| "MANTIS" 第9話 文:えいじー ――相手の予測や常識、思慮を超えた領域。 そこに踏み込んだ時、初めて奇襲は成立する。 アルデバラン特別アジト、PM1:16。 普段と変わらぬホール内に、普段と違う足音が響く。 「プロンテラで大量のホムンクルスが暴れている」 部下と共にアジトへ訪れた皇太子は、プリーストと対面するなり早口で述べた。 「ホムンクルス…ですか?枝テロではなくて?」 「うむ、国内で確認されているどのモンスターとも違う、人型の化け物であった。 城内ではそなた達のホムンクルスが脱走したか、もしくは故意に放ったと言い出す者まで出始めている」 「……。」 彼女には皇太子の述べる状況が信じられなかった。 確かに今までホムンクルスが脱走した例はあったが、 首都規模の都市内において「大量」と表現される程のホムンクルスが 自分達の気付かぬ内に脱走する事など考えられない。 もちろん、自分達が故意にテロを引き起こす理由もメリットもない。 「ともかく、クリエイター殿と共に現地へ来てくれ。 あの化け物がそなた達のホムンクルスではないと証明できない限り、そなた達がテロの犯人と見なされてしまう」 「それが今、彼女はゲフェンに出かけておりまして…恐らくもう少しで戻るとは思うのですが……」 判断に迷うプリーストに、同じくホールにいたウィザードが口を挟む。 「ケミ子を待つより、とりあえずテロを鎮圧しちゃった方がいいんじゃない? うちらのホムかどうかは殺しちゃった後でも識別できると思うし」 「私もそう思います…。冤罪を晴らすよりも、まずは市民の犠牲を食い止めましょう」 ウィザードから半歩下がった位置で、皇騎士も進言する。 プリーストは皇太子と共に彼女達の言葉に頷き、ワープポータルを展開した。 「ロナ、悪いけど個室にいるスナイパーとダンサーを呼んできて頂戴。 まーちゃんはプロのいつもの場所で露店を出してると思うから、皆で合流して全力でテロを鎮圧して」 「了解しました」 「って、マスターはどうするのよ?」 「私はケミを待ってるわ。ケミが戻り次第私もプロに向かうから、噴水近くで落ち合いましょう」 「それでは、私は一足先に向かっているぞ」 「あ、あたしもお先!」 皇太子とウィザードはポータルの中へと足を踏み入れ、プロンテラへと赴く。 そして数刻後、皇騎士もスナイパーとダンサーを連れてホールに戻って来た。 「んーと、要はテロを全滅させればいいんだよね?」 「わたしは踊りで支援した方がいいのかな……ロナさん、どう思います?」 「ダンサーさんの判断に任せます。…テロ鎮圧の為、最善を尽くしましょう」 プリーストに一礼し、皇騎士はポータルの中に消える。 スナイパーとダンサーも続き、アジトにはプリーストがひとり残された。 「……。」 ポータルが閉じ静寂に包まれたホール内を歩き回りながら、プリーストはもう一度思案を巡らせる。 「ケミに確認するまでもなく、プロにいるのは私達が所有するホムじゃない。 だとしたら……一体何?」 未知のモンスターの来襲か、または全く別の組織が造り上げたホムンクルスか。 前者ならば只事でないとは言え、カマキリにとっては厄介な問題には発展しない。 だが、恐らく後者の方が可能性は高い。 「でも…確認されている限り、国内にはホムを造れる組織は存在しないはず。 第一、ジュノーですらホムをまともに造れる組織はほとんどないと言うのに――」 ぴたりと、彼女の足が止まる。 ジュノー国内に存在し、彼女と深い因縁を持つギルド。 そのギルドもホムンクルスを造れるという噂を、以前聞いた事があったのを思い出す。 「――。」 以前から頭の片隅に在った不安が、急速に脳全体に拡がっていく。 砦内においても攻城戦の時間以外の闘争行為、及びそれに伴う傷害・殺害行為は禁じられており、 特に正規承認ギルドが違反した場合は極めて厳しく処罰される。 一般の犯罪者にはこのアジトの場所は知りえない。 恐らく正規承認ギルドである襲撃者が、攻城戦以外の時間にここを襲うという馬鹿な真似をするはずもない。 よって攻城戦の時間以外はこのアジトは安全である……そう結論付けていた。 だからこそ今も、自分以外のメンバーを全てプロンテラに送り出したのだ。 ――しかし。 本当に今、このアジトは安全なのだろうか? ・ 「――ぐっ!?」 突然彼女の視界がぐらりと揺れる。 そのままぐるりと回り地面へと落ちる。 何が起こった。 どこかに頭を強打したような衝撃。 何処に? こんなホールの中央で? 違う。 誰かに 攻撃された。 誰に? 敵ギルド? 違う。 今日は日曜日じゃない。 ならば誰に? まさか、 本当に奴等が? 「く、ぅっ!」 地面に頭を打ち付ける寸前で片手をつき、辛うじて体勢を整えようとする彼女。 その背後に、聞き覚えのある男の声が聞こえた。 「一人だとあっけないもんだな、ギルマスさんよ」 直後、背中に石材で殴られたような強烈な衝撃。 拡がりきった不安で染められた彼女の意識は、そこでぷつりと途絶えた。 ・ 「ふっふ〜、サッキュバス〜、インキュバス〜♪」 カート一杯にモンスターの死骸を詰め込みながら、 クリエイターは上機嫌でアジトへと戻った。 「まさかゲフェニアのモンスターのサンプルが手に入るとはなぁ……王国の捜索隊に感謝しなきゃ」 ゆっくりとした足取りでカートを引き、長い通路を抜けてエントランスホールへ。 「ただいまー!」 笑顔で叫んだ言葉は、誰に届く事もなくホール内に残響を響かせる。 「あれ…みんな留守なのかな」 カートを下ろし、軽くなった両腕をぐるぐると回しながらアジト内を歩き回る彼女。 「おーい?」 食堂にも誰もいない事を確認し、ホールを挟んだ反対側にある実験室へ。 「おー……」 そこで彼女が見たのは、 全身を縛られ苦しそうにもがくプリーストだった。 「マスター!?」 猿轡を噛まされたまま激しく首を振るプリーストの元へ駆け寄るクリエイター。 その一歩目を踏み出した直後、背部への強烈な衝撃と共に身体が崩れ落ちる。 「あっ……?」 受け身も取れぬまま床に叩き付けられそうになった身体が、誰かに抱きかかえられるように止まる。 そして両腕を後ろ手に縛られた後、うつ伏せの状態で床に押さえ付けられる。 目の前の状況や自分の身に起きた現象を把握し切れぬ内に、彼女はプリーストと共に捕えられた。 「おかえりなさいませ、クリエイター殿」 クリエイターを床に押さえつけたまま、ローグはゆっくりと言い放つ。 「ちょ、何?何なの!?離して、離してよ!」 「おいおい、せっかく捕えた獲物を逃がす馬鹿がいるか?」 言いながらローグは彼女のスカートを捲り上げ、大きめの下着の両端に手をかける。 「――やっ!?嘘、やめて……っ!」 「プリには手を出さぬようマスターに言われてるが…あんたについては好きにしろと言われててな」 じたばたと暴れるクリエイターに構う事なく、ローグは下着を一気に取り去る。 そして秘所に指を突き入れようとする……が。 「……あぁ?」 ローグの指は彼女の膣口に届く事なく、冷たい金属の感触に阻まれる。 彼女の身体を反転させ股を開かせたローグが見たのは、彼女の秘部を覆う貞操帯だった。 「ちっ、悪趣味なもんつけやがって」 「や、痛、いたいっ!」 開脚の角度を変えたり指を引っ掛けたりするが、貞操帯は外れるどころか隙間を開ける気配すら見せない。 思わぬ障害に焦れたローグは、すでに挿し込む準備のできている逸物を取り出し、彼女の頭を強引に引き寄せる。 「い、いやっ……んぐぅ!?」 僅かに開いた彼女の口に張り詰めた陰茎を押し込み、頭を押さえつけて2、3度前後させる。 そして唾液のついた陰茎を引き抜くと、もう一度彼女の身体を反転させて尻を鷲掴みにした。 「前の穴が使えないなら、こっちの穴を使わせてもらうぜ」 「ひゃ、あぁっ!駄目っ!」 白桃のような彼女の尻を掻き分け、奥に隠された菊座に自らの先端を押し付ける。 その感触を拒絶し激しく身をよじらせるクリエイターだが、 両手を縛られうつ伏せにされた不自由な体勢では、思うように身体を動かす事もできない。 「っ――ぅあぁっ!?」 陰茎が弾かれるように尻の谷間を何度か前後した後、充血した亀頭が僅かに菊座の中に埋まる。 その手ごたえを感じたローグは、両手で彼女の腰をしっかりと掴みながら腰に体重を傾けた。 「力抜けよ…あんまり抵抗すっと裂けちまうぞ?」 「いや、ぁっ……!」 異物を拒む菊座の抵抗を押し返すように、ローグは強く短く腰を突き出していく。 はじめの挿入で亀頭全体が、そして次の挿入で陰茎の中ほどまでが納まる。 「……っく、うぅぅ……っ!!」 3度目にローグが腰を強く突き出した時。 彼女の直腸の中に、ローグの怒張が根元まで挿し込まれた。 ・ 「おら、全部入ったぞ」 「う、うぅ……やぁ」 彼女の膝を立たせた状態で、ローグはアヌスに埋まった逸物をゆっくりと掻き回す。 そして短く、ゆっくりと引き抜き、再び根元まで強く叩きつける。 この抽挿を何度か繰り返した。 「や……ぁんっ!……っ!」 「何だ、慣らさないでも大丈夫じゃねぇか…こっちの穴は使い込んでんのか?」 「ち、ちが……っぁあっ!」 彼女の返答を無視し、ローグは大きく腰を振り始める。 尻を両手で掴み、指が吸い付くような柔肌の感触を楽しみながら、 ローグは丹念に彼女のアヌスを蹂躙していく。 「んっ、んぅっ、くぅ……っ」 抽挿を繰り返しながら、ローグは右手を彼女の上着に伸ばし、胸元に開いた隙間に指を引っ掛ける。 そしてそこから一息に引き裂くと、露わになった小さな胸を押し潰すように撫でまわした。 「ひゃ、あぁっ!」 「っかし小さい胸だな……これじゃまるで野郎を相手にしてるみたいだぜ」 「ば、馬鹿っ、うるさい……っ!」 「まあ、可愛いケツと鳴き声が楽しめれば充分だが、な!」 「――ひぃんっ!?」 胸をまさぐっていた右手を戻したローグは、おもむろに彼女の尻を平手で強く打った。 乾いた音が室内に響き、クリエイターはびくりと身体を震わせる。 「そうそう、いい声だぜ」 「ひゃ、あ、何…ぅく……っ!」 突如弾ける痛みに反応し、肉棒の突き挿されたアヌスが締まる。 その感覚を味わいながら、ローグは彼女の腰を支え、リズミカルに抽挿を続けた。 しばらく、無言の抽挿が続いた後。 背後から犯され続けていたクリエイターが、無理な体勢で懸命に振り返りながらローグに言い放つ。 「…アンタなんか……」 「あ?」 「アンタなんか……ギルドのみんなが戻ってきたら、タダじゃおかないんだから……」 「――はん」 腰の動きを止め、再び彼女の尻を平手で思い切り叩くローグ。 「――ひゃぁっ!?」 「他の連中はしばらく来ねぇよ。俺の事より自分の事を心配したらどうだ?」 「ゃ、やぁぁっ!……痛い、っ、やだ……ぁくっ!」 先程と違い、ローグは何度も尻を打つ。 最初は毒づきながら激しく身をよじらせていた彼女だったが、 際限なく続く苦痛に、次第に懇願へと言葉が変わっていく。 「……やぁ…おねがい……ぃっ!…やめて…――ひゃぅっ!」 「止めて下さい、だろ」 「ひぅ――っ!!……やめて…くださ…い……っ!」 大粒の涙を浮かべ震える声をあげる彼女。 その様子に満足したローグは、赤く腫れた尻をしっかりと掴み、再び強く腰を前後させる。 「っ……そろそろイクぞ」 「……ぅ、うっ…うぅ……っ」 もはや抵抗する気力を失った彼女は、激しさを増すローグの抽挿にも大きな反応を見せない。 ぐったりと上半身を床に投げ出しながら、排泄部に突き挿された肉棒に下半身を突き動かされる。 「――っく!」 短い呻きと共に腰を突き出し、そのまま堪えていた欲望を彼女の尻の中で暴発させるローグ。 菊座の締め付けと自制心で抑え付けられていた白濁が、解放された勢いのまま彼女の腹の奥に流れ込んでいく。 「――っ、はぅ……ぅっ…」 排泄部が液体で満たされる不快感、そして本来使われない場所で絶頂を迎えられた恥辱に、 クリエイターは涙を流しながら弱々しく嗚咽した。 ・ 「見てみろよ、ギルマスさん」 射精の終えたローグは繋がったままのクリエイターを自分の上に座らせるように起こし、 露わになった小さな胸や貞操帯に覆われた股間、そしてアヌスから溢れる白濁をプリーストに見せつける。 「本当はあんたにしてやりたいんだがよ…残念だが俺のマスターに譲るとするぜ」 拘束され発言も封じられたまま、プリーストは憎々しげにローグを睨みつける。 状況は決して思わしくなかったが、プリーストはまだ諦めてはいなかった。 ウィザード達がアジトを出てから既に1時間強。 テロを殲滅して戻ってくるか、もしくは一向に来ない自分達を案じて戻ってくるか。 いずれにしても、彼女達が戻ってくれば状況は好転する。 目の前で起こる陵辱にじっと耐えながら、プリーストはその時を待っていた。 だが、状況は彼女の思惑を外れた方向へと変化していく。 「お、時間通り来たみたいだな」 ホールの方向から小さく響く二つの足音。 慌しさも動揺も感じられぬその足音は、扉の開いている実験室へと真っ直ぐに近づいて来る。 「――!?」 足音の主である二人の男が実験室に現れた瞬間、プリーストの瞳が大きく見開かれる。 悪化する状況への絶望に。 そして、自らの脳を満たしていた不安が具現化する驚愕に。 猫耳をつけたアルケミストの少年、そして荘厳な衣装に身を包むハイプリーストの男。 それが、足音の主であった。 アルケミストを実験室の入口に待機させたまま、ゆっくりと歩き出すハイプリースト。 そしてローグやクリエイターの横を通り過ぎ、プリーストの側で静かに片膝をつく。 「――久しぶりだね、姉さん」 プリーストを見つめ、彼はにっこりと笑った。 |