ゴミ箱ゴミ箱


文章になりきらなかったネタ。ハイエド。『 』内とかはポルノ。




君を探してた僕は、君のすべてを知った。






『僕はそれを恐れてたんだ』




「エドワードさん?」
僕の腕の中で眠る彼は安心しきったような顔で。
心地よさそうに見えるのに、どこか足りない。何かが足りない。
そう思わせるような苦しげな笑みを浮かべる。
「ア・・・ル・・・」
知らないままでいたかった。
知らなければ、ただ貴方を愛するだけでいられたのに。




貴方に足りないものがあると気付いたのはいつだったろう。
もしかしたら、僕は最初から知っていたのかもしれない。それを。
最初に出逢ったあの時から。僕を見て涙したあの時から。
「ごめん・・・・・・」
今だけ、今だけでいいから、オレの弟になって。
そう言って貴方は泣いた。
僕の腕に縋って。
あれは、あの時の貴方は僕に何を求めていた?
その意味に気付いてしまえば、貴方に足りないものが分かる。
そう思っていた。だから、気付きたくなかった。


エドワードさんは僕のことを名前で呼ぶ。名前で、アルフォンスと。
けれど眠りについた貴方が呼ぶ名前は“アル”―――――
僕ではない誰かを呼んで、苦しげに、それでも笑みを浮かべる。
それは僕を呼ぶ声なのだと思い込めれば良かった。そうすれば、
きっと僕は幸せでいられたんだ。僕だけは。




「エドワードさん、弟いるの?」
最初に貴方は言った。
弟になって、って。
「なん、で・・・」
エドワードさんが目を見張って僕を見る。落ちそうなくらいに目を見開く。
「いるよ・・・一人」
そう言う貴方はわかりやすいほどに動揺していて。
ねぇ、それが“アル”だから貴方はああ言ったの?
貴方は僕に弟を求めているの?




君が遠い。
君に足りないものを知った。




『頬を伝う君の涙だけ脳裏に焼き付く』





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