猫 さっきまで泣いてた猫が、今は笑っている。 泣き虫の、それでも気位の高いその猫は、心を打ち明けることなどなく・・・今までずっとそうやって生きてきた。 部屋の中から、卑弥呼の甲高い笑い声が聞こえてくる。 「まーた何かやってんなぁ?」 苦 笑しながらもドアを開けると、突然目の前に現れた、熊。 「なんだ・・・?」 俺があまりにも 間抜けな顔をしていたのか、卑弥呼が今度は俺の方を指差しながら笑い出した。 「蛮、大 正解じゃない!ぴったり!」 「・・・・・・は?」 何がぴったりで大正解なのかさっぱり分からな いまま、俺はしばらく卑弥呼に笑われ続けた。 「・・・で?何で俺は笑われたんだ?」 卑弥呼の笑いが落ち着いてきたところで俺はそう切り 出した。 「兄貴が予想どぉーりの反応を返してくれたから」 「・・・そんなに俺は分かりやす いのか」 「分かり易すぎよ!蛮が真似したのと全く同じタイミングで全く同じ台詞を吐い たんだもん!」 |