□マラソン大会〜消え去りし鯉〜□

6月29日


話せば長くなるんだけど


今日、陸上部が学校のプールを掃除していると、

なんとプールで鯉が発見されたそうです。

きっとこの鯉は去年の冬、

学校の池から突然行方不明になった鯉に違いありません。

おそらくプールに住み着いている動物などを餌にして生き残っていたのでしょう。

それにしても何の罪もない鯉をプールに放すとは、

本当に血も涙もない奴もいたものです。

しかし俺はその鯉をプールに逃がした犯人を知っています。

なぜなら、







俺が犯人だからです!




それは俺がまた高1だった頃まで遡ります。

季節は冬、学校では俺の大嫌いなマラソン大会がありました。

ちなみにどれほど嫌いなのかというと、

この歳になって前の日にてるてる坊主を逆さに吊るすほど嫌いです。

妹に哀れみの目で見られたことは心に閉まっておきます。



しかしそんな思いも虚しく、当日はここ数日で一番の晴天。

仕方がないので俺は、M沢、Y野、A坂と、ちんちんたらたら歩いていました。

すると500メートルほど進んだところで、

A坂がトラックを運転しているおっちゃんにとんでもないことを言い出したのです!





「あの〜、トラックで俺達をあっちまで運んでくれませんか?(さわやかスマイル)」



なっ!

こいつが意味不明な行動を取るであろうことは多少の予想はしていたのもの、

見ず知らずのおっちゃんにマジでこんなことを頼むとはさすがに予想外です。

頼んでも乗っけてくれるはずがないのにバカな奴です。

しかしおっちゃん、



「おっ、サボりか(笑)?よっしゃ乗っけてやるよ!」



なにぃぃいいいい!?



明日へ続く







6月30日


サボり


なんと予想外にも、俺達をトラックで運んでくれるというおっちゃん。

おっちゃんには超感謝しなければなりません。

A坂もたまには役に立ちます。



トラックからの眺めはとても良く、皆の頑張っている姿が荷台からはめっちゃ見えます。

皆、ぶっちゃけ虫ケラのようです。

こんな時にトラックの上でくつろいでいる自分を、



不甲斐なく思ってしまいますね、うん。



相手は徒歩、俺達はトラック。

なのでもしかすると、TOP10以内に入れる確立は十分にあります。

トラックが、俺のクラスで一番運動神経がいいG藤を追い越したところを見ると、

もしかすると俺達が1位から4位まで独占!なんてことすらありえるかもしれません。



しかし俺達の考えはとても甘かったのです・・・。

それは約半分の距離である4600メートルを過ぎたところで気づきました。

そういえばこのマラソン大会、折り返し地点である5000メートル地点に、

先生がテントを張って待機しているのです。

もしろんこのままトラックで進めば確実に先生に見つかり、



小麦粉事件の時と同じくらい、説教されることは目に見えています。



「やべーおっちゃん!止めろ止めろ!」


するとおっちゃん親切にもわざわざ、






テントの前に止めてくれました。



「おい前ら何やってる!!」


やばい、バレた・・・。




明日へ続く







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