はーと深い溜息をついた。
 ロシアンルーレットでもしたような気分。
 うまく
 いえないような憂鬱な、きぶ・・・・・・、
 ん・・・だ。






 はろうぃん






 わーいハロウィンだ!よし私の時代が来た!
 類を見ないような上機嫌で、足取りも軽く。
 歩くのはレベイユの街。それも普通に自分が暮らしている階級の場所ではなく、その下層部分である・・・そう、あのギルバート=ナイトレイの住んでいる場所。
 ・・・・・・つまり、白髪赤眼のザークシーズ=ブレイクはハロウィンだ!ならお菓子があるだろう・・・よし、もらってあげますヨー。という発想の元、そこに向かっていた。そして、玄関が見える場所、・・・・・・廊下。

 ふと、足が止まる。
 そりゃもう、あの金髪を見れば嫌でも足が止まる。いや、正しくは嫌だから足が止まる。

 「兄さーんv」
 「わっ!?ヴィンス・・・!」
 「トリックオアトリートー・・・vお菓子頂戴?」

 しかたないな、とギルバートが家の中に引っ込んだ。そこで私はいい悪戯を思いついて、ヴィンセント=ナイトレイの所ににっこりと笑顔を浮かべながら近付いた。

 「ヴィンセント様v」
 「・・・あ、帽子屋さんだ・・・」
 「トリックアンドトリート、さ、お菓子も悪戯もさせていただきましょうか」








 「・・・あれ?ヴィンス?」

 家から出てきたギルバートが見た廊下には、誰の姿も無かった。







 「いやーお隣が空き部屋でよかったですヨォ。ねえ・・ヴィンセント様?」

 にんまり、とブレイクの口元には弧が浮かんでいる。ひらひらと長い袖を腰に当てて、壁際に座り込むようにしているヴィンセントの姿を見下ろすような動きをする。
 白装束の裾が大きく揺れる。

 「・・・僕に、何のよう・・・?」
 「いーえ、ちょっと暇だっただけデス。そもそもハロウィンのあれって言ったモン勝ちのようなものですからネ」
 「・・・・・・」

 ヴィンセントが忌々しそうな眼でブレイクの赤を見据える。その視線すらまるで玩具でも見るような眼で見下ろすブレイク。
 ひらひら、ひらひら舞う装束は、まるでヴィンセントを嘲笑っているかのよう。

 「まあまあ、そんな眼で見ないでくださいヨォ」

 あはは、と軽く笑うブレイクの姿に、やはり忌々しげな眼で見上げるヴィンセント。
 何故逃げないのかって?それは――・・・。

 「動けませんよねぇ?」
 「何を・・・飲ませたの・・・」
 「ただの痺れ薬ですヨ」

 即答を寄越し、いわゆる体操座りのヴィンセントの目前にしゃがみ込めば、左手を床につき、右手でその顎を撫ぜた。屈辱とばかりにヴィンセントの表情が曇りきる。

 「ね、悪戯しますよ?お菓子、無いようですし・・・」












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はい!裏に走りそうなので斬りました!しゃきーん!
一茶さんへささげます、ブレヴィン!
我が家では珍しいブレ攻めですよ!
どうぞもらってください!私の愛と友に!!!!(((((
リクエストありがとうございましたーv








091029