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男同士のクリスマス?

10_197氏

 一年前の話。俺と親友の七雄がバカをやらかしていた頃の話である。
「あぁ〜!!今年も彼女なしのクリスマスかよ!!」
「お疲れさん。」
「しょうがない。七雄、憂さ晴らしにどっか行くぞ。」
「え〜。うち、彼女との約束があるん〜。」
「この薄情者!!」
「冗談、冗談やって。彼女はおらへんから安心せいや。」
「全く!!」
七雄は俺の親友だ。もう幼稚園の頃からの腐れ縁。
だが、がっつく俺とは違って七雄はかなりモテた。
なのに何故か彼女は作らないのである。
当日も似たようなやりとりが繰り返される。
「うぅ〜。こんな日に男二人でカラオケとは寂しいにもほどがある…。」
「そんなら行かなければええのに。」
すまし顔の七雄。モテの余裕だろうか?
「うるせ〜な。そういえば腹減ったな。」
「せやな。お好み焼きのええ店、知っとるさかい行こうか?」
「いいな,それ。」
関西弁を喋ってるだけあって、七雄はお好み焼きをつくるのが上手い。
実は野郎同士のクリスマスは、
これはこれで結構楽しかったりする。
だが、今年になって状況は大きく変わったのである。


「今年のクリスマス、どうするん?」
「どうするって、奈緒と過ごすに決まってるだろ。」
少し顔を赤くする七雄。
だがポーカーフェイスを維持する。
そう。この前分かったことなのだが、
実は七雄の正体は女の子で、俺の恋人なのである。
七雄の本当の名前は、奈緒という。
「去年から進歩してないなぁ」
「だな。やってることは変わってないし。
って、もしかして去年のクリスマスからお前、女!?」
俺はあることに気がついた。
そう。もし七雄が女だとしたら、
毎年女とクリスマスにデートをしてたことになる。
「当たり前のこと聞くな。うちは生まれたときから女や。
どうしたん?」
相手はにやにやと笑っていた。
「……」
見事にしてやられた。
そう。俺は毎年、知らぬ間に奈緒をクリスマスに誘っていたのであった。
「うち、毎年あんたとクリスマスを過ごすのが楽しみやった。
女の子として過ごせないのが残念やったけど、
それでも嬉しかった。」
「奈緒……。」
しんみりとしたいい雰囲気になる。


けれど……、
「去年のプレゼントは刺激的やったなぁ。
たしか巨乳メイド調教やっけ?
プレゼントのアダルトビデオのタイトル。」
「ばっ、バカ、あれは七雄に送ったものだ!忘れろっ!!」
最悪だ。
俺達は毎年、お互いにいらないものや役に立たない物を
クリスマスや誕生日に押し付けあう習慣があった。
たしか俺の方は可愛いくまさんの図書カードだった。
だが、知らなかったとは言え、
女の子へのクリスマスプレゼントに、
アダルトビデオを送ってしまったのだ。
軽く自己嫌悪に陥る。
「あれ、送ってもらったときは落ち込んだで。
やっぱり欲求不満やないんかって。」
「ごめん。」
俺には奈緒に返す言葉がなかった。
「あはは。冗談や。そんなものをふざけて送りあえる
っていう絆の強さを貰った。」
「そっか……。」
奈緒は気にしていない様子だった。
「今年は何がいい?
今年はけっこうお金を貯めてるんだよ。
まぁ、そのあれが浮いたからな……あれが……。」
あれとは元カノの最悪の女のことである。
確か名前は里美。
その女に裏切られたのを奈緒は慰めてくれたのである。
「いつも通りがええ。バッグとかそんな薄っぺらいもんはいらへん。
あんたが選んだもんならどんなくだらへんものでも貰う。
その代わりうちもくだらないもん送るで?」
「あぁ。分かった。例年通りの物を贈るよ。」
「あっ、そうそう。あと一つ。」
「何だ?」
「アダルトビデオは勘弁な。去年の二番煎じやし。」
「忘れろ。」
「冷たいなぁ。」
女になっても七雄は七雄だった。


そしてクリスマスイブの夜。
「奈緒、まだ来ないのか……。」
奈緒は10分待っても来なかった。
里美の時は来ない上に約束をキャンセルすることさえあった。
今から考えれば他の男との約束が入ったのだろう。
思い起こすと腹が立つ。
だが奈緒ならば不思議と不安感はない。
多分、七雄が時間にルーズだということを知ってたからだ。
一方、奈緒の方はというと。
「あかん!!初デートでしかもクリスマスなのに遅れてまう!!
格好、変やないかな?笑われたりせぇへんかな?」
と電車の中で考えていたそうだ。
遅刻の原因は昨晩着ていく服を
深夜まで考えていたから寝坊したそうである。
そして走ってくる女の影。
「セーフ!!な?」
息を切らしながら走ってくる奈緒。
そして俺の方をむいてにこりと微笑む。
七雄のときと何も変わってない。
だがその仕草とは裏腹に奈緒の格好はコートにスカートだった。
手袋もつけていてどこから見ても女の子だった。
恋人ながら、とても可愛らしかった。
「……アウト。」
いつもの事だから腹を立てる気にはならなかった。
まっ、まぁ、女の子……だしな……。
「あぁ……。堪忍な。」
奈緒は七雄とは違って申し訳なさそうである。
「七雄のときは謝りすらしなかったから気にしてない。
あっ、そうだ。これプレゼントな。」
俺は奈緒にプレゼントを渡す。
結局、悩んだ末に渡したのは
在庫処理セールにて、1000円で買った
原価10000円の時計である。
「なんか高そうな時計やなぁ。いくらしたん?」
「1万。」
「えぇ!!そんなの貰えへんよ。」
奈緒は大げさに驚いていた。
「原価だがな。実は1000円だ。」
「あぁ。びっくりした。でもありがとな。
大事にするわ。これはうちから。」
奈緒は俺にCDを手渡した。
中になにが入っているんだろうか?
「阪神の応援歌。どや。がっかりしたやろ?」
毎年通りのしょうもない物だった。
だが七雄らしかった。
「あと、これな。」
奈緒はにっこりしながら俺に小さな箱を手渡した。
その表情はさながら七雄のようだった。
「?」
中身を見るとそれはコンドームだった。
「バカっ!!こんなものをプレゼントにする女がいるか!!」
「去年の仕返しや。
あと……、まだ子供を産むには早すぎるから……。
早速、今日、使おうな?」
「来年にバイブをお返しで送ろうか?」
「それは誕生日がええな。そしたらそれあんやと思って毎日使うで。」
「頼むからやめてくれ……。」
今まで奈緒は女の子でいることを我慢してきた。
だからその反動なのだろう。
そう思うと奈緒が愛おしく思えてきた。


「奈緒。レストランに行かないか?
結構、この日のために調べてきたんだよ。」
その時はまさかこんなことになるとは思ってなかったが。
「うちはええ。それより例年通りお好み焼きがええな。」
「いいのか?別に遠慮しなくてもいいんだぞ。
払いは俺が持つし。」
「違う。毎年この時だけは、
あんたはうちの手作りの料理を美味しい言うて食べてくれた。
うち、それが嬉しかった。
せやから……。」
「そっか。ならそうしようかな?」
「せやな。行こっ?」
俺は奈緒と一緒に道をあるいた。
奈緒は俺の手を抱きながら歩いている。
じんわりと心が温まる。
「なぁ、喉渇いた。ジュース、割り勘せぇへん?」
ジュースの割り勘。
これは俺と七雄の間で行われていたことである。
金が無いときにジュースを割り勘で買って回し飲みする。
幼稚園の頃からの幼馴染な俺達にはあまり抵抗はなかった。
「お前なぁ、俺がそんなの奢ってやるよ。」
「え〜。割り勘がええの。」
どうしてそこまで割り勘に拘る。
俺はある結論に至った。
「お前、まさか七雄の時もそんな事を考えながら……。」
「当たり前やろ。心は女の子なんやから。」
奈緒は恥ずかしそうに言った。
確か、夏にはアイスを半分に分けて食べてたような気もする。
脳裏をよぎるあんな事、こんな事。
あれが全部、奈緒との間接キスだとすると
すごく恥ずかしかった。
「うち、あんたと付き合えるとは思ってへんかったから。
せめてこれくらいはって思ってた。
ずっと影から想ってたんよ?」
ふたたび俺は奈緒にしてやられたのである。
多分、他にも七雄の頃にやってそうである。
「そっか。じゃ、おまえ先に飲めよ。」
「おおきに。」
奈緒は幸せそうな顔をしながらジュースを半分飲む。
俺の所に残ったのは奈緒が口をつけたジュースである。
ゴクッ
少しだけだけど幸せの味がした。
さて、俺は奈緒にお好み焼きを作ってもらった後に
カラオケに行った。
女の子が作ったものだと余計に美味しく感じるのはなぜだろうか?
去年とやっていることが変わってないのに
数段と幸せに感じられるのは何故だろうか?
スカートを履いた奈緒はとても幸せそうだった。


「なぁ?帰りにうちに寄らへん?」
「おっ、おい……、奈緒……。」
男と女が二人、恋人同士が部屋でやることといったらアレしかない。
「ええやん。もううち非処女やし。」
そう。奈緒は俺に告白した日に処女を俺に捧げたのである。
「ごめん。」
「ええって。いままで黙ってたのが悪かったんやから。」
「奈緒はあんな形で処女を失っていいのか?」
「ええよ。好きな人に捧げられて幸せやから。
だから……、」
「あぁ。」
「今日も幸せにして。」
「分かった。俺でいいのなら。」
「あんただからええんや。」
奈緒は笑顔だった。
俺は奈緒と付き合えてよかったと思っている。
 そして、俺は奈緒の家に行く。
奈緒は実は一人暮らしである。
昔は家政婦さんがいたそうだが今は奈緒一人である。
そのために奈緒は料理もちゃんとできる。
「毎朝、起こしに来てやろうか?」
俺は冗談で言ってみた。
「いやや。寝顔見られたら恥ずかしい。」
奈緒の寝顔か。とても可愛いのだろうな。
「逆に、今度弁当も作ったろうか?」
「いいな。それ。二人で隠れて食べるの。」
「分かった。うち頑張るから。」
俺と七雄の間にはホモ疑惑がかかっていたこともあった。
主に七雄に振られた女たちのプライド維持のためらしかったが。


「じゃ、シャワー、俺からな。」
俺は素早くシャワーを浴びる。
そして奈緒とすれ違う。
俺は寝室で奈緒を待っていた。
奈緒のシャワーは長かった。
いや、長く感じただけなのだが。
そして、恥ずかしそうに裸を隠した奈緒が俺のところへやってきた。
男とも女とも思えない中性的なフォルムに
俺は惹かれていった。
「そんなにじろじろ見ぃへんといて。
恥ずかしい。」
奈緒の体は風呂で温まったのと羞恥でかなり火照っていた。
「恥ずかしいことないよ。
奈緒の体、とっても綺麗だよ?」
そう言いながら、
俺は服を脱いで奈緒をベッドまで連れて行った。
そしてベッドの上で奈緒にのしかかり
奈緒の乳首を弄繰り回す。
つまんだり、擦ったり、寄せてみたり。
「はぁん!!いやぁん!!」
気持ちよさそうに喘ぐ奈緒。
貧乳もなかなか面白い。
次は乙女の部分である。
奈緒の体はかなり敏感で
いろいろな刺激にすぐ反応してしまう。
「あぁんっ!!あんたの手、やらしい。」
喘ぎながらそんな事を言う奈緒。
気持ちよくなってもらえて光栄である。
ついでだからお尻も撫で回しておこう。
そして、片手を胸に戻す。
とどめは耳である。
俺は奈緒の耳を甘噛みした。
「やっ、そこはだめ。」
ものすごい勢いで奈緒の秘所は濡れていく。


「奈緒、入れていいか?」
俺は奈緒に聞いてみる。
「避妊、忘れんといて。」
不安そうに言う奈緒。
確かにそうだ。
俺は早速、奈緒に貰ったものをつける。
「結婚したら、好きなだけ中出ししてもええから。
今は我慢して。」
「あぁ。分かった。」
さて避妊具もつけたことだし
俺は奈緒の中に自分のものを挿入する。
だが、そんな簡単には入らなかった。
押して、押して、少し引いて、
そうやって入れたのである。
「きっ、きついなぁ。」
「それは俺のセリフだ。」
俺のアレが奥まで到達する。
あとは上下するだけである。
「あっ、あぁんっ!!痛い、けど気持ちええ。」
「そっか。すこし緩めるぞ?」
俺は腰を上下に、奈緒は腰を左右に動かす。
「おっ、おっ、あぁっ。」
そして、今度は俺の方に限界が来たようだった。
思いっきりコンドームの中で出す。
そして抜けないように注意しながらアレを抜く。
「どう?すっきりした?」
奈緒は笑顔で迎えてくれる。
「あぁ。とてもよかった。」
「なぁ?汗かいてもうたけど、一緒にシャワー、浴びへん?」
「いいな。それ。」
奈緒は腰にタオルを巻くと
胸を隠して風呂場に行った。
俺もそれに続く。


そこで俺は奈緒に奇襲をかけた。
奈緒の腰に巻いてあるタオルを剥ぎ取ったのである。
「きゃっ!!なにすんねん!!」
いきなり秘所を晒されたことから驚きうろたえる奈緒。
当然、顔は真っ赤である。
だが、じたばたと抵抗する奈緒を押さえつけて
俺は欲望の赴くままに、奈緒の股間に向けてシャワーのお湯を放った。
風呂場の明かりの元に晒される一糸纏わぬ奈緒。
肋骨の上にわずかについている胸と
慎ましやかな秘所が俺に悪戯をさせたのである。
「やぁん!!やめて!!そんなことされたらおかしくなってまう!!」
敏感な奈緒は俺の視線とシャワーのお湯、両方に必死に耐えていた。
しかし、俺には奥の手があったのである。
そう。奈緒の敏感な耳にふっと息を吹きかけたのである。
「やぁぁぁん!!」
奈緒は耐え切れずに絶頂を迎えてしまった。
潮を吹いて放心する奈緒。
「大丈夫か?」
「乱暴な男の人、きらい。」
奈緒は拗ねてしまったようである。
「悪かったって。」
「ほんまに?」
「あぁ。」
「しゃない。許したる。」
やっと奈緒に笑顔が戻った。
そして、奈緒と俺は交互にシャワーの水を掛け合った。
「アダムとイブもこんな感じやったんやろかな?」
「そうかもしれないな。」
俺と奈緒のさりげない会話。
こうして、俺達のクリスマスイブは終わったのである。
 そして、真夜中。
俺は家に電話をかけた。
「今日は七雄の家に泊まる」と。
親は男同士だから大丈夫だと思っていることだろう。
そして俺と奈緒はお互いに一糸纏わぬ状態で
ベッドの中でたわいもない話をする。
もうお互いに性欲はないから悪戯はない。
ただただ、お互いに包み隠さない優しい会話がそこにはあった。
奈緒の温もりがそこにあった。
「奈緒。愛してる。」
「うちもや。」
そして俺は奈緒の大きいとは言えないが、優しい胸の中で寝たのである。
「好き……やで……。」
奈緒は慈しむような目で俺を見つめていた……。


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