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・・・・・・。


畳が4枚と半分ある。その上に敷布団が2枚ある。
部屋の隅にはお盆と水さし。ポットもあって、お茶を飲みたければ急須もある。口がさびしければお茶菓子もある。

実際夏場にしては少し肌寒く、窓からは月明かりと共に冷たい風が入ってくるから、お茶の暖かさはありがたい。ノドを通る熱と共に、避暑地としての別荘の優秀さが身に染みる。

日和がふすまを閉めた。

虫達がやかましいほど鳴いているが、まったく耳に入らない。
目の前の4人の少女に見惚れるばかり。生唾を飲む音が、ヤケに大きく響いた。

全員白絹の長襦袢。この世ならざる美の妖精。対するオスは、タオル一枚。
準備は完璧に整っていた。後はもう、やることをやるだけ。
この期に及んで、じゃあこれから皆でマージャンやろうか、点3ねなどと、誰がいうか。

よそよそしい視線が絡みあう。絡んで混じってすれ違う。衣の擦れる音、わざとらしいセキ。
誰もが間合いを計っている。期待と不安と眠たい空気。ひのちゃん全部よろしくねーと、日和はなんかもう、全部投げたらしい。上等だ。

その隣には、キョドキョドと視線が安定しない殊勝なレナ。かつてこんな弱そうなレナがあっただろうか。新種だ。改めて学名をつけてもいいほど、新しくて小さくて繊細だ。そんな彼女が落ち葉の代わりに隠れたのは――

――結。彼女はもう、こっちが恥ずかしくなるくらい顔が赤い。
レナにくっつかれて、呼吸が2度3度と、おかしくなる。手で口を覆い、ふるえるくちびるを隠そうとする。その指も震えている。

にじり寄ると、皆してジリジリ逃げた。コレは腹が立つ。

一拍。

俺は神速のきらめきで、隅っこで今にも逃げだしそうな桜子の手首をつかむ。

「ひゃぅ!!」
「よーし、逃げんな」 「お…おれ?」
「そう、桜子」

場所が狭いから、隅っこといってもちょっくら身体を伸ばせば簡単に捕まえることができる。
少し強めに手首を引いた。桜子は助けを求めるように視線を泳がせるが、それに応えるほど余裕のある者はいなかった。
腕の中に桜子が納まる。さらさらの髪の毛が、鼻を擦る。

「ぃぅ…ひ…ひっちん…」
「だだだ、大丈夫大丈夫、こごご、怖くない怖くないまかせとかけかべ…」

俺は勝手に震える手足をしかりつけるのに手一杯だった。そりゃーそうだ、こちとら4人ともいただいてしまう腹つもりではいたが、同時となると話が違う。
こんなことしてていいのかしらん。頭には常に、名も知らぬ神に問い続ける自分がいる。分不相応。だって4人なのだ。1人1人でも手に余る女の子達なのだ。

夢ではないか、化かされているのではないか、終わったら刺されるのではないか。ありとあらゆる不安をシミュレート。
立場的に一番勝てそうな桜子を選んだが、口の中はカラカラだった。
極度の緊張を吹き飛ばすように、強引に桜子とくちびるを重ねる。彼女の口腔も似たようなものだった。湿り気がないからザラザラしている。

「ひっひん…いひゃい」
「うん…俺も」
「キス…した?」
「したよ…」

変な会話だ。成立しているかどうか、微妙なラインだ。

多分こういうことなのだろう。桜子はテンパり過ぎて頭がフワフワしてる。なので自分でも今のがキスだとわかっているのに実感がない、ひっちん教えて。
あるいはこう。あまりにも口がカラッカラだから、こんなロマンのないのをキスと認めていいのかしらん。キスっていったらもっとウェット感があるんでないのん。そこんとこどうなのひっちん。

脳みそが余計な思考ばかりに占領されているから、俺という名の腑抜け面も、しゃべる内容は適当な相槌とか、相手の言うことをそのまま肯定するだけ。心ここにあらずとまではいかないが、口を突いてでる言葉が全部適当なものであることは自分でもわかった。
もう一度桜子にくちびるを重ねて、水気のない舌をこすりあう。歯の裏を舐めたら、ようやく潤みがでてきた。

桜子を抱いたまま、側で見ていたレナを引寄せる。そのままキス。彼女のくちびるはしっとりと濡れている。これには助かった。砂漠のオアシス。
実際彼女のだ液は、天然水のように透明だ。くつくつと、今にも噴出してしまいそうな笑い声は、戦線に現れた補給ヘリのプロペラ音に等しい。

これだけ視線の交錯する中で、一時は不安にもなったが、やはりこの胆力。既に平時の彼女に戻っている。根性が違う。

「火之助、舌だして」
「ん…?」

こう? っとばかりにだした舌が、だ液たっぷりの口腔にちゅぽちゅぽと包まれる。そんな大胆な、とは思ったが、当然舌を舐められてるから声にだせない。
無感覚だった舌に、レナのだ液がじわじわと浸透する。彼女には人の緊張なんてお見通しなのだろう。だ液を分けながら”私がいないと火之助はなんにもできないのね”といっているような気がする。

いやはやまったく、その通りですお姫様とか思いながら、レナの小さな身体をさらに引寄せ、ほほの裏や、舌の裏側を、むさぼるように舌ですする。

だ液がとろみを帯び始めた。ぬるま湯のようなそれを、桜子にもわける。
ケーキを2つ、鼻から食ったらこんな感じになるんじゃなかろうか。甘い甘い、髪の毛みたいなチョコレートが、ミルフィーユみたいな白肌から生えている。
それがよってたかって、人の鼻の頭をゴシゴシと擦っていくではないか。蜜を垂らしていくではないか。大丈夫かすい臓、がんばって処理をするのだ。

「桜子も…自分でしてみて、ほれほれ」
「…ふぇ?」

甘ったるい霧の向こうでは、ちびっこい少女が迷子になっていた。
これまでされるに任せていた桜子は、いわれて初めて自分がポーッとしていることに気づいたよう。

キスキス、とジェスチャーすると、ようやく分かったような余計わからなくなったような。
よだれをポタポタ垂らして、あわてて拭う。

「こ…こう?」

少女が最初にやったのは、とりあえず吸うことだった。
チパチパと、鳥みたく。わき腹だとかヘソの上とか、適当にその辺。

「ふふ…こうよ桜子」

そこにレナが遊びにでかける。桜子ちゃん遊びましょ。
ルンルン気分で舌のワルツ。やわらかなくちびるを、上へ下へ。

「ここ触ってれば、喜んでるかどうかわかるの」
「いやあの、レナ…あのね、そこは…」
「火之助はバカで嘘つきでロクデナシだけど、この子は正直でかわいいのよ」

ぺろーんと。

唯一の防壁であったタオルはあっさりのけられ、現れたるは雄牛の角ごたる、ギッチギチのオス色ちんこ。
なにが可愛いことあるものか。こちとら暴走寸前、炸裂寸前。赤い女肉がヒラヒラ泳げば、コイノボリだろうと突っこむ所存。

そんな気持ちを知ってか知らずか、レナはカンラカンラとおどけて見せて、小慣れた様子で指を滑らす。
ツバを足しながら向きを変え角度を変え。速度こそ緩やかではあったが、それはまごう事なき肉欲のランゲージ。

ぬちゅぬちゅと粘っこい音が、いちいちいやらしかった。
レナよ桜子になにを教えるつもりか。コレか。このぬるぬるするやつか。いいぞやれ。ああでも万が一トラウマになったりしたら――

そんな感じで桜子の眼を盗み見ると、ゼンゼンひるんでなかった、ノリノリだ。
ガッカリするやらたのもしいやら。

「さ…触っていいのひっちん?」
「ん、さすって」
「痛くないの?」
「そりゃ別に…握りつぶしたりしなけりゃな」

少女はくちびるをつきだし、今見たこと習ったこと、彼女なりの愛情を、男の身体に表現しようとする。
その手は遠慮がちで、力の加減がわかってない様子。これでいいのひっちん? レナ? いちいち不安げな眼で確認をとる少女の頭を、くしゃくしゃ撫でる。
ゆっくりと上下されるゆん手に、重なるめ手。愛撫はぎこちなくてこそばゆかったが、心地よいことこの上ない。

レナが、手の平の蕾にだ液を足す。桜子がそれを見てマネる。
玉の裏までぬるぬるぬらぬら、尻をくすぐるレナに、尿道をつっつく桜子。

あったかいぬるぬるはしばらく続いた。ぬるぬるのせいで意識がぼやけ、少女等にほどこす愛撫がおろそかになる。

レナは眼で求愛を示していたが、ちょっとだけ気づかないフリをした。めんどくさいというか、かったるいというか、とりあえず射精したい。
そんな悪魔が心を鷲掴み。なんとかふり払い、身体を起こす。よがっている場合ではない。

そのまま左手で桜子の腰紐を解き、正面から小さな胸にすべらせる。突起に触れるたびに、舌の動きがヒクリと止まった。触っていることをわからせるように、先端をつまむ。

「んくっ! …ぁ、……やだ…」
「ん?」
「ぁ…! やだよ…そ、それ…」
「ほんじゃーやめちゃおっかなー」
「ふぇ!? …ち、ちがうよぅひっちん」
「あははん、わかってるよ。一回くらいいっとかないかんセリフだろう」

すけべったらしく笑いながら、同時にレナの性器を襦袢越しにさする。ふにふにと柔らかい肉を押すと、白無垢の生地に染みが広がる。
もぎたてのライチでもこうはたらすまい、はしたない、透明な汁。さすがの彼女も、それを他の少女達に悟られるのは避けたい様子だった。
身体をよじるようにして皆から股間を隠し、横暴な指の群れをふとももで押しつぶそうとする。そのせいでみんなの目線から隠れたから、指の戯れは逆に大胆になった。

「…ん! …ぁ、…っく……ふぁ…!!」

じわじわとさするたびに、熱い息がくちびるから漏れる。
指を埋める。ビックリしたように顔を上げるレナ。少し開いた唇を舌で舐めながら、逃げようとする腰を押さえつける。
つやつやのほっぺたを舌で横断しながら、耳朶をすすってボソボソ囁く。彼女は耳が弱い。

「レナ…今日はイけそう?」
「ん…ゃぅ…わ…わかんない」
「このへんでしょ?」
「ひゃ…ん!!……、ゃぁ……変なコト…いわないで」
「痛くない?」
「……ウン」
「桜子がなんかすげー見てる」
「バ…! ……ばか」

濡れた衣をぺとぺとと指でさする。レナは反転、後ろ向きになって腕の中。隠れていたまたぐらがあらわになり、日和や結の視線が集中するのが痛いくらいわかる。蒸れた空気が、2人の鼻孔まで届いたかもしれない。むしろ届け。

腕を回り込ませて性器を責め、うなじ、背中とくちびるを押し当てる。
細い身体。それでも骨を覆う程度の健康的な肉は有り、柔らかいところは既に柔らかい。
振向いたら桜子のぺったぺたの胸があった。こっちは健康の塊みたいな身体。その先端の突起を吸う。少女は今日イチの声をあげて飛跳ねた。

「な…なんか電気みたいのきた…」
「ん? そりゃお前、体がビックリしたんだろ」

なあ日和、と神経学の講義を求めると、この世でもっとも頼りになるはずの少女は、顔面蒼白でぶるぶる震えている。
白い肌がさらに白い。ここまで体調不良をデフォルメされると、いましも病室の一コマとでも題される演目が開演しそうである。

「ひ、ひよ…、大丈夫かお前?」
「う…う、うう…だ、だいじょぶ……だいじょうぶ……だょ」

その横の結を見る。こちらは絶息中の日和と違い、ピシリと背筋を伸ばして正座構え、なのだが、なんだか不自然にもじもじしている。
ああなるほどなと、直感。

この娘、ももの肉をぐにぐに軋らせて、涼しい顔しながら一人でえっちぃことをしているのだ。
見抜いてるぞ、みたいな眼でねめつけると、ちょっと赤くなった。

レナと桜子への愛撫を少しとめ、2人を呼ぶ。
レナは少し不満げな声をあげたが、安心している風でもあった。
彼女はまだ一回も達したことがないのだ。もどかしい快楽のうねりを身体に溜めて、放出の仕方がわからない。一息つけるもありがたかろう。

桜子は左、レナは右から、俺の斜め後ろに回る形で場所を譲った。すっぱりと距離を置くのはなんとなく気が引けるのだろう。体温を感じられる距離で、手を腰に回したり、ほほを摺り寄せたりしながら様子を見ている。なんとなれば日和と結には乳があるのだ。自らの今後のために、先達の乳繰り合いを観察するのは悪いことではあるまい。

「火之助…様」
「ひ…ひのちゃん…」

2人して抱きついてくる日和と結を、正面から抱きかかえる。
前の2人と違い、いろんな意味で重量感がある。衿からこぼれた乳がヒヤリと冷たい。すぐにあたたまる。

「ほれほれ、何で泣いてるんだよひよ」
「だって…だって…ぇ、ひぅ…」
「ほーれよしよし、泣くな泣くな」

日和の頭をよしよしする。ほほにキス。額にキス。
そうしてたら急激に日和とセックスをするんだという実感が湧いてきて、こっちまで泣けてきた。

「ひぅ…ひのちゃん…ぁぅ…泣かないでよ…ぅぁぁ」
「ば、ば、ばっきゃろい!! これはな! お湯がこぼれたんだよお湯! 魂だ!!」
「ぇぇぅううう!! …よくわかんないよひのちゃん!!」
「俺もだひよ!!」

抱き合って、オイオイ泣く。
すべすべの乳がふにふにと潰れて、胸板の間のスキマを埋める。日和の乳首が、ちょっとだけ硬い。

別に泣きたいわけじゃないのだ。身体のヤロウが、勝手に栓を緩めよる。

桜子がおずおずとティッシュをさしだした。そんなもんで我に返るのもなんだが、目的を思いだす。
きっと桜子はティッシュの意味なんてわっかちゃおるまい。レナは俺の頭を撫でてくれる。結を見ると、スネてた。

「うう…すまんな結、変なトコを見せて。だがお前が入ってこようとしているのは、これぐらい癒着した魂の狭間なのだ」
「…知ってます。…私は……私と火之助さんのスキマは……これから埋めますから…」

そういうと結は、ほとんど睨みつけるようなまなざしのまま、ゆっくりと顔を近づける。
舌と舌が絡まりあった。荒々しい動き。嫉妬。内に潜む情愛と、それを押さえ込む必死の理性が感ぜられて、結の思いの深さがひしひしと伝わってくる。

彼女の魂がやかんにはいっているとしたら、ぐつぐつと湯玉が上がってきた頃だろう。
はやく火加減を調節しないと、速攻で噴出すよ、そう思ってたら、その通りになった。

「火之助様……んん! 火之助様…!!!」

彼女は息をするのも吐くのも両方忘れて、首筋にむしゃぶりつく。
いいといったら、すぐにでも奥歯で噛みついてきそうだった。歯と歯がガチガチあたる。鼻の頭をしゃぶられる。

女の子に押し倒されたのは当たり前だが初めてだった。丁寧に図解するとこういうことになる。たじたじする桜子。倒れた先の、レナの膝枕。濡れた股間。一緒に押し倒される日和。押し倒す結……

「そ、そんなに焦らんでもいいと思うぞ…」
「ん…ん、……ゃ……ヤです……ん、ぁ…っぁ! いや…!!」

ちょっとだけ離したくちびるを、またぞろすぐに吸われる。
動くな、吸わせろ。吸わせろ。吸わせろ!! 強靭な両の腕が、頚椎を固定しながらささやく。叫ぶ。

一体どれほど深い妄念を蓄えていたというのか。こんなものを心に溜めて、過ぎ行く日々に耐えてきたというのか。
にもかかわらず彼女には、ほかの3人にあるような、俺と共に過ごした年月というものがまるでないというのだ。想いを胸張って証明するだけの、証拠がない。

そりゃー焦るかもしれない。だから結のしたいようにさせた。噛ませた。
代わりに左手で尻を撫で上げる。するとなぜだかビッタビタ。溢れた愛液が、跳ね回ってそこらじゅうを濡らしているのだ。

「火之助様……触って………ねぇ…」

導かれた指は、ぬるりとばかりに性器の中に飲み込まれてしまった。
吐息と共に吐きだされる嬌声。そのねっとりと熱い息をこの娘は、人の耳の中に吐く。

「ん…っ! …ぁ…っく! …ん、きもち……ぃ」
「い、痛くないか?」
「…はぃ……ぁん、……ぁぁ…ちょっと…んん!」
「ん?」
「ちょっとだけ…ぁ、…ピリピリします……」

喘ぎながらも結は、耳の裏やほっぺたを音をたててしゃぶっていく。
膣道をゆっくりさする。少し強張ったところがある。そこに触れると痛そうだった。

首をひねって右手の日和を見る。相変わらずぼけっとしているが、何とかして精神を奮い立たせようとしている。そんな顔。
抱き寄せ、初めてのキスを交わす。ものの数秒くちびるをくっつけあっただけなのに、見る間に日和の眼には生気が宿ってきた。

「ひのちゃん……」
「ん…なんだひよ、お前までがっつくなよ」
「えへへ…ひのちゃんがいる…」

日和などおかまいなしに愛撫を続ける結に、まけじとエンジンかかりだした日和。
左に結、右に日和。そんな風に挟まれて、交互に交互にキスをする。

汗やだ液が、蒸れていやらしいにおいを立ち昇らせていた。髪の毛が鼻をさすっていく。いつもかいでる日和のにおい。結は、なにやら香を炊き込めたようなにおいがして、これをかいでいると頭がポーッとする。

くちびるは日和の方がやわらかかった。舌の熱は結の方が熱かった。
2人のふとももがちんこを挟む。2人とも、何も示し合わせていないのに動きをあわせて、交互に交互に肉を押付けてくる。

2人の尻を同時にまさぐる。事故を装ってたまにアナルを触る。3回目でばれた。

「ひのちゃん…そこはまだ…ん、その……」
「硬いこというなよひよ、普通はみんな触るもんだ」
「…そ……そうなの?」
「そうだよ、なあレナ?」

「フフ…そうかもね」
「え? え? そ…そうなんだ…」

噴出してしまいそうだった。
俺は身体をひっくりかえして、レナのへそにキスをする。

この時の俺の気持ちをなんと説明したらいいだろうか。生まれてからこっち、日和にモノを尋ねられたことなんてないのだ。生まれて初めて、日和との力関係が逆転した。こりゃーもっと遊ばにゃならん。そうだろう。

「レナの国じゃ、尻の穴に小指入れながら息吹きかけるのが普通なんだよ、ほれひよ、尻、尻」
「え…? えぅ…えと…」
「みーせーろー……!!」
「や…やだやだ!! ウソだよ、普通は絶対恥ずかしいよ!! ねえ結ちゃん!?」

「私は…全然大丈夫です」
「おお結、お前はなんてできる子なんだ。ほれひよ、観念しろ」
「そんなー!!」

結局、本気をだしたら捕獲なんて絶対不可能であろう日和を、軽い打撲程度でひっとらえることができたのは、彼女がいうほど嫌でもなかったことを意味するのだろう。
舐めたらちゃんとうがいグスリでガラガラするという条件で、俺は4人全員の尻を舌でつついた。


・・・・・・。


「…っん、…痛…」
「大丈夫か?」
「ん、……あんまし…」
「無理そうならいえよ」
「つ…続けてくれよ…ひっちん……ひぁ!」

桜子の小さな身体が、魚みたいに跳ねる。
とれたての鮮魚であることはいうまでもない。背面から、両腕でがっつりと固定しているのに、そこからピチピチとこぼれそうになる。

座位を選んだのは、その躍動感を腕の中で感じたかったからだ。簡単にいうと、抱き心地がよさそうだった。

「桜子、俺の首…こう、抱えて」
「こ…こう?」
「そ。ヒザもちあげるよ」
「ん…」
「やらけーなお前、身体…」

足を奪われた桜子は、これでもう俺に体重を預けるしか選択の余地がなくなった。無防備なうなじにキスをする。汗の味。
少女の重心は、へその上で居場所を探す。動くと結合部に痛みが走るらしいから、ゆっくりゆっくり。

ようやく先端が埋まった時、彼女がお腹に力を入れて、息を止めているのがわかった。わき腹をつっついて、全部吐きださせる。
並のケブラーより硬そうな腹筋が、ふにゃんふにゃんになった。

「ふやぅ!! な…ななな…なになにひっちん」
「そんな切腹するみてーに力むなよ」
「んははは!! ひっちん…や…くすぐってー…!!」
「ようやくお前らしくなってきたな」

どさくさにまぎれたちんこは、峠を越えて緩やかに呑み込まれる。
7分目程で、そこが最奥だとわかった。

「痛みはどう?」
「ん…いりぐちだけ…いたい」
「動いていい?」
「その前に…さ」
「ん?」
「ちゅーしてくれよぅひっちん…」
「なんだなんだ、変な顔して」

一生懸命伸ばされた舌を、くちびるで受けとる。
最初のキスとは違い、だ液がとろとろと滴っている。つるつるの歯。口の中でくちゅくちゅと舌をこねあわせ、溢れただ液を指で掬う。

そのまま乳首に塗ってやると、甘えるような声がノドの奥から聞こえた。

「ふぁ……、っん、…それ……ずるいよ…」
「弱点ばっかだな桜子は」
「ぁ…はぅ……、ん…、…んっく!」

とはいえ、乳首の先だけは本当に弱いらしく、少女の身体は反射的に防御の構えをとろうとする。
その度に亀頭が内壁と擦れ、尿道がじくじくと先発隊を搾りだす。すでに一回の射精分くらいは膣内にだしたかもしれない。痺れの味が甘すぎて、脳みそがふやけそうになる。

「ふふ…桜子はおっぱいの方が気持ちいいんだ…?」

レナがニヤニヤしながら寄ってきた。この娘、さっきから本当に楽しそうで、ずーっとずーっと笑っている。

「ふぇ…な、なにすんだよぅレナぁ…」

桜子も嫌な予感はするのだろうが、息も絶え絶え抵抗する余裕がない。
押しのけようとした腕はレナの指に絡めとられ、つるっつるのわきの下を無防備にさらす。ぴっとりとくっついたレナの舌は、桜子の反応を楽しむようにくるくる回って、そのまま乳房の先端に巻きついた。

「ひぁう!! …ぁ、…だめ…!! …や……!!!」

前に体勢を崩した桜子を、レナの胸が受け止める。
見惚れるような優しげなキスが始まった。視界には桜子のさらさら頭、首筋、背中、腰、尻、結合部。おーおーはいっとるはいっとる。

「ふにゃ…なに…レナ…ぁ」
「えっちな桜子もかわいい…」

桜子は俺を気にしているのだろうか、同姓とのキスにちょっとむずがったりする。だがそんな態度はレナに火をつけるだけ。
これで桜子の股に、深々とちんこが突き刺さってなければそこそこ微笑ましい情景だっただろう、しかし容量オーバーを訴える少女の性器は、血と愛液に濡れていかにもピリピリしそう。えげつない。

ゆっくりと指で、はみでた肉をなぞってやる。案の定尻が飛び上がった。

「…ぅぅぅう゛、ひっちん痛い…」
「ごめんごめん、…でも、動いていい?」
「…ん、……ゆっくりなら…」

困ったような尻を掴んで、ゆっくりゆする。
前後に振られる亀頭の肉。包み込む内壁はうにうねとうねって、まとわりつくように肉崖を埋めていく。

不規則な収縮が曲者だった。
尿道のした辺りをこちょこちょとなぞっていく柔肉があって、ガマンできない快楽が先端から進入してくる。

もしかしてこれはヤバイかも、そう思ってちんこを抜いたら、その瞬間大量の精液が肉先からほとばしる。

「ぅぇ…? どったのひっちん…」

背中一面に精子を浴びた桜子が、何事かと振り返る。
レナも見てなかったらしかった。ばれずに済むかも、と思ったら結が――

「……すごい」
「ゆ、結…」
「……きもち…いいんですか?」

怪しげな指が、敏感なちんこを包み込んでいく。爛々と輝く眼には、好奇と喜びがくすぶって、熱い乳が、背中に当たる。
日和が桜子の背中の精子を、指で救っていた。レナもなにが起こったか気づいたらしい、鼻をヒクヒクさせて、形容しがたいにおいにマユをひそめる。

「もしかして、もう終わりなの火之助?」
「いや…まだまだ全然いける」
「あ…ぅ、すごい硬いねひのちゃんの…」

日和と結にいじくられたちんこが、再度桜子の入口にあてがわれる。
桜子はなんだかよくわかってないらしかった。よくわかってないまま、再びちんこを受け入れる。

腰がくだけそうな快楽に、脳髄を貫かれた。

ふにゃけた身体を、結が支える。彼女は夫の置かれた状況をよくわかっているらしい、耳元でイチイチぼそぼそ

「火之助様…かわいい…」

などといいながら、口を吸ったり、耳を吸ったり。
ついには人のワキの毛をくちびるでつまみながら、だ液をまぶして歯を当てる。

ぷちゅぷちゅと、粘膜の擦れる音。桜子が、きゅんきゅんと断続的な呻き声をあげる。
痺れたちんこがまた搾られて、我慢する間もなくかってにひりでた。

「…ふぁ…!…ん、…なんか…でてる」
「ひのちゃん、また…その、……でちゃったの?」
「……いやその…うん、あのな…」

こういうのをソーローっていうのかしら。
レナが人の自尊心をかかとで踏みにじるようなことをいったので、2分休憩を挟んでから押し倒した。


・・・・・・。


・・・・・・。


「ゃ……火之助…痛い…」
「まったまたー、さっきまでの根性はどこいったんだ」
「ぃた…ぃ…! や!! ホントダメ!!」
「ん? あ、あれ? ほんと? ホントに痛いの?」

埋まりかけていた亀頭をあわてて引き戻す。綺麗な尻にしたたる汁。バタつく足。
当たっても痛くはないが、怖い角度で睾丸に迫る。

聞いたこともないような声で悲鳴をあげるレナ科の雛鳥は、しばしばその高音を枕に浸み込ませながら、存分に俺とそのちんこを呪った。

「なによこれ…なんでこんな痛いの…ひぅぅ…火之助のバカ! 下手糞!! 不能者!!」
「ば…ばっきゃろう! こちとら2回だしたのにギンギンだ! ……って、大丈夫かレナ?」

桜子がすんなりいったからと、少し調子に乗っていたのは事実だ。レナの入口付近は日頃から頻繁になぶっていたし、そういう時は痛がったりなんかしなかったから、多分大丈夫だろうという楽観的な予測もあったのだが。どうにも性というものは、アマゾンの奥地並みに秘境らしい。

考えてみれば、このメンツで唯一普通の人間より弱いのは、彼女だけだ。
それも相当弱いはずだ。乳の栄養まで頭脳に回っているくらいなのだから。大事に大事に、宝物のように丁寧に接しなければ。

「ど、どどど、どのへんが痛い?」
「広げちゃや……ゃぅぅぅぅぅ!!!」
「これもダメ?」
「や…!! 痛い痛い痛いイタイイタイ…! 痛いの!!」
「え? え? え!? き、きき、切れちゃったかな…ひよ!!」

「ふぇぇ? わ、私は…あんまりわかんないょ…」

とんちんかんが2人して、潤んだ性器を覗き込む。
別段、剥きたての果実みたいでどこも痛んでいない。
果物のことを考えてたら、実際それっぽいにおいがした。日和の髪か、汗か体臭か。

「これ塗れば…痛みは消えますけど」

結が生のおっぱいを押しつけながら耳元でしゃべる。
熱い息が、さっさと私を犯してくださいと暗に文句をいっている。眼のギラつき方が、お腹のすいた野獣みたい。
その飢えた爪が、グズグズするオス犬のわき腹にじわじわ食い込む。

「んん、こ、これなに?」
「薬です。痛くなくなる…麻酔みたいな」
「こ…ここに塗ってもいいものなの?」
「そういう用途でも…まあ使います……らしいです。…んぁ」
「や、やらしい声だすなよもー」
「だって…」

”早くして欲しいんです”という殺人的な上目遣いは、男のプライドに強烈なプレッシャーを与える。
こんなにも過度な期待を寄せられて、この娘を満足させられないやつがいたとしたら、どういうことになるのだ。男として、ちんぽこを備える資格を剥奪されるんじゃぁないのか。もってても無駄だと、お前には過ぎたものだったと神様にこき下ろされるんじゃあ…

「だぁあ!! み、みみ、耳をなぞるな…!!」

油断を待構えていましたとばかり、ねっとりとやさしげな指先が、耳朶だのなんだの這っていく。
背中にあたる、硬くなった乳首。うっとりとした瞳。感情を集約したまなじり。見れば見るほど肌理の細かくなる肌……乳。

けしからんから、薬を受けとると同時に無言で乳首を摘んだ。締められた七面鳥みたいな声があがる。

「んぁん!! 火之助…様…ぁ」
「んな大げさな……なぁ?」

そういって日和に同意を求めると、こっちはこっちで指を咥えてうらやましそうにしている。
ああなるほど、これから毎日こんな感じになるのだなと思いつつも、仕方ないからこちらの乳も無言で摘む。猫がガラス窓に激突したみたいな声がでた。

レナを見れば尻をふりふり、所在無く宙で揺らし、こちらを睨んで少し怒っている。枕越しの殺意。もちろん彼女のことを忘れたわけではない。

「んじゃ、塗るから…もうちょっと突きだして」
「あ、火之助様…」
「な、なんだよ結。まだなんか…」
「一応、肘の内側とかに塗って…皮膚の反応を見たほうが」
「そうなの…? レナ、聞いたろ」

レナはぴょこんと、文字通り飛んで跳ねて、開き直るように起き上がった。
差しだされる腕と、恨みがましい視線。多分、一番ビックリしてるのは彼女なのだ。大体のことは事前に計算できてしまうはずの、彼女なのだ。もっとすんなりいくと思ってた、まさかこんなに痛いとは……

「結。これ、どのくらいで結果わかんの?」
「30分見積もれば十分かと…」
「だってさ。レナ、そっちで休憩して…むご」

不機嫌なレナの手が、茎のところを逆手に掴む。
結構な圧だった。よっぽどくやしかったらしい。

かといって人のちんこにあたるとはなにごとか。わかっていたけど横暴だ。

「いだだだ…なんだよもう…よかっただろ、また思い通りにいかないもんが見つかって」
「フンだ。なによこんなの、火之助が気持ちいいだけじゃない。もげちゃえばいいんだわ」

ごしごしと、垢すりみたいに上下する手には、残念ながら愛がない。
一方的で、暴力的で、八つ当たり気味。

しかし続けるほどに、時折こちらをうかがう目からは、しだいに険がとれていく。
こちらとしても、余裕がないレナも案外かわいいななんて楽しんでたら、むしろ反省すら伺えるようになってちょっと驚く。柔らかく動く手首。滑らかにすべる指。

八の字にマユを下げるお姫様は、ブツブツいいながら亀頭の先端にくちびるを寄せた。
不意の感触にビックリして、身体が硬直する。まさかソレがくるとは。倒れかけた背を、結が支える。

「れ…レナ…」
「なによ……ん、じっとして」
「そ、それはもうちょっと上級者向けのだな…」
「うるさい。……い…イったらダメだからね」

静かに、深く呑みこまれた亀頭に、ちろちろと小さな舌が這う。
前後するくちびる。すぼまるほほ裏。きゅぅきゅぅと包まれているのに、どこもかしこも柔らかい。

ところどころぶきっちょでまだるっこしかったが、一生続けて欲しいと思ったのも事実だった。
熱烈な舌。舌先。横腹。睾丸が縮み上がり、主人に内緒で勝手に兵隊を送りだそうとする。すんでで止める。

「結…何分立った?」
「……24秒です」

オーケイ俺はソーロウだ。情けなくて泣き顔を隠そうとしたら、他人事みたいにフェラを見ている桜子がいたので、引きずり込む。

「ふぇぇ!? なに、なになにひっちん!!」
「うっさい舐めれ。お前も舐めれ。…ここんとこな、そう、たまのとこ」

できねーよぅとか、わかんねーよぅとかいういたいけな少女に、たまの裏の一番汚らしい部分のにおいをかがせる。
下品な顔をしているのが、自分でもわかる。日和の諦めたような視線が、なによりの鏡。

舐めきった態度でだらだら舐められてたら、桜子の舌が肛門にすべりこんだ。たまらず射精。
丁度ちゅーちゅーと尿道をすすっていたレナに、全部かかる。脱力。

「……ぅぅ、なんてことすんだ桜子…どこで覚えた」
「ふぇ? さ、さっき…」

ひっちんも舐めたじゃん。
まったく悪気がないというのは、この世で最悪の部類の悪意である。

レナはものすごい怒った。
なんぼほど思い通りにいかないんだと、ねっとりと精液のこびりついた顔で、全部俺のソーロウのせいにした。


・・・・・・


4人のだ液でぬるぬるになったちんこを、結の手がやさしくしごいた。
この娘が妖怪だったら、喜んで毎日でも食われてやるだろう。絶妙な力加減。背中に濡れた乳が当たる。

両の耳が、結の唾でべとべとだった。彼女の舌は、逃げたほうに現れる。
そして僅かでも弱音を吐こうものなら、”火之助様の敏感なところ見つけた”といわんばかりの笑顔が、うれしげに輝くのだ。

そうして蓄えられた知識群は、欲しい時、欲しがったタイミングで放られる。甘ったるいくちびると共に。

「イきたいですか? 火之助様…」
「うー…お願い」

僅かに形を変えた指が、先端をコリコリと擦ってみせる。その間も、ヌラヌラと濡れた手首が、魔物のように陰茎に絡みつく。
笑っているのは結だけだった。座して刮目する、他3人娘。

4度目の射精が、結の手の平に放たれる。
彼女は手を止めなかった。まぶすように、性器をこねる。尿道をゆする。

「ちょ…あが、…結!!」
「火之助様…ふふ」

ジタバタ逃げようとする俺を、結は簡単に押しつぶした。
敏感な亀頭を、肉の沼が覆っている。踏ん張りを乗り越えて、快楽がなだれ込む。

「……!! …!」

命乞いは、36回目のタップで聞き入れられた。
眼がチカチカする。肺に流れ込む、久しぶりの空気。

「……30分です」
「……」
「火之助様…?」
「…あっちいけやい」
「気持ちよくなかったですか?」
「…ひぐ、えぐ、…お前なんか嫌いだい」

かつて俺だったおかゆみたいな男は、ぐずぐず泣きじゃくりながら4人娘をおおいに困らせた。
それでも誰一人として、”こんなびしょびしょごはんなんてゴメンだわ!”といいださないのは、最初からたいして人間性に期待をされていなかったことを意味する。


・・・・・・。


「……ン」
「どしたレナ? やっぱり痛い?」
「……ン、………ぁ…ンン?」
「なんだよ」
「なんだかわかんなくなっちゃったわ」

痛くもないが、気持ちよくもない。
まあ、そりゃそうだろうか。そんなもんだ。

結局性器に薬を塗布したレナは、暴れることはなくなったが、悶えることもなくなってしまった。
正面から、ちんこは既に8割がた埋没。奥の方まで塗ったわけではないのだから、まったく無感動というわけでもないのだろうが――

「…ん!」

案の定、長いまつげが左右に揺れた。

気遣いながら腰を前後する。レナには悪いが、丁寧に編みこまれた肉の襞が、一方的に気持ちいい。
いっそ、滅茶苦茶に腰をうちつけたい衝動に駆られた。動きを抑えるせいで、ももの裏がピリピリする。

「……ぁ…っ! …ん…」

しばらくは静かな吐息の時間。

やがてあれほど快活だった少女の口が、黙して黙るようになった。
膣の中をすりあげる程に、視線が泳ぐ。

たまに開くくちびるの中はしっとりと濡れて、綺麗な糸が上下を繋いでいた。
くちびるからこぼれる声。唾を飲む音。全部聞こえる。

「ぁぁ……、ゅ……ぁ、っ!! ん!」

そりあがったあごを舐め、舌の先を細いノドに当てると、ピクリとはねた。
視線を向けると、瞳を潤ませたレナがこちらを見ている。

女王然とした彼女はどこかにいって、もはや路地裏にとり残された孤児のようである。

耳の裏を舐めながら、髪の毛に潜んだにおいをかぐ。ツヤツヤの肌が、朱に染まって美しい。

「ひの…すけ…ぁん! …ゃ、…ふぁ…!!」

つま先をふんばり、緩やかに腰をうつ速度を上げた。
互いの汗が混ざるあう。ツンとはった乳首に指を絡ませ、くちびるを深く吸う。

ぼんやりとしたレナの眼をみれば、説明書がなくても少女の身体が現在、どういうことになっているのかわかる。
制御しきれぬノドの奥の声が、突くたびに漏れでてくる。

「あ…ぁ!! ん…っ、…は、…ぁん!! ゃ…ひのすけ!!」


そんな感じのところで足がつった。


なにが起こったのかわからないまま射精して、レナを抱いたままごろごろ転がる。
転がりながらもレナはまだ夢の中にいて、そんな彼女のうっとりとした顔が、罪悪感という名の刃を俺に向けた。


・・・・・・。


レナは結局達せなかったが、そこそこよかったといってお風呂に行った。
どうみてもあと少しだっただけに悔やまれる。俺は結の裸膝枕に顔を埋めて、陰毛のにおいをかいでいた。

「あれ絶対イキそうだったよなー結…」
「そうでしたね」
「もうちょっとだったんだぜ」
「ええ」
「信じてねーだろー結、俺が本気をだしゃーなー…」
「ええ、火之助さんはできる子ですから…」

ちなみに日和はトイレ。桜子はレナについていった。

別におひらきというわけでなく、まだまだ長い夜に備えたインターバルといった感じ。
全員すっぱだかで、誰もがタオル一枚はおりゃしない。熱は引いちゃいなかった。

「なー結ー、お○んこ見せろよー、いいじゃんよー」
「え…?」
「なーいいだろー? 電気つけてさー、奥の方をさー」
「……はい。火之助さんが…おっしゃるなら…」

結はしずしずと立ち上がり、電気のヒモをフラフラ探す。見上げる尻は、月の光に炙られて実に形がいい。
それにしても、これほどまでに無礼な態度をとれるのは結なればこそ、だ。

彼女が際限なく許容するから、ずるずると自分の汚らしい部分をさらけだしてしまう。他の3人には――たまにやるが――できない芸当だ。

過去がないからこそか。
いままでできあがったイメージだとか、築きあげてきたキャラなんていう余分なもんがないから、最初から自由にできる。なれる。

今ならうんこだって食えるかもしれない。だってそうだろう、誰がはたしてよくも見知った幼馴染のうんこなんか食えるものか。最初から、ああこの人はうんこを食べる人なんだという前提を作り上げておけばイザという時…いやさすがにうんこは…いやしかし……

そんなことを思っていたら、蛍光灯の光に浮かんだ結がキスをしてきた。

「なー結、お前俺のうんこ食えるか?」
「はい」
「即答て」
「私、なんでもします…火之助さんのしたいこと…されたいこと」

そのまま、おっぱいに両の耳の穴を埋められた。
心臓の音が、トクトク頼りない。
なんだか知らないが、やけに幸せな気分である。

これでは幸福の掛買いだ。もうゲンブツは貰ってしまった。
後はもう、結の後にフラフラついていって、うんこまみれの落とし穴にはまっても文句はいえない。例えそのうんこが爆発しても。

「火之助…さん」
「ん?」
「見ます…?」
「うん見る。スゲー見る」

そうしてひっくり返して見た結の性器は、穴が小さかった。
多分だがいわゆる膜だ。そのせいで、奥なんて見えやしない。

そのまま、できるだけ品性下劣に性器を舐っていたら、いつの間にかトイレから帰ってきてたらしい日和が走って逃げた。
よっぽど気持ちが悪かったのか、結に尋ねたら、クスクス笑うだけだった。


・・・・・・。


・・・・・・。


日和のことはほかっておくことにした。今は結。この眼前5センチの妖分艶分の塊である。

何も知らない人間が見たらさぞかし酷いと思うだろう。ダメな夫だと。いやまだ正式に籍を入れたわけではないが、それにしてもダメなやつだと。
最愛の人が、夫のドロドロに腐敗したぐっちゃぐちゃな側面を目の当たりにして、泣きながら走って逃げたのだ。乙女の性器なんて舐めくりかえしている場合じゃないだろう。追えと。追いかけろというだろう。だがそんなもんはちゃんちゃらおかしい。

日和の生理の日を、初潮からこれまで全部暗記している身からいわせてもらえば、彼女は今戸惑っているのだ。
人生の、恐らく出産結婚に継ぐイベントで困惑して情緒不安定なのだ。だがそれだけだ。それだけなのだ。

彼女には自分で答えをだす力が余裕である。強そうに見えて実は…なんてことは、彼女に限って100パーない。無い。彼女は全部できてしまう。バカにするな。

だからほんの少し、考える時間を与えればいいだけの話だ。ほっといたらいいのだ。
結の色香と肉の沼に溺れて、すっきりさっぱりするころにゃー、ちょっと前に見せたような顔で笑ってくれる。誰も損しない。


そんなようなことを結に話してから、あ、しまったと思った。

伺うように、結の顔を覗く。寂しそうにも見えたが、笑っていた。
この娘も相当にタフである。

”私に気を遣ったら、怒ります”

そう顔に書いてあるから、舌の腹で雛尖をこねつつも、日和の話題を続ける。

「結とひよって、知り合いなんだよね?」
「あ…、はい。…ずっと昔に数回」

曰く。日和というのは生きた伝説、現存する神話であり、その力はとてもとても人間という概念に収まるものではない。
名の示すとおり、いかな国家、社会、宗教、宗派、集団、権力、主義主張にも属さず、また何者も彼女を縛りつけることはできないという。
まさに太陽。あまねく人類に降り注ぎ、照らし、この星の母であり父である……

「そういう人ですから…」
「はっはっは。残念だったな。だがそんな日和は俺にメロメロなのだ」
「ふふ、そうですね……」
「あ、ずりーぞ結。そんなかわいい笑顔を今まで俺に隠してダナ…」

緩んだほっぺたを捕まえて、こちらを向かす。すると彼女は夫の顔をみて笑う。
けしからんから、散々にキスをした。こらえきれぬような笑いが、少女の口からこぼれてくる。

「あはは…だめ…ふぁ…!! ふふふ…」
「そーりゃ笑え、笑え」
「ダメです…ぁん! 火之助様…」

きゃぴきゃぴと戯れて、肌の上で指を遊ばせていた時はまだよかった。
しかしこと、庇うように肢体を覆うシーツの下から、花畑で走り回る少女みたいな笑顔が覗いた時にはもう限界。

かつて理性と呼ばれた、野ざらしにされたゴムみたいな神経は、ブッチブチに断ち切れてゴミの中。

「きゃっ!!」

転がる腰を捕まえて、後ろから濡れそぼった秘窟に亀頭を押し当てる。
笑いの向こうから、緊張が伝わってきた。”本気ですか?”みたいな眼。みりゃーわかるだろうと応じる。
一息。ぬぷりとばかりに、先端が呑み込まれた。

「ぁ……、は、はいりました?」
「うん…んでも、……キツい」

丁度カリ首のところで、引くも進むもままならなくなってしまった。
引いてみる。押してみる。先の2少女との体験を思いだし、ちんこに活をいれてから少々強引目に押してみる。多分いける。

茎への圧迫を残しつつも、先端がふにゅりとやわらかい肉房に包まれた。房は無数に蠢いて、それぞれが勝手に侵入者を押し返す。
まるで無力でありながら一生懸命、こんなものはただの気の効いた按摩である。際限のない柔らかさ。

丁度船舶が、浮遊性海藻に絡みつかれてにっちもさっちもいかなくなるように、もにょもにょもにょもにょ。まさしくこれは、柔肉のサルガッソー。
これはもしや名器というヤツではあるまいか。そう思ったら腰がひるんだ。

「うぐ…結って、体温高い?」
「ん!…ぇ? べ、別に普通ですけど…」

なんでもないことを聞いたのは、余裕が根こそぎ無いからだ。
神経を茎に注ぎ、勝手に射精するなと命令する。でも、結の方が動くからどうしようもない。痛みが先行するらしく、位置をどうにかしたいみたいなのだが――

「結…、じっとしてて」
「ぁ…はい……。……っ!」

そうはいっても少女は腰をよじる。そりゃー痛いんだから、よじるくらいなら仕方ない。しかしよじりは数倍ものうねりとなって、ちんこの先から脳幹を突き抜ける。
充填が完了してしまった。だがしかし、さすがに早すぎる。

「結ごめん! 動くから」
「ひゃぅ…! ぁ…あん! 火之助さん…!!」

とどまっていても、多分どうにもならない。ならいっそ動く。動けるだけ動いて、できうる限りの”結”を享受。
ビリビリと、射精のための信号が尿道を駆け巡る。無視。快楽が、肉のうねりに搾りだされる。
ヤバイヤバイと、ずっと頭の中で唱えていた。無心を心がけ、肉を擦る。

「あっ! …はぁ…ぁ…くう!! あ、あぁ…ぁん! ぁっ!! ふぁぁ!!」

どう考えても大変なのは結なのに、彼女はテンパった夫をなんとか受け止めようとする。
痛かろう、熱かろう。膣奥から流れ込む女肉の快楽は、ついには粘り強く閉じていた尿道を無理矢理こじ開けた。

大量の精が、膣の中で暴れ狂う。脈動のたびに、入口の肉がきぅきぅと反応する。

「あ……いっぱい…」
「うう…も、もっかいチャンス…」
「っ…! ぁ……、か、硬くなってます……」

性器と性器で繋がったまま一息つき、たぷたぷとシーツに擦れる乳房を練り上げる。黒髪の中で蒸れた、女の子のにおい。
余裕の表情を見せる結がたまらなかったが、完敗なのは受け入れねばなるまい。気のせいか一勝目が遥か遠い。

「ぁっ…!」
「ん?」
「あの……ぃぇ…その、……すごいなって…」
「慰めならいらんよ」
「ピクピクしてて…ん、……今すごく、…ぁの………んぁ…! …気持ち…いいです」

例えその言葉が偽りだったとしても、やたらと活力がみなぎってきたのは事実だった。


・・・・・・。


結がコツを掴むのは早かった。

どうやらもう、あんまり痛みも無いらしい結に、動いてみる? と、繋がったまま体位を変える。
アオリで見る乳の圧力は壮観だった。繋ぎ目では、僅かな赤みを互いの体液が薄めている。それにしてもだ、結のだす体液の量は人より多い気がする。舐めるとちょっと怒る。

「ぁ……ん、……はっ…はぁ…ぅ。…ン、んっくぁ…!!」

結は申し訳なさそうに夫の胸板に手を置き、ゆっくりゆっくり重心を移動する。
甘酸っぱいにおいが揺れる。感じのいいところがあるらしかった。何度かそこで擦り、フラリと崩れそうになる。
思わずおっぱいを掴んで支えた。ねっとりと伝わる、体温。

「ぁ…、ンン! ご、ごめんなさい…ぁぁ…っ」

膣口を気にした彼女は、今度は胸から伝わる刺激で身をよじる。
思わずこぼれたらしいツバが飛んできて、ほっぺたにかかる。そのせいでキスがしたくなった。

「ふ……、ん、…ぁ………ぁふ…、……、…っ」

よしっと、頭を切り替えた結は、実に滑らかに腰を前後。
結合部が、近づいたり遠のいたり。縦に振られるたびに、肉物の根元に甘い締めつけが残る。

「んっ…んっ…ぁぁ…ん、…んっ!」

徐々に彼女は、自分の重心を自分で支え、より高度な動きができるようにと、背筋を伸ばしていった。
後から考えれば、こんなことをいきなりやりだしたのは結だけである。彼女は自身の身体を四肢で支え、腰を浮かすと、重力から開放された性器を8の字に揺すりだす。

上下の動きと、前後左右の圧迫が、同時に起こった。

「んぁん! ぁっ! ぁん! ぁぁんっ!! …ぁ!!」

ちんこが軽くなったような錯覚に襲われるのだが、それが事実と異なるとわかるのは、明らかに膣の肉が外輪を締めつけているからだ。
抜けそうで抜けない亀頭。パツパツと肌の跳ねる音がした。上下運動が深くなり、亀頭の上辺が異常に摩擦を受ける。

「ふぁ…! ぁ…ぁぁ…んん!!」

背をそらせていた少女が、緩やかに両の手を夫の胸に戻す。茎の根元を手で握られているみたいになった。そのまま上下。前後に揺すり、再び背がそらされていく。

めくるめく陶酔の後、何度目かの射精の兆候が登りつめてきた。今回は結構がんばったほうだ。なにせずっと、ローレンツ変換不変性の証明を頭の中で繰返していたのだから。
結のほほも上気している。一心不乱に振られる腰を掴み、背中に手を這わせて引寄せる。
胸の間で乳房が潰れた。肌が熱い。髪と共に降り注ぐ、甘い香り。蒸発した汗が混じって、少しつんとする。心臓がトクトクいっていた。

くちびるを求めると、結は垂れていたよだれを拭いてからそれに応える。
乱れた呼吸がヤケに色っぽかった。鼻先からたれる汗。目が少し、とろんとしている。

「疲れた?」
「…ぁ……ん」

応える代わりに、少女は髪を乱して、夫の鎖骨の辺りでおでこをぐりぐりやった。
耳の裏を舐める。薄いほくろがある。麻薬的なにおいの根源がその辺にあって、頭がダメになりそう。

気を抜いたら急激に射精欲がこみあげてきた。もう手遅れ。
びゅるびゅると、逆向きの尿道を精液が駆け上がる。恍惚とした結の眉根が、粗相に気づく。あだっぽいくちびるの、余裕。憎たらしいほど綺麗。

「ん、また……いっぱいもらいました」
「うー、ナンボでもだせそう…」


・・・・・・。


・・・・・・。


名残惜しい夢から覚めるように、甘ったるい結の身体を離さなければならなかったのは、彼女がレナや桜子の接近を感知したからだった。

こんな密着体位をレナが見たら、すぐさま2回戦に突入するに決まっている。
よだれがでるほど望むところだが、さすがにそこまで日和を待たせるのも気が引けるではないか。まったくハーレムというのは御しがたい。

「俺のち○こが4本ありゃーなー…」
「ふふ…」
「まーすぐひよ連れて戻ってくるよ、まっててハニー」
「ぁん…、ん、……はい」

聞き分けのいい猫みたいな結の黒髪にいい子いい子を施してから、すぐさま窓を抜け、壁を伝って屋敷の外周を回る。もちろんすっぱだか。
風が濡れた肌に冷たい。手首とかワキとかに、どう考えても結のものである体臭がこびりついていて、女装でもしているかのように気恥ずかしい。
レナがきゃんきゃん叫ぶ声が聞こえてきた。酔ってるんちゃうだろうか。

正面玄関の斜め上。プールのついたバルコニーに、日和はいた。
彼女も裸である。ツンと張った胸と、風にさらされた陰毛。なんにもおかしなところはない。例えばここが真昼間の町中だったとしてもだ、大概の人間は自分の方が惨めになるだろう。
いうまでもなく日和の美は、全ての人類に公平な、それゆえに不公平極まりない、完璧たる美だ。

月明かりがプールの水面を照らし、波型に揺れる反射が、少女の肌をなめらかに彩る。
今この完璧な創造物には、人間精神の頂点ともいえる”ひより”が含まれているのだ。浸み込んでいるのだ。残念ながら、並の神様ならダラダラしてないで彼女に席を譲れといわざるをえない。

「ひのちゃん…」
「ひよ…」

綺麗だった。

まるで他人事のように、日和を見つめる自分がいる。
これが初めての出会いだったら、確実に一目惚れだなと、ぬけぬけと考える。

時間が止まったような感じ。
風や木立の揺れさえも、遠慮してなりを潜めている感じ。

どちらともなく歩みを寄せて、手を握った。
力強い体温と、やさしいにおい。その柔らかい手の平の内側には、達者な字で「内藤火之助」と書いてある。

台無しだ。こんなことをするからこの娘は神様になれないのだ。
いまさらながらになんとバカバカしいおまじないだろう――

「もう消してもいいぜこれ」
「…ん?」
「書かんでも動かん事実だ」
「……うん」

などと格好をつけてみたものの。

日和の肌がすべすべすぎて、ちんこの剛直が止まらない。
ちょっとでも抱きしめたら、光の粒子になって霧散するんじゃなかろうかこの娘。軽いし、いいにおいだし。

ちんこの戸惑いが伝わってくる気がする。今ならちんこの気持ちもだいたいわかる。
おい大将! あんたぁホントにこの娘とチョメチョメすんのかい!? やめときな、あんたにゃ荷が重過ぎる。

「ほっとけ…」
「ん?」
「いやー、ははは。ひよって意味わかんないくらい綺麗だよね」
「やだ…どうしたのひのちゃん?」
「日和ってーのはアレかい? ギュって抱きしめても怒らないものなのかな?」
「ふふ、いくらでも試していいよ」

わーいとばかりに、その軽くてすべすべするいいにおいの塊にすがりついた。
こりゃー気持ちいい。各部屋に一個づつ置いときたいくらいだ。ティッシュよりも高い頻度でまさぐるだろう。例えばこんな風に――

「んっ…!」

思い切って尻を撫でてみる。ピクリと反応。しかし、させるままにする日和。
張りがある。すべすべする。そう、とにかくすべすべする。なんだこれ。何でできてるんだこの尻のすべすべ。

自然、鼻息が荒くなった。鼻孔には、名うてのパティシエが丹精こめて創ったような、甘さ控えめ完璧ショートケーキのにおいがする。反り返った性器が、日和のお腹の肉に当たる。
それを察知した日和が、いたずらっぽい笑みを浮かべて、肉物の先をナデナデした。

”そんなにしたいんだ?”

そんな眼。

ニヤニヤと、自分の身体にそそられたオスに、お恵みでも施すように。
自分がどれだけ求められているか、再確認するかのように。

「興奮してる?」
「う…うぬぼれんのも大概だぜひよ…こちとらお前の色香なんて飽き飽きして…はふん!」
「へへ…」

ニヤニヤしたままの日和は、なにを思ったのかおもむろに舌をだし、とろとろのだ液を尿道の上に垂らす。それを広げる、滑らかな手の平。

これには驚いた。確かに小さい頃から、擦り傷の殺菌は日和のだ液の役目だったから、ツバのにおいには慣れてはいるのだ。それにしてもいきなり過ぎる。
悪びれもせず事務的に、”ひのちゃんこういうの好きなんでしょ”見たいな手の流撫。あまりにも、その他の必要な手続きをすっ飛ばしすぎだ。

「正直にいいなさい」

左のぬるぬるが茎をしごき、右のぬるぬるが亀頭をこねくりまわす。金太郎飴でも作ってるみたいにこねくりまわす。
その間も、2つの乳はふるんふるんと形を変え、人の胸板で潰れたり引きずられたり。

悔しいから両のすべすべ尻をワシ掴みにして広げてやる。
尻の穴が風で冷たいはずだ。ぶるりと震えた日和は、鳥肌がポツポツ。先だって舌でほじくられた時のことでも思いだしているのだろう。いい気味だ。

しかし待構えていたのは、恐るべき後悔。すさまじいまでの反撃である。

手の平に好き勝手弄ばれた性器は、ぬぷりと埋没。
つやつやのふとももと、濡れた陰唇の織り成すトライアングルに、何の抵抗もなく飲み込まれたのである。

「うぬぅ!! …や、やるなひよ…さ、さすがにこれは…」
「ふっふっふ、一人シミュレーションが得意なのはひのちゃんだけじゃなくてよ」

目がちょっと本気だ。女忍者みたいだ。ノリノリだ。
睨み返して、タイミングがかみ合わないキス。ビックリしたのか”はぷん!”っていった。

「ふぁ…、ん、…んふ……ひのちゃん」

ぬるりと。

日和が身をよじる度に肉物が擦れる。

すべすべの内股の、肉の弾力。
亀頭の上面が、少女の尻の暗がりをおびやかす。

たまらず、こすりつけるように腰を振る。
本当に、我慢なんぞできないのだ。自我が保てないのだ。

「ん…、ぁ……、我慢できない?」

みりゃーわかるだろうに、どうしても人の口からいわせたいらしいこの娘に、これで満足ですかと、呪いの様な感想文を提出する。
耳元で、このいやらしい日和の身体がどれほど男の劣情をそそるのか、ネチネチネチネチ。

小さな耳たぶが赤くなってきた。ザマーと思う。

「ひのちゃんのえっち…」
「バカだな、そんなこと知ってても自慢にならんぜ」
「ん……ひのちゃんの…においがする…」
「お前…このタイミングだと変な意味がだな…」
「へへ、えっちなにおいもする…」

互いに耳元でしゃべるから、こもった声が倍いやらしい。
爪先立ちの少女の尻をもち、少し動かす。
塗るついた滑らかな肉が、肉物の上で潰れる。

「でも結ちゃんのにおいもするなー」
「あんまり俺をいじめるなよ」
「何回してきたの? 5回? 6回?」

7回といったら、さすがに目を丸くした。

ごまかし代わりに、そのまま重さのない少女を腹に担いで、プールサイドのベンチに運ぶ。
まな板にのったプリンみたいな乳が、まー崩れそうで崩れない、絶妙のバランス。

先端を舌でつついたら痛がった。力を緩める。
さらさらの陰毛を指ですくと、腕が伸びてきて、くちびるを吸われた。

肉体的な欲求よりも、日和と肌をすり合わせているんだという事実が、精神に端を発して、頭の中で明滅する。
初めて見る、日和が人に求愛する表情。切なげな声。汗の味。だ液の味。性器のにおいに、尻の穴。

どれもこれもが新鮮で、鮮やかなまでに眼に焼きつく。
うんこの例えじゃぁないが、日和のこういうところをこんな風に見るのは、本当に初めてだ。
噂にゃぁ聞いていたけれど、本当に日和も人間なんだねと、自分の中の現実世界が、一つ大きく更新されてゆくのがわかる。

強烈だ。
地球が丸いって気づいたくらい強烈だ。日和はやわらかい。

「ひよ…」
「ん?」
「俺達二人して、散々逃げ回ったよな。もうこの世に、逃げ場なんて残っちゃいないよな」
「うん。…うん」
「他のどんな可能性を試してみても、俺達にはしっくりこなかった。ということはだひよ、…オホン。つまりその、俺達はもう、するしかないんじゃぁないのかな?」
「うん…」

断続的なキスをくりかえしつつ、日和にまたがる。
手は添えず、腰と肉物だけで性器を探り、濡れた陰唇に、ゆっくり割りいる。

触れたら呻く、日和の顔。
わずかな肉の抵抗の後、肉物は驚くほど滑らかに、膣道に飲み込まれた。

「ぅあ…! ん、は、はいった…?」
「は、はいった」

本当は、はいっちゃった、が正しい。滑り落ちるように一気に飲み込まれたのだ。なのに腰を引こうとすると抵抗がある。
すがるようにまとわりつく肉の粒が、キチキチと茎に絡みつき、深海がごとき圧力が、緩やかな潮流を伴って茎の周囲をいざよい混ぜる。

際限のない魔界のやわらかさが、腰を止めていても勝手に蠢いているのだ。広いくせに、逃げ場がない。柔らかいくせに、締まる。
これはやばい。こんなものは、尿道で麻薬を吸っているようなものだ。膣でできた阿片窟だ。バカの所業だ。3日と続けたら、必ずバカになる。

「ん…ぁ、ひのちゃん…お腹の中…すごい、にゅるにゅるして…気持ち悪い」
「ば、ばかやろう…こっちは…気持ち悪いくらい気持ちいい」

奥底を2度、コツコツたたく。奥といっても推測でしかない。方向がわからず、本当にこの柔らかいお腹の下に、ちんこが入っているのかもわからない。
ここは深淵の海か、魔界の森か、無限の宇宙か。ぬぱぬぱと、いちいちカリ首に絡みつく肉。ねばりつく肉。
日和のふくらはぎが跳ね上がり、緊張したふとももが、過剰な情報を神経に送り込んでいるのがわかる。

わずかに考え、結論に至る。間違いない、この膣とちんこはピッタリ過ぎるほどピッタリだ。

世の中には相性というものがあるらしい。
なるほど前3人をダシにするようで悪いが、これほどまでかと正直唸る。

根元まで全部入るのだ。
陰唇が、こそばゆい股のつけ根で、わずかな空気すら逃すまいとウネウネしているのだ。ねぽねぽしているのだ。

「だが調子に乗るなよひよ、毎日ごはんを食べてたらパスタを食べたくなるだろう。そうした時のパスタはえてしてごはんよりも評価が高い…」
「ひのちゃん、よくわからないけど殴るよ?」

肉を通して、ぎゅぽぎゅぽといやらしい摩擦が脳に伝わる。今射精したらたいそう気持ちがいいだろうに、なんとか我慢。
全部挿入していると太刀打ちできないから、半分くらい抜いて、亀頭の先で日和を味わう。わずかだが、日和の身体を愛でるくらいの余裕もできる。

してみるといっぱいいっぱいなのは日和も同じようで、ビリビリと焦げ臭い稲妻的なものが、神経を隅まで焼いているよう。
あれだけ挿入がスムーズだったのに、またぐらには赤々としたサクランボ色の鮮血が垂れ落ちているし、歯、食いしばってるし。

「ひよ、ひよ」
「ん? ん? なになにひのちゃん…ひゃぅ…」
「むっちゃくちゃにしていい?」
「ふぇ? な…なに?」
「あのさ、今気づいたんだよ、俺さ…」
「うん、ひゅぁ!! …ぅぅぅぅ…なに?」
「俺さ、ひよが泣いたり、弱気になってるの見たことなんて生まれてから一回もないだろ?」
「……そ、…そだっけ?」
「だからかなー、うん。そのな、……ひよイジめんのがすげー気持ちいい……ぬはははは」
「痛っ…! ぅぁ…ゃ、…ちょっと…ゃ…ひのちゃん!!」

一発目を、奥の肉に射精した。
腰を止めず、嫌がる日和の手首をとって、なお打ちつける。

いけないことはわかりきっているのだが

処女の過敏な肉の坩堝を、ひっかきまわすのが楽しくて仕方ない。嗜虐の至福。
そこまで広くはないベンチだから、いくら日和でも逃げ場がないのだろう。ただただ肉を打たすに任せて、肉串で貫かれるのを、懸命に耐える。

許しを請う顔。哀願する日和の顔。
何度もいうが、こんなものは今まで見たことがないのだ。新種だ。新種の日和だ。

そんなことを考えていたら、すぐに二発目を催してきた。
躊躇いもせずに射精する。少し睾丸が痛かった。

「んぅ!!…ふぁ…、…ぁ、…ん…!! ぁっ、はっ…く…!!」
「ひよ、もうちょっとな」
「ん…ん! …んっぁ…はぁ…、…ふぁ……、……んっく!!」

入口付近まで性器を抜いて、体位を変える。
後ろから、それこそ犬みたいに、手加減もせず。何度も何度も。

気持ちいいとかそういう問題ではない。異常に、気が狂いそうなほど、そうしたいのだ。してしまいたいのだ。

呼吸をほとんどしていなかった。酸素が足りない。ただふとももと、性器の肉にだけ神経をより集めて、叩きつける。
茎の肉は硬さを増す一方。普段一人で処理する時には、どうがんばってもこの硬度には届かないのに、自分でも意味がわからないほど、興奮がせめぎ寄せてくる。

脳みそのパッキンがガタガタらしかった。
その証拠にボンヤリと後頭部が痺れている。ゾクリと、舐めるような震えが、背中を走った。

「んぁ……ぁ…、ん…、あったかい…」
「あのなひよ、先謝っとくけど、あと2回くらい…」

簡単な例えで示すなら、臓器に手を突っこまれてぐちゃぐちゃされるようなもんだろう。
でも日和は耐えた。そんな様子を尻の穴越しに見ているのがたまらなかった。

四発目、五発目、もう少し続けたらただの廃人だというところで、蛍光灯がパカパカするみたいに、理性が回復する。
2人して、長いことかけて息を整えた。回復は、当たり前のように日和の方が早かった。

「ひい、ふう、はあ…よしひよ、もう思い残すことはない、殴れ」
「……よ」
「ん?」
「もっと私の身体に溺れてもいいのよ、火之助」
「え? うそ、このノリでコントすんの?」

なまめく女王みたいな目付きになった日和は、いうにことかいてちょっとうれしかったなどという。
俺が日和の泣きそうな顔を見たことがないように、日和にしても、俺が発狂するくらい日和を求める姿を、見たことがないというのだ。

大概は、ちょっと叱れば、ハイと正す。
その度に自身を失ってきた私の身にもなりなさいと、怒られる。

しらんがなと、乙女心の難しさに嘆息しつつも、おとなしくごめんなさいという。

「でも…よりにもよって初めてでこうなっちゃうのが、やっぱりひのちゃんなんだなー」
「そうなんですかねー」

あんだけ痛がってたのはなんだったのか。
もうわけがわからないから、とりあえず理解しないことにして、キスした。


・・・・・・。


「こんなところにいたのね火之助!」
「んー? レナ…」
「次から鈴をつけなさい。どこにいるかわかるから」

月の傾きから見れば時間はそんなにたってない。
散々に日和と身体をむさぼりあって、グロブスターみたいにプールでプカプカ漂流していたら、宵も昼間も関係ないお姫様の声がした。

隣に浮いている日和を見る。目が合う。綺麗な微笑。
腰に手を絡ませ、滑らかな肌を引寄せると、水に濡れた黒髪が、輝きの表現を変えた。

むくむくと、下腹部に情欲が蠢く。
もう一生分搾りつくしたと思われたのに、情けないやら頼もしいやら。

レナは目を吊り上げてこちらを睨んでいた。つるつるのスネ。なんだか高そうなスリップを着ているせいか、胸がぺったんこでも色っぽく見えるような気がする。

「まさかウチ止めなんていわないでしょうね?」

ジロリと、近視の人がよくやるような睨み方で、うるさいくらいの声の調子は、耳の奥に甘い余韻をしばらく残す。
思い返されるのは、まぐわいの記憶。このお姫様の、乱れた声だ。

不意に身体が、金糸のような髪のにおいを要求する。あのやわらかな肌を渇望する。
ありゃー極上もんだ。お客様がきたときにしかだしてもらえない、高そうなお菓子だ。

諸手を広げて”こっちゃこい”とレナに示すと、彼女はニヤリと笑って、助走のためのスペースを確保した。

止める間もなく尻からダイブ。レナは俺の鳩尾にうまい具合に着地して、きゃーきゃーいいながら抱きついてきた。

「ゲホッ! ゲホ!! うぐぉぉぉおぉおおおお、なんてことすんだオマエ…!!」
「あははは!! 火之助のクセにアンニュイに浸ってるのが悪いんだわ」

後はもう、ただの水のかけあいである。
そんなもんのなにが楽しいのか知らないが、笑いが止まらなかった。

当たり前のように日和を巻き込み、どうせ日和が強いんだからと、レナと組んで襲い掛かる。
応戦する日和はビックリするくらい手加減しなかった。こちらも全力で組伏せる。

気が済んだところで屋内に至るガラス戸を見ると、丁度桜子と結が手を繋いで現れたところだった。
なんで手を繋いでるんだと思ったが、仲がいいのはいいことだ。こっちゃこいと、手招きする。

全員で、プールの隅に寄り集まった。

昇降用の段差がついているのだ。そこなら、ボンヤリと寝そべっても肩がでる。
水の冷たさの反作用か、水から上の少女達の肉はかなり熱い。一人一人の首筋をくちびるでしゃぶり、差しだされた乳房を愛でる。
水の下では、指と指が幾重にも絡まりあって、新種のサンゴみたいになっていた。互いに恥じらいを残しながら、性器をさする。

”んー”とか”あー”とか

皆言葉らしい言葉を発さなくて、目配せしたり、ジッと見つめあったり。
それだけで事足りた。

まったく、こんな幸福が永遠に続けばいいなぁなんて思うのであるが。
そう思って終わっとけば綺麗なものであるが。

ちょっと桜子にいじわるして、みんなの前でおしっこを漏らさせてみた。
放物線が、水の中に呑み込まれていく。ちゃぽちゃぽと、間の抜けた音。

最後の雫を、指でぬぐって舐めてやる。
こっちも水浸しだから、薄まって味なんてしやしない。ポーズだけだ。

桜子は涙目で、今にも悶え死にしそうに真っ赤。自分でも、自分がしてしまったことが信じられない様子だ。

まったくこんな少女の身体を、意に反して屈服させるなど、悪いことするやつがいるなーと、頭を撫でる。
桜子は圧搾機にも勝るサバ折を寄越したが、それはまー甘んじて受ける。仕方ない。首絞められても文句はいえない。

背骨の一本や二本なら安い買い物だ。同意を求めるように他3人を見ると、たじろぎはしたが眼をそらしはしなかった。

ということは、だ。

このラインなら軒並みOKということだ。
そういうことだ。

問題は、だ。だされたものを飲んでいいのかどうかといったところだ。
これは要相談か。


少しだけなまぬるくなったプールの水から、倫理上好ましくないアンモニアのにおいがする。

夏休みの最初の一日は、そうして終わった。


・・・・・・。


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