俺たちはたまに喧嘩する。今日の朝も喧嘩した。
「で?それが理由だってわけ?」
「…そう」
「げー!だっせえ理由!何だよそれ!?」
「……うるっせえな」
朝、いつも迎えに来てくれるはずのが、「ごめん、寝坊した!」と言って、今日は何だか遅かった。俺はそれを皮肉ったらしく、「のせいで遅刻確実だよなあ」と返したらの逆鱗に触れたらしくて、平手打ちを食らった。んでもってそれにカッとなった俺も平手打ちをに食らわした。
そこからはご想像にお任せします。はい。とりあえず俺らは取っ組み合いの喧嘩ができる奴等だから。そして案の定、本当に遅刻してしまった。
「馬鹿じゃねーの」
「…あのなあ、お前そんなハッキリ言わないでくれる?これでも俺相当悩んでんだぞ!?」
「だったら謝って来いよ」
「…に負けたみてーでさ、何だか嫌」
「……ガキ」
のその言葉に反論することができません。俺は本当にガキだよな。「ごめん」の一言くらい何してたって言えるのに。ここぞという所であああー、みたいな。言えねんだよな、この俺の馬鹿!
「でもまあ…こうしてウジウジしてらんないし…。よっしゃ謝ってくる!」
「頑張れー」
「もうちょっと心込めた言い方してくれねーの?」
「!」
隣のクラスにいるはずのが、俺のクラスに顔を出す。ちょうどいいか、ここで謝っちゃえ。
「、俺」
「ごめんね!朝あたしが寝坊したせいでまで遅刻させちゃって…。叩いたのも、ごめんね?あたしすぐ手出ちゃうからさー」
「…いいよ、全然」
「今日放課後一緒に帰ろうね!あたしが来るまでずっと待ってるから」
そう言っては自分の教室に帰っていった。
「………チッ」
ゴン
「お前、今デコ痛かったろ」
「うん…すげー痛い」
机の上に打ち付けた額が、ジンジンと痛みを増す。俺の心もつられて痛み出す。
俺、謝ってもいねえし。一言くらい言わせてくれよ。でも、やっぱりそれでもに何もかも負けた気がするんだ。
「…完敗だー」
「情けねえの、お前」
「絶対俺のせいなのに、あいつ自分が悪いみたいに…」
「ガキだね、」
「そだな」
それでも俺はに何も言えないままなんだろうか?
「」
「何だよ?」
「放課後に謝っても遅くねえかな…」
「充分だろ」
ごめんな、。でも、喧嘩するほど仲がいいっていうだろ?それほどお前の前では素でいられるってことなんだよ。何もかも曝け出すから、全て受け止めて、全てを好きになるよ。