そこには生徒が犇めき合うように並んでいて、もう入学式は始まろうとしていた。も、アダルバードも、もいた。パチンと隣にいた学園長が指を鳴らす。
「さあ、諸君!船出の時が来た。帆を揚げて大海原へと舵を取ろう!」
 大声も出していないのに、学園長の声はスピーカーを通したみたいにはっきりと、大きく聞こえた。…魔法の力?煌めくシャンデリア、赤い絨毯、大きな十字架、高い天井、聖書で見たような場所だ。
「これより栄えある第千六百回、入学式を始める。まずは新入生入場!」
 赤い絨毯の先の両開きのドアが開き、ぞろぞろと新入生が入ってくる。十二、三の子ばかりだ。まだ幼い顔つきの中に、凛々しさと勇敢さと、不安や心配などが伺える。学園長が、新入生たちの前に立つ。
「クラス分けに移行する。名前を呼ばれたら俺のところまで来い」
「……何で急に命令口調なんだろ」
「アーノルド・バシェレリー!」
 最初に呼ばれた男の子が、舞台の下まで歩いていく。少年が学園長の前まで来て、学園長が少年の額に手を当てる。ホワンと青い光がアーノルドの頭を包む。
「グラウンド、シュミット!」
「やった――――!アーノルドゲット――!!」
 グラウンドのシュミットの席から歓声がわく。
「クレミー・ガロッテ!」
「…スカイ、レオーネ!!」
「…やった」
「イエ―――――!クレミ――!!」
 今度はスカイのレオーネの席から、割れんばかりの大歓声が。それから、それから多くの新入生が名前を呼ばれ、占いによってクラスを決められた。これが…占いと呼べるのかは、知らないけど。

「では…転入生の紹介をする。前へ」
 一瞬大聖堂が静まり返り、ざわざわと騒がしくなる。この前に、出るの??目立っちゃうよ…余計に。
、十七歳。諸事情により、この歳からこの学校に入学することになった」
「えっと、初めまして!」
 そしてお辞儀をする。隣りで学園長が「ここでは礼をしないのに」と小さく呟いた。
「あっ!お辞儀しちゃいけない…?」
「いやいや、そんなことないよ」
「はははっ!面白い奴だな。いいぞ―――ッ、―――!!」
「フレデリック!をからかうな」
「何だよー、学園長様のお気に入りかよ」
 どわっ、と笑い声が響いた。あたしは顔が赤くなったような気がして、俯く。
「フレデリック・ノリス、後で部屋から学園長室まで五往復な」
「げえっ!」
「エスコット出たよ。スコットだけにSってなあー。あ、ドSか」
「イオン・ヘイグは十往復。サボるんじゃねェぞ」
 「ドンマイ」、と隣にいた生徒が二人の肩を叩く。どうやらスカイのレオーネの席からだったらしい。学園長の同級生みたい。
、顔向けて」
「あ、はい」
 青い光が目の前に広がる、痛くも痒くも、熱くも冷たくもない。私は…どこになるんだろう?
 は…グラウンドかな。普通の女の子だしね、の言葉が思い出される。昨日、の部屋で言われた言葉。
「……お前、どんな結果になっても後悔しない?」
「―――…しませんが?」
「…そうか」
 少し目が俯いた、彼。
は……」




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足跡 17