ダンデライオン 『寂しがりライオン、吊り橋を渡る』 『橋の向こうで出会ったヤツは、太陽によく似た姿だった』 「お前は、オレが怖くねーのか・・・?」 『吹き抜ける風と共に一度だけ頷いた』 (ん?) 拾う (あいつの色に似てんな・・・へっらしくねぇぜ) 拾った小石を持って行く 『響く雷鳴、落ちる吊り橋』 小石を掲げながら 「聞こえるか・・・?オレは大丈夫だから・・・だから、泣くなよ・・・?」 『濡れた頬の冷たさなど生涯お前は知らなくていい』 『止まない雨に血は流れていく』 「なぁ銀次・・・オレはお前みてぇに・・・お前になりたかったんだ・・・」 吊り橋を落とした雷鳴が、もう1人の銀次によるものだとは知るよしもないけれど 「やっと見つけた・・・」 目の前には・・・ 「今行くからね、蛮ちゃん」 『季節は巡り春が訪れ、谷底まで金色の化粧、 一面に咲くタンポポの花、ライオンによく似た姿だった。』 |