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浜屋道場に行こう! 1

名無しのアヒル氏


「たのもう。」
一人の少年が剣術道場の家を尋ねてきた。
「はいはい、どなたかな。・・・君、誰?きゃわいい顔してるね。」
家から出てきてはいいが色々と失礼な対応をしてるのはこの浜屋道場の息子の寿丸。
「・・・おかしなこと言わないでくれ・・・。」
少年はその馴れ馴れしい対応に少し顔を赤くする。
「あっ、ごめーん。ところで何の用?押し売りはお断りだよ。後、道場破りも親父が留守だからちょっと困るなぁ。
一応オレも師範代でけっこー腕に自信あるけどね。」
最初と変わらずおどけた調子で話しをする寿丸に少年は少しため息をしつつ返答した。
「安心してくれ。拙者、押し売りでも道場破りでもない。入門希望だ。」
「なんだってーーーー!!!」
2ちゃんでおなじみのAAが寿丸の頭を駆け抜けた(←実験屋さん、受け売りすみません)
「そ、そこまで驚くことか・・・。」
寿丸の大げさな反応に引き気味な少年。
「だってーウチの道場、親父がちゃらんぽらんなせいかガキもとい、お子様しか門下生がいないんだもーん。」
寿丸の父で浜屋道場の師範、薙丸は腕は確かだが息子譲りの(←逆)おどけた性格で、それでいて
弟子の選出に厳しい為、薙丸のおどけた性格を受けつける子供しか門下生がいなかった。
「実は・・・拙者の父上が何かあったら浜屋道場に行けって遺言を残してな。名前を頼りにここまで来た。」
「えっ、そうなの。オレの親父と知り合いなんて変わった親父さんだねぇ!」
「・・・・・。」
寿丸のおどけた言葉に黙り込む少年。その顔は少々呆れ顔だった。
『まずいっ!ちょーしに乗りすぎたかな?せっかくのカモ!逃してなるかぁ!!!』
詐欺師か何かの様な考えをしつつ、寿丸は口を開いた。
「で、そちら、腕前はどうなの?」
「腕前?・・口で説明するのは難しいな・・。とりあえず旅している間、負けたことはなかったが・・。
しかし、その最中まだ自分は誰かに教えを乞うべきなのではと悟ってな。父上の遺言を思い出してここに来たという訳だ。」
「成程ねぇ、真面目だねぇ。立派だねぇ。よし!オレについてこい!!なんてね、はは。今から道場に来てもらおうかな。」
「道場に?」
「そ、そこでオレと対決してー、それでおたくの実力見せてもらおうかな。」
「成程・・入門試験というわけか・・・。」
「オレもこう見えても師範代だからね!ところでおたく、名前は?ポチ?ミケ?マリアンヌ?インリン?ベッキー?ナポレオン?」
寿丸はてきとーに人間や日本人には付けない名前を並べた。(何故彼が外人の名前を知ってるのかという突っ込みはご了承ください)
「な、なんなんだ、その名前は・・・。拙者の名は菊之丞だ・・・。」
「菊之丞・・・。よろしくね、菊ちゃん!」
「き、きくちゃ・・・。」
いきなりの馴れ馴れしい呼び方に菊之丞は少々戸惑っていた。


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