「Stray Sheep」あらすじ


■-17 決意

Stray Sheep
 16階の扉の向こうには都市世界が広がっていた。朱雀が世界中を飛び回っており襲いかかってくるが、バリアによって攻撃が通用しない。
 地下鉄へと逃げ込むと少女が襲われており、助けると町までの道を教えて去る。
 少女・咲春爽(さきはるさやか)から教えられた族の町へ。暴走族が幅を利かせている町で早速因縁を付けられ、特に族の総長の人間・暢から勝負を挑まれる。しかし其処へ爽が現れ、兄である暢へ先程の出来事を話すと勝負は取りやめに。
 族は朱雀へ対抗しようとする唯一の勢力でもあった。朱雀のバリアを中和する装置「イレイサー99」の製作が難航しており、アースラ達は協力する事に。
 図書館にて廃墟となったアキバの所在を調べ、アキバにてロム、怪しげな店の集まるアメヨコにてICボードを入手する。
 残るエネルギー源のプルトニウムは原発にあるが、日を改める事に。

 深夜、眠れないアースラは偶然暢と鉢合わせる。暢の姿を見て驚くアースラ。
 体にある青い肌に黄緑の幾何学模様。暢は人間ではなくエスパーだった。衣服で隠せる位置であり、耳は自ら切り落としていた。
 アースラが種族を偽る理由を問うと、暢に一切の魔力が無い事を明かされる。以前トウキョウを朱雀が壊滅させた際に負傷した人間から回復の魔法書を渡され、強引に治療を迫られたのだという。
「気持ちは解るけどさ。出来ねえもんは出来ねえから、いっそ隠しちまったほうが楽だったんだよ」
「でも、嘘をつくのは疲れませんか?」
「そういう時もあるさ。けど、自由に生きてるほうがずっといいんだ」
 暢の手に入れたい自由を、アースラもまた見てみたくなった。

 原発へ向けて出発する。原発はかなり古ぼけており、崩壊の危険があった。
 プルトニウムの保管された部屋はバリアが張られており、触れたものを分解するものだった。
 バリアを解除するボタンは手前のものは壊れているが、部屋の前のものはまだ生きている。しかしそれを押す方法が解らずにいると、突如として轟音が響く。何処かで崩落が始まったらしい。
「俺に任せろ」
 歩み出た暢は笑みを見せ、バリアに向かって走り出した。
 バリアの解除には成功したが、その場に倒れる暢。爽の事を託して全てが塵と化す。
 プルトニウムを入手するが、部屋を出ようとした瞬間警報が響く。防衛メカ・デスマシーンとの戦闘へ。

 イレイサー99が完成し、町へ戻ると朱雀に襲撃された後だった。族から爽はシンジュクのビルへ攫われたと聞く。
 目的地のビルとは駅であり、改札を越えホームから電車内へ。後ろから押し寄せる敵をアースラ達が食い止め、リッツレー達が先行する。
 電車の屋根にて朱雀との戦闘に。
 バリアを解除された朱雀だったが、凄まじい炎を放ちリッツレー達を追い込んでいく。その中でシシララに異変が起こる。身体が暴走を始めながら、一つの特殊能力を得た。
 肉塊となったシシララが突如朱雀へ飛びかかり、まとわりつく。炎で焼かれて尚朱雀を離さなかった。
「楽しかった」
「だから」
「生きてくれよ」
 辛うじて聞き取れた言葉の後、シシララと朱雀は閃光に包まれる。全生命力を燃やした自爆は、朱雀をも砕いた。
 散らばる惨状にリッツレーの慟哭が響いた。

 突然の喪失に打ちひしがれるリッツレー。楽園を目指す理由をも失ったリッツレーを、セイドマータも責めなかった。
「お前の事は俺なりに知ってる。お前はいいやつだよ。楽園が無くたって、それは変わらねえ。シシララが保証してんだ、間違いねえ」
「セイド、お前は楽園に行きたかったんだろ?」
「俺は楽しいとこに行きたかっただけだし。楽しいとこなら、もうあるからな」
 そうしてリッツレー達は塔を下りる。

 爽が拾っていた赤のクリスタルを受け取り、アースラ達は旅を続ける。

補足
 総長の名前「トオル」はゲームブックより。



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