極道用語の基礎知識

 ま行

マエ 【まえ】
 前科のこと。
間違い 【まちがい】
 喧嘩、いざこざのこと。やくざの喧嘩はそのうちに仲裁人が入るのが前提となるため最終的には相手と手打ちをすることになる。その際にあれは喧嘩ではなく間違いを仕出かしただけだった、といえるように喧嘩ではなくマチガイという。
松杉を植える 【まつすぎをうえる】
 博徒の慣用句で一家のために役立ち箔をつけたり、犠牲になること。松は客を待つ、杉はまっすぐという意味で博徒には縁起がよくめでたい。
マトにかける
 標的として狙うこと。
「わしゃ、いずれ山守を潰しちゃるけん。そん時は真っ先にそっちを的にかけちゃるけんの」 打本昇
マブい
 美しい、可愛いなどの意味。
豆泥棒 【まめどろぼう】
 他人の女を寝取った者のこと。元々は刑務所の隠語で性犯罪者という意味だった。女性の陰核 【クリトリス】のことを俗に豆というが、ここでは女性器を指している。原典での佐々木哲彦はもっと直截的に「おめんちょ盗人」という言葉を使っている。
マン
 縁起のこと。

 み行

見届人 【みとどけにん】
 式の次第を見届ける役柄。一家の長老が担当することが多い。

 も行

モタレ
 三下やくざ。チンピラ。ボンクラと同義。
「おどれら、広谷んところのモタレじゃろう?」 久能徳松@県警対組織暴力
モッソウ 【もっそう】
 刑務所で飯類を食べる際に使用する食器。漢字では物相と書く。本来は仏教用語で、日本まんが昔話のように高々と盛り上げた飯のことを指す。
「やんのかいアンちゃん。おらぁ何遍もモッソウ飯喰って来た男だど」 藤尾信次@新幹線大爆破
もます
 衝突・トラブルを起こすこと。