|
「あー、もうお兄さん頭きたよ?」 そう言うなり、そいつは、胸元から、 ナイフを出した。 (銃じゃないんだ) 相手は銃なのに。 しかも、複数だし。 こっちも2人っていう複数形だけど、戦えないし。 「んじゃ、ちょっと、殺ってくるから、待っててね」 「はあ」 男はそう言うと、敵軍団に突っ込んでいった。 忘れられていなかったか。 何だろ、この気持ち。 (無謀だよな) ナイフ単体 対 銃複数(十以上) 明らかに不利だ。 バンバンバン 銃声が響く。 キン。 金属音が響く。 (え?) 男は、全ての弾丸をナイフで受けて弾いていた。 弾いた弾は狙いたがわず敵に当たる。 「ぐわっ」 「うわ」 どんどん敵の数が減っていく。 ひらひらと回りながら、赤い物を撒き散らし、 まるで、 何か綺麗な物のように見えた。 例えば、そう、蝶々とか。 (蝶々にするにはでかすぎるけどな) そんな事を思いながらも、あの男の闘いに魅せられてしまったみたいだった。 |