|
「黒斗」 「あ」 久し振りだった。 伽流が1位を取り始めてから、挨拶以外の言葉を聞いたのは、始めてかもしれない。 「何ですか?」 「君にね、私直属の部下になってもらおうと思ってね」 「え?」 これは、何かの夢だろうか。 だって、自分は1位じゃないのに。 「あの、伽流は」 「ああ、あの子にもなってもらうよ」 やっぱり。 一人ではないんですね。 でも、 それでも、 嬉しいと思うのは駄目ですか? 「あと、もう一人、三位の子も入る」 「はい」 「何かあるかい?」 「いえ」 「じゃあ、これからも宜しく」 「宜しくお願いします」 その人は背を向けて去っていった。 直属の部下。 それが、意味する所は、天国と呼べるものだろうか。 それとも、地獄と呼ぶべきものなのだろうか。 どちらにしても、嬉しいことには、変わりは無い。 だって、最初に、 落下する覚悟はしていたのだから。 |