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鬼道の末に・零 4

名無しのアヒル氏

悪夢は終わった。いや、これは夢ではない。どんな悪夢より最悪の現実。

「・・・はつ・・・ね・・・。」

「・・おかあ・・・・・さま・・・・・。」
あれから2人は輪姦され続けた。2人だけではない。その場にいたすべての女性達は気絶してようが、放心してようが構わず姦された。
その間も瑞穂は部屋から逃げることを許されず、この悪趣味な性宴を見せ付けられた。

「この女共を牢に連れてゆけ。上物揃いじゃからしばらくは愉しめそうじゃ。」
瑞穂は輪姦が終わった直後に次の辱めを考えている巌に虫唾が走った。女性達が連れてかれていく。
狂った様に叫ぶ女性もいれば、死んだ様に無反応な女性もいる。その女性達の主人であろう初音の母は変わり果てた女性達の姿に涙した。

「皆・・・・、ごめんなさい・・・・。」
その言葉に続く様に、母親に抱きかかえられた初音がぼんやりとつぶやく。

「・・おか・・あさま・・。・・おと・・う・・さ・・ま・・・・・。」

「初音・・、ごめんね、ごめんね・・・。あなた・・・、ごめんなさい・・・。」
あなたとは女性の夫、初音がつぶやいた彼女の父のことだろう。きっとその人は妻と娘に生き延びる様言って最期の別れをしたに違いない。
女性にとっても13,4の娘を死なせるわけにはいかず、また、その娘を残して死ぬわけにもいかなかったのだろう。
だから、落城のときも陵辱されたときも命を絶とうとしなかったのであろう。その様に生きようとする者を殺すなり、辱めるなりで踏み躙る。
それが巌の至上の愉しみなのである。鬼達が最後に残った初音親子を連れようとする。

「お願いです・・・・。この子と皆を解放してください・・。その代わり私を好きにしてください・・・。」
あのたおやかな女性のどこに自分を犠牲にしようとする強さがあるのだろうと瑞穂は驚いた。

「奴隷の言い分など通るとでも思っておるのか。」

「・・私は城主の妻です・・。母として娘を、主人として皆を守る義務があります・・。何をされたって・・・。」

「馬鹿な女じゃのう。奴隷に元の身分など関係ないわ。ははは!何もできないくせに義務など笑わせることを言ってくれる。」
巌は女性を嘲笑った。女性は言葉を失い悔しそうにうなだれる。瑞穂にはその気持ちがよくわかった。何もできない弱い自分への憤り。

初音親子は連れられ巌もそれについていった為、その場には瑞穂1人になった。


瑞穂はその場をぼんやりと見つめた。乱交による精液や愛液が畳を汚している。その中にある赤い染み。初音の破瓜の血・・・。
瑞穂の目から堪えていた涙が一気に溢れた。

「ひっく・・・。うう・・。ひっ・・・・・。うわああああああん!うう・・。わあああん!!」
激しい嗚咽を漏らしながら号泣する。何故あんなことを自分に見せ付けたのか瑞穂にはわかっていた。・・・すべて自分への見せしめ。
失敗したり変な気を起こそうとすればこうなるという見せしめ。巌に反抗心を持っていても何もできないことを思い知らせる見せしめ。

「ひっく・・。ひっく・・。うえええん・・。」
涙が止まらない。悲しさ、悔しさ、怒り、憎悪、憤り・・・。色んな負の感情が瑞穂の心を支配し、涙を流させた。



どれだけ時間がたっただろう。瑞穂はまだ泣いている。しかし気持ちは落ち着いていた。瑞穂は思った。
巌が自分に見せしめ行為をしても絶対に屈しないと。いや、してくるからこそ屈しないと。
最悪の見せしめを見せつけられても持ち前の気丈さで強い決意をした。


その夜、瑞穂は周囲の目を盗みながら牢に向かった。捕虜にはろくな食事も与えられないので握り飯を作り持っていった。
女性達は連れていかれたときと比べて落ち着いた様だったが泣いてたり、死にたいと漏らす女性も多い。
あの女性・・・初音の母は気丈に振る舞いそんな女性達を慰めている。その胸には娘の初音が抱きかかえられている。
母の腕の感触に安心してるのかその顔に生気が戻ってはいたが少し泣いている。

「・・・!? 何しに来たんですか!!」
女性は瑞穂を見つけると叫んだ。怒りのこもった声。周りの女性達は怯えた顔をしている。男と思われてるので再び陵辱されると思ったのだろう。
彼女らには衣服は与えられておらず毛布を羽織ってるだけであり身体も汚れたままだった。

「えっと・・・。食事を持ってきました・・。」
緊張で声が震える。

「・・・要りません・・。」
その声は小さいがはっきりとした嫌悪を感じる。あの陵辱劇を愉しんで鑑賞してたと思われたのだろう。目が帰れと訴えている。

「ここに置いていきます・・。」
いたたまれない気持ちから早々とその場を立ち去るしかなかった。


それから1ヶ月までの間に女性達は性奴隷として売られていった。その間も女性達は何度か陵辱されてた様だ。
最後に売られたのは初音親子だった。彼女らは鬼達に特別気に入られてた為最後に残されたのだった。
親子1組で売られたという話だが親子を引き裂くのは哀れなどという理由ではない。親子で犯すのが面白いという理由だった。
その話を聞いた瑞穂は複雑な心境になった。あれ以来一度も牢には行ってない。巌に女性達に差し入れしたことがばれ、
殴られ、脅されたからである。その一度だけの差し入れしたときの深夜、瑞穂は皿を取りに牢に行った。
女性達は皆寝ていたが皿が空っぽになってるのを見て少しだけ救われた様な気がした。





――気がつけば瑞穂は知らない場所にいた。
『・・・・・。ここは・・・?』
暗闇の世界。そこには誰もいないように見える。しかしいきなり後ろから誰かに押さえつけられた。

『・・・・・・!』
それは巌だった。巌は瑞穂の男物の着物を乱暴に剥ぎ取る。

『いやあ!!』
瑞穂は悲鳴を上げる。少年の装いの下に隠された少女の身体。初音と同じ位まだ未成熟の身体。
巌はその身体に容赦なく己の肉棒を挿し込んだ。

―――!!!
痛みも快楽もない。何も感じない。それなのに今まで味わったことのない嫌悪感が身体を駆け巡った。

『いやあ!いやあ!』
瑞穂が叫ぶ。しかし巌はそんな瑞穂に構わず腰を振り続ける。やはり何も感じない。そうしている内に巌は瑞穂の膣内(なか)に出した。

『いやあああああ!!!』


―――ハッ!!!・・・・・・夢。
それは夢だった。しかし夢であって夢ではない。巌に辱められた女性は現実にいる。初音親子達の様にすでに陵辱され尽した者もいれば
捕らえられ犯される未来が待ち構えていることをまだ知らない女性もいるだろう。もしかしたら自分自身もそうなるかもしれない。

(あんたがその気なら・・・。俺、あんたに勝てるまで立ち向かってやるよ・・。)
瑞穂は固く決意した。


それ以来捕虜に対する陵辱が行われると、瑞穂はたびたび呼び出され見せつけられた。どんなに固く巌に負けないと決意しても
陵辱の光景を見るには当然嫌だった。その為用事や体調不良といってなるべく行かない様にしていたが、限界があったし、巌にも気付かれ
次来なかったら・・・と睨まれたので仕方なく通う様になった。その為瑞穂は戦の恩賞に城を貰った。巌と同じ場所には居たくない。
その瑞穂の気持ちを巌も気付いてた様だが功績がよかった為許された。それでも時々は呼び出され陵辱劇を見せ付けられた。

巌への憎悪や対抗心で過ごした瑞穂の4年間だったが、その4年の間に美しく成長しその身体も瑞穂の意志に逆らう様に
女性らしく人一倍豊満に成長していった。幸い瑞穂は優秀さゆえに手を出されることはなかったが
日々美しく成長する瑞穂に目を付けてはいた様である。そのことも居を別けた理由の1つである。

男装に関しても元々は巌に強制されたことだが、気がつけばそれを心の支えにしていた。女性らしい格好に憧れがなかったわけではない。
しかし巌に女扱いされることが嫌だったし、男として振舞うことで強くなれる気がした。

そうして過ごしてきた4年間は鬼族の敗北と巌の死で幕を閉じた・・・。


「おいっ!!」
呼び掛けられてはっとした。男装することで巌に対して気強く振舞ってきた瑞穂。・・・だが巌はもういない。正直そのことは嬉しかった。
しかし今の瑞穂は巌への気強い振舞いが終わったことを証明させられた様に女の肢体を晒されていた。

「・・・・・・。」
改めて今の自分の状況を見つめ直した。一糸纏わぬ姿にされている上、足を拡げられその恥部を晒されている。
過去の記憶を思い出したことで少し強い気持ちを取り戻した瑞穂は自分を辱めてる人間の男――成幸を見つめた。
年齢は若い。まだ少年だ。顔立ちも整っており普通にしてれば好青年の様に見える。
しかしその顔には自分への嗜虐心に満ちた意地悪い笑みが浮かべられていた。
―――ちょうど女性を陵辱してるときの巌の様な・・。強気さを取り戻した瑞穂は成幸を睨み付けた。

「放心してるのかと思ったらこの状況でそんな顔を取り戻せるなんて・・。たいした奴だな・・。」


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