NOVEL Interplay of life 4

Interplay of life
第四話
〜危険な発明家〜

部活動が終わり、俺は部室で考え込んでいた。 外に出るか、出ないか。 この判断次第で俺の人生は大きく変わるだろう。 生き残る可能性を信じて出るか、 逃げ延びる可能性を信じて出ないか。 どちらにしても死は確実だ。 向こうは俺の名前を知ってしまっただろう。 顔も覚えられた筈。 大して俺はバッジは色しか判別出来なかった。 更に恐怖で顔もあまり覚えられていない。 確か、髪は黒髪でストレート。結構長かった。 多分、俺の学年にはあれだけ髪の長い奴は居ないだろう。 俺は逃げ切る事が出来る可能性の方が低いと見て、 外に出る決心をした。 人生で一番、扉を重く感じた一時だった。 ・・・・・・ ???「来ましたね。」 白衣は脱いでいた。 しかし、手には先程の銃が握られていた。 和夫「で、何の用だ。」 ???「何の用って、私の事を如何思ってるか聞きたいだけです。」 和夫「・・・へ?」 ???「貴方の返答次第で貴方の生死が決まります。」 ・・・・・・俺はとんでもない領域に足を踏み入れてしまったようだ。 未知の生物より性質が悪い。 和夫「えっと、あそこで何をしてたんだ?」 ???「研究です。」 和夫「良い趣味を持ってるんですね。」 ???「はい。そう言われると嬉しいです。」 あまりの恐ろしさに敬語になってしまっていたが、 その後色々会話して分かった事は 彼女は理科部(現在廃部)所属の2年3組の 大林雪乃という女子生徒だった。 何かを発明するのが好きで、俺に向けた銃らしきものも発明の一環だという。 何故あんな物騒な物を作りたがるのかは俺には理解出来なかったが。 そして、何故俺に銃を向けたのかというと、 危険な発明物を発明している事を言われると退学になり、 お先真っ暗な人生を歩む事になる為、口封じにやった心算だと話す。 が、俺から見ると度が過ぎ過ぎている。相当な過激派だ。 これからはあまり近づかないようにしようと誓った。 雪乃「では、失礼します。」 そう言って彼女は帰っていった。 ただ、これからも遭遇してしまいそうな予感がしたが、 多分、気の所為だ。きっと・・・じゃなくて絶対そうだ。 そう自分に言い聞かせて帰路に着いた。 ・・・・・・ ミルラ「ご主人様、お帰りなさい〜」 和夫「ただいま。」 今日の一件があった所為か、何処と無く俺は落ち着くことが出来た。 ミルラ「どうしたんですか?顔色が悪いですよ?」 和夫「いや、ちょっと一悶着あっただけだ。」 ミルラ「若しかして虐めですか!?     私、そういうの大っ嫌いなんです!」 和夫「大丈夫だ。心配要らない。」 ミルラ「誰ですかっ!?     ご主人様を苛める不届者は私が容赦致しませんっ!」 和夫(いや、だから大丈夫なんだって。) ミルラ「・・・・・・あの〜     そんな呆れたような顔しないで下さい・・・。     なんか・・・虚しくなります。」 そう言われても、この状況で呆れない奴は少数派意見だろう。 若しくは苦笑い程度しか出来ないであろう。 相手が未知の生物なら尚更だ。 ・・・・・・ 和夫「で、念の為に訊いておこう。」 ミルラ「はい。何でしょう。」 和夫「余計な事をしなかったか?」 ミルラ「多分、してないと思います。」 和夫「じゃあ・・・今日は何をやった?」 ミルラ「この部屋の簡単な掃除をしてから暇だったので遊べそうな玩具を探して     遊んで、お腹が空いたので食べ物を探して・・・」 和夫「この部屋でか?」 ミルラ「いいえ。」 笑顔で答える未知の生物。 だが、俺はその言葉を聞いた瞬間、血の気が引いた気がした。 このままだと、俺がゾンビになるのは時間の問題だ。 ミルラ「えっと、まず階段を下りて食べ物がいっぱい入っている箱を開けて、     おいしそうなケーキがあったので食べちゃいました。」 ・・・多分、冷蔵庫の中のケーキだろう。 選りにも因って何故厄介な物を。 その後、俺は当然の如く濡れ衣を着せられ、 2倍もする値段のケーキを買う羽目に。 勿論、自分のケーキは無い。 ・・・・・・ 何時も通りに起床し、 何時も通りに登校した。 そこにばったりと、悪魔と遭遇してしまった。 俺はその瞬間、地獄の門が開いた感じがした。 そう、そこに居たのは黒髪のロングヘアーだ。 俺の見たくないものランキング上位に入っている、あのロングヘアーだった。 >NEXT >目次へ