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『空の中』読了

『海の底』に続き、昨年買ったきり一年近く熟成させてた『空の中』読みました。
私、なんでこんな面白いもの読まないでいたんだろう!
それくらい面白かった……うん、面白かった。
続き
まず、「仁淀の神様」で泣いた。うっかりぼろっといった。宮じいー!
本編より先にこっちの感想が出るのはやっぱり泣かされたからだと思う。

『空』と『海』の共通点は未知の生命体が出てきて、それに自衛隊が絡んでくるところ。
だけど『空』は『海』と違って、『未知の生命体』に意思がある。
その人間とは異なる意思が絡んでくるのと、慣れない航空用語が相まって読み進む速度とテンポはいまいち。
でもゆっくり読むことになるのは、これでまた面白い。
『白鯨』の思考とか読んでて、なんだこれSFじゃんか!とかちょっと思った。
未知との遭遇は普遍的なSFロマンってもんです。うん。
『白鯨』独自の価値観と思考パターンに触れて、ちょっと『歌う船』でヘルヴァ達がすごく変わった星に行った時を思い出したっけ。
ってのはちょっと置いとく。

フェイクと出会った後の瞬が痛々しくて、それを心配する佳江も痛々しくて。
なんだかちょっと辛かったなあ。
真帆が瞬を誘いに来た所はもうどきどきしっぱなしで、瞬に「行くなー!」って叫ぶ始末。
それでも行ってしまった瞬は、もう変な方向に進みっぱなしだったんだなあ。

光稀さんと高巳のファーストコンタクトはちょっと吹いた。
腕ひねり上げちゃうか!
二人揃っての『未知の物体』とのファーストコンタクトはどきどき。
だってまさか空に生命体なんて!意思があるなんて!
その後の展開はドキドキだった……。
『白鯨』が攻撃始めたのとか、『セーブ・ザ・セーフ』の動きとか。
フェイクの最期(統合されたから死んだわけじゃない。故に適切じゃない?)も少し哀しくて切なくて、でもほっとした。
フェイクは優しい生き物だったんだな、とか、瞬が間違いを認めて謝れてよかったな、とか、佳江の手に触れられてよかったな、とか色々。

エピローグは最高だった!
高巳さん素敵すぎる。男前すぎる。
光稀さんの性格を上手いこと使ってのあの告白はずるすぎるー。
でも光稀さんの可愛さはもっとずるすぎるー。
この二人が(というより光稀さんからの)信頼関係が気付かれていく様がなんだかとっても好きでした。

感想らしい感想になってないけど、初読で出せるのはこんな感じ。
キャラクターとしては『海』の夏木・冬原コンビも夏望も冬聡も大好きだけど、話のテイストとしては『空』の方が好きかなあ。
ぺーぺーながらもSF読みの何かが刺激されました。うん、すごく好き。
『海』は人が亡くなるシーンがむごくって結構クるのが辛いかなあ。
でもどっちも読んでよかったと思ってます。

そしてやっぱり一年も放置してた私は阿呆だ!