って弟いたんだ?」
「うん、いるよ。元気いっぱいなのがね」
「あたしも兄弟欲しかったなあ…」
 ううーんとあたしは伸びをした。隣でが微笑んでこちらを向いていた。
は兄弟いないの?」
「うん、一人っ子だもん」
「じゃ、家に暮らしなよ。どうせホテルも見つかっていないんだろう?」
「まあね」
 「でもそれじゃが大変なんじゃない?」と返すと、苦笑しながらが言った。
「五人もいちゃね、一人増えても分かんないさ」
「ごっ、五人も!?」
「うん、僕は二番目、ちなみに十八歳だよ」
「あ、私は十七歳。タメじゃなかったんだ…」
 しょぼんとした顔をすると、は苦笑して頭を優しく撫ぜてくれた。
「タメならいるよ、三男は一個下しただからね。世話好きなアダルバードさ」
「へーえ。じゃ、仲良くなろうっと」
「長男は家族思いのセザール、四男が、凄くクールなんだ」
「男の子ばっかなんだー」
「末っ子が老師をサッカーに誘ってた元気なベルナールだよ」
 これほど人の良い所ばかり言える人がいるだろうか?いや、大体人の目につくのは嫌な所だ。やっぱりは凄いよ。

「どうしたの?」
「えっ、あ…なんでとその、って人だけ名前の感じが違うのかな?って」
「あ――、俺たちは本当の兄弟じゃないんだよ。俺とで二人兄弟、他は本当の兄弟なんだけどね」
「え…何で?」
「また今度じゃ、駄目かな?」
「あ……ううんっ!ごめんねっ。言いたい時になったらでいいよ!」
 優しい顔が、一気に寂しそうな顔に変わった。いけない指摘をしてしまったらしい。
「ありがとう」
「ううん、聞いたあたしが悪いし」
「…は優しいね」
「えっ!?」
 優しいと言われたことは、今まで生きてきて1度だってない。だから余計に嬉しくて、余計に顔が熱かった。……やだ、もしかしてに…惚れてる?
「うわー、うわー、うわ―――!」
「…大丈夫?…」
 本当、面白くなりそう。だけど…先が思いやられるなあ。




 
足跡 06