貴方と私と僕の想い






「越前」
「何スか、不二先輩」
ただ廊下をすれ違っただけ、その筈なのに・・・
「何でこんなことになってんスか!?」
今2人は何故か校舎裏に来ていた。
いや、正確には不二がリョーマをここまで連れてきたと言うべきか・・・
「だって、分からない?・・・僕が怒ってるの」
不二が笑顔で聞いてくる――――意外と力強いその左手で、リョーマの両腕を壁に押しつけたまま。
「分かりません!何で俺が・・・」
「昨日」
リョーマの言葉を遮るように言葉を落とす。
「僕の家の前で何してたの・・・?」
ドキッ
――――見られていた?
「何のことスか?」
しらばっくれる。
それが無駄だとは分かっているけれど。
「なに?はっきり言ってほしいの・・・?」
冷たい笑顔――――それは見る者を氷らせる、魔性の微笑。
「こっち向きなよ」
笑顔を絶やさないまま不二はリョーマを睨み付ける。
それでもリョーマは不二の方を見ようとはしない・・・・・・できない。
――――っ!?」
突然耳に感じる違和感。
「やめっ・・・!」
「だって、分かってないみたいだから」
不二がリョーマの耳たぶを舌でいじりながら言う。
「なに、が・・・っ?!」
「言ったじゃない『黙って見てる気はないよ』って――――――


それは、リョーマが手塚に告白したいということを不二に相談しに行った時のこと。
あの頃手塚はリョーマのことをただの後輩としてしか見ていなくて、リョーマ自身、その告白が成功するだなんて思いもしなかった。
だから、リョーマの目から見て手塚と一番仲の良かった不二に相談しに行ったのだった。
「いいんじゃない?越前にその気があるのなら」
そう言って後押ししてくれた直後に言われた言葉。
「でも僕も越前のことが好きだから・・・黙って見てる気はないよ」
そう、言われたのだ――――――


「普通こーゆー時って応援してくれるもんなんじゃないの?!」
リョーマが少し身を捩りながら平静を装って言う。
「いやだよ。・・・僕は独占欲が強いからね」
そう言いながら手を離す。
――――・・・?」
突然解放され不思議がるリョーマに、クスリと笑みをもらす不二。
「今日の所は許してあげる・・・特別に、ね」
「何で・・・?」
不二が笑う。
「もっとして欲しかった?」
「だ・・・誰が!」
少し上気した顔で慌てて否定するリョーマ。
「説得力のない顔・・・」
そう言って顔を近付ける。
「っ・・・!」
避け切れずまともに唇を奪われるリョーマ。
「忘れないでね・・・・・・」
近すぎて見えない、不二の表情。
「諦めないから」
それだけ言うと、不二は校舎裏を去っていった。
「訳分かんねぇ・・・」
唇に手を当てて呟くリョーマ。
3人の関係は、まだ始まったばかり・・・――――














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ということで塚リョ←黒不二です。
壁に押し付ける・・・黒シカもナルトにやってました。今気付きました。同じような描写ばっかりでいかんですなぁ・・・。
とりあえず後から書き加えた告白云々がとてもとても説明説明してて痛々しいのですが、気にしない方向で;


そんでもってキャラ違う気もしますが黒不二は書いてて楽しいです(笑)



2004/4/20


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