星を掴む


 



荒北は昔、星を掴んだ。

 海へ行こう。そう東堂から連絡が入ったのは八月も半ばを過ぎた頃だった。
 ちょうどその時、荒北は数学の宿題に手をつけ始めた頃だった。ぎっしりと数字の詰まった問題集に眩暈を感じる。 自室の窓の外では蝉がうるさい。ミンミンと追い立てられるように奏でられるその音は昔から好きになれない。
「うるせーぞ、ボケナス」悪態をつきながら意味の分からない数式を書き連ねていく。ようやく答え辿り着きそうだったその瞬間、携帯が鳴った。
 あっと思った時にはもう遅い。浮かんでいた解答への道筋が霧散する。せっかく苦労が水の泡だ。
 荒北は乱雑に携帯へと手を伸ばす。音に合わせて点滅する画面には見慣れた名前が浮かんでいた。舌打ちをして着信に切り替える。
「おい、なんの用だよ」
「久しぶりだな、荒北」
 元気そうだな。と不機嫌を隠さない荒北に臆することなく東堂は陽気な口調で話した。
「どうせ、お前のことだ。女の子と遊ぶわけでもなく暇をしているのだろう」
「切っていいか?」
「待て待て。良い話があるのだよ」
 慌てる東堂は早口で続けた。
「海に興味はあるか?」
「海ィ?」
 思わず反復する。
「そうだ。夏といえば海だろう」
 勝ち誇るように東堂は言った。
「別にィ。他にもあんだろ、蝉とか」
 ちらりと窓を見て言る。相変わらず蝉は元気だ。
 荒北のヤル気のない返答に東堂は心底同情するように言う。
「寂しい奴だな、お前は」
「放っとけ」
「そこでだ。寂しいお前に良い話があるのだよ」
 良い話ね。荒北は乾燥した唇を舐めた。大方、察しがついている。
「海に行こうってか」
「おい、先に言うな」
 言いたいセリフを取られて東堂はご立腹のようだ。その様子に少なからず溜飲が下がる。
「お前のことだ。もう福ちゃんや新開には声かけたんだろォ?」
「もしかして二人から既に聞いていたのか?」
 まだ怒っているのか。拗ねた子どものような口調で東堂は言った。
「聞いてねェよ。で、どうして海なんだよ」
 納得いかない様子の東堂だったが、ぽつりぽつりと事情を語りはじめた。
 東堂の親戚が海の近くで民宿を営んでいるそうだ。その親戚から昨夜、友達と遊びに来ないかとお誘いがあった。なんでも急遽キャンセルが出て、四人部屋が一室空いているらしい。
「いいのかよ。稼ぎどきじゃねェのか?」
「是非、来てくれと言われた」
 彼らはインターハイを見に来てくれていたのだよ。東堂は穏やかに話す。ちくり。小さな棘が荒北の心に刺さる。
「わかった、行く。それで、いつだ」
「おお、そうか。明後日から二泊三日だ」
「おい、すぐじゃねェかっ」
 ボケナスがァ。と言い捨て、喚く東堂を無視して電話を切る。携帯を片手に持ったまま自室から飛び出し、母親へと叫ぶ。
「オレの海パンどこォ?」



 旅行当日。待ち合わせの駅に行くと既に東堂が来ていた。よくわからない芸術的なオブジェの前にキャリーバッグを携えて立っている。東堂はいつも荷物が多い。大きめの鞄を肩に引っ掛けただけの荒北とは正反対だ。
 東堂は荒北に気がつくと手を上げた。荒北は小さく手を上げつつ、東堂へと歩み寄る。
「福ちゃんと新開はァ?」
「まだだ」
 次の電車で来るだろう。と東堂は言うとどこから取り出したのか、扇子で顔を仰ぐ。その顔には薄っすらと汗が見える。 暑さは今だに衰えを知らない。今日の天気予報でも大きな赤い文字で“真夏日”と表示されていた。海に行くのだから、喜ばしいことなのだが、じっとりとしたこの暑さは耐えがたい。
「あちィ」
「荒北、暑いと言うと余計に暑くなるぞ」
 ヒラヒラと扇子を動かす東堂は涼しい顔だ。腹の立った荒北は扇子を片手で掴む。
「じゃ、これはいらねェよな」
 ならんよ。と慌てて東堂は扇子を両手で持つ。負けじと荒北も両手で掴む。そして、一つの扇子をお互いに引っ張り合う。
「手を離せ、荒北」
「てめェが先に離せ、東堂」
 お互いに睨み合うふたり。その口は楽しそうにつり上がっている。いつものおふざけだ。
 それでも、勝負は勝負。荒北は更に腕に力を入れる、と見せかけてあっさりと手を離した。
「うぉっ」
 力の均衡が崩れた反動で、東堂が背面へ倒れかける。その衝撃で扇子が東堂の後方へと吹っ飛んだ。
 荒北は悪い顔で笑う。
「引っかかったなァ、東堂」
「謀ったな、荒北っ」
 怒れる東堂がすぐに第二ラウンドを開始しようと荒北に向かう途中で、「あの」と遠慮がちな声が聞こえた。
 みると有名な野球チームの帽子をかぶった小学校低学年くらいの少年が、東堂の扇子を持って立っていた。
「これ、お兄ちゃんたちの?」
 どうやら落ちていたところを拾ってくれたらしい。
「そうだ。少年よ、ありがとう。この目つきの悪い男のせいだからな」
 東堂は丁寧に少年から扇子を受け取ると、荒北を視線で少年に指し示した。
「だーれェが目つきの悪い男だ」
 しっかり東堂に悪態をつき、荒北は少年の帽子を見る。よくかぶって出かけているのだろうか、ロゴマークの色が色褪せている。
「野球、好きなのォ?」
「うん」少年は目を輝かせて頷く。とても良い笑顔だった。
「僕、野球やってるの。チームでエースなんだ」
「ヘェ」
 穏やかに荒北は相槌を打つ。もう野球の話を聞いても昔のように心が荒れることはない。
「おお、キミもエースか。オレもエースクライマーだ」
 東堂は嬉しそうに名乗る。少年がおそらくエースという単語に反応して「すごーい」と目を丸くする。調子に乗った東堂は荒北を指さす。
「こっちはエースアシストだ」
 少年はきらきらとした目で荒北を見る。気まずい。
「アー、違うから」
 荒北は顎を指で掻きながら、呟く。
「お前が思っているようなエースじゃねェから」
「ところで、少年よ。ということはだ。将来は甲子園に行くつもりかね?」
 荒北の小さな声は東堂の大声に簡単に吸い込まれる。少年に聞こえなくてよかったような、悪かったような。荒北は複雑だった。
 一方、少年はというと東堂に問いに赤面する。そして、大事な秘密を告白するようにゆっくりと告げた。
「うん。でも、それだけじゃないよ」

「オレ、将来は野球選手なるんだ」

 荒北は一瞬、呼吸の仕方を忘れた。耳に薄い膜ができたように周囲のざわめきが遠くなっていく。
『オレ、絶対に野球選手になってやるからァ』
 幼い自分の声だけが頭の中に響く。

 「どうした」
 怪訝そうな東堂の声を合図に荒北はようやく息を吸う。窒息寸前だった肺が新鮮な酸素を欲して動く。
 何度も呼吸を繰り返す荒北の目に遠ざかる少年の後ろ姿が見えた。荒北が意識を飛ばしている間に別れたのだろう。
 東堂は何かを言いかけたが、急にはっとして荒北の背後へ手を上げた。
「隼人、フク」
 呼ばれた名に荒北の意識は急激に浮上する。素早く振り返ると派手なTシャツを着た新開が上機嫌に手を振って歩いてくる。隣に福富もいる。
「悪い、待たせちまったか」
 東堂の前まで来ると新開は両手を合わせた。
「問題ない。まだ予定の時刻より早い」
 東堂は扇子で新開を指す。その扇子を新開はまじまじと見つめる。
「なぁ、これ曲がってないか」
「なにっ」
 驚きの声を東堂は上げると、新開にいかに荒北が横暴だったかを愚痴り始める。それを横目に荒北は福富へ視線を向けた。
 離れて一ヶ月も経っていないというのに、ずいぶん久しぶりに感じる。目立つな金髪に、意志の強さを感じさせる強い眉。すっと通った鼻筋。細くぜい肉がないため、どこか鋭敏さを感じさせる顎。最後に会った時と同じ姿の福富に、荒北は何故かほっとした。
「福ちゃん、元気だったァ?」
「あぁ。荒北も元気そうだな」
 福富が荒北の目を真っ直ぐに見つめる。荒北はその強い視線を受け止められず、やんわりと目を逸らす。
「宿題は終わってねェけどな」
「靖友もか」
 “宿題”というキーワードに嬉しそうに反応する新開。その隣の東堂が眉をぴくりと動かしたのを見て、荒北は自らの失言に気が付いた。
「荒北、新開も。宿題がまだ終わっていないとはどういうことだ。オレはもう」
「東堂、そろそろ時間だ」
 東堂のありがたくないお説教という名の自慢話が始まるかけたちょうどそのタイミングで、福富が時計を見る。福ちゃんナイス。心の中で親指を立てる。ふと隣を見ると、新開は実際に親指を立てていた。なにしてんだ、このバカチャンは。それを見た東堂が説教を再開させないかとヒヤヒヤする。しかし、幸いなことに東堂は時計に夢中だった。
「少しまずいな。おい、急ぐぞ」
 東堂の声を合図に四人は一斉に駆け出した。



 列車にはどうにか間に合った。空いていたボックス席に陣取る。窓側に福富と東堂が座り、その横にいつも通り新開と荒北がそれぞれ席に着く。そして、座ったと同時に我先にと休み中にあったことを話した。やれプールに行っただの、遊園地に行っただの。どこそこへ自転車で走りに行ってただの。
 そうこうしているうちに、新開の腹が鳴る。それを合図に荒北たちは各自で用意してきた弁当の準備をした。食べる間ももちろん静かになるはずがない。
 東堂が荒北と新開の弁当の中身の偏りについて注意すれば、新開は福富のおかずを横取りする。怒る荒北に何を勘違いしたのか、弁当のピーマンを荒北に寄越す福富。
「福チャン、あんがとね」
 力なく礼を言う荒北の横で東堂が頷く。
「流石、フク。さぁ野菜を食べろ、荒北」
 観念しろと迫らんばかりの東堂を荒北は鼻で笑う。
「っセ。そういえば、てめェの話だと甘いモンなんて食うのは選手失格だってなァ?」
「そこまで言っておらん。あまり好ましいと言えないと言っている」
 東堂の発言に福富の眉が僅かに動いた。実は福富は食後にアップルパイ一切れを買ってきている。荒北はさっき福富の弁当の袋を覗き見ていたので、知っていた。
「東堂」恨めしそうな低音が響く。
 こうして、心強い味方を得た荒北は、良い気分で食事を終えたのだった。

 その後も話し続けていたが、徐々に皆の動きが鈍くなっていく。食後の睡眠へも誘惑は強力だ。また一人、また一人眠りの沼へと脱落していく。
 気付いた時には、荒北だけが最後に取り残されていた。隣を見る。さっきまでうるさいぐらいうるさかった東堂の瞼は完全に下りきっている。黙っていれば美形に見えないこともねェな。
 褒めているような貶しているような感想を述べると、荒北は正面を向く。
 赤茶色の髪をした男が口元を緩めて眠っている。夢の中で何か美味しいものでも食べているのかもしれない。呑気なもんだ。
 そして、おそるおそる斜め前を荒北は向いた。そこには腕を組んだ福富が穏やかな寝息を立てて座っていた。
 その瞳が閉じられていることに荒北は安堵した。
 あの射抜くような目は今の荒北には毒だ。肺に鉛を詰められたように息苦しくなってしまう。理由はわからない。とにかく、自分が福富の視線に晒されていると感じると、妙に緊張する。この症状が出始めたのはインハイが終わってからだ。
 突然、ガタガタと列車が揺れた。のどかな風景が一瞬で黒く塗りつぶされる。どうやらトンネルに入ったようだ。荒北は窓に映る自分の顔を眺める。らしくない面だった。
 考えなければいけないことがあった。卒業後のことだ。まだ半年先、もう半年先のことだ。
 今までは、インハイで優勝することを。ずっとそれだけを考えてペダルを必死に漕いできた。インハイが終わった今、どこへ向かって走ればいいのか。一体どこへ。自分が望むやりたいことすらわからないのに。漠然とした大きな不安が荒北の背に重くのしかかる。
 その時、列車がトンネルを抜けた。窓から強い光が差す。その光を反射して金髪がまばゆく輝く。その様子を荒北は目を細めて見守った。福富はどこへ行くのだろうか。いや、彼ならば、どこへでもと迷いなく進んで行くに違いない。
でも、オレは。
 荒北はゆっくり目を閉じた。未だ一人で暗いトンネルの中にいるかのような淋しさを抱えて。

『オレ、絶対に野球選手になってやるからァ』
幼い荒北が瞼の奥で幸せそうに笑っている。荒北はそいつを暗闇へと突き落とした。
――お前なんて知らない。



 目的の駅に着くと既に東堂のおじさんが車で迎えに来てくれていた。おじさんはつるりとした自らの頭を撫でて「よく来たね」と陽気に笑う。
「お世話になります」
 東堂が前に出て頭を下げる。それに合わせて、他の者たちも頭を下げる。
「あーいいから、いいから」
 おじさんは大きな声でいうと、荒北たちを車に押し込んだ。颯爽と車が走りだす。駅の周辺はまだ商業的な建物が多かったが、少し進むとのどかな風景が広がっていた。ここをロードバイクで思いっきり走ったら気持ちいいだろう。
「走りたいな」
 荒北が思ったと同時に左隣の福富が呟いた。
「はァー、福ちゃんここでもチャリかヨ。オレたちは海に来てるんだろォ」
 自分のことを棚に上げてからかう荒北。すると右隣に座る男が手を挙げた。
「オレも走りたいな」
 新開だ。
「もちろん、この眠れる森の美形も走りたいぞ」
 助手席の東堂が後ろを向いて荒北を指さす。
「おめェはクライマーだろォが」
 言い返す荒北の肩に新開が荒北の首へと手を回す。
「で、靖友は?」
「近ェよ」
 咄嗟に後ろに下がると何かにぶつかった。振り返ると福富が荒北をじっと見つめていた。悪ぃと荒北が声を発する間もなく、福富が朗々とした声で言った。
「荒北は走りたくないのか?」
 言葉に詰まった荒北を福富、新開、東堂の三対の目が凝視する。思わず荒北は俯いた。太もものジーパンを掴む。
「アー、そうだよ。オレも走りてェよっ」
 やけになって叫ぶ。頬が熱い。屈辱に膝の上で荒北が手を強く握りしめていると、何故か東堂が拍手し始めた。顔は見えないが、わざとらしい温かい目をしているに違いない。
 すぐに新開が真似をする。「ほら、寿一も」新開の言葉を受けて福富も手を鳴らす。意味は絶対にわかっていないだろう。荒北は震えた。怒りのためだ。
 しかし、荒北が咆哮する前に東堂のおじさんが「君たち仲がいいねー」と豪快に笑う。その笑いっぷりに毒気が抜かれた荒北は東堂の座席を後ろから軽く殴って終わりにした。
「何をする、荒北。この美形に嫉妬か」
「するか、ボケナス」
 おじさんはその会話をニコニコしながら聞いていた。
「でも、実際にみんなモテるでしょ。イケメン? て奴だ」
 ファンクラブがあるって聞いたよーと話すおじさんに新開は苦笑する。
「でも、オレたち彼女はいないんです。部活が忙しくて」
 そこで新開は福富の方に顔を向けた。
「ロードが恋人みたいなもんだよな。寿一」
「おい、福ちゃんをお前と一緒にすんなよ」
 荒北の抗議に新開は首を傾げる。
「寿一が一番そうだろ。つま先から頭の先までロードで詰まってる」
「それは」
 否定できない。言葉に詰まる荒北を放置して新開は続ける。
「寿一がロード関係なく執着するような人間が現れたらヤバイな」
「ヤバイとはなんだ? 新開」
 腕組をした福富が不思議そうに新開に問いかける。東堂がその様子を愉快そうに眺めている。
「そんな人間が現れたら貴重だから、絶対に離れてはいかんよ。フク」
 人生の伴侶になるかもしれんぞ。と東堂はニヤリとした。
「手を繋いでいればいいのか」
「そんなとこだ」
 東堂と福富のどこかチグハグなやりとりを黙って聞いていると、新開が小さな声で呟いた。

「そんな人間がいたとしたら、寿一にとって本当に――特別な存在だな」



 民宿に着くとすぐに一階の客室へと通された。畳が並べてある典型的な和室で、大きな窓からちょっと出られるような庭がある。部屋に荷物を置くと、すぐに荒北たちは水着に着替えて海へと飛び出した。
 民宿と浜辺は近かった。歩いて五分もしないうちに、波の音が聞こえ始める。誰からともなく走りだした。ゆるやかな坂道を一気に駆け上がると、そこには青い海と白い砂浜が一面に広がっていた。
 荒北たちはお互いに顔を見合わせると海に向かって転げるように一直線に走る。砂が足の甲にかかって熱い。それすらも、笑ってしまうほど楽しい。波打ち際へ着く直前にビーチサンダルは脱ぎ捨てる。湿った砂を冷たいと思う間もなく、波が荒北の足をさらっていく。そのままスピードを落とさずに荒北は海水の中へとどんどんと進んでいく。
「靖友ー」
 水面がの高さがちょうど膝の辺りになったところで新開の声が聞こえた。振り返った瞬間に顔面に水を浴びせられる。新開がニヤニヤと笑っている。その顔に荒北の闘志が燃え上がる。両手を水面へ勢い良く突っ込む。
「上等だァっ」
「うわっちょっタンマ」
「ッセ」
 新開が静止する声は無視して怒涛のごとく海水を浴びせる。体勢を崩した新開はなかなか反撃できない。一方的な試合展開かと思われたその時、ぴしゃりと冷たい水が荒北の背にかけられた。
「助太刀するぞ、新開」
 聞き覚えのある低い声にのそりと荒北は振り向く。そこには予想通りの人物が立っていた。
「ひっでー。福ちゃん、裏切るのかよ」
「サンキュー寿一」
 荒北と新開の声が重なる。そこへ東堂が高笑いをして割り込んで来た。
「よし、荒北ァ。この山神が味方になってやろう」
「東堂はいらねェ」
「何故だ」
 喚く東堂を尻目に荒北は不敵に笑った。やってみなっと手を招く仕草で挑発する。新開と福富の目の色が変わる。
「全員、まとめてかかってきやがれェ」
 その荒北の声を皮切りに壮絶な水遊びの火蓋は切って落とされたのだった。

 いっぱい遊んでいっぱい笑った。この時、荒北は明日もこんな風に楽しく過ごすのだと信じていた。


2015/02/01