妄想ShortStory

えいじーさん作 妄想SS第8弾! 今回で予定されたメンバー各話が終了。次からは新たな展開が…!(最終更新 05/1/25)

"MANTIS" 第8話
文:えいじー


――踊る者に魅せられた者は自分が踊らされている事に気付かない。
  まるで罠に掛かりもがく蝶のように。


プロンテラ、PM8:24。
庶民の知り得ぬ非公認の高級酒場に、バードが奏でるハード調の曲が響く。
舞台の中央に立ったダンサーは、観客の視線を一身に浴びながら曲にステップを添え、舞い続ける。

「みんな!楽しんでるー?」

言いながらステップを止めて、ステージの前方へ擦り寄るようにポーズを決めるダンサー。
股間が強調されたそのポーズに、最前列の客は身を乗り出すように見入る。
装飾の散りばめられた4本の紐に支えられ、ほぼ丸出しの陰部を辛うじて隠している中央の薄布。
その薄布に伸びかけた客の手を避けるように、ダンサーはバク転で舞台の中央に戻り、踊りを再開する。

激しい動きに合わせ幻惑するように舞い上がる衣装。
その大きさと弾力をアピールするように、先端を隠す薄布を振り落としそうな勢いで揺れ動く乳房。
全身から弾け、眩い照明を浴びて宝石のように輝く汗。
そして振り乱された美しい髪から垣間見える、魅惑的で挑発的な顔立ち。

観客は数十年物の美酒の味を忘れ、協奏が終わるまで彼女の踊りと身体に酔い続けた。


演奏が終盤に差し掛かった時、舞台袖から不意に鞭が投げ入れられる。
彼女は小さく跳んでその鞭を手に取ると、次いで投げ入れられた矢をもう片方の手で受け止め、
鞭のしなりと自らの回転による遠心力を利用して矢を撃ち出した。

先端に吸盤の付けられた矢は観客の頭上を越え、壁に取り付けられた的に当たる。
それを見届けた彼女が鞭を手にポーズを決めたのと同時に、演奏は終わりを迎えた。


「――さぁ、幸運の矢が選んだ今宵のダンサーのお相手は……26番の方です!」

拍手と歓声に包まれた場内に、的の番号を確認した司会者のアナウンスが響く。
ダンサーは笑顔で声援に応えながら、26番のテーブルへと歩いていった。



「ご苦労。今日もいい踊りだったぞ」
「――あら、伯爵様!」

26と書かれた札が取り付けられた木製のテーブル。
そこに座る中年の男に迎えられ、ダンサーは嬉しそうに驚く。

「こらこら、その呼び方は止めたまえ。ここでの私は只の中流貴族、シーザーなのだよ?」
「ふふ…そうでしたね。ごめんなさい、シーザー様」
「うむ、気にするな」

オペラ仮面のずれを直しつつ、男は満足そうにダンサーを招き寄せる。
男の隣に座ったダンサーは、腰に手を回されながら笑顔で男に擦り寄った。

「それにしても、先週に続いて今週もお前がここに来るとはな」
「ええ、私もびっくりです」
「実は私の席の番号を狙って矢を放っているのではないか?」
「とんでもない!的を狙うだけでも精一杯なのに、その中に書かれた番号まで狙うなんて…。
 それにどの席にどなたが座っているのかなんて、支配人が教えてくれるはずがありませんよ?」
「それもそうだな。…まあ、天が与えた幸運に感謝するとしよう」

上機嫌でグラスを傾ける男の側で、彼女は変わらぬ笑顔を保ち続ける。


言うまでもなく、彼女は26番を狙っていた。
酒場の支配人でありカマキリの同志である商人から伝えられた26番テーブルの客人。
伯爵と呼ばれシーザーと言う偽名を名乗るこの男こそが、
今回の襲撃の黒幕と予測される人物であった。

ルーンミッドガッツ王国軍・軍事技術開発部門総括、グワイツ伯爵。
シュバルツバルド共和国と冷戦状態の続く緊迫した状況の中で、
「動から静へ、兵士から兵器へ」をスローガンに掲げ兵器開発予算の大幅な増加を実現し、
同時に兵器産業から莫大な賄賂を得たと噂される人物である。

そんな彼の快進撃をつまづかせたのがMANTISだった。
彼女達の提示したホムンクルスは既存技術である兵器よりも強く国王の興味を惹きつけ、
国の対外方針は軍事的競争から文化的競争へと転換、
彼の演説もむなしく兵器部門の予算配分は大幅に削減された。

短期間で台頭したMANTISを城内で良く思っていない者は少なくないが、
その中でもMANTISを憎む明確な理由があるのは彼である。
そんな推測のもと、商人は彼の通う酒場を買収し、MANTISの新参であるダンサーを派遣させた。


週に1度開催される高額のダンスショー。
その踊り手が放つ矢に選ばれた客は、一晩の間彼女を自由にできる。

酒場に突如加えられた新たな催しに、伯爵は他の貴族と共に没頭していった。





「さて、私も2度目の経験なので要領は得ているつもりだが……」

言いながら、男はダンサーの腰に回した左手を上に滑らせていく。

「んっ……」

やがて左胸に到達した男の手の感触に、軽く吐息を漏らすダンサー。
その様子を眺めながら、男はゆっくりと彼女の胸に埋めた左手を動かし始める。

「ぁん…シーザー様、お楽しみは部屋に着いてからお願いいたします…」
「わかっている。が、今日はすぐ楽しみたくてな」
「そんな、周りのお客様に見られてしまいます……っん!」
「この照明ならばそう目立ちはせんよ。第一、他の客もお前との情事を目当てに来ているのだから、
 仮に私との行為が見られても問題はないだろう」

男は股を軽く開き、自分の左足に彼女の右足を絡めさせる。
彼女の脚が乗せられた男の下腹部は、瞬く間にむくむくと隆起していく。

「わかるかい…お前の太股につぶされただけでこんなになっているのだ。
 早く、早く鎮めてくれ……」

彼女のうなじに唇を寄せながら、男は右手を彼女の股間に押しつける。
薄布越しに激しく指を揺り動かした後、おもむろに手を薄布の中へ。
そして汗と僅かな愛液に濡れる彼女の蜜壷を無遠慮に掻き回す。
左手は既に胸を覆う薄布を擦り上げ、露わになった先端を入念に弄っていた。


「はぅ、やぁ…っん、だめ、恥ずかしい……っ」

首を振りつつ、乳房と膣内を弄ぶ男の手に自分の手を重ねるダンサー。
男の愛撫を制止する素振りはなく、露出した自分の部分を隠す為に手を添えているようであった。

「ふん、そんなに見られるのが嫌か。ならば…」

そう言うと男は彼女の身体を反転させ、自分と向き合うように股の上に腰掛けさせる。

「これなら、他の男にはお前の背中しか見えないだろう?」

不安の表情を残しながらも、ダンサーはこくりと頷く。
その反応を待ち望んでいたかのように、男は喜々とした様子で自らの怒張を露わにした。

「さ、自分で挿れてみせてくれ」
「は……はい」

ダンサーは股間の薄布をずらし、露わとなった膣口を男の先端にあてがう。
そして男に抱きつきながら、大きく開いた股をゆっくりと沈めていった。


「ん……んっ!」

柔肉を押し広げられながら腰が沈む感触に、ダンサーは漏れそうになる嬌声を懸命に抑える。
やがて腰が根元まで沈み込んだのを確認すると、彼女は男の頭を抱き寄せ自らの乳房に押し当てた。

「い…いかがですか……?」
「うむ。熱くしっかりと締め付けてきて、非常に気持ち良いぞ」
「あ、有難うござい……っう!」

前触れもなく密着した下腹部を突き上げられ、ダンサーは顔を歪める。
ボリュームのある両胸に顔を埋めながら、男は彼女の腰をしっかりと掴み、強く、短く腰を打ち付ける。

「っ!うっ!――っはぁ!」

最奥から身体全体に響く衝撃に、彼女の口から一際高い嬌声が漏れる。
場内にはバードの演奏が響いていたが、その音が隠し切れない嬌声が、確かに響いた。

「どうした…我慢せずもっといい声で鳴いておくれ」
「く、うぅっ……やぁ、周り、聞こえちゃ……っぁ!」

心無しか背後に視線を感じる彼女。
自分の嬌声が周りの客に聞こえたのか。
この席で行われている情事に気付いた客が、剛直に貫かれ淫らに動く自分の尻や背中を見ているのだろうか。

「は、あぅ!いや……ぁ!」

快楽と羞恥心に身体中を支配され、ダンサーは男にすがるように強く抱き締めた。

「く…一度、出しておく、か」

根元まで納めた肉棒が急激に締め付けられ、男は苦しげに呻く。
そして肉棒をゆっくりと掻き回した後、先程とは違い連続的な抽挿を始める。

十秒も経たぬうちに男はビクリと腰を震わせ、最奥まで一気に肉棒を挿し込んだ。


「――ひゃ、あぅ……っ!」

男が膣内で達したのを察し、反射的に腰を浮かせ逃れようとする彼女。
そんな彼女の腰を押さえつけながら、男は何度も下腹部を痙攣させ精液を注ぎ込んだ。





「はぁ……ぁ…」

荒く吐息を漏らしながら男にもたれかかるダンサー。
その身体を、男は両脇を支えるように持ち上げる。

「ぁ……えっ?」
「何を休んでる、まだ終わりではないぞ?」

言いながら男は腰を90度回転させ、根元まで繋がったままの彼女をソファーの上に押し倒す。

「や、きゃあっ!……駄目っ、見られちゃ……あぁっ!」

彼女の控えめな抵抗を上体の力で押さえつけ、膣内で再び肥大した怒張を掻き回す男。
男が突き入れるたびに彼女の両胸は大きく揺れ、男が引き抜くたびに結合部から白い粘液が泡立ちながら溢れ出す。

「や、ひゃ、あうぅっ!」

激しく揺れ動く両胸を隠そうとする彼女だったが、その両手は男に跳ね除けられる。
マッサージをするように胸を撫で回されながら先端の突起を指で強く摘まれ、
両脚を大きく開かされた状態で肉棒を何度も挿し込まれる。

やがて彼女が抵抗を諦め、起こしていた頭をソファーの上に投げ出した時。
逆向きになった彼女の視界には、自分達の行為を覗き込む他の客達の姿がはっきりと映し出された。


「――っ!?いや、見ないで……っ!」

小さく悲鳴をあげて再び僅かな抵抗を見せる彼女だったが、男の全身の動きを止める事すら叶わない。
逆にその動きが局部の感触に変化を与え、男を悦ばせる結果となってしまっている。

「…だめ、おねがい……はぅぅ…」

全裸に近い恰好で犯されながら、彼女はもはや両手で顔を覆い弱々しく嬌声を漏らすことしかできない。
無抵抗になった彼女の姿に嗜虐心を煽られたのか、男は彼女に覆い被さり激しく腰を前後し始めた。

「――っく、うぅっ、くぅ……っ!」

身体がソファーに沈み込む程の激しい抽挿にも、彼女は弱々しい反応しか見せない。
バードの演奏は休止しており、場内には肌の打ち合う音とダンサーの嬌声だけが響く。

しばらく、男の無言の抽挿が続いた後。

「っ、あっ、はぁっ………ひぁっ!?」

男の動きが突然止まり、ダンサーの身体もビクリと震える。
そしてそのまま、男の腰がビクビクと震え続ける。

「…ひゃ…あぁ……ぁ」

大勢の視線を浴びながら、2度目の迸りを最奥に受け続けるダンサー。
射精を終えた男が肉棒を引き抜くと、膣内から溢れ出た精液が彼女の尻を伝いソファーの上に落ちていく。
痙攣のたびに精液が溢れ出る蜜壷を、他の客達が食い入るように見つめていた。



「今日のシーザー様、怖いです」

場内には再びバードの演奏が流れ、行為を見終えた他の客は自分達の席に戻っていく。
ダンサーは男の股の間に跪き、ドロドロになった肉棒を舐め上げながら不満を漏らした。

「…すまんな」
「先週のシーザー様はもっと優しかったのに…何かあったのですか?」
「まあ、こう言う日もあるさ」

ワインを飲み干しながら言葉を濁す男だったが、ダンサーはそれを許さない。

「あんなに乱暴にされて、他のお客様にも見られて…ちゃんと理由を言ってくれなきゃ納得できません」

言いながら、ダンサーは固さを失いかけた肉棒を横から軽く噛んだ。
突然の痛みに男は短く呻き、視界を自分の股間に取り付いたダンサーに向ける。

「こらこら、やめんか」
「むぐ…言ってくれるまで、やめません…」
「わかった、わかったから離してくれ」

ふくれる彼女の頭を撫でながら男は苦笑する。
ダンサーは陰茎を解放すると、再び表面についた白濁に舌を這わせ始める。

「ちゅ、ぅむ…お仕事で……ん……何か、トラブルがあったのですか……?」
「…まあ、そんなところだ。順調だった公務を女狐どもに妨害されてな」
「女狐……ですか」

男との会話の合間に、舐め取った精液をうっとりとした表情で飲み下す。
精液の代わりに唾液にまみれた肉棒が再び大きくなっているのを確認すると、
彼女は肉棒を右手で押さえ上げ、根元に口を寄せて陰嚢を丹念に吸い寄せる。

「ぁむ……」

彼女がもごもごと口を動かすたびに、右手を添えられただけの陰茎がびくりと脈打つ。
先走りの伝う竿には一切刺激が与えられぬまま、陰嚢への口技がしばらく続いた。


そんな愛撫の合間。

「――でも、シーザー様のお力と人脈があれば、女狐を追い払う事など容易いのではないですか?」

ごく自然な口調で紡がれた、彼女の言葉。
その言葉に、男は怪しむ様子もなく答える。

「うむ、もちろんそうだとも。……だが、襲撃を依頼したギルドが失敗ばかりしていてはどうにもなるまい?」

美酒をあおり美女の奉仕に酔いしれ、男は増長した様子で言葉を漏らす。
目的の言葉を聞き出し、ダンサーは男に見えぬように笑みを浮かべた。


「大変そうですね…でも、昂ぶりを吐き出したのですからもう大丈夫ですよね?」
「いや、最後にお前の口に出さなければいつもの私には戻れないな」
「もう…やっぱり、今日のシーザー様は我侭です」

微笑みながら陰嚢から口を離し、ひくつく陰茎を優しく撫でながら先端から溢れる先走りを舐め取る彼女。

「…よし、そろそろ……っく!」

男の指示を予測していたかのように、ダンサーはためらいなく怒張を根元まで頬張る。
そして竿の根元に両手を添えながら、すぼめた口をゆっくりと前後し始めた。

「ん、んっ……んむ……ぷはぁ…」

すぐにも暴発しそうな怒張をじらすように、唇で締め付けながらゆっくりと根元へ、そして少し後ろへ。
そんな往復を何度か行った後、いやらしく音を立てながら唇を雁首まで引き戻す。
そして両手を根元と陰嚢に添え、器用に愛撫しながら激しく唇を動かし始めた。

激しい奉仕に彼女自身の身体が揺れ、膣口から垂れ落ちる白濁が床の上に液溜まりを作っていく。
男も酒を飲むのを止め、彼女の頭を押さえて下腹部に沸き上がる快楽に集中した。


「これが終わったら部屋でたっぷりと可愛がってやろう。私の事も伯爵と呼んで構わないぞ」
「ふ…んむっ、はい、わかり、まし………んぐ……っ♪」

絶頂を迎えた男の陰茎が激しく脈打ち、口内に精液を溢れさせて彼女の言葉を遮る。
やがて口一杯に溜まった精液を舌で転がしながら、ダンサーは男を見上げ幸せそうに笑みを浮かべた。





その後、部屋に連れられたダンサーは朝まで男に抱かれ続けた。

男をプロンテラ城の近くまで見送った後、ダンサーは営業を終えた商人と共にアルデバランに戻る。
人目につかぬよう慎重にアジトへ戻った二人を、プリーストがホールで出迎えた。

「お疲れ様。どうだった?」
「ビンゴ」

プリーストの問いに揃ってVサインを示す二人。

「まーたんやプリさんの言う通り、伯爵がここの襲撃を依頼してたみたいです。
 酒場内で1回、ベッドの中でも1回。表現は違ってたけど確かに言っていました」
「このアジトの位置を知ってるのが国の上層部ぐらいだからねぇ。
 十中八九あの伯爵だと思ってたけど、ダンサのおかげで確証がとれたよ」

互いに笑い合う二人に、プリーストは腕組みしながら微笑む。

「後は伯爵と襲撃者との癒着現場を押さえられれば万事解決ね」
「ギルド個人による襲撃ならともかく、国の上層部が絡んでいるとなると国王が黙ってないだろうしねぇ…」
「伯爵の監視は私から皇太子に頼んでおくから、二人は休んでいいわ。ダンサーは安全日の確認も忘れないでね」
「はーい」

商人とダンサーは共に階段を昇っていき、それぞれの個室へと姿を消した。
ひとりホールに残り、頭の中で皇太子への依頼文を練っていたプリーストだったが…その思考が一瞬、止まる。


「――このまま、あっさりと終わってくれるのかしら」


次の日曜までまだ充分に時間はある。
もしそれまでに伯爵を押さえられなくとも、次の襲撃を防衛すればいいだけの話だ。
今までの襲撃を見る限り、こちらの防衛力に不安は全くない。


しかし、何かを見逃している。
そんな根拠のない不安が、何故か彼女の頭の片隅に張り付いて離れなかった。

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