色々な物が乱雑に置いてあるわりには、何故か落ち着くこいつの狭い家で 過ごすのは嫌いじゃない。特に部屋の殆どを占めるデカくて柔らかい ソファで本を読むのは、好きだと言ってもいい。そんな時間をつぶされただけでも ムカつくのに、この馬鹿はさっきから飽きもせずにニヤニヤしながら俺の顔を つついてやがる。前に理由を聞いたことがあるのだが、確か感触が好きだから とか言っていた気がする。本当に気色の悪い奴だ。
初めて地球に来たときは今よりもカカロットのことしか頭になかったから、 あの頃のこいつのことはさして覚えていない。だけどこいつがドラゴンボールで 蘇って、カカロットを探していた俺が宇宙から戻って、無理矢理同じ家で 暮らさせられて、何となく、気づいてしまった。






こいつのそばにいると何故か落ち着く。俺を甘やかすような、媚びを含んだ 安っぽくて鬱陶しい雰囲気じゃない、暖かい空気のような、穏やかな雰囲気。 破壊を好む戦闘民族の王子としてはあるまじきことだ、安定と太平に浸るなんて。 だけど、地球に来て初めて、明日の命が保障された平和な日常に身を置いて、 これも悪くないと思ってしまったから。
いつまで経ってもこいつは気色悪いし、ブルマはうるさいし、トランクスは弱いし、 母親という変な女はなよなよしてはいるが、ここ数年でかなり強くなれたし、 猫を乗せた変な男は黙って俺がほしい機械を作ってやがるし、何より平和ボケの カカロットはじきに倒せる。とりあえずは今のままでいいだろうと考えていると、ふっと こいつが阿呆そうに笑った。黙っていればまだ見れるような顔をしているだろうに。
「なぁ、そろそろ俺のこと好きになれよ。」
「・・・馬鹿じゃないのか。」
そんなこと思ってもないくせに、しょうもないことを口にするこいつに自然と声が 低くなる。その途端、何故か緩ませていた顔を真剣なものに変えたこいつを、 思わず本から顔を上げて見つめた。
「・・・・あぁ、そうだな。」
珍しくふざけていないらしいこいつを疑わしげに見る暇もなく、顎を掴まれて唇を 合わせられた。口づけとかいうこの行為には何の意味も無い。こんなことをしたがる 地球人の心理はよく分からないが、別に嫌でもないからさせてやっている、それだけだ。 舐められて、何となく、くすぐったいような気もするが、だからどうという訳でもない。
ぼんやりと、ひどく曖昧な行為だな、なんて思っていると、気が済んだのかこいつが 俺から離れていった。特に理由もなくこいつを目で追っていると、いつの間にか折角 引き締めていた顔をふにゃっと歪ませているのが見えた。 ・・・相変わらず気色悪い。







しばしば私のマニアックな妄想にお付き合い下さっているまめ様より、 二度めのキリバン申告及び初リクエストをいただきました! リクエストはシンプルに「病むベジ」です。マニアックなリクエスト 本当にありがとうございました!! そしてシンプルだからと勝手な妄想で病む→王子にしてしまってすみませんでした!!
病むに王子を理解するのは難しいのではと思い、恋人未満な二人を 書いてみたのですが、慣れないことはするもんじゃありませんね(死) 二人の心理描写が恐ろしく難しかったです(号泣) こんな短いは、エロが無いのにキモイは、不出来だはの散々なSSを 受け取って下さって本当にありがとうございました!! これからもどうか仲良くしてやって下さいませ。