トップへ  文字置き場へ



陽平(ようへい):主人公
菊乃(きくの):主人公と同い年、ショートの黒髪、乳がでかく脚が長い、陽平っていう
白子(しらこ):主人公と同い年、まったく育ってない体型、白い長髪、三河なまり、ひーちゃんっていう
黒音(くね):主人公の2コ下、黒髪長髪、乳普通。お兄ちゃんっていう
夜海(よみ):主人公の1コ下、茶髪、セミロング。ジャージ、釣り目、広島なまり、陽君っていう




「よ…よう…」

バスから降りてきたのが彼女だとは分からなかった。
だから声をかけられているのが自分だということにも気づかなかった。

長身で、一目で人より長いと分かる足。日差しを遮る帽子とサングラスは、そのスタイルを持ち主としなければさぞかし鼻についたことだろう。
風通しのよさそうな生地の上にデニムのジャケットを羽織って、フレームに収めればそれだけでお金がとれる出来の良さ。長くはない髪なのに、その艶を見ただけで彼女が美人であることを勝手に想像してしまう。

陽平は最初、他人事のように感心したのだ。綺麗な人。それが同い年であり、幼馴染であり、無二の親友であるなどと思うはずもなく。

「え?……き…菊乃?」
「な…なんだよ」
「いや、…だってホラ」

最後に会ったのは5年前。その時は確かに、彼女に女らしさを感じさせる武器なんて備わってはいなかった。

ましてや、これだけ大人びて、これだけ自己を主張する胸なんて。



陽平や菊乃の生まれた村は内陸の山間部に位置していた。山の中に埋まっていたといってもいい。
外との繋がりはやけに真新しい道路が一本のみ、ちょっとでも天候がぐずつけば土砂崩れの恐れがあるから、何日も村に閉じ込められるなんてことはザラだった。

当然子供の数だって少ない。

だから子供同士は意地でも一緒に遊ぶようになる。わずかな疑問の余地すらない暗黙の協定。これはもう、村に産まれた以上課せられた義務であって、必然的に与えられた責務なのだ。
なにせ敵は無限にも思える退屈という名の占領軍。もちろんケンカはするが、憎みあう余裕などどこにもない、あってはならない。心は常に一つだった。

陽平と菊乃は、まさしくそうした絶望的な戦力差を、死力を尽くして埋めようともがいた、戦友のようなものなのである。

(こいつがブラジャーつけるようになるとは……)

陽平は思う。

記憶の中には、素っ裸のまま小川に飛び込む彼女しか残っていない。肌の焼き目にわずかなムラもない、太陽の下のあの健康優良”男”児。

「陽平」
「…ん?ああ」
「なんか変か?やっぱ……”オレ”」
「へ?」

そのあまりにもチグハグな一人称を聞いて、陽平は一遍に恥ずかしくなった。

なんだコイツは何にも変わっちゃいない。どれだけ肉感的に育とうと、中身は村の中においてきたままではないか。
いわば女性という名のメカに載った悪ガキ。なにを構えることがあるのか、そう思えば、見惚れた自分がバカバカしい。

「なに笑ってんだよ」
「はは……、お前、その格好でそんなしゃべり方なのか?もったいねーなー、本当の持ち主に返してこいよ、この胸」
「ひゃっ!」

そうして陽平は、幼馴染に見惚れた事実を過去に隠蔽すべく、指先でもってツンと張った双房の先をつっつく。

単純にそうすれば、5年の歳月だろうと吹き飛ばして、また昔のように男女の差など意識しない仲に戻れるだろうと踏んだのだ。が、返ってきたのはいかにも乙女チックに恥らう少女の反応。

菊乃は真っ赤になって、その身を抱くように丸まって、俯いてしまった。

「あーっと、……うん、ごめん」
「……き」
「ん?」
「…本気だしてほしいか?」
「あん?」

その声もにおいも、気づけば陽平の心臓を揺さぶるに十分な魔力。

明らかに復習心に燃えたぎるその笑みは、彼女が自分の身体にそこそこの自信を持っていたことを示している。
万全の体勢でもって、今日この日は見る者全てを魅了する気で家をでたのに、さあ肝心のこの男はなにをしただろう。ゆるすまじゆるすまじ、サングラスの下で、少女の瞳は怪しくきらめく。



「…陽平くん…。実は”私”…あなたのこと……」
「お、おい」

陽平は飛び上がるかと思った。

ほほに、ミントのにおいがする息がかかる。絡みとられた腕は胸の中へ、何よりも心臓が止まるかと思ったのは、耳朶の中を熱っぽい舌が這った時だ。

「ひ…ぐ、……ききき、菊乃」
「ぷははは…!!」

無意識に閉じた眼を開けると、腹を抱えた菊乃がいた。見たことある。陽平は、こいつどっかで見たことある、そう思った。

「変な声だすなよ気持ちわりい……ぷはは、バーカ!!」

菊乃はその手で、買ったばかりらしいミネラルウォーターの封を切り、頭から茹った陽平にぶちまける。

ゴシゴシと耳の中をこすられて、陽平は二重の意味でもったいないと思った。それとあと、どうしようもないほどの敗北感。




5年前は誰にとっても一つの区切りだった。

村がダムの底に沈んだこと、村人全員、全国各地に散り散りになったこと。

陽平が新しく住み始めた土地は、土着の人間なんて存在しない新興住宅地で、隣近所も他所から移ってきた人ばかり。
すぐにお隣さんとも仲良くなって、あまりにも簡単に溶け込んでしまった自分に、陽平は水の底の故郷への引け目を感ぜずにはいられなかった。

意外だったのは、村では毎晩のように酒盛りの輪に加わっていた父親が、ほんの一駅ばかり離れたところに住み始めた友人に、たいして会うでもなく疎遠になってしまったことだ。

大人達は人より場所で関係を選ぶのか、連帯感のようなものを感じていたのは自分だけか。

そんなことを感じながらも、結局は自分からは何一つ行動を起こさなかったから、最初に白子から電話がかかってきたときは、情けない話だが泣きそうになった。



「ひーちゃん今ひまー?」
「白子…か?」
「今から会おまいやー」

白子、この恐るべき少女。

断わっておくと、陽平の村では海の珍味なんてものは滅多にお目にかからなかったし、そもそも海産物自体が全般的に認知度が低かった。
一応、村の中では巫女的な役割を果たす神聖な意味合いのある名前であって、本人両親決してふざけているわけではないのだが……

白い子で”しらこ”。つまりはそういうことである。

「しっとるー?ウチの名前、精子っていう意味らしいんだわ」
「なにおう…?」
「ちゃうかった、精巣、精巣だわ。産まれたときから次に繋ぐ準備しとるて気が早いわ!あははは」
「お前トーン落とせ…明らかに後ろから雑踏の音が…今どこだ?」

人ゴミの中で精子精子と連発する少女の声。この娘だけは、関わりだすと冷や汗が止まらない。超絶自己中心少女。鉄板の鼓膜を持つ女。

当時彼女と彼女の両親が移り住んだのは、陽平の町から電車とバスを乗り継いで片道6時間半はかかるところで、その経済力を考えればピクニック気分でこれるような距離ではない。ていうか、遠い。

普通に考えれば会いにこれるはずなどないのだ。普通に考えれば、会いたくても会おうなどとは思えないはずなのだ。

だが彼女は止まらない。地図上の等高線がいくら連なろうとなんぼのもんじゃ。天気がよければ多分、気分次第で飛行機にでも飛び乗るだろう。サイフも持たずに、だ。

「会おみゃーよー、会おみゃーよー」
「こっちに着てるのか?お…おい白子!?」
「おおう!おっちゃんそのわんこめっさかわいいな!!くれ!!」
「おい白子!人様に迷惑かけるな…!!!」

ガチャリ。ツー…ツー…。

「絶対こっちきてるな……」



その日は結局、白子探しに夜中まで時間を費やすハメになった。

見つけた少女はほろ酔い加減、トラックの運ちゃんは話が分かるとか何とか、メシを食われてベットをとられて、朝起きたら帰った跡。

台風少女は懐かしさを感じさせるまもなく過ぎ去ってしまい、一応陽平の手には、11ケタのケータイ番号だけが残った。



それからはちょくちょく電話で話した。今回みんなで会おうといいだしたのも彼女だった。

その行動力はもはや尊敬にさえ値する。実際彼女が本尊なら、崇めてもいいとさえ思わせるオーラが彼女にはある。

その名の通り、真っ白い体毛に、白い肌。髪の毛は産まれた時から切ってなくて、いきなり目の前に現れると、イリオモテヤマネコが踊りでてきた様な存在の圧力がある。

ただし背だけが一向に育たないのが玉に瑕。

あまりにも周りに感化されやすいから、しゃべり口調は環境によって右往左往。声を聞けば住んでる場所が分かるとか、多分宇宙人とも違和感なくしゃべるのだろうが、そんな神様、時々イヤになる。




「ひーちゃんこっちー」

約束の県立公園には既に白子の姿があった。髪の毛が日差しを反射して、遠くからでもよく分かる。緑豊かな自然の多い公園だから、彼女が本来備えている山の神様みたいな雰囲気が遺憾なく発揮されて、時折通り過ぎる子供達は振り返って彼女を見ている。

そんなハクビシンみたいな少女の横で、彼女のテンションによって強制的に両手を振らされる少女が一人。

「黒音か…?」

黒い音で”くね”。もちろん、今にして思えばあまりにも時代を先取り過ぎた名前だが、村では一応、魔除けの鐘とか不吉を払うネコの声とかそういう意味あい。

陽平や菊乃からみて2歳年下。基本おとなしく、眼を伏せがちで、ほとんど人に口を開かない。
動きはトロいのに、置いていかれるのがいやなのか、いつも無理してみんなの後を追いかけていた、そんな少女。

誰からも守られるべき、当然陽平から見ても妹みたいな存在だったのだが……



「ひ…日傘にしては奇抜なカサだな」

5年ぶりに会う少女は、飲み込まれそうな黒髪に、朱子織の光沢とレースの網目が複雑に入り混じった中世の貴族みたいな格好をして、外敵に備えるようにフルフル震えている。

陽平は考える。このファッションはなんというか、基本的にこの社会から一線退くことを決めた人々が好んでまとう類のやつでつまりは……ゴスロリ。

「ほれほれ黒音ー、なにをモゾモゾやっとりゃーすの。教えた通りにしやーよー」
「きゃぅ…!!」

白と黒のカサが宙を舞い、陽平の胸の中に甘いにおいの人形がもたれかかる。

白子に押出された黒音は始め、粗相をした犬のように許しを乞い、次いでなんだか開き直ったように強い意志で陽平を眼の奥を覗き見る。背中に巻きついた腕の力は、徐々に徐々に強く強く

「く…黒音?」
「お兄ちゃん………ずっと、ずっと会いたかった…です」
「お…ご…、あ?そ…そう?」

当然悪い気はすまい。昔はよく昼寝から目を覚ますと、丁度今みたいな密着度で幼い彼女がくっついていたものだった。”お兄ちゃんと結婚する”が口癖で、困った困ったとうれしそうに話す彼女の母親の姿が、やけに印象に残っているのだが……



陽平は胸の内側がむず痒くなった。

今この場に彼女がいるということは、自分への思いが変わらず継続しているということなのだ。
深く考えると、途端に両手を置く場所に困って、仕方なく少女の背中に回してみたら、それこそ小型犬のように予想より小さく、ぬくい。

「お…大きくなったな黒音は」
「…うん、なったよ」
「住んでるとこはどうだ?楽しいか?」
「…うん、ううん、あんまり」
「学校いってるか?」
「…うん」

少女は返事をするのをタテマエに、さりげなく陽平を抱きしめる力を強める。陽平としてみても対応に困って、助けを求めるように他2人を見やるのだが、そっちはそっちで遊んでいる。



「白子ー、お前全然育ってねーな」
「んあ?誰だおめーさん」

近寄ってきた菊乃を、白子はあからさまに不信の眼で迎え撃つ。菊乃を中心点にウロウロウロウロ、アウトボクサー並みのフットワークで下からガンをタレ、どこかで見たことある絵面だと思ったら、テレビでよく見るメス猿の頂上決戦にそっくりである。

並んでみれば、2人の身長差はパッと見1.5倍くらいありそうに思えた。それはつまり大人と子供。一応同い年なのだが。

「……」
「し…白子?なんだよ……」

不意に白子、何を思ったのか、忍者みたいに指を組むと、おもむろに菊乃の尻につきたてる。狙われたのはつまり菊乃の菊門。

「ひゅ…ぁ!!!…ば、なにすんだバカこいつ…!!」
「…!!オメー菊乃かっ!!?」
「か…かぐなコラ!かがんと分からんのかもぉお!!」

なおも続く2人のじゃれあい、白子はあれよと、抑えにかかる菊乃の攻撃をかわすと、反対にその背中をよじ登って張りついてしまった。

その位置からは、肉のふくらみが揉み放題である。

「ちょっとみぃひんウチに、よーけ実ってもーたがねおみゃーさんはー」
「ぁ…こ、こら…ぃ…しらこ…いい加減に……ぁ」



陽平としては、そんな光景をけしからんと思いつつもついつい魅入ってしまう。腕の中に、黒髪の少女を抱きかかえていたのも忘れて力が入る。

「……ぁぅ」
「…あ、わ、わるい黒音…痛かったか」
「…ん、ゼンゼン。」

黒音は拒むどころか、汗ばんだおでこを押付けるように胸の中でグリグリ動く。時々なにか、ものすごく伝えたいことがありそうな顔をするのだが言葉がでず、無言で抱きつく力を強めるばかり。細い腕だが、以外に強い。

待ち合わせ場所に、ちょっとばかし人通りが少ないところを選んだのは正解という他はない。こんなところを知り合いに見られたら終わる。音もなく終わる。この地方に移り住んだのは白子だけではないはずだった。

陽平は心を鬼にして

「も…もうちょこっとだけ離れような?黒音…」
「え…?」
「ほらさ、一応人の目もあるしな…」
「うん…」

あからさまに不満そうな顔。

近くの学校が終わったのか、寄り道目的の学生達の集団がちらほら見えだす。これでいい、これでよかったのだ。

「お兄ちゃん…」
「ん?」
「手…繋いでてもいい?」
「まあ、それぐらいなら…」

少女はすぐに笑顔になり、何を思ったのかそのまま陽平の手の甲にほほをすりつける。

ムゲにはできまい、できないのだが、学生どもの視線が痛い。


「ひーちゃんゴム買ってこみゃ―!!1人2箱くらいかやー?」


暴君が止めを刺して。

その言葉で白子以外の全員が凍りついたところ、最後の一人が車に乗って突っこんできた。




「うっす」
「夜海…か?」

夜海。夜の海とかいて”よみ”。

その名前、もちろんふざけているわけでもたわけているわけでもなく、元々彼女の祖先は村の外からやってきたとかなんとかで、海という字は外界を意味しつつも彼女の家の女性に大体着くとか着かないとか。


陽平は記憶の中の彼女を思いだす。
身体が弱く、いつも家にこもって本ばかり開いていた少女。

詩が好きで、特に戦前戦後に詠まれたものはほとんど暗記していたように思う。外に連れだすと大概はフラリといなくなって、木の陰なんかで一人遊びに興じていた。

その内容は、既存の詩と詩を組み合わせるて音にのせる、即興の歌遊び。

まさか本人、全部聞かれているとは思っていなかったのだろうが、つなぎ合わせが上手くいった時などは、ずいぶん楽しそうに同じ部分を繰返していたのを覚えている。

いくら陽平に音楽の素養がなくとも、彼女の才能を理解するくらいの最低限の力はあった。”天才”。子供ながらにそう思った。

夕日に映える黒髪は、黒音とは対極の意味で、彼岸の神秘さをまとっていたものなのだが……



「やっちまったなコイツ…」

菊乃のあきれ声。

5年ぶりに見る神童は、日陰にいるのにまっキンキン。毛の生え際あたりは土みたいな色になっていて、日頃ぞんざいに手入れされているのは、ぶつ切りになった枝毛で分かる。

それでロックミュージシャンでも目指してくれていたらまだ納得いくのだが

風体が上下ジャージにサンダル。それも搭乗しているのがつやっつやの軽自動車で、その装備たるやぬいぐるみ、ハイビスカス、遮光シール、切り詰めたマフラー、置物と化したナンバープレートetc…

状況証拠だけだが、これだけそろえば言い逃れはできまい。田舎のヤンキーである。



「ていうか夜海、お前免許もってんのか…?」
「ん」

そういってゴソゴソ、助手席のダッシュボードをまさぐる間も尻からぱんつが丸見え。窓越しに渡された免許証には誰だか分からないオッサンが映っていて、ああちょっと太ったねーとかそんなレベルで到底ない。

そもそも陽平の記憶が確かなら、彼女はこの国の法律ではまだ免許がとれないのだ。持ってるはずがないのだ。

「誰これ」
「この車もってた人」
「お前の免許は?」
「それ」
「なんでこれを夜海が持ってる」
「くれた」
「あーもう!!!ウソつけ!!」

悪びれる素振りもなく飄々として、憎たらしいのだがよく見るとちゃんとかわいい。釣りあがった反抗的な眼は、人工的な金髪に似合ってる気がしないでもない。
陽平は振上げたこぶしを仕方なくぬいぐるみにぶつけ、せめてもと車の入手ルートだけは問いただす。

夜海の歳は1つ下。つまりは黒音同様妹みたいなものなのだから、その不良化を黙って容認するようなマネはできない。ましてや犯罪に関わっているなんてことになったら彼女のご両親に申し訳ない。

「ちゃんと話すんだ夜海。お父さんは許さんぞ」
「……」
「夜海、まずは降りてきなさい」

なんとかやり過ごそうと、車内で無視を決め込んでいた少女も、陽平が本気であるとわかるとしぶしぶと車を降り、質問に答え始める。もれでた言葉には、なつかしき村のなまりがはっついていた。

「キンタマ蹴ると3万くれるオッサンがいるんじゃ」
「…んぐ、まあいい続きを聞こう、そんで?」
「100回蹴ったらくれたんじゃ」
「お前それ……ホントだろうな…」
「ホントじゃ!…………わし、陽君にウソついたことなんかない」

不覚だが、そんなことを真顔でいわれてはそれ以上追求できない。ちょっと泣きそうな辺りがあざとい。

「じゃあそういうことにしといてやる。とりあえずこの車は……」
「ひーちゃんひーちゃん、どーせならコレにのってこみゃー」
「白子……」

横からでてきていうが早いか、当たり前のように助手席を占領する白子。確かに、一番楽な移動手段ではあった。あったのだが

「賛成、でかした夜海」
「おい菊乃、示しがつかねーだろ示しが」
「なーにを偉そうに。オメー、これから淫行すんだろ?どのツラさげて説教すんだよ性犯罪者」
「ば…ばっきゃろうお前…!!オレはそんな不純な気持ちでお前らを…お前らを…」

そんな陽平の前を抜けて、黒音までが顔を真っ赤にしながら後部座席に座り込む。最後に残ったのは、結局夜海。

「陽君なんて嫌いじゃ」
「オレはお前のためを思ってだな…」
「わかっとる、今の嘘じゃ」
「ふう…しゃーない。まあ、今度一緒に返しに行くか、さあ乗れ、乗ってしまえ」
「うん」

へへへ、と笑うその顔に、こいつ白子に似てきたな、と陽平は思った。何をしでかしてもその愛らしさで全部リセット。タチが悪いのは、自分で自分の可愛さを理解していることだ。

ここは気を改めて、オレがしっかりしなくてはなるまいなどと考える陽平ではあったのだが……



実際問題、菊乃のいう通り。

これから幼馴染の4人を抱こうという男に、道徳や社会通念を語る資格などないのである。
どこにもないのである。



そのまま水の底に沈んだ故郷の村にでも足を伸ばせばセンチメンタルにもなれただろうが、あいにくとやるべきことは無言の車内が告げていた。


セックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックス


全員、頭の中はそればっかりだろう。だから誰も目を合わせない。合わせようとしない。合わせた瞬間頭の中を覗かれそうで、覗けてしまいそうで落ち着かない。産毛も逆立つ緊張感。
傍若無人な白子でさえ妙にソワソワして、時折変に話題を切りだすのだがことごとく空回りする。

会話を続けていると、いつ誰が”本題”に触れるか分からないから、皆おっかなくて仕方ないのだ。

事前に話は通っている。女子達の間では綿密なミーティングが催された。陽平は白子にその結果を聞いた。だから集まった。ということはこれからするのだ。全部するのだ。全員でするのだ。一週間するのだ。

この日のために

陽平は半月に渡る禁欲生活を送っていた。すましたツラして運転しているが、ぐつぐつぐつぐつ煮えたぎっていた。黒音を抱きしめたあたりから何もかもがやばかった。もう、限界なのである。



着いた先は白子の家。大きなマンションで、両親が旅行中で一週間空けるという、これ以上ない好条件。

白子がパネルを操作してシャッターを開け、車を地下駐車場の指定された場所に止める。そこからエレベーターで一直線。1フロア全部白子の家だから、降りたらすぐ。

「しろねーちゃんち、すげー」
やけに響く一行の足音を、拍子抜けするような夜海の声が割った。

「白子の家はじーちゃんもばーちゃんも金持ってるからな……」
陽平がその場の全員が知っている事実を口にする。エレベーターがいっこうに下りてこないからだ。イライラする。

妙な間。

全員、駐車場の隅っこの方にねずみでもいないかと探している。視線で、隅っこの暗がりを追いやろうと試みているように見える。
ようやく下りてきた役立たずの箱、その口に足をつっこもう、まさにその時

「なあ…陽平?」
「ん?」
「持ってんのか?…あれ」
「ん?ん?」
「………ゴム」

陽平は白子を見る。白子は指を刺す。指の先には外への扉がある。
黒音は他人のフリ、夜海はピンときてないのだろう。彼女の場合、ゲンブツは想像できているがそれの持つ重みというか、責任みたいなもんが多分分かってないと思われる。

「じゃ…頼んだ」
菊乃の手が肩を押す。


陽平は走った。


かつてこれほどまでに己の限界を追及したかというくらい走った。

だからまあ油断していたのだろう、息を整える必要もあって、白子の家の玄関のドアが開いたとき、陽平は下を向いて目をつぶっていた。



「だーれだ」
「菊乃…?」

すべすべする布に両目を覆われても、部屋の中が暗いことはわかった。分厚い玄関の扉が閉まる音がする。カギをかける音の方がはるかに響く。

「暴れんなよー陽平、この布とったら絶交な」
「なにを…ごが」

いいかけて舌がもつれた。あっという間にシャツを脱がされ、その背中にひんやりとした極上の肉の塊が押し当てられたからだ。

「動くなよ…マジだぞ」
「なにがマジだ…」
「見たら殺す、触っても殺す、勝手に動いたら今すぐ服着てここでてく」

肉の塊が、徐々になまぬるくなってゆく。全力疾走した直後の陽平の背中は、脂を引いたばかりのホットプレートみたいになって、これがまたはかったように肉の弾力を凶悪化せしめている。

ちんこが

発射前のミサイルみたいに張り切っているのが分かる。急激な運動のせいか心臓が踊りくるって、結果が全部下半身に溜まっていく。

押さえつけようとする誰がしかの手の平が、故意にせよそうでないにせよ、その近辺に触れるということがどれほど殺人的な悦楽をもたらすか。

「おい菊乃…菊乃!!」
陽平は自分でもビックリするような声で怒鳴っていた。ベルトにかかった手が止まる。

「あー違う違う、ゴメン。でもな、心の準備くらいさせろよ、オレだって…」

オレだって恥ずかしいんだ、そういおうと思った矢先、しゃっくりみたいに言葉を飲み込まざるを得なかったのは、やけに汗ばんだ肉のスキマに右手を挟まれたからだ。

「………っ」
「菊乃?」
「お前より絶対コッチの方が恥ずかしい。…………いいから動くなバカ、噛むぞ」
「はい、動きませんごめんなさい」

ふざけているのではなく、本当に恥ずかしいからこんなややこしいことになっているのである。

興味本位の遊び半分で、一方的に人の人権を踏みにじるつもりであるのなら一言物申さねばならない、そう思っていたのだが、そうでないことが確認できて、陽平は好きなようにさせる気持ちを固めた。

いわばこれは人質交換にも似たギリギリの交渉、綱の上の緊張感。譲るか譲られるか、相手が誠意を見せたのであれば、それに応えるのは陽平の番なのだ。



それでもさすがに、性器が空気に触れるときは身体が硬直せざるを得なかった。確実に見たこともない量の先行汁が噴出しているはずで、おそらくそのトランクスのずりさげ作業に従事しているのが

「黒音か…?」
「うん」

甘いにおいが鼻の奥によみがえる。ふとももを伝っていく小さな指。

目隠しのせいで、嫌でも想像力が豊かになって、少女の裸がまぶたの裏にチリチリと炙りでる。ひざを着いてズボンを脱がせ、突出した性器に目を奪われるその様、あられもない少女のまたぐら。

情報源は当然、公園で彼女を抱きしめたときの感触。

「黒音も…脱いでるのか…?」
「ん…そうだよ」

ツヤツヤした肉に、手の甲が触れる。どうやら少女のほっぺたらしかった。

「ん……お兄…ちゃん」
「こらこら黒音、後にしろよ」
「うん」

それから生まれたままの姿にされた陽平は、導かれるままにバスルームに運ばれた。

陽平がそれとしったのは、シャワーの音と湯気の熱気、それに脳みそにぶちまけられたように充満するボディソープのにおいからだ。



「一名様ごあんなーいっ!!」
「ごあんなーい」

先の2人とはうってかわって、行儀の悪そうな声が前と後ろに響く。足払いでコカされたと思えば頭から熱湯。尻の下のマットには空気が詰まっていて、明らかに業務用と思わしき感触がするのだが確認することは許可されていない。

「陽君、あたま洗うからのー」

夜海の声と共に、以外にも丁寧な頭皮のマッサージが始まる。同時に顔面に石鹸を塗りつける手の平は、手加減のなさからいって白子のものだろう。終始笑い声だけが耳の中で反響する。

「いつぶりかねー、ひーちゃんとお風呂はいるん」
「バ…バカタレ…!そんな急に…!!!!!」

アグラをかいていた陽平のヒザに、遠慮もへったくれもない尻がのっかる。そのまま密着する育ってない胸板。全部が全部、陶器みたいにツヤツヤする。

自然性器は、上下する少女の体と泡の内側で、逃げ場もなく暗がりに覆われる。

「逃げんでもえーじゃにゃーの、ぬははは」
「お前白子…!分かっててやってんな…限界なんだよこっちは!!」

身をよじらなければ達していたに違いないが、よじったさきにも柔らかい塊がある、埋もれるように鼻面をつっこんだ肉の膜の向こうで、くぐもったような声が聞こえる。

「よ…陽君はいっつも大胆じゃ…」
「夜海…これ、夜海か……」

幾重にもこすれあう肉の紐。

鼻の穴の前にあるのは、はたして乙女の肌のどこの部分か。鼻先にサラサラとした体毛の集まりがあるから、とすれば下唇に触れるか触れないかの所にあるのは少女のくちびる……


びゅぐ、びゅびゅぐ。……びゅぷ、びゅ、…びゅっ、……びゅっぅ、びゅる


最後に、強烈な悪意を持った白子の手の平が陽平の性器を握って、カタパルトみたいになった尿道から、だしたこともない回数に渡って精液がほとばしった。

悲鳴ともなんともつかぬ嬌声。

なさけなくもあり心地よくもあり、白子は、彼女にしては珍しいいたわりでもって、脈動する性器を静かにこする。




「んっ…、んっ!んん、ふ…ん…っぁ、っぁっふ…、ん、んぅ!!ぅ」

黒音の舌が、わずかなだ液も吸いつくさんと口内を這っていく。

場所は白子の部屋。そこかしこから彼女の体臭が湧きでる布団の上で、5人は羞恥の全てをかなぐり捨てて絡み合っていた。

目隠しは既にない。陽平は仰向けからわずかに身体を傾けた形。上半身を黒音と白子が交互に求め、既に回復した性器には夜海のくちびるがまとわりついていた。


「ん…んふっ。…んぷ、ホレ、きくねえの番じゃ」

よだれと精液の、分別のつかない混交液が、ねっとりとした重みをもって夜海のくちびるからこぼれでる。

「番とかそんなんじゃ…ないだろ。もー…」
催促する妹分の頭を撫でながら、菊乃はわずかにため息を吐く。

「わしのつば、ばっちいかの?」
「違う違う、ばっちいのは陽平のちんちん」

「オイコラ、聞き捨てならんこというな」

2人の女子の身体の下で、陽平が呻く。白子の乳首を口に含みながらしゃべるので、シンナーでも吸っているように呂律が回らない。

顔中黒音と白子のだ液まみれ。2人の髪の毛に絡まりついた体臭で、脳みそも回らない。

「見るなバカ陽平、また目隠しするぞ……」

そういって、一息に性器を飲み込む菊乃の口腔は、海中に没した遠慮がちなタコツボみたいに、肉の裏側までをも縦横に責めたてる。

射精後間もなく、じんじんと疼痛も残る中、彼女の粘膜が触れたところだけ、わずかに痛みが引いていく。

「こ…こんは…はんひ?…むぐ」

舌が長い。

そんな一瞬の陶酔を読みとったかのように、菊乃は首の動きを止め、亀頭部分にだけねちっこい舌の愛撫をまとわせる。上目遣いで、人の弱点を観察するようなその目を、陽平は見返すことができなかった。



「陽君こういうのどうじゃき」

おもむろに夜海が、菊乃の口からはみでた性器の茎部分を左手でしごきだす。器用とはいえないその上下運動に、菊乃がこぼした透明な汁が巻き込まれる。

ねっとりと丁寧な舌、大雑把な手の平。バランスの悪い2種類の刺激で、陽平は不意をつかれたように簡単に達してしまった。

「んぶ……んっ」
「ごめん菊乃…」
「ふ…ぇ。まっず……思わず飲んじまった」

謝ってはみたものの、陽平の心の中では意味の分からない達成感が渦巻いていた。多分、一番かないそうにない行為が、どしょっぱなからかなったからだ。

菊乃は唾をティッシュに包んでその辺に捨てる。思わず顔がにやけてしまった。

「なに笑ってんだよ…」
「いいえなんでも」
「陽平、キスしてやろうか?やったことねーよなオレら」
「ほほう、望むところだ、オレが自分の汁ごときでひるむと思ってんのか?」
「うぐ、この変態……ごめんやっぱウソ」

なんてことが通じるはずもなく。きゃーきゃー逃げる菊乃を、白子と夜海が絶妙のコンビネーションで押さえ込み、陽平は生まれてからこのかた、溜りに溜まった思いの一切をぶつけるようなキスで菊乃を襲う。

観念したのか、というよりも初めから拒む気などなかったのか、直ぐに少女はおとなしくなって、応じるように舌を交わす。幼馴染の甘い声をすぐそばで聞くうち、性器の方もあっという間に充填された。




「…あっ、…お兄……ちゃん」

挿入自体は特に問題なく進んだ。身を任せるようにして力を抜く黒音に、なぜか寄りそうようにくっつく夜海、黒音に身体をあわせつつも、空いた手で夜海の尻を撫でる。

「ぁ…っ!!ひぐ…、ぅぁ!!っぁん!!おにい…ちゃん…!!痛っ…ぁ、ふぁああ!!!」
「大丈夫か?」
「ぃぁ…痛く…ない」
「こんなとこで強がってどうする…」

汗ばんだ額に張りつく前髪を、指先でどけてやる。その横で、やけにお姉さん風をふかす夜海。

「がんばるんじゃ黒音、もうちょっとじゃ」
「…ぁ、っぅぅ、っんぁ!!ぁ…ぁ!!ふぁ!!!夜海…ちゃん…やぁ……!!」
「こらこら、邪魔すんな」

黒音からこぼれでる涙と、透明なだ液を、舌先で掬いとっていく夜海。不器用ながらも、精一杯のいたわりを込めて黒音の胸を愛撫する手の動きが、なんだかやたらとなまめかしい。

陽平の中にもイタズラ心がくすぶってくる。夜海の尻を撫でていた右手で、そのまま膣の入口に触れると、素っ頓狂な声が返ってきた。

「ひゃぅ!…だ、だめじゃ陽君…今は黒音が…」

いいながらも、少女の尻は逃げるようなマネはしない。じたばたしながら腰を揺すって、少しだけ肉のついた横腹に、くぼみができる。

「運動してねーなお前は…」
「いやじゃ…陽君のスケベ」

そういう夜海は、明らかに自分の意思で己の果肉を陽平の指にすりつける。その点について言葉でネチネチいじめていたら、黒音の様子まで変わってきた。

「どうした黒音?」
「……ぁ、…ん。……っ」
「夜海みたいにして欲しいのか?」
「…っ、……うん」

耳元でささやくと、わずかに黒音の膣が収縮する。ひくり、ひくり、と。本当にわずかな変化。

陽平は繋がったままゆっくりと体位を変え、後ろからかぶさるように少女を抱く。尻を上げさせ、動けるなら自分で動くようにいうと、少女はためらいながらもそれに従う。

「もう痛くないか…?」
「…ふぁ…!ぅぅ…っ、違うの…」
「違う?」
「痛いけど……嫌な痛さじゃないの…ぁっ!!…は…っぅぅ」

性器を打ちつけるというよりは、内側でこすり合わせるように腰を動かす。少女の膣は浅い。指腹で広げるように、肉物を左右へ。

「からだの…なか…ぁぅ…つねられてるみたいに……は、ぁ…お、おにい…ちゃんの…」
「オレの何?」
「…ぁ、…ぇ?…あぅ」
「オレの何が黒音のどこにはいってるの?」

あまりにも調子に乗った陽平の後頭部を、菊乃が思いっきりはたいたが、そんなものは無視である。言うのか言わないのか、白子も夜海も固唾を呑んで黒音を見つめる。

「おにい……ちゃんの…はぅ。…お……おちん○ん。黒音の…」
「黒音の?」
「や…ぁ!?…ヤダ…お兄ちゃん…そこ…ぁ…そこ…ヤなの……!ゃ…ぁっ!!」

陽平の指が、包皮の入口ゆっくりと周回する。触れるか触れないか、触れるフリして触れないくらいの刺激を、雛尖自信が認識するようゆっくり揺らす。

「ぁ…ダメ!!…離して…ぁ、ぁぐ…んんん!!!」

少女の突っ張った両足が、白いシーツをめちゃくちゃにしていく。陽平は肉物による刺激を極々最小限にとどめ、後はほとんど、指による愛撫で少女をいたぶる。薄い肉越しに、とがった神経を優しく撫でるように。

「ヤダ…!!やだよ…!!おにぃ…ちゃん…!ぁ!ふぁぁ!!!」

少女のふとももが不規則に脈打つ。ぎゅうぎゅうと、絞り込むような膣の蠕動。紅潮するほほ。最後にビクリと、腰がはねた。

「んぁ……ぁ…ぁぇ?ぁ…ぁぁ……」

マットレスの中に、潜り込むように己を支える黒音は、自分の身体が達したことに信じられないような面持ちだった。

「…ぁふ…、おにい…ちゃん…。ふぁ…」

肩越しに少女のくちびるを求める。黒音はほとんど脱力して、彼女の舌はされるがままだった。



「よ、陽君は鬼畜じゃ…」
「ようやく気づいたか?次のイケニエはお前じゃ」

そういって間髪おかず夜海を組み敷いた陽平ではあったものの、残念ながら彼女の痛がり方は尋常でなく、歯医者の子供みたいなもんで、終いには泣きだして、結局、肘鉄を食らった陽平がギブアップし、両者消化不良のまま中断せざるを得なくなった。




「ふむ……ん、…んく。…ん、んっふ…ぁ……ふも、…ん。…ほんはんどーお?ひーひゃん」

白子の小さな舌が、尿道の入口を割ってはいる。弱みを見せればつけいられる、分かっていてもあまりの刺激に、陽平は腰を引かざるを得なかった。

右手の中には、菊乃の質量あるおっぱい。念入りに揉みしだいていたら、こちらの方も弱点をかばうように腰をよじりだした。

どこで覚えたのか、白子は舌の表面のザラザラしたところを尿道口に覆い被せ、空気を押出すように肉を揺する。彼女が舌を離すと、導かれたように先端から雫が溢れる。

「ん、んぷ。…ふひひひ」

白子は意地悪く笑うと、くちびるだけで、回転するような圧力を亀頭に加える。それでもう達してしまった。

「んく、ひーちゃんペースはやすぎやせん?」
「ふー、ふー、ぐー、全然余裕…」

精の汁が、少女の顔に満遍なくふりかかる。ひるむこともなく、臆することもなく。

「菊乃ー、舐めてちょー」
「…うん」

菊乃ももう頭が茹っているのか、通常だったらとんでもないとつっぱねるだろう要求に、たいして嫌がる素振りも見せずに従う。

淫靡な舌による後始末。陽平は、すぐさま充填された肉物に避妊具を装着すると、尻を向ける幼馴染にあてがった。

「いれるぞ菊乃…」
「ん、…いいよ」

ゆっくりゆっくり、慎重に最深部へ。菊乃は白子にしがみつくように支えを得、白子はそれに応じる。

ちゃぷちゃぷと、当事者にしか聞こえない粘膜の音。菊乃の膣は、根元の当たりを丁度締め付けるような壷状になっていて、身震いするほどの密着感を陽平に与えた。

「ご…ゴメン菊乃、無理」
「え?…あ、…なんだよもう」

腰が砕けるように菊乃の背中にもたれかかる。みこすり半とはこのことだった。
サックを被せたまま、言い訳がましく菊乃の尻で己を高める。そんな無礼な振る舞いでも、もはや菊乃は咎めたりはしない。

そのままリロードした肉物の茎で、陰唇をこする。ちぐちぐと、精液の詰まった突起部分で、膣口周辺を周回する。

「ばか…新しいのにしろよ」
「ださないから…入口の感触だけこう…」
「ばか…ぁ、…っ」

されるがままの菊乃の性器を堪能してから、白子の口内で肉物を洗う。その後避妊具を付替えて二回戦に臨み、両人そこそこの満足感を得てから停戦した。



夜海と黒音は抱き合いながらすやすやと寝息をたてている。菊乃は股が痛いといって風呂場に洗いにいった。

陽平はじゃれあうように白子の舌を吸っていた。

「ひーちゃん、結婚しよみゃーよ」
「ああ…もうちょっとまってくれな」
「どんくらい?」
「白子のじーちゃんにさ、胸張って報告できるくらい稼げるようになったら…」

元々、あのまま村に住んでいたら白子と結婚することは決まっていた話なのだ。ただ、本妻というのはこの国に対するタテマエみたいなもんで、あの村では乱婚が基本だった。

同世代は男も女も入り混じって、誰が誰の子供を産もうとも自分の子供とみなす。陽平の代はたまたま男が一人しかいないから、それがハーレムみたいになったのだ。

そういう村に生まれたから、菊乃も自分の立ち位置を受け入れていて、むしろめんどくさい役割は全部白子が請け負うのだから楽だとまでいっていた。

問題はただ、陽平の経済力。

「ウチとひっつけば、じーちゃんの会社に役員待遇いうとるがね」
「ええいプライドの問題だ!これ以上周りに甘えられるか!!」

本当は、4人を抱くのは全部終わってからだと陽平は断言していたのだ。
が、それを前借りするみたいな形で現在に至り、正直陽平は揺れに揺れていた。

「はよひーちゃんの子供欲しいわー」

どさくさに紛れて、無防備なままの肉物を己にあてがう白子を制し、キッチリと避妊具のフチを転がしていく。
背後からは、やれひーちゃんの意気地なし、やれひーちゃんの甲斐性なしといいたい放題。

その口を乱暴に塞ぎ、強引に柔肉を引っ掻き回しても、白子は終始幸福を前面にだし、痛いなんて一言も発しなかった。

大昔から分かってはいたのだが、この娘にはかなわないのである。



……。

その直後、陽平は白子の祖父に電話をした。なぜだが陽平を含む5人全員の両親が、その結末に既に了承する旨を明らかにしていて、それが初めから用意されていたものだと今更知った。

村の歴史はこの5人で最後となる、だからお前達の好きなようにしなさい。

そんなことをいわれて、しんみりしながら白子を見たら、鼻歌交じりに尻を向けて挑発したので、飛び上がって襲い掛かった。


それから


全員をそろえてお前達はオレのもんだ宣言をすると、キャーキャーという歓声が割れんばかりに上がり、白子の家に婿入りすることを継げると、笑い混じりのヘタレコールが巻き起こった。

結局この日陽平が学んだのは、己のできの悪さと、それを補ってくれる周囲の存在、水の底の思い出の、その結束力の強さである。

あの村はこの世から消えたのではない。むしろ圧力の中で、今もなおその輝きを増しているのだ。

永遠に、永遠に。



おしまい。



〜蛇足、その後のエロに関して〜


「陽君陽君、またお願いしてもええかの?」
「んん…ああ、夜海か…」

5人が再開した日からおよそ3日目。

およそいわざるを得ないのも、昼も夜もカーテンを閉め切って、ひっきりになしにまぐわっているからで、時間の感覚が狂ってきているからだ。

陽平の腕の中では黒音が眠っている。その向こうに、菊乃と白子の、あられもない姿がある。

「ものすごくいやらしくなったな夜海」
「陽君のせいじゃき…」

皆を起こさぬよう夜海を連れ、トイレの中で舌を吸う。陽平のヒザ上に股間を擦りつける夜海は、ここに着た当時のジャージ姿だった。

「足あげて…」
「んっ……うん…」

ゴム止めのズボンを下におろすと、夜海はいわれたまま、便座カバーの上に左足を置く。陽平が、股間をさすりやすいようにするためだった。

白いふとももが、橙色の照明に照りかえる。

「まだ直接は痛いか…?」
「うん…」

ぱんつの生地の上から性器をさする。このやり方だと簡単に達することができて、今回初めてそれを経験した彼女は、何度も何度も”おねがい”しにくるのだ。



ちゅぶ…ちぐ。…ちゅぶ、ちゅ。
「ふぁ…!…ぁ、んん!!…陽君…よう…くん…!!」
っきゅぷ…ちぐ
「ぁっぁぅぅ!!……やじゃ…ぃ…ゃ…」
つぷん。…ちゅぶ…ちく

陽平はわずかに布をずらし、直接”そこ”に触れてみる。夜海は驚いて腰を引いたが、思いとどまったように受け入れる。初日よりは、やはり確実に慣れてきていた。

「入れていいか夜海?」
「…うん、ぁ…っ」
ちゅぷ…ちゅぷ……つぷ。

くったりと、体重のほとんどを陽平に預ける夜海。そのくちびるに、自身の性器から漏れでた愛液を塗ってやると、いたぶられることを喜ぶように舌を伸ばして舐めとっていく。

そうすれば気持ちええんかの?その目はそうやって、教えを請うように問うている。

ちゅくぷ。
「ひゃっ!…ぁっ!!!」

便器の上に手をつかせ、尻を高めに上げさせる。
加減するだけの理性はなかった。夜海の痴態は、寝起きの陽平が耐えられるような、生易しいものではなかったからだ。

濡れそぼったぱんつをずらし、一息に肉物を押しこむ。

きゅぶ…ぢゅぶ…っちゅぶ、ちゅぼ。っ…ぷ。
ちゅぱんちゅぱんちゅぱんつぱん…
「あっ!ぅぅう、よ…ようくんっ!!ったい…痛い…!!」
ぬぱんぬぱんぬぱんぬぽっぅ。…ぶぷ。
びゅぶ。ぶ、ぶぷ。…ぬぽん

っびゅぐ。

ぶぷっ。

ぶ。

陽平は膣道に射精し、思わず抜いて、2射3射を少女の尻にぶちまける。少し冷静になって、別に避妊しなくてもよくなったことを思いだし、同時に少女の膣を痛めつけたことを猛烈に後悔する。

「うおお…オレはどこまでダメなヤツだ…ごめんな夜海」
「ええんじゃ、わしから頼んだんじゃき……なあ陽君?」
「ん?」
「陽君気持ちよさそうじゃの。わしのおめこはそがいに気持ちええんかの?」
「こら、はしたないことを口にするな」
「わしもはよ、陽君のちん○んでイきたいんじゃ」

少女は何を思ったのか、便座カバーの上にヒザでよじ登ると、尻だけを突きだすように陽平に向ける。丁度射精したばかりの生暖かい液が、とろとろと膣口から垂れるところだった。

「一回でええんかの?陽君」

陽平は特に迷うこともなく肉物を押し込み、何度も何度も射精する。少女はあっけらかんとそれらを受け止め、次はがんばるき!と、気合を入れた。



目が覚めると菊乃の姿が見えなかった。

他3人は寝室でダウン、今日が何日目で、白子の両親がいつ帰ってくるかも分からない。
陽平はトランクス一枚の姿。小腹が空いたのでパンをかじり、コーヒーを沸かして一人で飲む。

戯れに誰かの寝起きを襲おうかと思ったら、玄関のドアが開く音がした。

「おう菊乃、走ってたのか?」
「ん?ああ、さすがになまるだろ、こんな生活してたら」

彼女の着ているトレーナーは、買出しの時に買ってきたものだろう、まだ真新しい。それを脱ぐと、ぐっしょりと濡れたTシャツが肌に張りついていた。

「……なに見てんだよ」
「……汗か、そうか汗か」

菊乃はしまったとばかりに、あわててバスルームに駆け込もうとする。しかし陽平、天狗の如く食卓を跳躍し、すんでのところで彼女の手首を押さえ込む。

「ば…ばか、離せよ!…あとでいくらでもしてやるから…!!」
「今がいい、今の菊乃がいい…だはははは」
「普通にしてくれよもう…!変なのはい・や・だ!!」
「うるせー!!!オレはお前の腋のにおいが好きなんだ!文句あるか!!」
「死ね!!ばか!!」

ごちゃり、と、ものすごく鋭利な角度で肘鉄を喰らい、陽平はゴミみたいに廊下の隅に弾け飛ぶ。親しき仲にも礼儀あり、2・3個飛んでいった記憶の代わり、陽平は人間関係におけるとっても大切な言葉を学んだ。

シャワーの音が聞こえる。

ああ全部水に流されてしまった。いつもの菊乃の身体に文句があるわけでは全然ないが、それに蜜を塗ることが許されないのはなぜだろうか。陽平が絶望のフチで憂いでいると

「生きてるか?」

菊乃が顔だけ通路に覗かせた。

「生きてはいる、だがそのことに意味はない。オレはこの先、汗だくのお前の身体を舐め回すことが決してできないのだからな」
「なにいってんだもう……ほら、こっちこい」
「……。」
「口でしてやるよ、ちったあ冷静になれ」
「ぱんつ」
「あん?」
「ぱんつくれ、今履いてるヤツ」

菊乃はまだ、服を脱いではいなかった。

しぶしぶながらに、という顔を前面に押しだして、少女は陽平を脱衣所に迎え入れる。湯気がもうもうと、バスルームから流れてくる。

陽平が手渡されたぱんつは、搾れるくらいに汗を吸っていた。



「変な声だしたりバカな顔したら、途中でやめるからな」
「生まれつきバカな顔な人はどうしたらいいですか?」
「やめた、ばからし」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!やらせてくれ菊乃!やらせろぉぉぉおおおおちくしょぉぉおぉおおおおおおおおおおお!!!」

結局仕方なしという体裁でもって、菊乃の口は陽平の肉物を包み込む。
脱衣所の隅っこに押し込められる形。陽平は床に尻をついてトランクスからちんこをだす、菊乃はシャツ一枚だった。



ちゅぶ…ぷこっ。ぢゅぷぶぷ…ぢゅぽ
「んっ…んふ。…ふ、んん……」
ちゅぶ、ちゅぼ。…きゅぶ。じゅる、じゅぶ。…。
「んは……、ん、…ぁ、ふ、…んん」
ぢゅぢゅぢぢゅぢゅ……ちゅぶん。

いやらしい音と、いやらしいにおい。

シャワーの音がヘッドホンの役割を果たすのか、彼女が自分のだ液をすする音は、いつもより大きかった。

陽平はもらったショーツの裏地のにおいをかぐ。平常の彼女からは想像もできないような凝り固まった体臭に、もともとおかしい頭がとりかえしのつかないことになる。倫理という字の書き順が、思いだせなくなる。

「菊乃菊乃、愛してるぞ」
「んん…!?んぷ…な、…なんだよ」
「だからおっぱい……その汗だくのおっぱいを使ってくれ…」
「ばっかじゃねーの、ばーかばーかばーか!!」
「菊乃好きだぁぁあああああああああああああ!!!!!!」
「うっさいばか!叫ぶな…!!!」



ぬにっ…ぬこ…きぅぅぅぅぅ。

菊乃はもう諦めたのか、バカな顔でバカなことをぬかす陽平の肉物を、シャツの内側で包み込む。

次々と足されるだ液。汗。体温。汗。

彼女はそのまま陽平の腰に手を回し、己の胸板で双房を潰しながら、ゴチゴチに硬直する肉物をすりあげていった……



びゅぐ、びゅぐ、ぶびゅびゅる、びゅく
「ん…ぁ、………ん……やだ…」
とぷん…とぷん、とぽん、ぬぽん。……ぬっぽぬっぽぬっぽ
びゅぐ、ぎゅぶ
ぴぐ…びゅる。
「まだ……だすのか…もう…」
ぬこぽん、ぬこぽん、ぬぽこん……っ
びゅる
「舐めるの…?さきっちょ?…ン」
ちる…ちぷ、ちぽ
びゅる、びゅる、びゅぐ
「ば…ばか…!!さわんな…後で…ちょ…ばか…!!」
ぬこん、ぬこん、ぬぷぷ。
ぴゅぐ
「ばか…ぁ…!…洗ってから…そんな…トコ。……やん!!」
びゅる、びゅる、びゅ




「やら…ぁ、ふぁ…しろ姉ちゃん……」
「くーね、舌がとまっとるが…」

やはり最も恐るべきは白子であった。

その発想の豊かさ、貪欲さ、どれだけ理解したと思っても、彼女の思考には必ずさらに奥がある。



陽平は後ろ手にベッドの足に縛りつけられ、素っ裸のままいまさらながらにそのことを痛感した。見せつけられるだけで、決して手をだすことができない淫らな情景。

「しろ…ふぁ…姉ちゃぁ…んっ!許し…ひぁ!許して…」

2人の少女が、ベッドの上で互いに互いの足の指をしゃぶりあっているのである。

可哀想なのは毒牙にかけられた黒音だろう、くすぐったすぎて、へろへろである。
白子は素っ裸、対して黒音は、白子がどっからかもってきた黒のセーラー服を着て、足はタイツで覆われている。黒いヤツ。



「ひーちゃん、黒音がもっといじめてほしいって」
「や…やぅ…、やらぁ…ゆるひて…ぇぅぅぅぅ」

白子は陽平の鼻先で、タイツ越しに爪の間まで黒音の足をねぶりまわし、だ液たっぷりのその親指を、陽平にウリウリとしゃぶらせる。

部屋は締め切っていて、水分はほとんど与えられていなかった。よって黒音には申し訳ないが、陽平も飛びつくように、だ液を吸ったタイツをすする。

「やぁぁぁ!!!おにいちゃ…んん!らめぇ…だめ…舐めないで…」

白子は満足げにニタリと笑い、あえぎじゃくる黒音をおかずに己の性器を指ですりあげる。

少女はそうして自身を慰めながら、両足をひし形に開いて、そのまま両つま先を口に含んでだ液をまぶす。こねこねと足裏の肉を揉みあげ、ねっとりと糸を引くその足で、陽平のほっぺたをペタペタと叩く。

「ひーちゃん、お○んこ欲しい?おしっこしたい?」

おしっことはこの場合、射精の隠語である。

ブンブンとうなずくしか脳のない陽平を見て、少女はまた笑う。その足はゆっくりと剛直へ向かって降り、その茎を指の先でなぞる。こねこねと、ぎこちなさゆえの強烈な快楽。

ギリギリを弄ぶような、そんな数分が過ぎ去り、陽平は白子の足の裏に、無様に射精した。



「はいチェーンジ!!」
「白子…頼む休憩」
「なにゆーてりゃーすの、ウチまだ一回しかいじめてもらっとらんが」
「お…ねぇ…ちゃん、私も…だめ…」

ちなみに3人がやっているのは白子発案女王様ゲーム。当たりを引いた誰か一人が、陽平が射精するまでドSになるという、極めて単純なゲームである。



「あっ…!ぅぁ!!ぅぅ、ひーちゃん!もっと…ぉ、もっと膣奥…!!!」
ちゅぶっちゅぶっっちゅぶっちゅぼっっ…ぷ。びゅっ、びゅる。
「あ…あ゛ぅ…ぅぅぅぁああ!!!射精てる!…ひーちゃん、お、膣奥に射精してる…ぅぁ」
ぶぽっぶぴゅ、ぶぷぷ…きゅぶ。っぷん
「あっ…あぅ゛…ぅぁあぁあ…」

後ろから何べんも突き上げ、射精するたび、膣の壁面で尿道をこすり上げる。狂ったように泣き叫ぶ白子は、自ら進んでおかしくなる術を心得ていた。

じゅぼっじゅぼっぢゅぶっぢゅぷ
ぶぱんぶぱんぶぽんぶぽっ、びゅぷぅ…っ

「ひーちゃんもっと…もっと…射精して…射精して…ぇ!!」

ぎゅうぎゅうとすぼまる膣口に亀頭だけを埋め込み、ただただ精子だけをバカみたいに送り込む。

びゅぐ、ぎゅぶ、ぶぶぷ
びゅっびゅる、ぎゅぷぶぷ。ぶぼ…

あらかた搾り出したところ、少女の尻が赤くなるまで腰を打ちつけ、だした汁を全部かきだす。膣口は豪雨の時の排水溝みたいに溢れかえって、ぶたぶたと塊になりながらシーツに落ちる。

「んぉ…!!ひぐ…や…やだ…ひーちゃん…ウチ…もう…」

ぶぱんぶぱんぶぱんぶぱん、びゅぽ。ぎゅっぷぎゅっぷぎゅっぽ…
びゅる、ぢぅゅぅぅぅぅぅぅ。ぶぷ
びゅる、びゅ。ぴゅっ。

手を離すと、白子はシーツの中に無抵抗で崩れ落ちた。腫れ上がった膣口から、彼女の呼吸にあわせて精液が噴きだす。その顔は虚ろで、目の焦点はこの世に定まっていなかった。



「んっ、んぁ!!…は、っはぐ。っぁっはぅぅ!!!や、おにぃ…ちゃん!!」
ぶっぽぶぼこっ、びゅぽ。…ぶっぶっちゅぶ…ちゅぼ
「すごいの…ぉ、イっちゃう…また…でちゃう…よ…ぁぁぁっぁ!!!」
ぷぽんぷぽんぷぽんぷぽん。っじゅっじゅっじゅぶ。びゅぐ、びゅぐ。

壁に手をついた黒音は、何度も何度も支える力を失って倒れそうになる。陽平はその細い腰だけをしっかりもち、無慈悲に無慈悲に、何度も何度もこすりあげる。

彼女がさっきから繰り返し達していることを、陽平はとっくに気づいていた。

びゅぽんびゅぽんびゅぽんびゅぽん、じゅぶ、じゅぼ、っじゅぽぉ。…くぽ
「ゃら…ぁ…!!!ゃ…らよ…も、もう…」
びゅっ、びゅぅ、びゅる…びゅぐ
「も…もう…ゃら…お腹……いっぱい……」
びゅっびゅっびゅぐ…

ついに少女は崩れ、その柔軟な身体を、床に突いた手で支える形になる。陽平は特に変わらず、獣のように腰を振る。溢れた蜜が、彼女の顔にかかっては涙と混じってた。

ぱんぱんぱんぷぱんぷぱんぷぱんっつぱん。
びゅぐ…びゅる、びゅ。びゅぅ

陽平が少女の膣から肉物を抜いたのは、逆さになった少女の顔にかけるためだった。汚されていく少女の顔。陽平は何度も、膣で己を高めては少女の顔に放っていった。



「あっ!…ああぅ!!!ふぁ…が…陽平…!!陽平……!!」
じゅぶっじゅぶ、じゅぶじゅぼっじゅ、じゅぽじゅぽっじゅぽじゅっぽ
「ぃっ…!ぁぁっ!!!ぅぅ、痛っ、いう…あっ、っは…やぅぅ!!!」
びゅ、びゅぎゅ、ぶぽ、ぶぷ…びゅる…びゅ

陽平が射精をした時だけ、菊乃は呼吸をすることが許された。
膣から溢れたあまりにも悪魔的な量の精液を、陽平は菊乃のぱんつであまさず拭うからだ。p
ぶぽんぶぽんぶぽんぶぽん…びゅっぴゅっぴゅぅ、ぎゅぶ
ぶぱんぶぱんぶぱんぶぱんぶぽ……ぶぅ…ぶる

そうして精液でべとべとになった彼女のぱんつは、再び閉じる力を失った口の中へと押し込まれる。ノドの奥や食道の粘膜には、とっくの昔に黄ばんだ精液が固まっていて、嫌なにおいを終始放っていた。

「ふぐ…陽へい…陽平…!!!うぐ…もっと、もっと…かきまわひて…膣内…全部…」
ぢゅプン………ぶびゅ、びゅぶ。…ぷぐ。ぼぷん
「あっ…あぐ…ひ……んんんんん!!!!!んぁ!!」
びゅるびゅる、びゅる。

地獄の犬みたいに腰を振っていた陽平は、不意に交尾を中断すると、見る間に少女の顔を精液で埋め立てていく。髪の毛にだけはかからないように配慮する陽平を見て、菊乃は逆に叱った。

やるんなら徹底的にやればか!!陽平は反省し、少女の尻の穴をまさぐり始める。

ぬちん。

菊乃としてはやぶさかではなかったが、さすがに全身でもって身震いした。



「陽君…んぁ!!ようく…んぁっぅ…!…ん…ぁぁっぁぅぅ!!!」
ぶぽんぶこんぶぽんぶぽん……っっ。くぶぽぽ…ぶぽ
「ゥぁぁぁっぁぅぅぅぅんんんん!!!!!陽君…!や…でる、でる…!!!」
びゅる、びゅ、びゅぽん、ぶっぷぷぷ。

尻の穴と膣の入口が精液の河で繋がって、陽平は自分が今までどっちの穴をほじくっていたか分からなくなった。見たところめくれかえって閉じようとしない尻の方だろう、奥まで丸見えだった。

「ようくんもっとォ…、もっと欲しい……ち○ぽぉ…」

ゆるゆると締まりだした尻の穴を、夜海の指が再び広げる。早くしなければ、今にも泣きだしてやるといった顔をしていた。

「ち○ぽして…ようくん…はよぅ……してくれんとわし……わし…」
むぽっ…ぶぶぷぷぷぶ。むぽん。
「おぁ……ぅぅぁぁぁ…もっと中…奥の方…ひっぱって…ぅぁぁあ」
むぽんぬぽんむぽんぬぽん…ぶっぶ、ぶぎゅ。きぅぅぅぅぅ。

ひざを抱えるくらいの四つん這いで、それでも少女は尻を振る。搾るように搾るように。肉物が抜けていく時につられる肉が神経をひっぱって、開発したばかりの性感をぎちぎちとひっかきまわす。

「あっあっ…ぅ…んあぁあ…もう…やじゃ…やじゃぁ…ぅぅぅ」
シャァァァッァァォオォォオァァァァ……。ちゅぷん。
「ようく…ん、ようくん…ぉぁ…陽君が…ようくんのおちん○んがおらんともう…死んでまう…」
びゅる…びゅる…ぎゅぶ…
びゅっぶ

びゅっ

びゅ。

ぴゅぅ



あんまり激しい行為は1ヶ月に1回と制限された。その日が近づくと全員でソワソワしだすのはいうまでもない。



トップへ  文字置き場へ