2008年12月から始めたお遍路銭湯。2,3日に1銭湯のペースで、半年以上を要して、
2009年7月11日をもって88箇所を迎え結願することができました。
地域別と数では、杉並区25、中野区15、新宿区8、大田区6、台東区5、練馬区4、世田谷区3、文京区3、
千代田区3、渋谷区2、豊島区2、品川区2、中央区1、武蔵野市3、三鷹市1、清瀬市1、狛江市1、町田市1、
小金井市1、小平市1と、都内13区7市に銭湯のために訪れ、振り返ると地元の杉並区は断トツに多いとして、
はかにもいろいろな場所に訪れ、銭湯に加えて都内の多くの場所を知るきっかけともなりました。
また、八十八箇所を制覇したあとは東京銭湯組合にスタンプ帳を送付すれば、組合サイトに
名前(ニックネームでも可)が掲載されるのと、銭湯お遍路達成認定証と銭湯バッジがもらえます。
さて、八十八箇所目を飾ったのは小平市の「小平浴場」で、実は銭湯お遍路を始める前に唯一
訪れたことがある銭湯で、以前小平市に住んでいた時に自転車で来たことがあります。
偶然にも小平市に住む先輩から久しぶりに飲みの誘いがあり、それではひとっ風呂浴びてから参加
しますよという流れになり、久しぶりに西武鉄道に乗り、一橋学園駅までやってきたのであります。
そして、88箇所目がこの銭湯になったという感じです。
電車を下りて、駅周辺に懐かしさを感じながら、銭湯マップの地図を頼りに銭湯に歩いて向かう。
ひたすら真っ直ぐうに進み左に折れると見えてくるので、初めてでも分かりやすい場所にある。
ひぐらしの鳴く声が聞こえる中、木造建築で昭和の時が止まったような外観がお目見えした。
東京銭湯の特徴である唐破風の寺社建築で、玄関は道路に面してはおらず、グリーンロードの絵看板が
置かれた玄関を入ると、横方式の傘入れと下足箱があり、外に喫煙所が設置されている。
番台は継ぎ足しがされておらず、日本人の身長が低かった建築当時のままの高さで、中央には懐古な時計が
現在も時を刻み続けている。格天井には天井扇(シーリングファン)が回り、蛍光灯が高い天井から吊るされている。
上下二段のロッカーが、壁側に置きロッカーと島ロッカー二基に分かれ、坪庭には池があったような跡が見られた。
石鹸やシャンプー類も少しだけ販売されており、ジュースは、銭湯組合協賛の大塚製薬を始め、
ビンのコカコーラなども販売されいた。
脱衣場の高窓には菱形の模様の入った意匠があり、浴室に入ると正面に大きなペンキ絵が見えるが、
富士山の絵ではなく、瀬戸内海の絵が描かれていた。富士山の絵が八割以上を占めるだけに珍しい。
タイル絵はモザイクタイル絵で、白鳥などが描かれている。
洗い場は四つの島に分かれ、シャワーがあるのは男女境壁の六ヶ所のみで、カランは銭湯のマークが入った
赤と青の押しボタンで、湯の出る赤い方が水の青に比べて太く造られている。椅子はプラスチックのM字型の
座椅子で、風呂桶は黄色のケロヨン桶である。
奥壁側の浴槽は深浅二層式で、座ジェットとバイブラがあり、どちらかというと熱い湯である。
この銭湯の大きな醍醐味は、さほど建築当時からあまり手が加えられていない姿にこそあると思います。
訪問日:2009年07月/東京銭湯巡礼・個人的第88番目札所