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Nihon Championship Wrestling Professionals
NCWPまでの歴史
◇ レスリング
レスリングはボクシングと並び古代オリンピックにも正式種目とされていた古い格闘技である。古代オリンピックは貴族階級しか出場が認められていなかったため、ルールは極めて紳士的なものであった。打撃は禁止、相手の下半身を攻撃してもいけないという制約の上で戦われていたのが当時のレスリングだった。いまで言うグレコローマンスタイルである。
古代オリンピックが中断した後、急激に廃れていったレスリングだったが、イギリスでは軍隊の格闘技としてレスリングを取り入れ続けてきた。
そしてレスリングは、18世紀のイギリスで新しい格闘技スタイル『キャッチ・アズ・キャッチ・キャン』通称『キャッチ』として生まれ変わる。現在主流となっているフリースタイルの原型である。
そして、19世紀後半のフランスでは、古代オリンピックスタイルのレスリングが再び姿を現す。この時代、一般的にレスリングといえばイギリスのキャッチから生まれたフリースタイルだったが、第1回の近代オリンピックがアテネで開催された時、正式種目として採用されたのはフランスで復活した古代オリンピック時代の紳士的なスタイルのレスリング(グレコローマンスタイル)であった。
◇ プロフェッショナル・レスリング
レスリングは第1回近代オリンピック アテネ大会でグレコローマンスタイルが採用され、メジャースポーツとしての地位を確立した。メジャースポーツとなったレスリングは、その後、賞金付きの大会がヨーロッパ各地で開催されるようになる。
フランスのパリでは、最も権威があるとされる世界選手権が定期的に開催され、大会の優勝者は「プロフェッショナル・レスラー」として多くの尊敬を集めた。
19世紀の後半、アメリカに移民と共に伝わったレスリングがプロレス原型といわれている。当時、アメリカはイギリスの植民地だったため、アメリカのレスリングはフリースタイルが基本だった。
サーカスの腕試しと同じく、最初は賞金付きの力自慢の大会として始まったレスリングの試合だが、その人気とあいまって、出場して生計を立てる専門のプロフェッショナルが増えていった。やがてプロのレスラーが自分たちの手で興行を行うようになり、プロレスリングの歴史が幕をあける。
アメリカの多くのプロレス団体が、日本のようなサーキットを組まずに各自のテリトリーを守って興行を続けているのはこの名残りである。
◇ 日本・レスリング・チャンピオンシップ(N.W.C)
1980年にアメリカ帰りの仁村賢利が旗上げしたプロフェッショナル・レスリング団体。海外団体と提携して、問題を起こしたりほされたりした実力派レスラーを呼び、アマレスや柔道の実績を持つ日本人レスラーと対戦をする事で話題を呼んだ。ギミックを嫌い、テクニカルな攻防に重点を置いたスタイルは、他のプロレスに比べてやや異質だった。ケーフェイを守る意識はどこよりも高く、若手には怪我をするまでシュートでやらせていたとまで言われている。
だが、海外で名前が売れた事で、同じNWCの団体名を持つ全米レスリング評議会(National Wrestling Council)と問題が発生した。一時期海外ではJWC(ジャパン・レスリング・チャンピオンシップ)を名乗っていたが、海外で"Nippon"を名乗る事に意義があるという社長仁村の主張から、1995年に正式に社名を日本・チャンピオンシップ・レスリング・プロフェッショナルズ(NCWP)に改める。
NCWPのテリトリーは主に東日本。ライバル団体として、主に西日本を中心に活動する西海上プロレス、関東〜近畿地方の都市部で興行を行っているプロレスリング・フェンリルなどがある。
◇ 日本・チャンピオンシップ・レスリング・プロフェッショナルズ(N.C.W.P)
日本レスリングチャンピオンシップが、1995年に改名。それを機に、地上波放送番組も一新され、格闘技ブームの急先鋒として躍進を遂げた。(TV地上波放送は2001年に終了。現在はローカル局および衛星、CATVで放送されている)
古代オリンピック以来進化しつづけていたレスリングという格闘技が、イギリスからアメリカへと渡り、それを吸収した仁村賢利がプロフェッショナルな競技として、日本で完成させたのがNCWPのプロレスである。海外や他団体のプロレスを吸収しながらも、あくまで格闘技としてのプロレス、スポーツとしてのプロレスを追求し続けるプロレス団体。
スポーツならではの芸術性、レスラーのみが持つ迫力、テーブルゲームのような試合の駆け引き、プロレスならではのダイナミックな大技、ため息が出るような感動、あっと言わせる驚きのギミック、そして試合を盛り上げる裏方の演出。
昭和の頃より変わらぬ日本の格闘技の魅力がそこにあり、NCWPの会場へ足を運べば、仁村プロレスの素晴らしさを体感できるだろう。プロレス団体の中ではいち早く世代交代に成功し、安定した人気を誇る。2005年に10周年を迎えた。