「ねえ」

彼女が尋ねてくる。

「聞こえる?唄」
「ああ、聞こえるよ」

可愛らしい少女の唄声。
朽ち果てた天界には不似合いな程綺麗な。

「どこにいるのかしら?」
「さあ」
「ふふ、でもまだいたのね。
 音階が狂わずに唄える娘」
「……ああ」

声の聞こえ方からして、近くにいるはずなのに、
姿は見えない。

「本当、純真な唄」
「ああ」

だから、この唄は、
幻ではないか、と。
「ふふふ」
「楽しそうだね」
「ええ、だって嬉しいもの」

幻でもいい。
彼女が喜んでくれるなら……。





(プラウザバックプリーズ)