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月下桜園3.5

◆ELbYMSfJXM氏


「ふーん、巨乳が好きなんだ……雨宿……ふうーん」
「ちょ、何見てる!? 勝手に家捜しするなって言っただろよ!!」
「マットの下からはみ出ていたよ。ちゃんと隠しておかないと駄目じゃないか」
「女の子としては『きゃあH』とか言わないのか」
「可愛くてスタイルのいい女の子が好きなのは男なら当然なんだろう? ぼくには無いものだし」
「――本気で言っているのか? 気にしなくても充分……」
「……胸だってちいさいし」
「BかCはあるだろ、一般的に卑下する程の大きさか?」
「測ったことないから知らないよ」
「……お前本当に女か?」
「さらしでぐるぐる巻いてできあがり」
「今は関係無いが将来形が崩れるぞ、後悔したって知らないぞ。帰ってきて人に会わなくていい時位ブラジャー付けておけ」
「……雨宿って、詳しい?」
「何故そんな目で見る?思春期男子として正常だぞ俺はっ! ……測ってやるから、そこ座れっ」


寮の自室で男装少女のバストを測る男。何してんだ俺は。
まあ内心突っ込みつつでないとこんな芸当は出来ない。
シャツをはだけて、さらしを外した部分はまだ淡く跡が残っている。
大人しく測られている新珠も新珠だ、男にさせるか普通。
女友達も居ないまま年頃になった所為か分からないが、恥じらうポイントが常人と明らかにずれている。
「下が67で上が82な。差が15cmだからCだよ」
「そうか、ありがとう。Cで買えばいいのか」
「…………その辺はお母さんに聞け。今まで何も言われなかったのか?」
「洋服は着ないのに可愛いのを一杯買ってくるよ。下着は……、その、他人に体を触られるのは苦手だったから……」
「最初に言え! 何故黙ってた」
苦手な癖に俺に散々弄られて我慢してたのか? 好意的に考えれば克服の為と言えるが。
「むかしっ、昔の話だよ、今は平気だからさ、全然大丈夫」
「無理するな」
「君に、今改めて、裸を見られて、……触られて、文句を言えと?」
「お前はいつでもその権利があるよ」
新珠は、ふう、と仕方無さそうに溜息を吐いて目を逸らして呟いた。
「どうして、君は……こうも馬鹿なのかな。えっちなことする時は、結構強引なくせに」
「こう言っては何だが襲わせている責任はお前にもあるぞ」
「君にも拒絶する権利が当然あるじゃないか、――――で、今日はどうするのかな?」
囁きながら俺の首に腕を回す。最近会得した小悪魔風の笑みと既に熱っぽく潤んだ瞳が覗き込む。



「ん……、や、……」
それぞれの指で代わる代わる刺激しながら胸を持ち上げるように両手で揉みしだく。
手の平全体で感じる弾力に満足する。実際に触る時に大きさは気にならない。
このサイズで不十分とは確実に何割かの女子から殺されるぞ。
両腕にシャツを引っ掛けたままベッドに腰掛け、跪く俺と視線が合うと唇を噛みしめながら目を伏せる。
自分から誘う癖に平静を装う顔と切ない表情がない交ぜに現れるのが彼女の魅力だ。
本人は強気を維持したいのだろうが余計に劣情をそそる。
掌に胸の中心を固定して軽く押しつぶすように円を描く。左右同じに、逆に、上に、下に。
徐々に息を荒げて長い睫毛が揺れてくる。先端が尖り始めたので僅かに擦りながら揉み続ける。
「ふぁ…、……っ、っ!」
熱を帯びてきた膨らみは柔らかさを増し突起は更に固くなった。
強めに手の平で擦り上げると、仰け反って白い首筋を見せる。
引き寄せられてそのまま鎖骨から舐め上げていく。
「んっ……」
互いに舌を絡め合う。指で強くこねると強く吸い合い、優しくなぜると周囲を舐め回った。
唾液を交換し胸を揉み上げながら口を離すと名残の糸が引く。

そのまま俺もベッドに腰掛け、脚の上に彼女を斜めに座らせると、どちらともなく再び唇を合わせ思うままに吸う。
俺はやはり胸を掌で好きなように形を変えて揉む。
両方を摘むと背中を仰け反らせるが後ろから抱きかかえてキスをされているので思うように動けず、
彼女の指先や舌がもがくように切なく走る。
その仕草が堪らずに繰り返し人差し指と親指で掴まえると、唇を振り解いて喘いだ。
「そん、な、の……っ、だ、めっ…、もぉ……」
「嫌なら、止めるよ。我慢しなくていいから」
そう聞いた時の新珠の顔は羞恥や困惑より思ってもみない事を言われて落胆する子供そのもので、
俺は途端に苦笑しながら負けを認めてしまう。
「嘘だよ」
「ば…、ぁかっ、意地悪するな……、ん…」
抱き締めて顔を擦り寄せるとくすぐったそうに身をよじる。
「脱ぐか? 脱がされたいか?」
「君を、脱がせる選択肢はないの?」
「全ーーーーく、そそられないな」
「ぼくは、どきどきしちゃうよ」
くふん、と鼻を鳴らして胸に顔を埋めながら俺の服を脱がしにかかる。
負けじと胸を掴むと荒く息を吐きながらもその細い指でボタンを外すのを止めない。
素肌で直に触ってるのに強情だな、変な所で本当にお前は。
既に体全体が熱を帯びて吸い付く様な肌触りと匂いが満ちて。
ジーンズのファスナーを下ろし左手を差し入れながら、右手で胸の尖った先端を軽く引っ掻くと、
報復とばかりに首筋に歯を立ててきた。
「痛っ、噛んだだろ、やめろ」
「ぼくにだって、させてよ」
「無駄に張り合ってどうするんだ……」



結局交互に脱がせ合いながら触ったりキスしたり舐め合ったりとじゃれつきながらした。
最後の一枚をどちらが先に取るかとじゃんけんになるわ、
体育祭から一週間、周囲や新珠の視線が妙にくすぐったい。
端から見れば紛れも無く市原の思惑通り仲の良い、……恋人同士になるのか?
「あは、ちょっと痕がついたかな? さっき噛みついたところ」
「俺の血は不味いぞ、不健康で中身もガタガタだ」
「……――になれば、いいのに」
「? 、今何て言ったんだ」
新珠は変わらず喉仏や首筋を指先で撫でながら耳元に口を寄せた。吐息がかかる……

「――自覚があるなら、ちゃんとしなよ!馬鹿!」
「大声で叫ぶな!聞こえてる!」
耳を押さえて反射で言い返す。
「聞く耳を持たないと変わんないよ。何度も言わせないでね、それとも、わざと言って欲しいとか?」
「人の学習スピードにまで口を出すなよ、急かすな」
「待ちくたびれる前に来てほしいな」
「……検討はする」
そしてまたキスを繰り返した。
「ところで不思議に思ってたんだけど」
「何だ?」
「普段でも外でもゴム持ってるの? どうしてだ? 皆そうなの?」
「……………………お守りみたいなもの、か?そういう事にしておいてくれ」
「ふーん、じゃあ、ぼくにもちょうだい」
「……女の子も割と持っている話だからな」
「――えーと、」
「読まなくていい!」
「んー、でも、ぼくが付けてあげてもいいんだよね、口とかで」
「お前の知識絶対偏っている……」


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