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悪戯

9_180氏

まだ、コルスリフィルにいた頃の話────
街中から離れた場所に診療所を構えていましたが、農村に程近く街に野菜を売りに行く者
達が、行きがてら街に

あの診療所の先生はなかなか腕が良い

と雑談に話題を乗せるものですから、野次馬がてら診察に来る患者が増えてしまいました。
そうなると、やはり薬や包帯などの医療物資の減りが早くなります。

暇なときはあにさん、忙しいときは私が街に買い出しに行きます。
私が買い出しの時は良いのですが
問題はあにさんが買い出しに行くときです。

───彼はなかなか帰ってこないのです。
あにさんが買い出しに行くときは、大抵今日は暇だと見越し、休診の看板を立て行くのですが
それでも、たまに戸を叩く者もいます。
確かに息抜きは必要でしょうし、そんなに頻繁に街に行くわけではないので許していますが・・・。

しかし、簡単な傷の手当てなら私にもできますが
前なんか一度出産に立ち会わされ、精神が削ぎ落とされる思いがしました。

「良い経験したな。」
とあにさんは笑って応えるだけで改めようとしません。

いつも、必要物資を大量に買い付けして持ち帰るというのは、確かに力のある男ではないと難しいと
思いますが、明け方近く帰ってきて酒と香水の匂いを付けてくるのはたまりません。

あにさんは西方では、『美丈夫』『美青年』の類にはいるそうで、周囲の女性は放って置いてくれま
せん。
あにさんも生来女好きなようで口八丁で女性を口説いては、よく先に帰るよう言われました。


酷いです
私には夜出歩くな、断りなく一人でふらふらするな
買い付けの時は用が済んだらすぐ帰れ
と厳しいくせに


今夜も朝帰りな様です。

・・・・全く、一人で留守番させて強盗が入ってきたらどうしたら良いんでしょうか?
私は乱暴に扉と窓の錠を閉め、寝床に潜り込みました。


どんどん、と激しく扉を叩く音がし目が覚めました。

───急患?
あにさんがいない時に・・・!
私は蒼白で、取り合えず扉越しに声をかけます。

しかし返事はありません。
余程具合が悪いのでしょうか?
とにかくあにさんに言われたとおり、すぐに戸を開けないで、窓越しに覗いてみます。

「・・・あにさん・・・・?」
扉に寄りかかって、ぐったりしてます。
驚いて、扉を開けると無様にあにさんはひっくり返ってしまいました。

・・・どうやら泥酔しているようです。


「あにさん、あにさん。」
胸を揺すって起こしてみると、んー?と薄目を開け私を見ます。
「買い出しの荷物は?」
こんな時だからこそ、酔っぱらいより買った荷物です。
「あ〜・・・・・麦芽亭の店主に預けてある。
明日、ユーリ持ってきて。」

─────もう!
それを伝えて爆睡しているあにさんを引きずって何とか家に入れ、扉を閉めました。

寝台から毛布を持ってきて掛けてやります。

それにしても
ここまで酔ったあにさんを見るのは初めてです。

男の人って、余程、良い事があった時か
悪い事があった時に
酷く酔う────と聞いた事がありました。

何かあったのでしょうか?

じーっと、寝ているあにさんを見つめていると
何だか悪戯したくなってきました。

何があったか知りませんが、女の子一人留守番させて、荷物を置いてきて
しまいには泥酔ですか?
腹ただしさと、
体格の差でいつも、好きに体をいじられ(了承済みですが)、いつか逆の事をしてみたいと思って
いた事を実行する絶好の機会です。


取り合えず初歩
────鼻つまみ
暫くすると苦しいのか顔を揺らし、手を払いのけました。


────髪いじり
黒みがかった金髪を編み込みます。
(・・・似合わない)
がっかりしてほどきました。

中級
────シャツのボタンを外し(外套着はどこかに置いてきたようです、後で取りに行かないと)
胸の突起を摘みます。
あにさんの意識が無いと分かっていますが、自分のやっている事が恥ずかしくて顔が熱くなります。

でも、今が鬱憤を晴らす機会だと自分を奮い立たせました。
いつも、あにさんが自分にする事を思いだし
あにさんの胸に接吻を繰り返します。
堅いけど弾力のある逞しい胸から彼の鼓動が聞こえ、不思議と高揚感と征服したい───ような感覚
が私に芽生えてきました。

女性を抱くときの男性の心理ってこんな風なのかしら?
そう思いながら

中級

─────舌を使った遊技
舌先を使って胸の突起を転がしてみます・・・・・・・・・・巧くできません・・・。
女性と比べ突起が小さく平べったい気がします。
あにさんだけでしょうか?


「────!?」
違和感を感じたか、突然あにさんの腕が私の肩を押さえました。

気づいた────?!

どうやら寝ぼけていたようで頭を少しずらし、また、寝息を立て始めます。

私は自分の顔がやたら熱いのを手のひらで冷まし、肩の上に乗っかったあにさんの腕が自然に胸に降
りるように体をずらすと、結果的にあにさんに跨ぐような格好になってしまいました。
私はあにさんに言わせれば軽いそうで、身体に乗りかかっても息苦しさは無いと思います。


・・・・────さあ!

気を取り直して次!
───上級!

とうとう下半部です!!
・・・・・・・後ろ向きに跨がないとズボンのボタンが外せませんでした・・・・・。

よっこらと向きを後ろに代え、ボタンを外していきます。
普通、シャツの裾のラウンド部分を股間に覆い下着代わりにするそうですが、
あにさんは苦手なようで紐で腰を縛り、腰全体を隠せる『ブライズ 』と言う物を穿いています。

「・・・あれ・・・?」
今夜は穿いてません。
どこかに置いてきたのでしょうか?

これも後で取りに行かないとならないようです。


シャツの裾を避けると
あにさんのものが顔を出します。

今までじっくり見た事がなかったので、定かではないのですが
小さいように思えました。
確か、固そうで張りがあるように見えたのですが・・・

これは何だか動物の腸のように見えます。

・・・・腸の部分の延長なのでしょうか?

思い切って試しに指でつついてみました。

ぴくん

と、動いて思わず、驚いて大きな声を上げそうになりました。
慌てて口を押さえ恐る恐るそれを覗きました。
そう言えば・・・『脱腸』と言う病があるとあにさんから聞いた事があります。
まさか、あにさんが・・・と思いながらもう一度つついてみると、また、ぴくん、と動きます。

少し膨らんできたのは気のせいじゃないようです。
「・・・。」
───これは腸ではなく、あにさんの男の主張なのね?
触れたりすると大きくなるのね───いつも、あの大きさではないと言う事だと悟りました。
だけど・・・分かったとしても、触るのに抵抗がありました。

どうしよう・・・
恥ずかしい────触らない?
でも、触れてみたい好奇心
触る?触らない?


決心が付かない私はあにさんに跨いだまま、途方に暮れていました。



「────いつまでこんな格好させておくつもりかね?ユーリ。」


全身の毛が逆立つと言うのはこういう事なのでしょう。

痛い視線に後ろを見ることができず、跨いだ格好で固まっていると
更に、あにさんは私に問いてきました。
「────で?私の身体で何しようと?」
「・・・せ、せせせせ性別による骨格形成と身体の構造の違い及び格差・・・の・・けっ、けっ
けけけけ研究・・・。」
後ろ向きで答える私にあにさんは
「積極的に勉学に取り組む姿勢は称賛に値するが、
その研究に、私の鼻を摘んだり、髪を結わく事に何か関係が?」
「───!いつから目を覚ましていたぁん?!」
「初めから。」

飄々と答えるあにさんに対し、怒りと今までの行為を見られていた恥ずかしさに全身が燃えるようで
、行き場のない感情に思わず跨いだままじたんだを踏んでしまいました。

「怒ってるんだ?」
「・・・あにさん酷い。こんな事して私をからかって。」
「酷い事されてるのはこっちの方だ。
昨日教えた、睡眠時の呼吸と覚醒時の呼吸の違いをきちんと覚えているかどうか──試そうとやった
事なんだが・・・それを行うどころか・・・困った娘だね。」
溜息混じりに言います。


「ぃゆうう・・・。」
確かに昨日、その様なことを教えて貰って
でも、医療ではなく盗みに入る時に必要な知識な気がして、あまり真剣に聞いていませんでした。

再び固まっている私に
「降りてこちらを向きなさい。」
と、優しいけど妙に低いお腹に響く声で私に語りかけます。

追いつめられた兎の心境で、更に固まる私にあにさんは 、背中を擦りだし出しました。

労るように撫でるのでは無く
ほかの明白な意志を感じる、手つき・・・。
「こちらを向くのも拒絶なわけ?」
─────い、いえ違います怖くて向けないだけです。

この声音の時は、あにさんが何をしたいのか分かっています。
しかし、この悪戯の後です。
普通にしない事は目に見えています・・・。
生唾を飲んで、奮い立たせ向きを変えようとしたとき
「────そう言う悪い娘はお仕置きしないとな。」
そう言って私の腰を引っ張り、お尻を突き出した格好にさせ、下着を剥ぎます。

「───やんっ!!」
逃げようと腰を引いても戻され、がっしりと後ろから足の付け根を抑えられて下半身が身動きが取れ
ない様にされてしまいます。
「この格好、この格好!いやーー!下ろしてぇあにさん!」
私のお尻どころか、あっあっあそこまであにさんに丸見えじゃないですか────!
もう、半泣きどころじゃありません。
羞恥で火照る身体で本泣きで、泣き泣きあにさんに訴えます。


「黙りなさい。」
と、あにさんにピシリと尻を叩かれ一括されました。
「好きなだけ人の見といて、何が嫌だか・・・。」
「・・・ごめんなさい・・・だから下ろしてぇ〜。」
「稚児じゃあるまいし、謝れば許してもらえる歳かね?
────お仕置きついでに女性の外陰部のしくみを講義しようか・・・丁度私の目の前に見本もある
し。」

私は見本ですか?

「────ちゃんと聞いて、身にしなさい。」
「───ひゃあ!」
そう言うと、おもむろに指で形をなぞり出しました。
「────ここが・・・。」
「・・・んっ・・・。」

形をたどるあにさんの指の腹が
まだ、反応に十分応えていない私の下の口に時々引っかかり、それが、早く感じろと言わんばかりに
、私の身体の奥が反応 します。

ゆっくり、しっかりとなぞるあにさんの指に
応えていいのか
講義に耳を傾けないといけないのか
時々快感に意識が真っ白になり、そのまま浸りたい気分を堪えながら考えます。
次第に、快楽に耐え切れなくなり
だめだと腰を捩りますが
あにさんはお構いなしに
「刺激すると性交時、行為を潤滑に促す分泌液が出る───まぁ、扇情的に言えば愛液だな
───分かるか?」
と、淡々と私に講義をふっかけます。


「・・ふっ・・はあ・・・・い。」
「これが子の源を子袋に潤滑に運んでいく。
聞いてるのか?」
「・・・。」
頷く私。

ごめんなさいあにさん、もう聞いてません。
あにさんに私のを見つめられ・・・そう思うだけでおかしくなってるのに
その上で触られ続けられたら────
「───あぁ、蕩けてきたな・・・。滴りそうだし・・・
────講義の時間にこんなになって・・・もっとキツいお仕置きをしないとならないようだな。」
「───!?」

顔が見えなくとも、分かりました。
あにさんの意味ありげなあの
冷酷な眼差しながら口元がつり上がり、何か一物腹に据えているあの───にやりが・・・・・。


次の日、私は起きあがる事ができなく
結局、必要物資と外套着とブライズはあにさんが取りに行きました。

もう二度とあにさんの身体を使って遊ばない・・・。
思い知った日でした。


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