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シリーズ最終戦試合結果


 

NCWP九周年記念大会 Extraordinary Exciting Fighting
9・26/東京:武道館 / 観衆13700人
▽ 第一試合 シングルマッチ 30分1本勝負
加宮 みつる V S 鈴軒 透
○ 加宮 VS 鈴軒 X
14分32秒 逆エビ固め

 今シリーズデビューを果たしたばかりの加宮と鈴軒。鈴軒は入門時期こそ違えど、佐倉・石和と同年入門の遅れてきたレスラー。NCWP史上最小の163cm77kgのフライ級レスラーで、なかなか身体ができず見切り発車とも言えるデビューとなった。
 対する加宮は身長191cm108kgと恵まれた体格で、生粋のヘビー級レスラーである。当初は1月のデビューを見越していたが、九周年記念大会に合わせて見切り発車でのデビューとなった。
 互いに見切り発車となった両者だが、その理由は正反対だったと言える。

 試合では鈴軒が健闘。体格の差を練習量の差で補うかのように、鈴軒が手数では上回ったが、最終的にはやはり体力の差か、鈴軒が加宮の逆エビに屈した。

 加宮に対して果敢に挑んで行った鈴軒のカバー

▽ 第二試合 シングルマッチ 30分1本勝負
石和 圭一 V S 鈴木 タカシ
X 石和 VS 鈴木 ○
15分02秒 変形脇固め

 新生NCWPデビュー第一号の鈴木が初めての後輩である石和と対戦。石和の健闘が期待されたが試合の主導権は終始鈴木が握り、格の違いを感じさせる展開となった。

 

▽ 第三試合 タッグマッチ 30分1本勝負
ファイヤー・S
ファイヤー・S
V S アメリカン・J
アメリカン・J
X S VS J ○
22分03秒 テキサスクローバーホールド

 第三試合では、我等がファイヤーSがWGAの中堅レスラージェームズ&ジョージ組と対決。
 試合は野村とも対戦経験のあるアメリカンJがパワーで圧倒し、勝利を収めた。

 今年は、シュトックハウゼンの召集や短期海外遠征、年末のインターナショナルカップなど、国際的なイベントが多い1年となったが、この試合もその一環であると言える。

▽ 第四試合 6人タッグマッチ 45分1本勝負
ロベルト・カルナーダ
ジェイ・スチーム
フライング・バイアラン
V S 清水 剣次
ファイヤー・S
柳 飛虎
○ バイアラン VS 清水 X
26分26秒 フィギアフォーレッグロック

 第三試合に続いての国際マッチ。NCWP常連外国人チームを相手に、清水は韓国より召集した柳飛虎と元東洋王者ソ・イルファンの2人とタッグを結成。
 流行に敏感な清水は「韓流」(ハンリュウ)と書かれた旗を振り回し、プロレス界にも韓流ブームを持ち込んできたが、急造タッグの脆さか、連携が上手く行かず試合には敗れてしまった。

 

▽ 第五試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
佐倉 涼介 V S 仁村 賢利
○ 佐倉 VS 仁村 X
17分22秒 原爆固め

 仁村社長復帰後初のシングルマッチ。冷めた目で見ればデビュー一年目若手のチャレンジマッチ、あるいは仁村社長が勝てそうな相手を選んだ…という事になるのだろう。
 だが試合数日前、インタビューで佐倉は試合について珍しく饒舌に語り、勝利への自信を窺わせた。

 試合は佐倉の勢いと仁村の巧者ぶりが打ち消しあい消耗戦へ。果敢に攻め込む佐倉は、掟破りのツームストンドライバーでトドメをさそうと目論むが仁村もこの技で負けるわけにはいかない。

 

 この時点ではまだ余力を残していた仁村だが、雪崩式の大技を狙った際にトップロープから叩き落れたのが仇となり、ツームストンでも試合を決めきれず、佐倉のジャーマンの前に3カウントを奪われてしまった。

 

 デビュー1年の若手に敗れた仁村だが、あくまで引退宣言は避け、リング上で簡単な挨拶を済ますと控え室へ戻って行った。
 引退宣言こそしないものの、プロとしての身体的な限界は明らかであった。

 だが、佐倉がデビュー1年で、いかに衰えたといえどあの仁村を破ったという事実はこれまでに例を見ない快挙である。
 レスラー生活が続く限り、佐倉についてまわる烙印であり勲章であろう。

▽ 第六試合 NWC/WWC統一クルーザー級選手権試合
  シングルマッチ 60分1本勝負
塚間 道正 V S 佐藤 大季
○ 塚間 VS 佐藤 X
13分45秒 サンダーファイヤーパワーボム

 NCWPクルーザー級の頂上決戦がついに実現。選手大量離脱後のNCWPジュニアはこの二人が支えてきたと言っても過言ではない。
 試合はオーソドックスな立ち上がりから、技の駆け引きを主体とするNCWPそのものの試合展開で、王者佐藤のバックドロップを耐えた挑戦者塚間がサンダーファイヤーパワーボムで勝利を収めた。
 かつて幾度となくジュニア王者に輝いた塚間だが、新生NCWPではこれが初戴冠となる。
 とかく派手さを求めがちなジュニア戦線にあって、塚間のような存在は稀少な存在。だが、十数年続く塚間時代を終わらせる若手の台頭が望まれる。

『塚間 道正』が
第八代のWWC/NWC統一クルーザー級王者となる。
 

▽ 第七試合 シングルマッチ 30分1本勝負
瀬田 広志 V S ディグ・ジャムル
○ 瀬田 VS ディグ X
14分59秒 デスバレーボム → 片エビ固め

 復帰からまる2年を迎えようかという瀬田。シングルでの活躍への欲求からか、最近はG-UNITとして以外での活動も目立つ。
 武道館での瀬田の相手はWGA期待の若手ディグ・ジャムル。ディグはWGAが期待するだけあり、身体能力・基本技術ともに申し分ない実力者。
 ディグの前に瀬田も押さえ込まれあわやという場面もあったが、やはりキャリアの差か、最後は猛攻につぐ猛攻で、ディグを打ち倒した。

▽ 第八試合 タッグマッチ 60分 1本勝負
刈馬 雅史
野村 信一
V S 一草 弾
加藤 勇作
○ 刈馬 VS 一草 X
16分45秒 赤狼式裸絞め

 今年のインターナショナルカップ(以後IC)優勝候補の一角である刈馬・野村組と一草・加藤のG-UNITの一戦。
 野村に比べ格下感が否めなくなった加藤だが、実は加藤の方が先輩である。瀬田がG-UNITの外へ目をむけている事もあり、加藤はこの試合で勝ってICの一草のパートナーに名乗りをあげたいところだ。
 試合では、一草が好調で一人で刈馬・野村を圧倒。連携面でもG-UNITの方が数段上で、刈馬組は早くもピンチを迎える。
 だが、そのまま行かせないのが刈馬の刈馬たる所以、場外で蛍光灯を持ち出すと弾に一撃。流れを変える一発となった。

 

 これで流血した弾は逆上したか、刈馬に対して場外へのバックドロップを敢行。仁村社長を長期欠場に追い込んだ原因とも言われるこの技で刈馬はノックダウン。このままG-UNITの勝利かと思われた。

 だが、試合の権利があったのは野村。野村は序盤のお返しとばかりに一草を逆襲。元世界王者の一草を追い詰める大活躍。タッチが必要と思われた一草だったが、先手をうち、先にタッチしたのも野村だった。
 回復時間を得て試合に参戦した刈馬は、いきなり速攻をかける。袈裟斬りチョップの連打から超高角度水車落とし、ブラッディウルフの連携で有無を言わさず一草を仕留めた。

 この試合、結果は大方の予想通りではあったが、内容はおよそ想像がつかない展開であった。G-UNITは一度もタッチする事なく終わり、16分という短期間で試合を決めた刈馬と野村の株はさらに上がった。
 今年のIC予選は一草の3連覇か、あるいは刈馬・野村が台風の目になるのか、例年以上に予想し難い展開となるだろう。

▽ 第九試合 セミファイナル NCWPヘビー級選手権試合
  シングルマッチ 60分1本勝負
荻原 光太郎 V S 桧山 響一
X 荻原 VS 桧山 ○
17分38秒 延髄ラリアット → 羽折り固め

 およそ3年半ぶりにNCWPのリングに帰ってきた荻原が桧山との防衛戦に望む。荻原がいた2000年までに桧山はトップクラスまで上り詰めており、既に桧山にとって荻原は格上の相手ではない。
 荻原は先手を取り、得意のエルボーを軸に試合を組みたてるが、桧山は荻原の弱点である腰を集中的に狙い、形勢を逆転。
 その後は荻原も健闘したと言って良いが、桧山のレスリングの牙城を崩すには至らなかった。
 批判も多いが、桧山の実力は東洋王者として足るに十分である。

 

『桧山響一』が
1回目の防衛に成功。
   

▽ 第十試合 メインイベントWWC世界ヘビー級選手権試合
  シングルマッチ 60分1本勝負
ヒットマン・ビート V S 式島 和也
 NCWP九周年を記念する武道館大会。メインイベントはビート対式島のNWWC世界ヘビー級選手権試合。この試合はプロレス世界一決定戦と位置付けるに相応しい。
 共に世界最高峰のテクニックを有する二人の対決は意外な展開となった。
 互いに立ち上がりは基本的な技の組みたてで様子を見ていた為、序盤はいささか地味な立ち上がりとなったが、再三に渡り間を取ってにらみ合うシーンが続き、お互いに手のうちを探りかねている様子。
 だが、中盤に入ると一転して式島が猛攻をかけ、状況は一気に式島が優勢になる。この試合の特徴として式島のジャーマンスープレックスが目立った。確かに元々式島が多用している技ではあるが、今回は特に多く、式島はこの試合、じつに九度に渡ってジャーマンを繰り出している。

 だが、ビートも粘りを見せ式島に試合を決めさせない。イングラムプラントで決めそこなった式島は新技の膝蹴りでフィニッシュを狙うも、ビートはこれをかわし、起死回生のシャープシューターで逆転を狙う。
 しかし式島をタップさせるのは容易ではなく、ビートは再び式島の反撃を被る。イングラムプラントや回転式ジャーマンスープレックス、そして背後を押さえたビートの腕を取っての脇固め。試合が決まってもおかしくない状況だったが、ビートは辛くもこれを逃れる事に成功した。

 しかし、いつまでも式島を調子に乗らせるほどビートもお人よしではない。押さえ込みでは決められなかったが、試合時間20分を過ぎた後、式島のイングラムプラントをビートが切り返し、そのまま流れるようにシャープシューターに移行。式島は最大のピンチを迎える事になった。

 熾烈を極めたこの試合。試合を決めるのは式島のイングラムプラントか、あるいはビートのシャープシューターか。
 もはやそれ以外は考えられないと言った状況で、ビートはネックブリーカーから最後のシャープシューターへ。王者の意地か、式島はそれをも堪え、再びイングラムプラントの態勢へ入り、そこから腕を放さずリバーススリーパーで絞め上げた。その直後、レフェリーは試合を止め、試合に終止符が打たれた。

 ビートがタップしたかは定かではない。レフェリーの裁定は絶対ではあるが、判断があまりにも急すぎたのは確か。このジャッジがビートの忌まわしき過去を思い出させるものでないといいが…。
 ともあれ、同タイトルマッチ最長時間を記録したプロレス世界一決定戦を制したのは式島和也。いまだ内藤の影をぬぐえないでいるNCWPにおいて、現王者の経験と深みは内藤とは比較にならない域にまで達している。

X ビート 24分48秒
イングラムプラント
→ 背面式裸絞め
式島 ○

 
−タイトル防衛−

『式島 和也』が
1回目の防衛に成功。