると綺麗な女の人がいる。
「まあ、可愛い子ねー!」
そう言ってその人はギュッとあたしの体を抱きしめる。「ぐえ」と小さく口から声が出た。
「私は母のテルシェ。この家では唯一の女なのよ」
「よ、よろしくお願いします。テルシェさん!」
テルシェさんは「仲間ができて嬉しいわ」と言うとまたあたしを抱きしめる。銀髪で青い瞳だった。明るくて寛大、いい両親を持ったものだ。まるで歳を取ったお婆さんになったようで、我ながら可笑しいと思った。
「お姉ちゃん、ちゃんて言うの?」
「うん、そうだよ?」
まだ七、八歳位の子が、可愛い笑顔を振りまきながら近寄ってくる。手にはうさぎのぬいぐるみを大事そうに抱えていた。銀色の髪に青い瞳は、母のテルシェさんとよく似ている。
「可愛い名前だねー。僕はベルだよ、ベルナール」
「!」
こんな小さい子に自分の名前を褒められたのは今が初めてかもしれない。しかも…。
「かっ、可愛いー!」
「お姉ちゃんって呼んでいい?」
「うん、いいよ!」
さっきのテルシェさんじゃないけれど、ギュッとベルを抱きしめた。そして優しく抱き上げる。弟ができたみたいで嬉しかった。
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足跡 09