「なぁ・・・返事、しろよ・・・っ!キラぁっ!!」


――――――必死だった。


「アスラン、キラは?キラは大丈夫なんだよな?!」


手が震える。
声が上擦る。
恐怖が、押し寄せる。


「大丈夫だ。お前がしっかりしなくてどうするんだカガリ・・・姉、なんだろ?」
「姉だからっ!弟の心配をしちゃ悪いのか!?」


あぁもう・・・言っていることがめちゃくちゃだ。
でも
目の前で死にそうにしているキラを見るのが、ひどく・・・ひどく怖くて、仕方なかった―――――






交錯 -とまどい-




戦争は終結した。
けれど、そのための犠牲は大きく、私たちはいろいろなものを失った。
これ以上、何も失いたくなんか無い。


だから―――傷ついたキラを見るのが、怖かった。


「キラっ!?」
エターナルに運び込まれたキラに、ラクスが駆け寄る。
キラの怪我は見た目にひどく、未だ意識を取り戻さない。
「アスラン・・・大丈夫だよな?大丈夫なんだよな・・・?」
私は幾度となく繰り返した質問を、また繰り返す。
「大丈夫だ。何度も言ってるだろう?」
力強いアスランの声。
誰よりもキラを分かっているアスランだからこそ断言できる言葉。
―――――キラは、大丈夫。
私はアスランの言葉を信じるようにと、必死に自分に言い聞かせていた。


その時・・・


「キラ・・・?」


その時。
私は不謹慎にも歌姫アイドルの持つ力ってスゴイんだな、なんて思ってしまっていた。
だって、ラクスの心情一つでこんなにも辺りの雰囲気が変わる。


キラが――――目を覚ました。














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