NOVEL Interplay of life 2
Interplay of life
第二話
〜不可思議生活の始まり〜
俺はその後、晩飯を食ったり、風呂に入ったりした。
ミルラの姿は無かった。多分、あれは夢だったんだろう。
・・・・・・
和夫「清清しい朝だ。」
変な夢を見た後、俺は幸せな気分だった。
このマンネリ化した生活から逃れられると思い、その期待に胸が膨らんだ。
朝飯を食いに行こうと机の方を見ると、衝撃で身が固まった。
ミルラ「ふぁぁぁぁ・・・あ、おはよう御座いますぅ〜・・・」
和夫「ん、おはよう。」
・・・・・・俺の思考能力がパンクした。
とりあえず、本能のみで朝飯を食べ、誰とも会話せず、部屋に戻った。
ミルラ「あの・・・顔が引きつってますけど大丈夫ですか?
何かあったら何時でも私に相談して下さいね・・・」
お前の所為だと即座に突っ込みたくなった。
ミルラ「・・・夢じゃありませんよ。」
和夫「ん・・・あ、あぁ。」
辛うじて生返事は出来た。
ただ、俺の思考能力は既にパンクしている。
頭脳をフル回転しても足し算が出来るかどうかも分からない。
和夫「1+1は・・・ん〜と、2だな。よし、OKだ。行くぞ。」
そんな虚しい独り言は余所事に、雀が鳴いていた。
・・・・・・
その日の俺は、どうも上の空だったらしい。
授業内容の一言も思い出せない。
・・・・・・
母親「おかえりー。」
和夫「いってきまーす。」
夕菜「お兄ちゃん、ただいま、でしょ?」
和夫「いってきまーす。」
母親「・・・夕菜、そっとしておきましょ。
きっと和夫、恋煩いなのよ。」
夕菜「あ、なぁる。」
和夫「いってきまーす。」
その後、俺は自分の間違いに結局気が付く事は無かった。
・・・・・・
ミルラ「あ、おかえりなさいませ〜。」
和夫「いってきまーす。」
ミルラ「あ・・・あの、ご主人様?」
和夫「いってきまーす。」
ミルラ「ご主人様!」
勢い良く俺の目の前に飛んできた。
和夫「いってきまーす。」
そういいながら俺はその攻撃を避けた。
ガラガラガラガラ・・・。
後ろに山積みになっていた箱が崩れた。
その音で俺は正気に戻った。
ミルラ「た・・・助けてくださ〜い・・・。
潰れて死にそうですぅぅぅぅ・・・。」
和夫「仕方ないな・・・。」
その瞬間、俺は今まで必死に考えてきたミルラの正体の事なんてどうでも良くなり、
今は散らばった塵の処理に頭を抱える事にした。
その方が気が楽だ。未知の生物の方が更にタチが悪い。塵なんてまだ可愛い方だ。
和夫「大丈夫か?」
ミルラ「はい・・・何とか・・・。」
和夫「さて、作業も一段落ついたし、寝るか。」
・・・・・・
俺が起きたのは深夜だった。
誰も起こしてくれなかったらしい。
一人でカップラーメンを食べ、一人で風呂に入った。
部屋に戻ると、ミルラが塵処理をしていた。
寝ぼけていて気付かなかったらしい。
和夫「おい・・・何やってるんだ?」
ミルラ「あ、ご主人様。
さっき私がこの部屋を汚してしまったので掃除をしているんです。」
和夫「手伝おうか?」
ミルラ「いえ、結構です。私一人で十分です。」
内心助かったと思いながら俺は夢路に着いた。
俺は、この現実を潔く受け止めざるを得なくなってしまった。
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